2018年にブログで紹介して売れた本ベスト10


 

 本記事では、「2018年にブログで取り上げたなかで、特に売れた本」をご紹介。それぞれの本について、簡易的な紹介文とレビュー記事へのリンクも併記しております。

 順位付けに際しては、Amazonアソシエイトのデータを参照。ブログ記事で感想を書くなどして取り上げた「本(マンガ含む)」を対象に、Kindle本と紙の書籍の売上点数を合計。上位10冊をまとめました。

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10位『世話やきキツネの仙狐さん(1)』

 現代人に足りないもの──それすなわち、のじゃロリ狐娘である。

 本作を一言でまとめるなら、「社畜が “のじゃロリ狐娘” にひたすら甘やかされる日常モノ」。

 残業を終わらせて一人暮らしの家に帰ったら、ケモミミ幼女が笑顔で出迎えてくれる──。『世話やきキツネの仙狐さん』は、そんな僕らの夢を冒頭8ページ目にして叶えてくれる。すごい。ヤバい。かわいい。しっぽもふもふ。

 とある有識者曰く、「人生は狐娘の数だけ幸せになる」。2018年を狐娘で彩った当事者の1人が語っていたこの言葉を体現するかのように、早くもアニメ化が決まった本作。甘やかされる準備は万端だ。映像で動く仙狐さんを目の当たりにする前に、ぜひとも原作を読んでほしい。

9位『図書館の大魔術師(1)』

 主人公は、本が大好きな少年。ジャンルを問わず「物語」が大好きな人が本作を読めば、きっとその展開に興奮せずにはいられないはず。

 正直に言って、ありがちと言えばありがちな物語だと思う。ただ、その “ありがち” の純度が明らかに違う。物語構造のテンプレートを単になぞるのではなく、その展開に説得力があり、キャラクターが生き生きとしていて、尋常じゃない熱がこめられている。そんな印象を受けた。

 1巻だけで作品を評価することはできないものの、この1冊だけで最高に楽しめた。それは間違いなく断言できる。

 そうやって最高の読後感を味わいつつ、そういえば冒頭に「原作」があるらしい表記があったことを思い出し、気になって調べてみると……という部分にまで楽しみがあり、続きが待ち遠しくて仕方ない。

8位『お金2.0──新しい経済のルールと生き方』

 「お金」というよりは「価値」の話であり、「物事の捉え方」を再考することを促す本。

 2018年現在の世界がどういった仕組みで動いているのか。最新のテクノロジーによって生まれつつある「変化」とは何か。そして今後10年、どのような経済圏が誕生するのか──。社会・経済・技術といった複数分野を跨いで俯瞰しつつ、顕在化しつつある「新しいルール」を紐解く。

 「お金」という当たり前の価値観を再考し、より根源的な「価値」の本質に迫る内容となっている。読んですぐに役立つ本ではないものの、読者に多角的な視点をもたらしうる良書。Amazonランキング大賞2018の和書部門では、6位にランクイン。

7位『目に見える世界は幻想か?~物理学の思考法~』

 基礎物理すら履修していない、根っからの文系人間──そんな自分が「物理」に触れようと思い立ち、手に取った1冊。

 帯の文句にもあるように、一切の数式と図表を使わずに物理学の基礎を解説。想像以上にわかりやすかっただけでなく、それまで抱いていた物理学への忌避感がワクワクに変わってしまうほど、おもしろく読めた。

 それまでは単語しか知らなかった複数の理論についての解説を読み──完全に理解したとは言い難いものの──少なからずイメージは掴めたように思う。

 文系人間にもおすすめできる、魅力的な物理入門書。

6位『語彙力を鍛える~量と質を高めるトレーニング~』

 本書曰く、「語彙」とは「意味のネットワークによって無数の語がつながる語のリスト」である。

 知っておくべき単語やフレーズを羅列するのではなく、日常生活の中で自然と「語彙」を身につけ、鍛えるための方法と考え方をまとめた本。

 知っている言葉の「量」を増やすための考え方と、身につけた語彙知識を実際に生かし「質」を高めるための考え方を、それぞれ11の観点から紹介。新書サイズの本ではあるものの、その内容は濃密だ。

 多彩な「言葉」に思いを馳せ、着実に語彙力を鍛えようとするのであれば、まずは本書を読むことをおすすめしたい。

5位『没頭力──「なんかつまらない」を解決する技術』

 本書が目指すのは、「『なんかつまらない』を解決する」こと。

 即物的な快楽ではなく、成功や承認でもなく、自己完結的な「没頭」によって、毎日を楽しく過ごす方法を紐解いている。

 多くのビジネス書で重視される「お金」や「成功」は二の次の、意識の低い「幸せ」の探し方。だがそれゆえに実践しやすく、「没頭には不安が不可欠」という指摘に救われる人も多いはず。

 なんとなくモヤモヤや違和感を抱えている人、物事に集中して取り組めない人、自分の「好き」が見つけられない人──。幅広い層に勧められる1冊だ。

4位『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』

 アナウンサーと予防医学研究者、2人による対談本。

 「科学的」というタイトルが踊るものの、対談形式ということもあってか内容は思いのほかゆるい印象。感情・学問・恋愛といった切り口から著者2人の考え方を整理しつつ、後半では「幸せになる方法」に迫っていく。

 話題がとっ散らかっているように見えて、最後には「幸せ」の在り処へと帰結する構成はおもしろく読めた。読み切って終わり──ではなく、本書の内容を自分なりに考え、誰かと話し合ってみるのにも適していそうな問題提起が多い。

 現代ならではの「幸せ」を再考するのにおすすめの1冊。

3位『ライフハック大全──人生と仕事を変える小さな習慣250』

 長年にわたって数多のライフハックを学び、紹介し、自身も実践してきた筆者さんによる、ライフハックの事典。

 「時間が経っても新鮮さを失わない、最もラクに実践できるもの」に絞って、仕事術を厳選&類別化してまとめている。

 同時に「小さな習慣を積み重ねることで大きな成果を得る」というライフハックの本質から説明しており、入門書として捉えることもできそう。その目的は「ラクになる」ことであり、楽しみながら生活を豊かにする考え方を紐解いた内容となっている。

 読んで終わり、ではなく、読了したこの瞬間からお世話になる1冊。

2位『「読む」技術~速読・精読・味読の力をつける~』

 当たり前すぎて意識する機会の少ない、「読む」という行為について掘り下げて考えていく本。本書を読了して、自分がいかに雑に文章を読んでいたのかを実感させられた。

 文章にもさまざまな種類があり、また目的によってもそれぞれの「読み方」は変わってくる。自身の「読み方」を考えるきっかけとなるだけでなく、「読む」という活動の仕組みについて知ることで、必然的に「書き方」も再検討せざるを得なくなる。

 普段から試行錯誤しつつ文章を書いている人にこそ読んでほしい、「読み書き」の基本に立ち返ることのできる良書。

1位『天才たちの日課──クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々』

 文字どおり、古今東西の「天才」の習慣をまとめた1冊。小説家・詩人・芸術家・哲学者・研究者・作曲家・映画監督など、161人の日課をまとめている。

 興味深かったのが、生きた国・時代・環境などが異なっても、習慣にはそれとなく共通点があるということ。特に「午前中の3時間は集中して仕事する」「毎日の散歩は欠かさない」といった習慣は自分にも通じるところがあったので、意識的に継続していきたいところ。

 さらには、主に作品を通してしか見ることがなかった「天才」たちの素顔を、窓からこっそりと覗き見るような読後感も。最後まで楽しく読むことができた。

おまけ:2017年以前に紹介して今も売れてる本

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