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2018年上半期のおすすめ本はこれだ!新刊含む12冊をまとめて紹介

本記事では、2018年上半期に読んだ本のなかから、おすすめの12冊をまとめています。拙い紹介ではございますが、本選びの参考になりましたら幸いです。

 

 

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『ライフハック大全──人生と仕事を変える小さな習慣250』堀正岳

年明けに読んだ最初の1冊が、この『ライフハック大全』。

長年にわたって数多のライフハックを紹介し、自身も実践してきた筆者さんによる、文字どおりの “大全” となっています。取り上げているライフハックは250にも及び、ちょっとした事典のようなボリューム感。むちゃくちゃ読みごたえがありました。

今となっては、すっかり手垢がついてしまった印象もあるライフハック。しかし、本書はその原点に立ち返るところから説明しているため、「事典」でありながら「入門書」としても読むことができます。

ライフハックの本質とは、筆者曰く「小さな習慣を積み重ねることで大きな成果を得る」こと。

本書では、特に「時間が経っても新鮮さを失わない、最もラクに実践できるもの」に絞ってライフハックを類別化し、普段の生活の中で少しずつ取り組める手法を厳選して紹介しています。章ごとに「情報収集」「アウトプット」「習慣化」といった分類がされているため、気になる部分だけつまみ食いしてもOK。

「読んで終わり」ではなく、読了した瞬間からお世話になるタイプの本。1年の半分が終わった、この節目の時期にこそおすすめです。

 

『天才たちの日課』メイソン・カリー

「日常の小さな習慣を積み重ねることで生活を豊かにする」というライフハックの考え方に対して、「生活が豊かになったかどうかはさておき、『天才』と呼ばれる人たちはこんな習慣を積み重ねていたんだぜ!」という実例をまとめたのが、こちら。

本書が取り上げているのは、小説家、詩人、芸術家、哲学者、研究者、作曲家、映画監督など、さまざまな分野で活躍してきた古今東西の「天才」たち161人の日課。学問や創作において偉大な実績を上げた歴史的人物はもちろん、現在進行系で活躍中のクリエイターにもスポットが当てられています。

興味深かったのが、生まれた国・時代・環境が異なっていても、「天才」たちの習慣にはそれとなく共通点が見られるという点。「午前中の3時間は集中して仕事する」「毎日の散歩は欠かさない」「1日に何杯もコーヒー(または紅茶・お酒)を飲む」といった習慣が、多くの人に共通して見受けられました。

その一方で、人によっては偏執的とすら感じる習慣や、否が応でも仕事を始めるとっかかり──いわゆる「ジンクス」として習慣の力を利用している人も少なくなく、読んでいておもしろかったです。

50種類のコーヒーカップから毎日ひとつを秘書に選ばせ、カップから溢れるほどの砂糖の山にコーヒーを注いで飲んでいたというキルケゴール。大量のカタツムリと暮らしていたハイスミス。仕事部屋の引き出しに腐ったリンゴをいっぱい入れていたシラー。行き詰まると三点倒立をしていたストラヴィンスキー、創造性を高めるため頻繁にシャワーを浴びているウディ・アレン。1冊の本の執筆前と後に体重を量るシムノン。毎朝2時間ほど腐ったゴミの写真を撮るギャス──などなど。

なんとなく共感できるものもあれば、まったくもって理解不能な日課もちらほら。ただ、「天才」たちにも人並みの生活があることを実感できて、不思議と親近感がこみ上げてくる。作品を通してしか知り得なかった「天才」たちの素顔をこっそりと覗き見するような感覚で読める、魅力的な1冊です。

 

『ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れてみてはどうですか? ~不便益という発想』川上浩司 

「生活を豊かにする」ためのライフハックに対するアンチテーゼ──というわけではありませんが、別の角度から「便利」について紐解いた本。

それがこの、『ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れてみてはどうですか? ~不便益という発想』。略称『不便益の本』です。

