毎月恒例、「今月のブックマークを振り返ろう」のコーナー、今回は2022年5月編です。2014〜2021年の5月の振り返りも末尾に掲載しているので、お暇な方はどーぞ!
社会・時事
東大の助教を辞め、5年任期の教員に…シジュウカラにすべてを捧げる「小鳥博士」の壮大すぎる野望 「僕は、シジュウカラという動物を世界で一番見てるんで」
- 1人の研究者のエピソードと実績から、僕らの生活と地続きにある「研究」や「学問」の魅力を感じられる、すばらしい記事だった……!
- 見出し「世界で初めて鳥の言葉を解明した男」がかっこよすぎる……!
- さらに「動物言語学」を提言し、新しい学問領域を1人で開拓していこうという心意気。
- 今読んでいる『観察力の鍛え方』の指摘とかぶる部分も多い。ざっくりとでも仮説を立て、熱量のままに観察を行い、検証していく。
- と思ったら、急にルー大柴が出てきて笑った。シジュウカラ語とコガラ語の組み合わせ。おもしろーーー!!
「“正しい日本語”というのは幻想だ」…国語辞典のレジェンド編集者がそう言い切る、意外な理由
- ことばと遊ぶのは楽しい!
- SNS時代におけることばの使い方について、好意的に捉えているのがちょっと意外だった。でも考えてみれば、国語辞書編集者さんや言語学者さんがネットスラングを含む流行語について説明する場面でも、否定するような論調は見たことがなかったっけ。
スティーブ・ジョブズの壺(つぼ)
- 去年読んで印象に残っていた記事の続編だ!
- 具体的にどの製品のデザインが……というのものではないのだろうけれど、こういった趣味やこだわりがプロダクトに結びついている部分はあるんだろうなあ……。
生活
96歳アマチュア写真家、個展は超満員。23歳で結婚後、趣味を持たずに働き続け、74歳で夫と永遠の別れ。その後出会った写真の面白さ
- この一言に尽きるよなあ……。
- 体が動いて、好奇心さえあれば、何歳から何を始めたっていい。
「この年まで自由に動いて、好きなことをやり続けていられる。それって最高じゃないですか」
バクのバックパックをつくる
- 制作過程の話だけでもおもしろいのに、後半のヒーローっぷりでニコニコ笑顔になっちゃった。優しい世界。
- こんなに愛嬌たっぷりで存在感のあるバクを背負って動物園に行ったら、そりゃあ注目の的になるよね……!
「生」ライチ、食べたことありますか? 宮崎の国産ライチがとんでもなくおいしいので一度食べてみてほしい
- コメント欄を含め、実食経験のある人のみんながみんな「おいしい」「衝撃的」と書いているのみならず、本文では「どんなにハードルを上げても、感動できるくらいおいしいと思います」と断言していてすごく気になる。
考え方
tofubeatsの知を拡張する愛読書 知らないより知ってたほうが、面白い確率が高い
- 知的好奇心と読書欲をつんつん刺激されるインタビュー。
- 「生徒にリクエストされた本をまず自分で読み、そのうえで別の本も一緒に選書してくれる先生」の話がすごい。
僕のエッセイを読んだ後輩ミュージシャンのin the blue shirtって子が「日記とは何かが起きて、そこから何を考えるのか。その思考の矢印が面白いんや」ということを言ってて。僕からすると、若林さんのエッセイは思考の矢印の向く方向が面白いんですよね。「この人はこれを見てこう考えるんや」みたいな。
「わかりやすさ」に呪われないために
- すっっっごく共感のできる指摘だった。SNSが普及しつつあった2010年代前半にはすでにこの傾向があったし、キュレーションメディア問題の際にも取り沙汰されていた記憶があるけれど、さらにその流れが加速しているように見える。
世界は決して「わかりやすく」できてはいない。「わかる」というのは本来、極めて困難なのである。学問という努力が問われるのである。
「誘われ待ち」をやめてみた
- わかる!!! 自己肯定感の低さも相まって、「自分みたいな人と話しても楽しくないだろうしな……」と考えて受け身になる感じ。
- スーパー受け身マンなので、前半でめちゃくちゃ共感しつつ、後半の指摘に「ウッ」となった。それだ……耳が痛い……。
「やろうとしたけど、どうしてもできなかった」のではなく、そこまで切実には「やろうとしなかった」のだ。自分から誘わなくてもなんとかなるから、その状態に甘えきっていたのだと思う。
引退宣言のすゝめ
- 「引退宣言とは一つの心の区切り」。
- すごくしっくりくる表現だし、コンテンツに接する態度としてもバランスが取れているのでは……!
