ぐるりみち。

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アニメの劇場版が豊作!2017年のおすすめ映画14本の感想まとめ

 映画館に行くのは、多くても年に3回程度。観るのは、好きなアニメの劇場版か、昔から観ている洋画のシリーズ作品くらい。これまでの自分は、よっぽど周囲から勧められでもしないかぎり、映画を観に行くことがあまりなかった。

 観るとしても、だいたいは地上波放送かレンタルで。学生時代ならばともかく、大人料金1,800円はお高く感じていたので。大スクリーンで観ることにさほどの魅力を感じていなかったこともあり、自分にとって映画館は縁遠い場所だった。観るなら絶対にファーストデー。

 ところがどっこい。そんな自分が、2016年は平時の2倍以上、7本もの作品を映画館で観ていた。理由はいくつか思い浮かぶけれど、端的には以下の3つが挙げられる。

  • 「極上爆音上映」という特別な映画体験に夢中になった
  • 登録すれば平日1,000円ポッキリの会員制度に後押しされた
  • ガルパンはいいぞ

 要するに、「だいたい立川シネマシティ(の会員制度)と極上爆音上映のせい」といったところ。目で観て耳で聴く映画体験に魅了された結果、2016年は例年以上に映画を観るようになったのでした。

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 で、その翌年。数えてみたところ、前年のさらに2倍――実に14本の映画を観るべく、2017年は映画館へ足を運んでいたらしい。映画好きからすればちっぽけな数字でしょうが、自分としてはびっくり。普段は3本も観れば多いほうだったのに、10回以上も映画館に行っていたとは……。

 というわけで、2017年に観に行った映画を振り返りつつ、感想をざっくりとまとめました。相も変わらずアニメが多いので、念のため。

 

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劇場版 ソードアート・オンライン オーディナルスケール

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「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-」本予告 - YouTubeより

 2017年の一発目は『SAO』の劇場版。最近は読めていないものの、アニメだけでなく原作にも触れていた作品として、「まあとりあえず観に行ってみるかー」という軽いノリで映画館へ。2月の寒さが吹っ飛ぶくらいに興奮したし、おもしろかった。

 何と言っても、これまでのキャラクターが次々と登場し、最後には一同に介するオールスター&熱血展開がアツい。そこに至るまでの疾走感と重量感が合わさったアクションシーンにも滾りつつ、 “アインクラッド” に決着をつけるラストバトルが本当に最高だった。マザーズ・ロザリオの演出はズルい。

 加えて、2017年のタイミングで「AR(拡張現実)をテーマにしていた点も印象的。上映当時、「アニメに興味がなくても、技術者は観に行っとけ」的なツイートが拡散されていた覚えがあるけれど、それほどに現実味があるというか、身近な技術の可能性を示すような内容となっていたらしい。

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「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-」本予告 - YouTubeより

 もちろん、劇中で描かれていたAR世界が現実のものになるとは限らない。けれど、類似の現象は既にリアルで起こっている。誰もが一様に端末を手にし、街中に集まり、ゲームのイベントに興じる――それはまさに、昨年から今年にかけて、『ポケモンGO』で目にしてきた光景、なんですよね。

 秋葉原UDX前、代々木公園、恵比寿ガーデンプレイスといった見覚えのある場所も舞台になり繰り広げられる、リアルとゲーム、アニメとテクノロジーとが混在した、要素てんこ盛りの劇場版。想像以上に燃え滾った本作を経て、次なる物語――アリシゼーション編の放送も楽しみだ。

 

ラ・ラ・ランド

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「ラ・ラ・ランド」本予告 - YouTubeより

 アニメばかり観ている自分ではあるけれど、今年の映画で1作品だけ選べと言われたら、これを挙げる

 普段はあまり観ないミュージカル。遠い外国の大人の恋愛模様。退屈な日常を彩る音楽と新たな出会い。夢追い人と現実とのギャップ。そしてたどり着く、1人と1人の現在と、一夜の夢。

 個々の要素を見ると、特別に自分の好みというわけではないのだけれど、1作品として全体を俯瞰すると――なんかもう、いろいろな感情がまぜこぜになって言葉にできない。しゅき。

