先日、イベントで「フォルダブル」なるものを試す機会がありまして。名前だけ聞くとピンと来ない……というか、どことなく文房具チックな雰囲気の単語ですが、一口に言えば「紙でできたノートパソコンスタンド」でございます。
振り返ってみれば、これまで「パソコンスタンド」を使ったことがなかった自分。自宅では普段、小学生以来ずっと使い続けている勉強机でパソコンに向かっていることもあり、別に「スタンド」の必要性に迫られることもなかったんですよねー。読書の際などはむしろ邪魔になりそうだし。
そのような事情もあり、「ノートパソコンスタンド」と言われても、特別に心惹かれることはなかったのですが……。
いざ使ってみると、「あれ? 思ってたよりも快適じゃね?」となり、「な、なかなか悪くないじゃねーか……」とデレてきたと思ったら、今や「どこでもいっしょ!」状態。すっかりパソコンとセットで使うようになり、お世話になっている現状です。想像以上に素敵やん……。
というわけで、そんな「フォルダブル」をがっつりと使うようになってから10日ほどが経ったので、ざっくりとその使用感をばご紹介。
封筒?折り紙?「紙」にしか見えないPCスタンド
こちらが、「フォルダブル」。未開封の状態でも目に見えてわかる「紙」の質感と細長い形状は、そこはかとなく「封筒」のイメージを呼びおこさせるもの。
それもそのはず。公式サイトによるとフォルダブルの寸法は、114.6mm×240.2mm。一方、ダイレクトメールなどでよく見かける「長形3号」の封筒は、120mm×235mm。縦横比に若干の違いはあれど、よく似た形・大きさをしています。郵便番号の記入欄があっても違和感なさそう。
封筒……じゃなかった、フォルダブルの簡潔なパッケージをひっくり返してみると、裏面に書かれている商品情報も最低限の内容となっています。
メイド・イン・ジャパンにこだわっているという本製品は、京都の指定無形文化財「黒谷和紙」製。身近なようでいて、意外と日常的には見る機会の少ない和紙。それだけで、ちょっとした特別感を感じられて嬉しい。パッと思い浮かぶ身近な「和紙」と言えば、日本酒のラベル(「久保田」の小国和紙)くらいしか出てこないや……。
取り出してみた実物は、このような感じ。……と言っても、マジで「紙」にしか見えないから困っちゃうよね!
触ってみた実感としても「和紙だ!」としか言いようのないもので、触り心地は良いけれどそれ以上でもそれ以下でもないという。ただ、ほぼ単色で模様もない封筒とは異なり、表面に和紙ならではの繊維や塵が見られるのはすっごく好み。ザラザラ感もいいぞ。
ところがどっこい。よくよく見ると、素材ならではの雑然とした味のある模様とは別に、うっすらと人工的な「線」が入っているのが見える。
明かりに向けて透かして見ると、ご覧のとおりにくっきり。パソコンスタンドとして使うための「折り目」ですね。封筒だと思っていたらその実、折り紙だった。組み合わせたら変形合体しないかな……(ロボアニメ感)。
――そう、封筒やら紙やらと、何の話をしているのか忘れそうですが、そもそもこのフォルダブルは “ノートパソコンスタンド” 。こうして折り目に沿って形を整えることで、パソコンを快適に使うためのスタンドに変身するのです。そしてゆくゆくは合体を
一応、パッケージや公式サイトにも「折り方」が書かれていますが、なんとなーく感覚的にいじくっているだけでも完成してしまう親切設計。折り目に沿って中央部分を押し込むように畳んでいくと、上記のような獣耳っぽい形になり、これで完成形です。すっごーい!
これをこうして……。
こうじゃ!