うんざりしそうなレベルで長いタイトルが良くも悪くも印象的ですが、これもひとつの「不便益」。これは、「不便であるからこそ得られる効用」を指すもの。見るからに非効率なのに、非効率ゆえに役立つモノやコト──「不便益」の実例を紹介しつつ、その考え方を紐解いていく内容となっています。

本書が問いかけているのは、「便利=豊かなの?」という素朴な疑問。立地の悪い山奥の秘湯が魅力的に感じられたり、枚数制限があり現像代もかかるフィルムカメラが再評価されたりと、「不便」は必ずしも悪いことではないと再確認。そのうえで、「便利・不便とは何か」を再考していきます。

目の前にある「便利」は、本当に生活を良くしてくれるものなのだろうか。快適そうに見えて、行動の幅を狭めてはいないだろうか。あえて「不便」を選んだほうが、自分にとってプラスになるのではないか──。そのように「不便益」を意識することが、選択肢を増やすことにもつながると感じられました。

実生活に取り入れるかどうかはさておき、「不便益」というものさしを持っておくことは、きっと何かの役に立つはず。商品開発やデザインの参考書としても使えそうな印象を受けたので、興味のある方はぜひ手に取って読んでみてくださいな。

 

『没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術』吉田尚記

「小さな習慣によって大きな成果を得る」のではなく、「不便さのなかに益を見出す」のでもなく。本書が目指すのは、「『なんかつまらない』を解決する」ことです。

不幸ではないけれど、幸福とも言い切れない。大きな絶望を抱えてはいないけれど、将来に希望を抱いているわけでもない。そんな「漠然とした不安」への対処法として、筆者は夢中になること──「没頭」することを勧めています。

「没頭力」と言われるとピンとこないかもしれませんが、これはいわゆる「フロー」状態を指すもの。本書でも「没頭力」の主軸となる考え方として、この「フロー」の概念を参照しています。近頃はスポーツやビジネスの場面でも耳にする考え方ですが、それをほかの活動にも当てはめようとしているわけです。

「没頭」している状態が本当に「幸せ」と言えるかは若干の疑問もありますが、少なくともネガティブでないことは間違いありません。それこそ “時間を忘れるほど” に夢中になっていて、楽しさすら感じているのだから。ポジティブである以上、「没頭」はたしかに「幸せ」と言えるのかもしれません。

本書が紐解くのは、多くのビジネス書で重視される「お金」や「成功」は二の次の、意識の低い「幸せ」の探し方。本文では「没頭には不安が不可欠」という指摘もあり、「不安」を「夢中」に変えることができるのなら、それは「幸せ」の総量を増やすことにもつながるのではないでしょうか。

日頃からなんとなくモヤモヤや違和感を抱えている人、物事に集中して取り組めない人、自分の「好き」が見つけられない人の、指針となりうる本だと感じました。

 

『働く大人のための「学び」の教科書』中原淳

学校とは違って誰も教えてくれない、「働く大人の学び方」を紐解いた本。

想定読者は「30代以上のホワイトカラーのビジネスパーソン」とのことですが、それ以外の層にも勧められそうな印象を受けました。なぜなら、「20代の自営業」という、まったくかすりもしない自分が読んでも役に立つ内容だったので。

改めて考えてみても、「社会人ならではの学習方法」はなかなか教わる機会がありません。

カリキュラムに従い、最適化された手順で学習し、先生に言われるがままに課題をこなしていればよかった学校とは、事情も環境も異なります。何を学ぶべきかは業界や職種によっても異なりますし、学んだことが確実に役立つとも限らない。はたして、余暇を犠牲にしてまで勉強する必要はあるのだろうか──。

そのような「なぜ、大人は学び続けなければならないのか」という疑問を皮切りに、本書は「働く大人」の学習法を解説する内容となっています。「大人は、何もしなければ、次世代の子どもよりも劣る存在になってしまう」という指摘に身震いしつつも、必要以上には煽らない文章のバランス感が好印象。

