「物理学」への忌避感がワクワクへと変わった入門書『目に見える世界は幻想か?』

 「物理」とは、難解な学問である──。

 根っからの文系人間である自分にとって、「物理」は長らくそんなイメージの存在だった。物理の知識がなくても日常生活には困らないし、わざわざ進んで学ぼうとも思わない。それはまるで、遥か異国の言語のよう。すまねぇ、ロシア語はさっぱりなんだ。

 というかそもそも、僕は高校で物理を履修していない。私立文系コースに所属していたために基礎物理すら学んでいないという、根っからの物理音痴である。ついでに、化学の先生が「何を言っているかわからない」レベルで授業が酷かったため、いまだに高校理科全般に苦手意識がある。

 おかしい……これでも中学時代は科学部員だったのに……。夏は川原でカヌーを漕ぎ、秋は校庭で焼き芋をし、文化祭ではエアホッケーをつくるなど、あんなにも “科学” していたのに……。

 そんな、高校の基礎物理すら未履修の自分が今回、初めて読んだ「物理」の本がこちら。現職の准教授による物理学の入門書であり、サクッと読める新書サイズ。気になる本がないか漠然とAmazonを眺めていたところ、ふと目に留まったのがこの本だった。

 物理には無関心な人間が、いったい何に興味を惹かれたのかと言えば……ずばり、帯の文句である。デカデカと書かれた「存在の不思議」──ではなく、「数式・図表ナシの新・物理入門」という一文。素人目にはあんなにも意味不明で難解に思えた数式を、一切使っていない……だと……!?

 しかも、実際に読み終えてみてびっくり。我ながら信じられないことに、あれだけ「わけがわからないよ!」と無理解・無関心・無知でいた「物理学」の世界が、まっこと魅力的に感じるようになっていたのです。それも「なるほどー勉強になるなー」で終わらず、「もっと勉強してみよう!」と奮起させられるレベル。物理すげえ。宇宙すげえ。こんな世界をスルーしてた僕……アホじゃね??

 

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「数式・図表ナシ」のメリットとデメリット

 冒頭から興奮気味な感想になってしまったけれど、何も本書を読みはじめた序盤からそうだったわけではなく。それどころか当初は、研究者さんらしい淡々とした文章をぼーっと追いかけつつ、作業的に読んでいる自分がいた。ひとまず読んでみて、少しでも知識が身につけば儲けもんかなーと。

 それに、「数式・図表ナシ」の文言に対して、若干の疑念を感じている部分もあった。──いやいや奥さん、そんなこと仰りましても、ぶっちゃけ最低限の数式がないと説明できないし、図表がないとかえってわかりづらくなるんじゃありません? ──みたいな感じで。

 ところがどっこい。実際に最後まで読み終えたところ、その文句が単なる煽りではなかったことが判明する。マジで徹頭徹尾、一切の数式と図表を使わずに物理学の基礎を解説し、それがまっことわかりやすく、しかも読者の好奇心を刺激するように書かれていたのです。おったまげー。

 物質の入れ子構造とか量子仮説とか、「いや、それはさすがに図説がないとイメージしにくいんじゃ……」と思える部分ですら、完全に文字オンリーで説明するという徹底ぶり。それでいて、その説明だけでもなんとなく脳内にイメージを描けてしまうというのが、これまたすごい。

 もしかすると、そのように「あえて図示せず、各々のイメージに任せる」ことによって、読者に深い理解を促している一面もあったのかもしれない。

 一切の図がない本書を読むなかで脳内に描かれるのは、既存の固定観念によるイメージではなく、筆者の言葉によって形づくられる「原子」や「宇宙」の形。最初は漠然としたイメージでしかないそれも、本文で説明される理論や仮説を段階的に当てはめていくうちに、徐々に姿がはっきりしてくる。それは、自らの想像力でもって「理解」していくような実感を得られるものだった。

 もちろん、図でパッと正解を示すのは一瞬だし、そのほうが視覚的に「わかる」のは間違いない。それに、具体的な図が示されないことで、読者が誤ったイメージのまま理解してしまう可能性も否めない。「図表ナシ」には当然、そのようなデメリットもある。

