ぐるりみち。

平成生まれのフリーライターのブログ。本・映画・マンガ・アニメの各種レビューに、旅行・グルメ・街歩き日記など。

読書感想『無意味のススメ〜〈意味〉に疲れたら、〈無意味〉で休もう。』

感想・レビュー記事『無意味のススメ』サムネイル

 僕の頭の中には、「無意味マン」が住んでいる。何か新しいことを始めようとしたときや、書店で目に留まった本を買おうか悩んでいるとき、はたまた友人から遊びに誘われたときなどに、そいつは決まって僕にこう語りかけてくる。

それって、意味があることなの?

 その声が聞こえてくるたびに、僕は脳内でこう答えるのだ。──何を仰りやがりますか。この世の中に無意味なことなんて、そうそうありゃしないってもんですよ──と。

 そりゃあ準備もせずに新しいことを始めれば、痛い目を見るかもしれない。ろくに内容も確認せずに本を買って、あまりのつまらなさに後悔するかもしれない。友人と遊びに行っても楽しめないかもしれないし、もしかしたら急に壺を売りつけられられるかもしれない。……知り合いにそんな人はいないと思うけどね! たぶん!

 もちろん言うまでもなく、このような不安のほとんどは杞憂に終わる。新しい活動は日々に彩りを与えてくれるし、勢いで買った本はおもしろく読めるし、友達とはキャッキャウフフと楽しく過ごすことができる。人生は、たくさんの「意味」で満ちあふれている。

 それに、もし嫌なことがあったり失敗したりしたとしても──それがどうした、って話ですよ。失敗は、決して「無意味」なものじゃない。失敗は成功の──なーんて先人の言葉をわざわざ引用するまでもなく、他ならぬ自分自身の経験によって、僕はそれを知っている。何かを思い、考え、行動に移した時点で、そこには「意味」が宿る。……そうじゃありませんこと?

 そもそも、そうやってケチを付けてくる「無意味マン」の声自体、ここ数年はほとんど聞くことがなくなった。

 僕の脳内の無意味マンは今や隠居生活を送っているらしく、目下「無意味」という言葉を聞くとしたら、それは外部からの声であることが多い。それも僕個人に向けられるものではなく、どこかの誰かが誰かに対して「それって無意味じゃね?」と、SNSで投げかけているのが目に入る程度だ。

 それらの声は他人事ではあるのだけれど……そんな無意味マンをSNSで目の当たりにするたびに、どうしてもこう感じてしまうんですよね。

それって、余計なお世話なのでは?」と。

 もしかしたら、無意味マン当人からすれば、それは親切心から出た言葉なのかもしれない。その人が過去に「無意味だ」という結論を得たからこそ、他の誰かに二の舞を演じさせないため、「無意味だからやめたほうがいいよ」とアドバイスしている説。ありえる。ってか僕もたまに言ってた。たぶん。

 でもだからと言って、「なーんだ、無意味マン、いい奴じゃん」と安易に褒めるわけにはいかないとも思う。だって、「無意味じゃね?」だけでは何も伝わらないんだもの。

 せめて、なぜそれが「無意味」なのか、 “無意味” の “意味” を具体的に説明してほしい。ただ単に個人的な感覚や経験で「無意味」だと決めつけているのだとしたら……その「無意味じゃね?」の一言にこそ “意味” があるのかと、僕は問いたい。

 たいていの物事・事象・事柄には、何かしらの「意味」がある。なればこそ、それを無思考に「無意味」だと切って捨てることにこそ、意味はない。そのように考えれば、「無意味だ」という思考停止こそが、「無意味」であるように思えてくる。つまるところ、無意味マンの存在それ自体が「無意味」なのだ、と。

 ……いや、でも、本当にそうなのかしら?

 「無意味だ」という指摘に意味がないのだとしたら、そこには「意味がない」という「意味」があるのでは? 禅問答のようではあるけれど、こうして見ると、何かに対して投げかけられた「無意味」の言葉にすら、発せられた時点で「意味」が生まれている、そのように見える。

ならば、「無意味」とはいったい──?

 というか、そもそも「無意味」って悪いことなんだっけ? なんとなくネガティブなイメージの伴う言葉ではあるけれど、本当に「無意味」は悪なんだろうか。「意味あるの?」「無意味じゃね?」と投げかけられた言葉に対して、泰然と「意味はあるもん!」と反論するのは、はたして正しい態度なのかしら。

 ある人からは「無意味なものなどない!」と存在を無視され、ある人の口からは「無意味じゃね?」とネガティブな意味合いで発せられる──。そんな、なんとも不憫な立ち位置にある「無意味」。この概念を、全力で前向きに捉えている本がありました。それがこの、『無意味のススメ』です。

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【C96】気になる創作・評論・グルメ同人誌まとめ【夏コミ】

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 夏だ! コミケだ! 今年は4日間だ!

