毎月恒例、「今月のブックマークを振り返ろう」のコーナー、今回は2023年8月編です。2014〜2022年の8月の振り返りも末尾に掲載しているので、お暇な方はどーぞ!
社会・時事
マンガ家・藤田和日郎が“つらい”作品づくりを続ける理由
- Notionのメモ書きがいっぱいになるくらい、大事なことがたくさん書かれているインタビュー記事だった!
- 人生の伏線回収、やっていこう。
- 「事実と推測を分けて考える」。これ大切。超大切。
- 特に心が弱っているときほど、「推測」で悪いほうへ悪いほうへと考えてしまいがち。確認するのはちょっと怖いけれど、「事実」をチェックするのは本当に大事。
休職中の彼女が"ハラミちゃん"になったキセキ
- 休職中に気分転換で出かけた先で弾いたストリートピアノの演奏動画がバズって、複数の選択肢の狭間で悩みつつもライブ配信の道へ。
- そもそものきっかけを知らなかったし、連れ出してくれた先輩が素敵すぎる……!
- 連れ出すのみならず、動画編集までしてくれた先輩、その場で演奏を褒めてくれた年配の女性、17LIVEで応援してくれたリスナー、イベントに来てくれたファン……と、大勢のあたたかい応援があっての今があるように読めて、本当にすてきなお話でございました……。
ノア・スミス「東京は新しいパリだ」(2023年7月17日)
- 東京の都心部を目的もなく歩いていると、街並みと空気がガラッと変わる瞬間があっておもしろい。そこら中に「商」と「住」の境界線がある。
東京でとびきり名物となってる買い物向け地域である渋谷では,世界でいちばん人混みの激しい交差点から10分も歩けば,ほぼ無音で人気のない住宅街にたどり着く.
出前授業 : 捜真女学校(中学部)
- すっっっげーーーー!!! 「オタク」という言葉に対するイメージが完全に塗り替えられていることがわかるエピソードだし、生徒さんたちの反応から、「辞書に載っている意味も、その変化を汲み取ったものに変わっている」ことがわかって二重にすっげー!
「今更」という呪いを捨てて、35歳で上京した話。
- 何をメリットに感じるか、各々の価値観によるところも大きいので「東京最強!」とは言えないと思いつつ、でも「住む場所の影響力は侮れない」という指摘はそのとおりだよなーと。環境が人を変える。
生活
羊の丸焼きを食べる。ちょっとだけ本能を取り戻す為に。
- 全体的に絵面がすげえ!!(丸焼きのビジュアルや参加者陣の表情など)
- 「あ、記事の事意識してるの俺しかいねぇな」と早々に察した時の筆者”の表情と状況に謎の共感を覚えてしまってにっこり。
この漫画を書くとき僕はオバケよりも世間にどう受け止められるかのほうが怖かったのです
- 「ちょっと不思議でドキドキする」タイプの1人目のエピソード、からの、2人目の怪談話の緩急と温度差、1本の記事として通して読んだときのバランス感覚がすっごい!
- 聴覚が不自由ゆえの怪談であり、ある種の“怪異”としても語られていそうな……。
「この商品、爆売れ?それとも大コケ?」クイズで「お前は無能」の烙印を押される
- すっっっごくおもしろかった!!