 でも一方で、過去に誰かが考えた理論をまずは言葉と文章で読み、その内容を自分の頭の中で一から思い描き、過程を追走するようにして結論へ向かうほうが、全体像の「理解」に結びつきやすいのではないだろうか。本書の「図表ナシ」は、そのようにして読者の「理解」を手助けしているようにも感じたのでした。

 

「物理」への忌避感が、興味関心へと変わった瞬間

 とまあ、実際にそのような狙いがあるかどうかはさておき、本書はれっきとした「物理学の入門書」である。それも、「ブツリガク、ヨクワカラン」などとカタコトで拒否反応を起こしそうな人に向けた内容となっている。なんたって、本書の冒頭、第1文からそう書かれているのだ。

 本書は、主に文系出身者など、これまでほとんど物理学には縁がなかったという人々へ向けて書かれた物理学の入門書である。とくに学校で習う物理に対して苦手意識が芽生え、その後はできるだけ避けて通ってきた、という読者を主に想定した。物理に嫌悪感を抱く人にとって、その主な原因は数式を使った計算にある。物理学とはどのようなものなのか、数式だけでなく難しい図表も一切使わず、ひたすら言葉だけで書くことにした。

(松原隆彦著『目に見える世界は幻想か?~物理学の思考法~』Kindle版 位置No.3より)

 これを読んで「まるっきり俺のことじゃねーか!」と感じた人にこそ、本書を勧めたい。それでもなお、「そうは言うけれど、やっぱり難しいんだべ?」などと懸念を示す僕のような人もいるかもしれないが、そんな人にも自信を持っておすすめできる。

 むしろ、斜に構えた人のほうがハマりやすいかもしれない。筆者曰く、「物理学とは、常識に対する挑戦である」。かのアインシュタイン先生も「常識」に関する有名な発言を残しているが*1、「当たり前」に疑問や反感を覚えたことがある人も多いはず。物理云々は抜きにしても、そのような人にとって、本書は非常に刺激的な読み物となるのではないかと思う。

 物理学の本質は、複雑で予測不可能にも思える現実の現象について、そこに秩序を 見出すことにある。

(同著Kindle版 位置No.128より)

 ただし “刺激的” とは言っても、やはり本文は淡々とした文体で書かれている。読者を煽り訴えかけるような言葉はなく、事実・仮説・観察・結果をただただ書き連ねるのみ。それこそ、大学の講義のような印象を受けるかもしれない。それが全8章、280ページにわたって続いている。

 大学の講義と違うのは、メリハリがはっきりとしていることだ。全8章という構成は新書としては章が多めに感じるし、それぞれの章も5~11の小見出しで分割されている。そのため、全体の文量ほどの冗長さはまったく感じさせず、トピックごとにスイスイ読み進めることができた。

 もちろん、細分化されているからと言って個々にバラバラの話をしているわけではなく、すべてのトピックはひとつながりになっている。以下、各章の話題と目次をざっくりと挙げてみよう。

 そもそもの「物理学の目的」を示した1章にはじまり、物理学に欠かせない天体運動の話を切り口に、天動説と地動説、ニュートンの万有引力の法則などを2章では説明。ニュートン力学の流れから原子論を概説した3章を経て、4章ではいよいよ原子・電子・量子の微少な世界へ。

 「非常識が正しい」と言われる量子力学の不可解さと成立過程を5章で追ったら、6~7章にかけては時空間の常識を捨てた相対性理論を説き明かす。そして最後の8章では、いまだ研究途上にある素粒子論と宇宙論を一例に、物理学の未来と本質──そして書名に対する答えが示される。

目次
  • 第1章 物理学の目的とは何か
  • 第2章 天上世界と地上世界は同じもの
  • 第3章 すべては原子で作られている
  • 第4章 微小な世界へ分け入る
  • 第5章 奇妙な量子の世界
  • 第6章 時間と空間の物理学
  • 第7章 時空間が生み出す重力
  • 第8章 物理学の向かう先

 おそらく、3~4章くらいまでは一般常識や教養の範疇であり、すんなり理解できる人も多いのではないかと思う。おなじみの天動説・地動説や万有引力の法則といった、「なんとなく知っている(学校で習った)けれど、詳しくは知らない」理論について、その内容と成立過程を追っていく流れ。これだけでも既存の知識を拡張してくれるため、興味深く読めるのではないかしら。