若手だろうが中堅だろうが関係なく、これからはますます学ぶこと、学び続けることが大切になってくる時代で、どのように「学び」を育んでいけばいいのか。

時には別の世界へと越境し、時にはせっかく得た経験を捨てることすら勧める本書は、変化の激しい現代を生き抜くための参考となるはず。読みながら「新入社員時代に読みたかった!」と強く感じるほどだったので、入社間もない若手社員にもおすすめです。

 

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』佐藤航陽

この半年間で読んだなかでは、読む前と読んだ後の印象が最も大きかった本。「お金」というよりは「価値」の話であり、「物事の捉え方」を再考することを促す1冊です。

「そもそも経済とは、資本主義とはなんぞや」という話から始まる本文ですが、どちらかと言えば、サブタイトルにもある「新しい経済のルール」が本書の主題。具体的には「価値主義(valualism)という考え方を提示して、今後の経済活動の展望を説明しています。

価値主義とは、金銭として可視化された「資本」ではなく、資本に変換される前の「価値」を中心として経済がまわる世界のこと。筆者はSNSのフォロワーを例に挙げ、一見すると「注目している人の数」に過ぎないそれも、人脈・お金・情報といった別の「価値」に変換することが可能だと述べています。

とはいえ筆者自身、世界が完全に価値主義や評価経済に舵を切るわけではなく、同時に資本主義を全否定しているわけではありません。「本当に言いたいのは『複数のシステムは並存し得る』という点」とあるように、資本主義の欠点を補った別の選択肢として、この「価値主義」を提示している格好です。

本書が示しているのは「お金に縛られない生き方」ではなく、「所属する経済圏は自分で選べる」という選択肢の存在。「お金・価値とは何か」を考え直す本としては、最新の技術や近年のサービスの変遷についても触れられていることから、2018年の今、読んでおきたい1冊だと言えます。

 

『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』金水敏

「〜じゃ」と話す老人や「ですわよ」と話すお嬢様(女性)など、特定のキャラクターと結びついた特徴的な言葉づかい──「役割語」の機能と成り立ちを概説した1冊。

どうして僕らは、日常では聞くことのない老人やお嬢様の話し方を、自然に受け入れることができているのだろう。それどころか、「そうじゃ、ワシが~」などというセリフを見聞きした途端、「あ、この話し手はおじいちゃん(おばあちゃん)だな」と想起させられてしまうのはなぜだろう。

〈老人語〉にせよ〈お嬢様ことば〉にせよ誰もが知っている表現なのに、現実では使っている人がほぼ見受けられない不思議。誰も聞かないし話さないのに、常識と言ってもいいほどに大勢の共通認識として共有されている言葉。それを端的に表したのが、書名にある「ヴァーチャル日本語」というわけです。

本書は、そんな「役割語」研究の第一人者である筆者が、一般向けに書き下ろした解説書。〈老人語〉は手塚治虫の漫画によって普及したという切り口から、その源流を探して遡ること約200年。その起源は「18世紀後半から19世紀にかけての江戸における言語の状況」にあると、ひとまずは結論づけています。

歴史学・民俗学・社会心理学の視点から「ことば」について紐解く構成は、読んでいて知的好奇心が満たされる内容でした。「ヒーローは〈標準語〉を話す」「もともと〈女性語〉は乱暴な表現として批判されていた」「「書きことば」は誰も話さない言葉である」といった指摘も興味深い。

趣味や仕事を問わず、創作に携わっている人にもおすすめの本なのじゃ。

 

『レトリック感覚』佐藤信夫

誰もが当たり前に使っているのに、実はすっごい曖昧なもの。定義がしっかりしているようでいて、実は簡単に変化する適当なもの。そして言うまでもなく、魅力的でおもしろいもの。

そんな「ことば」の多様性について、先ほどの「役割語」とは違った視点から再確認できる1冊。この『レトリック感覚』を読んだことで、これまでは小難しく感じていた「レトリック」=「比喩」への認識を改めることになりました。