 ──ということで令和最初の夏コミ、コミックマーケット96が本日より開催中です。少し遅くなりましたが、今回も個人的に気になるサークルさんをざっくりとまとめさせていただきました。

 チェックに際しては、アキバBlog@akibablogさんの支援ツイート*1のほか、各サークルさんのツイートやハッシュタグを参考にさせていただいております(いつもお世話になっております)

 また、記事のタイトルでは「創作」「評論」「グルメ」と書いていますが、イメージとしては「評論島を中心にピックアップしてみた」くらいの感覚でまとめた内容になります。すでに多くのサイトでまとめ記事が投稿されているかと思いますが、サークルチェックの参考になれば幸いです*2

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*1:参考:アキバBlogのTwitterでの「コミケ支援ツイート」についてツイート予約システム

*2:サークル名の記載ミスなどありましたら、ご指摘いただけると助かります。

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池袋『No.18』でパーフェクトなハンバーガーと出会う

池袋『No.18』でハンバーガーランチ

 少し前から、Twitterのタイムラインで「ハンバーガー」の写真をしばしば見かけるようになった。

 フォローしているブロガーさんや、普段から池袋近辺のグルメネタを呟いている人。情報感度の高い彼らが、なんともおいしそうなハンバーガーの写真を投稿しているのです*1

 そのハンバーガーを出すのが、こちらのお店。

池袋『No.18』看板

 池袋駅から徒歩8分。
 横道にひっそりと佇む『No.18』さんです。

 多くの人がうめえうめえと呟き、すばらしい表情でかぶりついていた、こちらのハンバーガー。あまりにも気になったので、僕も実際に食べてきました。

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『天気の子』公開、恋愛不要論、真摯に“文章”と向き合う〜今月気になった話題(2019/7)

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 やっほいほーい!

 今年は梅雨入り以降も涼しい日が続いていたせいか、季節の流れが早いように感じる今日この頃。感覚的には7月に入ったかどうかくらいのイメージなのに、気づけば明日から8月でございます。こっわ! 急に「真夏ゥ!」が来てビビるわ! みんな、体調は大丈夫?

 そんなこんなで前置きもほどほどに、毎月末恒例「今月のブックマークを振り返ろう」のコーナーです。記事末尾に2014〜2018年の「7月」のまとめ記事も掲載しておりますので、過去の話題を振り返りたい方はそちらもどぞどぞー!

 あ、それと、こちらも恒例の読書まとめ記事もよかったら参考にしてちょ!

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親子天がマジうま!新宿『切麦や 甚六』の親子天ぶっかけうどん

新宿『切麦や 甚六』のぶっかけうどん

 正直に言って、自分の中で「うどん」は微妙な立ち位置にある。

 別に嫌いではないけれど、特別に好きというわけでもない。毎月1日に外出していたら迷わず丸亀製麺に向かうものの*1、それ以外で足を運ぶ機会はあんまりない。

 ただ、香川を訪れたときに食べたうどんは、最高に美味だったのよね……! さすがはうどん県である。3食うどんでもぜんぜんイケそうなテンションだったし、お腹いっぱいになってもなお食べたくなる魅力があった。また行きたい……食べたい……。

 それはさておき。先日、久しぶりに自らうどん店へと足を運んだのですよ。訪れたのは、新宿御苑近くに佇むお店『切麦や 甚六』さんでございます。なんとなしに「うどん」な気分になったある日の夜、検索してヒットしたなかで気になったのが、こちらのお店でした。

 ──結論。マジうま。

 

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*1:※毎月1日は丸亀製麺の日。釜揚げうどんが半額半額ゥ!

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『天気の子』最速上映感想!止まない雨の“雲のむこう”に見えた景色

映画『天気の子』要約レビュー

 お昼すぎ、急に降り出した雨。

 こいつはやべぇと慌ててベランダに出て、洗濯物を取り込む僕。雨は嫌いじゃないけれど、さすがにこうも続くと嫌になる──。仕事を中断しやがった雨に内心で舌打ちしていたら、ベランダの下から笑い声が聞こえてきた。

 あはははは! 雨だーーーーー!
 ほんとだーーー! ぬれた〜〜?
 うん! ぬれちゃった!
 あたしもー! ほら、傘だよ!!
 わーい! ありがとーーーー!!

 眼下を見やれば、ピンク色の傘を掲げて歩く、2人の女の子。そんなに振り回すような傘を持ったら濡れるだろうに、気に留めることなく駆け回る。ふらふらと。ゆらゆらと。踊るように。

 ただでさえ最近は曇りや雨続きだったのに、それでもなお「雨」を楽しめる無邪気さ。天気が変わる、ただそれだけの出来事を喜び、全力で楽しんでいる子供たちの姿に、なんだか元気をもらえた気がした。

 そんな、7月18日。

 夜になっても降り止まない雨に誘われるように、やってきました、新宿・歌舞伎町。奇しくも近年稀に見る日照不足が続く現実の東京で、雨が降り続く仮想の東京を舞台にした映画『天気の子』の世界最速上映を観てきました。

 

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