 ──で、問題はそれ以降。5~7章にかけては多分、その人が学生時代に選択した教科によって読みやすさが違ってくるはずだ。物理と化学、少なくともどちらかを履修していれば、原子や電子の基礎くらいまではわかる。ただ、それ以上に微少な世界となると怪しくなってくる。

 かくいう僕自身、このあたりからは未知の領域だった。原子:なんとなくわかる、電子:わかるような気がする、量子:あばばばば! ……みたいな感じ。むちゃくちゃ漠然としたイメージはあるのだけれど、言葉ではまったくもって説明できないし、よくわからん。ここから先は、知らない世界。

 ところがどっこい。本書を読んでいて心底から「おもしれえ!」と感じるようになったのも、まさにこの「わからん」部分からだったのです。淡々と事実を述べているだけなのに、少しずつ理解が深まり、知識として身についていく感覚。それを実感したのが、ちょうど量子の話題からだった。

 それは一口に言えば、「『なんとなく』でしか知らなかったことが腑に落ちた」感覚。そういう言葉、理論があることは知っていたけれど、自分にとっては難解で、遥か遠い世界のものだと思っていた知識。それが突如として眼前に現れ、それまでの本書の説明とつながり、具体的にイメージできるレベルで “わかった” ことで、「そういうことかー!」と大興奮したのでした。具体的には、以下のような感情の動きがあったように思う。

 

 ──ふむ、原子よりも小さな「電子」が発見されたんですって? でも、その構造がよくわからない? ……ふんふん、それを説明するのがアインシュタインの量子仮説? そして、電子は粒子でありながら、波のような性質も持ち合わせていると……あー、これ授業で聞いたかもしれないなー。それでそれで? その性質を示すのが、シュレーディンガー方程式って言うの? あらー、よく聞く名前っすねー。で、その方程式の解である波動関数が? 電子が存在する確率を表す……って、これも何か聞き覚えがあるぞ!? ……あ、それがコペンハーゲン解釈につながるのねー、聞き覚えあるある! 知らんけど! ……でもでも、そこで出てきた問題もあって? 観測の問題? それを例えたのが、シュレーディンガーの猫……って、やっぱりお前かー! ねこだー! ……で、その流れからの多世界解釈!! \( 'ω')/ウオオオオオアアアーーーーッ!! やったーーー!!(謎の盛り上がり)(突如脳内で流れ出すスカイクラッドの観測者)(そして踊り出すインド人)(バーフバリはいいぞ)

 

 こうして見ると、「厨二病な部分に刺さった」とも言えるかもしれない。

 過去に学校で学んだ知識と、創作物で耳にしていた単語と、それらに対する漠然としたイメージ。そういった諸々が、本書を読むことによって、ようやく実在の存在として自分の中で定着した格好。その結果、大きな納得感が得られたのではないかと。

 そして本書の話題は、そのような量子論と相対性理論についての盛り上がりを経て、最終的には「宇宙すげえ」に帰結する。未知なるものへの興味関心が一挙に高まった結果、最高にすっきりした読後感を覚えるに至ったわけです。最初はつらつらーっと目で追っていたのに、途中から「これはメモらねば!」と読書ノートを書きながら読みはじめる始末。読み終えるころには、測量野帳で10ページ近くのメモができあがっていた。

 もちろん、自分の理解が間違っている可能性もあるし、相対性理論や重力の話題については、ぶっちゃけまだ理解しきれていない部分もある。人によっては読んでいる途中で躓くかもしれないし、「せめて図表はあったほうが……」と感じるかもしれない。

 でも一方で、これまでは「物理学とか無理無理無理無理無理ァ!」と反発していた自分が、本書を読み終え、「物理学、めっちゃおもろいやん……」と知的好奇心をツンツン刺激されている現状もある。

 その事実を鑑みれば、本書を読んで本当によかったと思います。実際、これまでは国語と歴史の復習をメインに使っていたスタディサプリで、読み終えてすぐに物理の履修を始めるほどには感化されてしまったので(関連記事:『スタディサプリ』は大人にもおすすめ!高校の総復習で教養を身につける

