「1万時間の法則」というものがある。ネット上でもしばしば話題に挙がるこの法則、どこかで耳にしたことがあるという人も結構多いのではないでしょうか。
これは一口に言えば、「ある分野で習熟して一流になるためには、1万時間の練習が必要である」という主張*1。是非はさておき、1日4時間ずつで計算してみると、1万時間に達するまでに必要な年月は──おおよそ7年。「毎日欠かさず7年間」を実践するのは、なかなかに困難であるように思う。
そもそも、ただでさえ仕事だ何だと忙しくしている日々の生活に、新たに4時間もの時間を割ける人はそうそういない。また、その習慣が定着する前に飽きてしまったり、別のことに興味を惹かれたりする可能性だってある。よほど好きなことでもないかぎり、年単位で活動を継続するのは難しい。
僕自身、こうして好きで書いているブログだって、今年でようやく5年目になります。しかも毎日更新しているわけでもないので、 “1万時間” の達成には程遠いはず。とてもじゃないけれど、 “一流” だなんて名乗ることはできません*2。
そんな己の現状を鑑みると、何らかの創作活動や勉強を長年にわたって続けている人は、本当にすごいと思うんですよね。ただ漫然と過ごすのではなく、特定の活動を自然な「習慣」として自身の生活に落としこむことは、それだけである種の「才能」なんじゃないかと思えてくる。
実際、いわゆる「天才」と呼ばれる人たちのなかには、日々の小事──決まった「日課」を数十年単位で継続することで、大事を成すに至った人も少なくないと聞きます。
そりゃもちろん、天才だからと言って、歴史的名著や名作を一夜にして生み出したわけではないはず。彼らにも日々の生活があり、特定のルーチンを積み重ねるなかで技術を磨き、その果てに後世に残る作品を生み出すに至ったことは、想像に難くない。
──ということは、逆に考えると、彼ら「天才」たちが実践していた「習慣」や「日課」を知ることで、僕らが学べるものもあるのでは……? 「真似すれば天才になれる!」なんて簡単なものではないものの、彼らも同じ人間として日々を過ごしていた以上、きっと参考になる部分もあるはず。
──というわけで、そのままずばりの内容が書かれた本『天才たちの日課』を読みました。きっかけになったのは、骨しゃぶり(id:honeshabri)さんのブログです(参考リンク:読書の習慣をつけるのに向いた精神的コストが軽い本5選 - 本しゃぶり)。
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*1:マルコム・グラッドウェル著『天才! 成功する人々の法則』より。
*2:はたして、ブログに“一流”があるのかどうかはさておき。