実はほかにも折り方があり、簡易版のスマートフォンスタンドとしても使うことができるそうな。基本的にはこうして、ノートパソコンを立てかけて使う形になります。
10日間ほど使ってみて感じた、フォルダブルの3つの魅力
【フォルダブル(Foldable)】世界最軽量モバイルノートパソコンスタンド
さてさて、そんな「フォルダブル」を使いはじめて、はや10日間。
あまりに軽く薄いため、外で取り出したところで強風にさらわれそうになったり、使用2日目に早くも上に重いものを落としてしまったりと、トラブルに見舞われることもありましたが……。それなりに長く使うことで慣れてきた部分もあるので、感じたことをざっくばらんにまとめました。
1.【利便性】適度な傾斜が、タイピングを快適に
まずはノートパソコンスタンドならではの利便性として、「タイピングが快適になった」という点。スタンドの上にパソコンを置くことでほどよい傾斜が生まれ、キーボード操作が格段に快適になりました。
正直に言って、当初は「角度が付くだけでそんなに変わるん?」と疑念を抱いていたのですが、実際に長時間にわたって使ってみると……やっぱり、明らかに違う。長時間にわたってキーボード操作をしたあとの、「手首」にかかる負荷が軽減されたという実感があります。
それ以上にわかりやすいのが、体全体の「姿勢」ですね。もともと猫背で、近視も相まって常に前傾姿勢ぎみだったパソコン作業中の自分の姿勢が、目に見えて改善されました。
ディスプレイの角度も上記写真のようにしっかりと固定されるため、目線を合わせるべく自然と背筋も伸びる格好。数時間ぶっ続けで作業したあとでも、疲れた首をぐるぐる回してストレッチするほどの疲労感を感じることは少なくなったように思います。スタンドって、こんなに快適だったのか……。
2.【携帯性】とにかく軽く、どこへでも持ち運べる
また、何よりも嬉しいのが、どこへでもパソコンとセットで持ち運べるという携帯性の高さ。その紙の如き薄さと(というか紙だけど)、わずか15gという軽さは、荷物を圧迫しないどころか、「持ち運んでいる」という感覚すらないほどです。
家でも外でも、ノートパソコンの「隙間」がフォルダブルの居場所。キーボードとディスプレイのあいだに挟むような形で保管して、パソコンを使うときにはそこから取り出し、起動中に折り畳みつつPC下部にセット。そのまますぐに作業に取りかかれます。
場所を取らず、手間もなく、すぐに取り出して、どこでも使える。この携帯性の高さは、PCスタンドのなかでも随一なのではないかしら。普段からキーボードと画面のあいだにはメモ用紙を挟んでいるのですが、それと一緒にしても問題のない厚みです。むしろ、フォルダブルをメモ帳に使うのもあり……?
3.【汎用性】ノートPC以外でも、いろいろ使える
「ノートパソコンスタンド」を謳っているフォルダブルですが、特定の “ノートパソコン” 以外でも使いまわしができるのも嬉しいポイント。先ほどもちょろっと触れたように、折り方を変え、スマートフォンスタンドとして使うことも可能です。
MacBook以外のノートPCはもちろんのこと、ポメラのようなテキスト入力ツールでもOK。最近はすっかりポメラのお世話になっている自分としては、嬉しい誤算でございました。さらに執筆が捗るぜヒャッハー!(関連記事:ブロガーにおすすめ!ポメラDM200を使ってみた)
ただ、タブレット類でも同様の使い方ができますが、モノによってはずり落ちてしまったり、支えきれず倒れてしまったりする場合もあるので注意。折り方のパターンは限られているものの、それなりに多くの用途で使えそうなので、いろいろと試行錯誤してみるのも楽しそうですね。
意外と丈夫!これからもお世話になります
そんなこんなで、「フォルダブル」のざっくりレビューでした。「紙」ということもあり、丈夫さの面で少々の不安を感じていたのですが、今のところはまったく問題ありません。
先ほども少し触れたように、使用2日目にして重い物を上に落とし(机の上でパソコンに向かって作業中、正面の棚からiPadとChromebookがキーボード上に落下)、結構な衝撃を与えてしまったのだけれど……。ダメージとしては、ちょっと凹んだ程度。パソコンを立てかけても変わらずしっかりと固定してくれており、ガタガタになることなく使えておりますゆえ。
ただ、公式サイトには以下のような記述も。
フォルダブルは、紙の中でも繊維が太く強度の強い素材を用い、さらに度重なる加重テスト、使用テストを行っており、安心してお使いいただけます。しかし、素材そのままの手触り、感触を楽しんでいただけるように、可能な限りコーティング等の余計な加工を行っておりません。
そのため、紙という素材の特性上、使用状況によっては、表面や折り曲げ部が劣化すること、汚れが目立ってくることがありますので、定期的な交換をおすすめしています。
(【フォルダブル(Foldable)】世界最軽量モバイルノートパソコンスタンド)
どれだけ丈夫で便利に見えても、結局のところは「紙」。とは言え、消耗品であることを考慮しても便利であるのは間違いないので、今後も使い続けたい所存です。なにげにカラーリングも豊富なので、次はスカイブルーを選ぼうかな……。
※Amazonでも取り扱っていますが、現在はどうやら公式サイトから買ったほうが安いようです。