 帯の文句に偽りなく、言葉だけで「物理学」への関心度が急上昇した本書。まえがきの想定読者──文系出身者、物理が苦手な人、嫌悪を抱く人──に当てはまる人で、普段はこういった分野の本を手に取らないような人におすすめしたい、魅力的な入門書です。

 

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*1:Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen./常識とは、18歳までに身に付けた偏見のコレクションである。(参考:アルベルト・アインシュタイン - Wikiquote

ひらくPCバッグminiを買ったら、街歩きが快適になった

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 前々から気になっていた「ひらくPCバッグmini」を購入しました。

 本製品を手がけたのは、ブロガーのいしたにまさき@masakiishitaniさん。オフ会やイベントでこれを使っている人を何度か見かけたことがあり、評判も良いから気になっていたんですよねー。

 1月下旬に使いはじめて、はや2ヶ月。想像していたよりも収納性が高く、また必要以上に大きくないため、街歩きにもぴったり。まっこと重宝しています。

 肩に掛けて歩いてもまったく邪魔にならないし、ほかのショルダーバッグと比べてもフィット感は抜群。肩に掛けたままバッグを開いて物を取り出すこともできるので、大きなリュックサックを背負っていたときよりも外で動きやすくなったという実感があります。

 というわけで、実際に使用してみての感想をざっくりとご紹介。

 

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「ひらくPCバッグmini」の外観を見てみよう

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 このたび買ったのは、2016年発売の「ひらくPCバッグmini(ブラック)

 2012年発売の「ひらくPCバッグ」をさらにコンパクトにした、機能性に優れたPCバッグです。横に長い2012年版に対して、miniは縦に長いつくり。「面」の部分だけを見るとトートバッグのようなサイズ感ですが、奥行きがあるため収納性に優れています。

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 横から見ると、こんな感じ。
 公式ページによれば、底面の奥行きは12.5cm。

 下に置いても安定しやすい二等辺三角形のバッグは、実際、この2ヶ月間で一度も倒れたことがありません。それこそ製品紹介の文句にもあるように、「ペン立て」のごとく机上に置いて使うことも可能。必要なものだけを出し入れしやすい構造も魅力的ですね。

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ファスナーはかなり深いところまで開きます。

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バッグの底面は、強度が高く汚れにくいターポリン素材。まだまだきれい。

 

実際にこれだけの物を入れています

 ひらくPCバッグminiには、どの程度の荷物が入るのか。ここでは、ある日の自分の荷物を一例として、実際に物を入れて見てみましょう。

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このくらいの荷物が──。

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──すっぽり入って、なお余裕がある感じです。

 上の例ですと、最も大きな荷物として、MacBook Airやクリアファイル(A4)がぴったり入るくらいのサイズ感。また、タンブラーを入れてもまだ少しスペースに余裕があるくらいの奥行き・横幅があり、文庫本や冊子類も3、4冊くらいは入りそうですね。

 ちなみに普段は、これらの荷物にミラーレス一眼カメラも加えて持ち歩いています*1。場合によっては折りたたみ傘も入れて、それでもまだ若干の余裕がある印象。出先で買った本や文房具程度なら、一緒にバッグに入れて持ち帰ることも可能です。薄い本もいっぱい入るよ!

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小物類はメッシュポケットへ。コード類や充電器を入れてもOK。
上の写真の収納物リスト
  • MacBook Air
  • クリアファイル(A4)
  • 真空断熱タンブラー(480ml)
  • デジタルメモ ポメラ
  • Kindle Paperwhite
  • ほぼ日手帳
  • 測量野帳
  • 文庫本
  • カードケース
  • iPod touch
  • イヤホン
  • ボールペン類

 

しばらく使ってみて、どんな感じ?