本書に登場するのは、直喩・隠喩・換喩・提喩・誇張法・列叙法・緩叙法という、7つの「比喩」の型。専門的な話になるのかと思いきや、むしろ聞いたことのある事例や考え方が参照されていて、おもしろく読むことができました。

たとえば、「花見」や「飲みに行く」といった表現。前者は「桜」を指し、後者は「酒」を指すように、全体の名称を提示してその一部を表す、あるいはひとつの名称を提示して全体を表すこれらの表現を、本書では「提喩」の例として説明しています。

このように、自分が無意識に使っていた言い回しや「ことばのあや」に名前があることを幾度となく指摘され、読んでいてまっこと刺激的に感じられたのでした。読み進めていくうちに、徐々に脳内の「ことば」のソフトウェアがアップデートされていくような感覚。

決して難しい専門書ではありませんし、日常的に「ことば」に触れる生活を送っている人にこそ勧めたい。当たり前のようでいて曖昧な、ルールが決まっているようでいて実は意外と適当な、「ことば」の特性と魅力が詰まった本です。

 

『あなたは「言葉」でできている』ひきたよしあき

「日本人はもともと面倒くさい言いまわしを好んで使っていた」という話を聞いて、なんとなく共感できる人も少なからずいるのではないかしら。手紙の「時候の挨拶」なんてその最たるものだし、ビジネスメールの定型文もそう。婉曲表現はお手のもの。

他方で、日本語は驚くほどに「自由過ぎる」言語であるという指摘もあります。最低限の文法はあるにしても、文の並びを適当に入れ替えてもまったく問題なし。西洋と比べると一人称や二人称のバリエーションが豊かで……さらには、「役割語」なんてものもあるくらいですしね。

本書の筆者曰く、「日本語は非常に自由度が高く、法則性よりもそのときの気分や相手との関係性に重きをおいた言葉」。手紙や公式の文書に書き方の “お約束” はあっても、基本的には「正しい書き方がひとつではない」というゆるさ、いい加減さが、日本語の特徴なのだそうです。

この本『あなたは「言葉」でできている』は、そんな日本語の曖昧さを再確認し、多角的に再考しようという1冊です。相手に興味を抱かせる言葉遣いや、文章の見せ方と作り方、そして相手に伝わる表現を身につける方法を紹介。当たり前ゆえに軽視されがちな「言葉遣い」を省みるきっかけにもなります。

その中心となるのが、「エピソードノート」の考え方。自分の経験を列挙し、過去の記憶から想起される言葉を紡いでいくそれは、就職活動の自己分析にも似ています。

外部から新たに取り入れたものではなく、自身の内部から言葉を拾い上げようとする本書は、誰もが持つ「言葉の木」の育て方を紐解いた本であると言えます。特にエピソードノートの考え方は、うまく自己表現ができない人や、めざすべき方向性を見失ってしまった人の手助けとなるはず。

どちらかと言えば自己啓発の色が強い内容ですが、幅広い層に勧められる1冊です。

 

『伝わる・揺さぶる! 文章を書く』山田ズーニー

文章術を取り扱う本は数多くありますが、その目的やテーマはさまざま。そんななか本書が目指す「文章力」とは、ずばり「読み手の心を動かし、人を揺さぶる」こと。

文章の巧拙はさておき、まず何よりも読み手の納得・共感を得るために、「問い」を掘り下げることの重要性を説いています。それはある意味、文法や語彙や文章構成よりも大切な、文章を「書く」際の前提となる考え方──筆者の表現を借りれば「根本思想」と呼ばれるもの──です。

“伝わる・揺さぶる” 文章を書くための第一段階として本書が提示しているのが、「機能文」について。自分が言いたいことをはっきりさせ、その根拠を示して、読み手の納得・共感を得ようとするこの文章は、7つの要素で構成されているのだそうです。

