書籍「ナイチンゲールの越境」第7号でコラムを執筆しました!


 日本看護協会出版会さんからご依頼を頂戴し、コラムを執筆いたしました! 書籍『創造られたヒロイン、ナイチンゲールの虚像と実像』にて、けいろー名義で文章を掲載いただいております。

 

どんな本?

 掲載いただいておりますのは、こちらの本。『創造られたヒロイン、ナイチンゲールの虚像と実像』でございます。

 なんでも日本看護協会出版会さんでは、フローレンス・ナイチンゲールの生誕200年を記念して、2020年からナイチンゲールに関する書籍を継続して刊行されているのだとか。こちらの「ナイチンゲールの越境」シリーズもそのひとつであり、毎回異なるテーマで「ナイチンゲール」という人間とその業績を紐解いているそうです。

 既刊では「建築」「感染症」「ジェンダー」「宗教」などをテーマとしており、このたび発売された第7号のテーマは「伝記」。ナイチンゲールにまつわる古今東西の伝記を取り上げ、時代とともに変化してきたその実像と虚像を考察する――という内容になっています。

フローレンス・ナイチンゲールといえば「戦場で瀕死の兵士を看病した看護師」であり、「白衣の天使」「ランプを持ったレディ」という定番イメージがあります。しかし伝記に描かれたナイチンゲール像は時代とともに変化してきました。かつては「聖母」「女らしい優しさ」「献身」「博愛」など、社会規範・ジェンダー規範のお手本とされてきた彼女は、やがて「自立した女性」「行動家」「信念の人」へと、そして目的のためには手段をいとわない「戦う烈女」へと変貌を遂げたのです。

本書では古今東西の大人向け・子ども向け伝記、サブカルチャーなどを通して、ナイチンゲールの虚像と実像について考察します。

ナイチンゲール生誕200年記念出版より)

どうして「看護」とは無縁の人間が?

 で、そのようなシリーズ本において、「看護」の知識がないのは言うまでもなく、普段書いているブログ記事や仕事の原稿を見てもまったくこの分野と縁のない自分が、筆者一覧にその名前を――「けいろー」などという明らかに浮いたハンドルネームで――連ねることになったのかと申しますと。

 おそらくは、いくつかの要素が噛み合ってのご依頼だったのではないかと想像できますが……。直接的には、以下のブログ記事が目に入ったのがきっかけだったそうです。

 5年前に書いた、『黒博物館 ゴーストアンドレディ』の感想記事。どうやらこちらの記事をたまたま読んでいただけたことが、このたびのお声がけのきっかけとなったのだそうです。ありがたやありがたや……!

 あとは、記事中で『Fate/Grand Order』について言及していたことも、もしかしたら一因として挙げられるのかも。――遊んでてよかった、FGO。チェックしててよかった、ネットの話題。読んでてよかった、『ゴーストアンドレディ』。つまるところ、数年前の複数の要因が重なったがためのお話であり、インターネットがつないでくれた縁と言ってもいいのかもしれない。まっこと嬉しいのじゃ〜〜〜!!

どんなことを書いたの?

 「ナイチンゲールの越境」シリーズの7冊目となる今回のテーマは、「ナイチンゲール」と「伝記」。そして自分がお声がけいただいたのは、その中でも「サブカルチャー作品に登場するナイチンゲールについてのコラム」でした。

 立ち位置としては、(当然ではありますが)専門的な論考ではなく、他の文章の合間に読まれる「コラム」。1冊の本の中での役割がはっきりしていたので、そのあたりを考慮しつつ取り組むことにしました。――気楽に、それでいて興味深く読んでもらえるように。そんな読まれ方を想定しつつ、書き進めていった格好です。

 提出した原稿につけていただいたタイトルは、「“狂戦士"ナイチンゲール、現る――マンガやゲームに描かれる現代のナイチンゲール像」

 『黒博物館 ゴーストアンドレディ』と『Fate/Grand Order』、マンガとゲームの2つのサブカルチャー作品において、「ナイチンゲール」という人間はどのように描かれているか。現代のフィクションに登場するナイチンゲールが、おなじみの「白衣の天使」や「ランプの貴婦人」のイメージのまま描写されているわけではないことを、両作品の内容にもふれつつ紐解いていく内容です。

 いざ書き始めたら筆が乗ってしまい、指定されていた文字数を大幅に超過してしまった――なんてこともありまして。泣く泣く1,500字ほど削り、それでも最終的に5,000字くらいになったんだった……かしら? 削る前の原稿は我ながら冗長すぎたので、ほどほどのボリュームで、両作品を知らない方にも興味深く感じていただける読み物としてまとめられたんじゃないかと思います。多分。きっと。おそらく。

 専門出版社さんの本ということもあり、目にする機会はあまりないかもしれません……が、もしご興味のある方がいらっしゃったら、読んでいただけると嬉しいです。僕も本書を献本いただき、他の筆者さんの文章も拝読したのですが、実際におもしろく読めたので! 看護なんもわからんマンでも読める!! たのしい!!! 個人的には第6号も気になるのよね……。

 余談ですが、自分は2015年7月のリリース当初から『FGO』をプレイしていたものの、長らく★5サーヴァントをお迎えできないままプレイしていた経験がありまして……。

 しばらくはずっとタマモキャットのお世話になりつつストーリーを進めてきて、たどり着いた第五特異点。そこで初めて入手した★5サーヴァントが、実はナイチンゲールその人だったのです。ゆえに『FGO』のキャラクターの中でもちょっとした特別感と愛着を婦長には持っていたので、偶然っちゃ偶然ですが、おもしろい縁もあるもんだなあと。

 これからもお世話になります。
 6.5章、進めます。

 

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