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 そんな「ひらくPCバッグmini」を使いはじめて、はや2ヶ月。

 この1、2年ほどはリュックサックを常用していたため、最初は違和感がありましたが、慣れてみれば「ものすごくしっくりくる」印象。大きなリュックと比べて持ち運べる荷物の総量は減ったものの、移動中の快適さはこちらのほうが上。街歩きがしやすくなりました。

 肩に掛けるタイプの鞄にありがちな「歩く反動でバッグが身体に当たって気になる」ようなこともなく、フィット感は抜群。腰の位置にくるような長さでベルトを調節しても、バッグ本体が身体に密着して離れません。

 人混みですれ違った他人のショルダーバッグが身体に当たり、痛い思いをした──という経験がある人もいるかもしれませんが、ひらくPCバッグminiではそういったことも少ないかと。背中にまわせばほぼ隠れるくらいのサイズですし、人にぶつかるほど身体から離れることもないので。

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 また、肩掛けバッグならではの特徴として、その場ですぐに荷物を取り出せるのも大きな魅力。リュックサックのようにいちいち下ろす必要はなく、パッとバッグを開けて、サッと目的の物を取り出すことができます。カメラもすぐに出せてありがたい。

 もちろん、それだけならば多くのショルダーバッグやトートバッグにも当てはまりますが、本製品の場合、

  • 多層構造ゆえ、目的の物を見つけやすい
  • 大きく開くので、荷物を取り出しやすい

 というメリットがあります。メッシュポケットを活用すれば、バッグの底に埋もれた小物を探してゴソゴソするようなこともありませんし、ファスナーを下まで大きく開けば、取り出す際に書類が引っかかり折れ曲がってしまうような事態も避けられます。

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 さらにベルトを短く、腰よりも上の位置で背負うようにすれば、自転車移動にも使えそう。さすがに数十km単位の長距離では専用のバッグのほうが良いでしょうが、普段の街乗りや自転車通勤で使うぶんには問題ないんじゃないかと思います*2

 


 

 そんなこんなで、まだ2ヶ月ではありますが、すっかりお気に入りの鞄となった「ひらくPCバッグmini」のレビューでした。これからもお世話になります。

 

 

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*1:今まさにこの写真の撮影に使っているので、ここでは省略しています。

*2:花粉症でまだ何度も試せていないので、使えなさそうだったら後ほど修正します。

池袋『コメダスタンド』で「やわらかシロコッペ」と珈琲を楽しむ

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池袋・サンシャインシティにオープンした『コメダスタンド』に行ってきました。

おなじみ『コメダ珈琲店』の新業態であり、各地に展開しているコメダ謹製『やわらかシロコッペ』とのコラボレーション店舗なのだとか。

たまたま「無性にコッペパンが食いてえ!」と検索していたらこちらのお店の存在を知り、迎梅雨のなか足を伸ばしてきた格好です。

 

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日本庭園があるスタバ!川越鐘つき通り店に行ってきた

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 ここ最近、おしゃれカフェやコーヒースタンドが増えつつあるように感じる街、小江戸・川越。しばらくぶりに訪れると、いつの間にか新しいお店が増えていてびっくりするんですよね。

 そんな川越の街で、今度はスターバックスコーヒーが新店舗をオープンしたのだとか。それも、てっきり駅前にでもできたのかと思ったら──なんと、場所は「時の鐘」の目と鼻の先らしい。……観光地のど真ん中じゃないっすか! むちゃくちゃ混雑するやつだ! わぁい!

 というわけで、混雑を承知で開店初日の『スターバックスコーヒー 川越鐘つき通り店』に行ってきました。

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小江戸の街にオープン!和モダンなコンセプトストア

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 このたび新規開店したスタバが店を構えるのは、店名にもある “川越鐘つき通り” 。川越のシンボル的存在である「時の鐘」と同じエリア、観光地のただ中に位置します。

 駅からはちょっと距離がありますが、観光目的で川越を訪れたのであれば、散策ついでに自然とたどり着けるような場所。寺社仏閣や蔵造りの町並みといった観光スポットを巡り、写真を撮ったり食べ歩いたりしながら「時の鐘」を目指して歩くのがおすすめです。

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 こちらが店舗外観。川越の伝統的な街並みに合わせたコンセプトストアとして、周囲に溶けこんだつくりになっています。遠目にはスタバとわかりませんが、近くまで来ればおなじみのロゴがお出迎え。通常の緑地のロゴと比べると、少しシックな色合いですね。

 城下町の商店じみた外観に対して、店内は和モダンでな雰囲気。入り口にもカウンター席がありましたが、すぐ横に行列ができているためか、この日は座る人がいなかった模様。このカウンターはそのまま店内のレジにつながっており、お店全体も縦に長い形になっています。