意見、望む結果、論点、読み手、自分の立場、論拠──そして、根本思想。これら7つものポイントについて考えるとなると、なかなか難しそうな印象も受けますが、ここでは主に「意見」「論点」「論拠」の3要素を中心に説明しています。ちなみにこの3つは、小論文のベースとなる要素でもあるそうな。

そのため、見方によっては「小論文のハウツー本」とも読めますが、後半の「実践編」を読むとそんな印象は吹き飛びます。議事録・志望理由・依頼文・謝罪文の書き方のほか、上司の説得方法などを実例と合わせて解説。驚くほどに具体的かつ実践的な内容となっており、実際の仕事で役立ったくらいでした。

「書くことは考えることだ」の一文で始まる本文が印象的で、自分の頭で考えることの大切さを再確認。会社員はもちろん、学生さんにもおすすめできる1冊です。

 

『目に見える世界は幻想か?~物理学の思考法~』松原隆彦

基礎物理すら履修していない根っからの文系人間。そんな自分がふと「物理」に触れようと思い立ち、手に取った本。帯の文句にもあるように、一切の数式と図表を使わずに物理学の基礎を解説した内容となっています。

そもそもの「物理学の目的」を示した1章にはじまり、物理学に欠かせない天体運動の話を切り口に、天動説と地動説、ニュートンの万有引力の法則などを2章では説明。ニュートン力学の流れから原子論を概説した3章を経て、4章ではいよいよ原子・電子・量子の微少な世界へ。

「非常識が正しい」と言われる量子力学の不可解さと成立過程を5章で追ったら、6~7章にかけては時空間の常識を捨てた相対性理論を説き明かす。そして最後の8章では、いまだ研究途上にある素粒子論と宇宙論を一例に、物理学の未来と本質──そして書名に対する答えが示されます。

想像以上にわかりやすく感じられただけでなく、それまで抱いていた物理学への忌避感が、ワクワクに変わってしまうほどにおもしろく読めました。完全に理解したとは言い難いものの、単語を聞いたこと程度だった複数の理論についての解説を読み、イメージくらいは掴めたように思います。

帯の文句に偽りなく、言葉だけで「物理学」への関心度が急上昇した本書。まえがきに書かれた想定読者──文系出身者、物理が苦手な人、嫌悪を抱く人──に当てはまる、普段はこういった分野の本を手に取らないような人におすすめしたい、魅力的な入門書です。

 

『弟子・藤井聡太の学び方』杉本昌隆

『りゅうおうのおしごと!』に影響され、「将棋の本を読みたい!」という欲求に突き動かされ、『不屈の棋士』の次に読んだのが、この本。書店でも数多く見かける「藤井聡太本」のなかから、彼の師匠である杉本昌隆七段が書いた本『弟子・藤井聡太の学び方』です。

本書に書かれているのは、「藤井聡太」という1人の棋士を通して見る「将棋の魅力」と、タイトルにもある「学び方」の視点。将棋以外の物事にも当てはまる「勝つ」ための考え方と、親や教師目線で「教える」にあたっての心構えと言ってもいいかもしれません。

言うなれば、「師匠」の目線から「弟子」の成長を追想するような1冊。筆者・杉本先生のこれまでの経験と、弟子となった藤井少年の成長の様子から、「学ぶ」あるいは「教える」にあたって大切なことを、順を追って紐解いていく内容となっています。

師弟関係のエピソードのみならず、勝負の世界に身を置く棋士ならではの物事の考え方や人生訓など、読むことのできるトピックは多岐にわたります。しかもそれでいて、「師匠」の優しげな目線で「弟子」について書かれた本書は、読み物としても極上。

中学生棋士として注目され、大きな期待を背負って活躍する姿を誇らしく感じながらも、「しかし藤井聡太は藤井聡太です。それ以外の何者でもありません」と言い切るところに、師匠のあたたかさを感じました。将棋ファン以外にもぜひ読んでほしい、多方面で示唆に富んだ1冊です。

 

 

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