- この豪華メンバーを引き連れてのこの企画、座組からしておもしろくならないはずがないし、出場者のみなさんの観察力と分析力がさすがすぎる。
20年書き続けた「日記」の習慣をやめた
- 日記の効用と、意外と無視されがちな「言語化」の問題点にも言及しつつ、最終的には前向きに「書く」ことを捉え直している、心地の良い日記論。
日々の全てを記録する必要はない。嫌なことを無理に書き残す必要もない。過去の自分がどう感じていたかよりも、今の自分の気持ちを優先したい。
考え方
僕の北岳・間ノ岳縦走日帰りピストン失敗記
- 登山の失敗体験を振り返りつつ、「自分探しの旅にも意味があるんじゃね?」と、環境を変えることを肯定的に捉えようとする文章運びが心地良い。
- 「わざわざ“自分探しの旅”なんてしなくても、目の前にいる自分と向き合えばいいじゃん?」という指摘はたしかにそのとおりだと思う。
- でもこれって実は強者の理論っぽくもあって、「そんな的確な自己分析と自己研鑽を日常生活の中でできるか?」と考えると、多くの人には難しいんじゃなかろうか……。
- 日常生活の中で、自分ひとりで、自分のことを完全に理解することができたら、それはもうある種の「悟り」の域に入ってくるんじゃないかしら……。
- 少しでもそこに近づこうとする、実現しようとしているのが、いわゆる「マインドフルネス」的なものなんじゃないかという気もしているけれど。
講師がオススメする「作家を目指す際に地道にやるべき訓練方法」が納得が深い そこに至るまでの「なぜ地道にするしかないか」も
- 何事も日々の積み重ね。
- 最短距離で成功するために「バズる方法」や「数字の伸ばし方」を参考にしようとする人は多いけれど、長い目で見ると、結局のところは「地道にコツコツが一番の近道」っぽいよね。
日本科学未来館で『これからの音楽がどうなるか』予想されてたが、あまりのオチに頭がめちゃくちゃになった
- 「良いものができた」と自己満足できるかどうかが重要になってくる……のかしら。
- そもそも「個人が作ったものを大勢に見てもらえる(チャンスがある)」という現代が歴史上なかった状況ではあるので、ある種の揺り戻しっぽくもあるのかも。
- 「つくりたいものをつくる」「つくらずにはいられない」ような根っからのクリエイター気質の人はいつの時代もいただろうし、今も第一線で活躍している人の多くはそういうタイプであるように感じる。
インターネット
本が読めない32歳が初めて電子書籍を読む日
- 今回も最高の「読書」でございました……!
- 冒頭から丁寧に一文一文を読み解こうとする読書スタイルによって、「声に出して読みやすい」ことに自ずと気づく観察眼。さすがすぎる。僕もこうやって丁寧に読んでみたい。
自分を語る記事が読まれない理由
- 「自分を語る」ことと、「自分の好きを語る」ことの違い。読まれる記事や見られる動画、注目を集めている人は、このあたりのバランスに自覚的であるように見える。
重版未定本の復刊を実現、売り切った書店員の情熱:書泉グランデ・大内学さん
- 3月にバズって話題になったフェアを担当した、書泉グランデの担当者さんインタビュー。
- 「売り場で大喜利をするのが好き」「世界観を作るということをやっています」というお話がおもしろくって楽しくって好き。
小説 『夜なく蝉たち』
- 「いつかゆっくり読もーっと」と思っていたこちらを一年越しに読んだのですが、無事に喰らいました。ダメージを。情動を。
- だってまさか、自分の大好物である「ひとりぼっちたち」のお話だとは思わないじゃーーーん!?
エンタメ
日本の腐女子が北欧のゲームスタジオに就職し、隠れた腐女子仲間を見つけて乙女ゲーム開発スタジオを立ち上げた話
- とんでもない熱量で突き進むオタクの文章からしか摂取できない栄養素がある。ごちそうさまでした。
- 序盤の「そもそもビジュアルノベルの立ち位置って?」という話からおもしろかったし、仲間を集めていく過程が楽しすぎた。
東京大学「ゲームの美学」講演レポート:ビデオゲームの外側「メタゲーミング」を知る
- さまざまな切り口からゲームを紐解こうとする試み。おもしろかった!
- 幕末志士が出てきてちょっと笑ったけど、同様の創意工夫を子供の頃にやっていたという人も少なくなさそう。
令和ロマン髙比良くるまの漫才過剰考察|第2回
- 漫才なんもわからんマンでもめっちゃくちゃおもろく感じる読み物だった……!
- 短い音の中に情報や抑揚を詰め込める関西弁が漫才向きである一方、標準語は標準語で「ボケが際立つ」という良さがある。スピードの大阪と、パワーの東京。なるほどなー。
他の年の「8月」を振り返る
- 2022年:サンリオ時間、キッザニアの魅力、効果音ラボの実態
- 2021年:陰謀論と洗脳、言語化する能力、リングフィットRTA
- 2020年:いのちの輝きくん、10年残る故人ブログ、感想文の書き方
- 2019年:初音ミク誕生12年、都市のVR化、無意味の意味
- 2018年:カメ止め現象、写真の在り方、VRとAIが作る世界
- 2017年:叶姉妹とコミケ、非会社員の稼ぎ方、インスタ映え
- 2016年:PCデポ問題、安倍マリオ、ゴルスタ炎上
- 2015年:言葉と文章、ネットにおける「表現」の話
- 2014年:内定辞退、餃子の王将、無報酬問題