 店内の中央付近には外へ通じる扉があり、その先には中庭が。 “庭” と言いつつも頭上には屋根があるため、小雨程度であれば気にせず座れそう。自然光を取りこみつつも全体的に日陰になっているため、おそらく夏場は庭園側から風が入ってきて、涼しく過ごせるのではないかしら。

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 また、店舗奥のスペースには、4人掛け・2人掛けのテーブル席があります。

 その横、外のテラス席に通じる部分は全面がガラス窓の開放的なつくりになっており、日中は柔らかな日差しが感じられて暖かな雰囲気。壁面にはいくつかのアート作品が展示されており、これまた「和」のイメージが際立ちますね。

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 そして、外のテラス席には日本庭園が!

 多彩な木々と花々が植えられた庭園は彩り豊かなだけでなく、枯山水と思しき表現も。加えて、テラス席に出ると、店内の喧噪はどこへやら。まっこと静かな空間が広がっており、お客さんたちも自然と声を抑えるように話し、写真を撮っていました。

 梅の花が咲く庭園を眺めつつ、きっと四季折々の風景が楽しめるんだろうなー……などとぼーっとしていたら、突如、ご近所さんらしき猫氏が紛れこむイベントも発生。あまりにも当然な顔をして木に向かって爪研ぎをしていたので、思わず二度見してしまった。

 ……あ、シャッターチャンスじゃん! と我に返りカメラを構えようとしたところ、またどこからか現れた別の猫氏が、爪研ぎ中の猫氏に猫パンチ。写真を撮る間もなく、2匹そろってだだーっと走り去ってしまいました。日本庭園で猫が追いかけっこをするスタバ……新感覚だ……。

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 場所が場所ということで混雑が見込まれるものの、テラスもあわせて席数は77席。そこそこ広い店舗ですし、持ち帰りの人も相当数いると考えれば、ふらっと訪れても意外と座れるんじゃないかと思います。電源席があるわけでもなし、回転率は悪くないはず。

 これからの季節、春は花見、夏は風鈴、秋は祭り──などと川越へ足を運ぶ機会がある人は、観光ついでに覗きに行ってみるのも良いかもしれません。特に夏、川越氷川神社の「縁むすび風鈴」は一見の価値ありですぞー!

 

店舗情報

 ※参考:食べログ / ぐるなび

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『不屈の棋士』人工知能があぶり出す「人間らしさ」の在り処

 最近、将棋がアツい。

 昨年から今年にかけての藤井聡太さんの活躍は言うに及ばず、羽生善治さんの永世七冠に、テレビやネットを中心とした「ひふみん」ブームなどなど。あちらこちらで将棋の話題が飛び交っており、興味のない人でも耳にする機会が増えたのではないかしら。

 かくいう僕もすっかりその流行に感化されてしまい、素人なりに将棋アプリを楽しんでいる今日このごろ。

 数年前にインストールしたときには飽きてしまった『将棋ウォーズ』も、すでに1ヶ月以上継続中。1日3戦は欠かさず指し、累計100戦を終えての勝率は4割6分。級が上がるにつれて勝てなくなってきたので、いい加減に戦法を学ぼうかなーなんて考えています。

 一方で、そのように「指す」だけが将棋の楽しみというわけでもなく。「プロの対局を観戦するのが好き」という人もいますし、将棋の本を「読む」ことにだって楽しさや魅力がある。将棋の楽しみ方はさまざまで、本をきっかけにその世界にハマる人も少なくないと聞きます。

 このたび読んだ大川慎太郎著『不屈の棋士』は、まさにそういった人でも楽しめる将棋本だと言えます。観戦記者である筆者さんが11人の棋士にロングインタビューを敢行し、プロの将棋指したちの実像に迫った1冊。

 将棋について “そんなに知らなくても読める” という感想*1を読んで買ったのですが、まさにそのとおり。しかもそれでいて、「将棋」という奥深いゲームの魅力に触れながら、棋士11人の各々の哲学やスタンスを知ることができるという、非常に濃密な内容でした。その感想をば、ざっくりと。

 

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