周りに「ミーハー」だとか「浅瀬」だとか言われても気にするな。君は君でコンテンツを支えていけ。
インターネット
名前も知らない人のアカウントを2年かけて特定したら人生が確変に入った
- マジで確変入ってた。最高に素敵なインターネット。
- この筆者さんほど「行動力の化身」という言葉が似合う人もそうそういないし、行動力のみならず文章の疾走感もすごい。目覚めた心が走り出してる。
SNSでのコミュニケーションは怖い、なんてない。【前編】
- 「他人は変えられない」し、それ以外も含めて「世の中のだいたいの物事はコントロールできない」と考えるようになってから、生きるのがちょっと楽になった気がする。
- 「日本人は全員心理学者」の指摘がおもしろい。
リアルとバーチャルの境界は消える? どちらの良さも認め合う時代に
- 人生の実績解除!!! 楽しんでいこうな!!!!
「人生はビンゴゲームに似ていて、リアルでもバーチャルでもいろいろな経験をして穴をあけていく。そんな中でビンゴの列が揃(そろ)うように思いがけず新しい自分を見つけられるのではないでしょうか」
エンタメ
Mr.Childrenは、自分が潰されそうなぐらい大きな存在――30周年に桜井和寿が語る「これから」の20年
- 音楽の価値が下がってしまった今、アーティストとして何をするか。
- 等身大の言葉で淡々とお話されているように感じられて、読みながらすっと言葉がしみていくような感覚があった。今まさに活躍中の若手アーティストは、自然とこれをやっているんだろうな……。
「古いものから新しいものまで全部、今のシーンとして聴けるじゃないですか。だから、カウンターを打ちたいっていう気持ちはあるんだけど、どれがメインストリートなのか、もはやわかんなくなってきてるので。だから、自分の信じるもの、自分が感情を込めて歌えるものを作っていくっていうことが、今やってることですね」
鍋に弾丸を受けながら 第10話「ーグランデ・ポン・デ・ケージョー」
- いつもながら! 読後感が!! 良すぎる!!!
- ロドリゴさんかっけーーーーー!!!
斜塔とネコスープ - 夏井とし
- ゆるふわマジカルストーリィかと思いきや、生々しいヒューマンドラマが始まって「ヒェ〜〜〜!!!」ってなったでござる。
- それでいて、作品が作品なら刃傷沙汰になっていてもおかしくないシーンが、ルミィちゃんの「魔法」によってポップでキュートに包まれているのがすごい。この展開ならほろ苦い結末になるところを、甘く爽やかにまとめているのも印象的だった。
- ……と見せかけて、「あっ……」と何かを察してしまいそうなリアリティで終わらせるのがニクいな〜〜〜!!
コミティアに行って数字が頭上に出てない作品を楽しもう
- 「数字が頭上に出ていない作品を楽しめる」は本当にそのとおりだと思うし、今となってはめちゃくちゃ貴重な場所なので、9月か11月は絶対に参加するぞするぞするぞ〜〜〜!!
他の年の「5月」を振り返る
- 2024年:攻めの休養、虹色のきもの、中高生にSFを読んでもらうには
- 2023年:TikTokブレイクの真理、思考の整理法、成功は運か努力か才能か?
- 2021年:ポストクロッシング、ハルウララとの出会い、うざい広告
- 2020年:メタバース、冷凍矢ガモ姫、連ちゃんパパ
- 2019年:令和ちゃん、映画料金値上げ、バーチャルとファッション
- 2018年:生産性と幸福度、“○○離れ”の元祖、リアルとバーチャルの狭間
- 2017年:経産省の文書、学問と倫理観、おじさんウケするサービス
- 2016年:コンテンツの楽しみ方、オバマ氏と折り鶴、ガルパンBD発売
- 2015年:ネットとメディアと著作権
- 2014年:“新入社員のタイプ”の無意味さ、ラノベの変化