 冒頭の数分、高速道路のミュージカルのシーンであっという間に引きこまれ、始まるのは夢追う2人の物語。けれど、キラキラと眩しい夢は遙か遠く、絡み合う2人の心は夢と反目しあう。輝かしい青春のような恋愛模様は歌と踊りのなかで描かれ、奏でられるピアノの音色はどこかもの悲しい。何度もリフレインするテーマ曲のメロディが行き着く先は、ハリウッド的な “ハッピーエンド” からはほど遠く、それでも最高の結末をもたらしてくれた。

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「ラ・ラ・ランド」本予告 - YouTubeより

 つまるところ、自分は「決別」を描いた物語に自然と惹かれてしまうのかもしれない。どうしようもない何かがあって、結果として1人と1人で生きていくことになった関係性。でもその別れは決して悪いものではなく、むしろ幸せな結末として描かれている。そんな作品。

 スタッフロール後も感情が整理できず、茫然自失のまましばらく退場できなかった。でも同時に、最高に素敵な映画を観られて良かった……と満足し、ため息をついたあとに思わず天を仰いでしまった覚えがある。10年前、渋谷のミニシアターで『秒速5センチメートル』を観て以来の経験でした。

 サウンドトラックは、今もお気に入りの1枚。今年一番よく聞いたメロディは、間違いなく本作のテーマ曲。いつでもどこでも、ピアノの音色が癒やしてくれる。

 

夜は短し歩けよ乙女

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映画『夜は短し歩けよ乙女』公式サイトより

 「おなかいっぱい」という感想が似合う、奇想天外で摩訶不思議な一夜の京都のファンタジー。視覚的に楽しめる森見登美彦ワールドが、そこにはあった。

 人気長編小説の映画化ということで、尺の問題やらキャラクターのイメージやら世界観の再現やらと懸念の声が挙がっていた覚えもあるけれど、蓋を開けてみれば無問題。アニメ『四畳半神話体系』も手がけた湯浅監督とスタッフ陣によって、まっこと見事にまとめられておりました。

 四季を一巡する原作を「一夜」に詰めこんでしまうという大胆な構成ながら、まったく違和感なく作品世界に浸れることができた。ただし、とてつもないジェットコースタームービーではあったけれど。疾風怒濤の展開と豪華絢爛な映像があわさり、膨大な情報量を処理するべく脳がフル回転。良くも悪くも「疲れる」映画と言えるかもしれない。

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『夜は短し歩けよ乙女』 90秒予告 - YouTubeより

 特に印象的だったのが、ヒロイン・黒髪の乙女を演じる花澤香菜さん――もそうだけれど、それ以上に主人公・先輩を演じる星野源さんの演技。

 自由奔放・好奇心旺盛の “乙女” な花澤さんがかわいらしい一方で、主人公かつ語り部というポジションながら、星野さんの「冴えない男子学生の演技っぽくない演技」が見事にドはまり。すさまじい存在感を発揮していた。それまで名前しか知らなかったので、想像以上の熱演ぶりにびっくり。ただの前川みくPじゃなかったのか……!

 そしてなにより、本作にはお酒が似合う。Blu-rayも発売された今、冬休みには炬燵に入って、電気ブランをちびちび飲みつつ本作を観てみたいところ。そこにお酒があるかぎり!

 

ReLIFE リライフ

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映画「ReLIFE リライフ」90秒予告編 - YouTubeより

 珍しくわざわざ映画館まで観に行った、漫画原作の実写映画。「漫画の実写版」と聞くだけで忌避感を覚えがちだったこともあり、まったく期待せずに映画館へ足を運んだのだけれど……蓋を開けてみればびっくり。想像以上に素敵な “実写化” だった。

 原作は、無料漫画アプリ『comico』で連載中の同名漫画。自分と同年代のニートである主人公が高校生活を “やり直す” ストーリーが、読みはじめた当時ちょうど無職だった己の鳩尾にクリティカルヒット。青春の甘酸っぱさと20代後半のモヤモヤとが混在した雰囲気が、なんとも好みの漫画です。

 で、そんな『ReLIFE』をどのように実写化するのかという興味もあり、ふらっと平日の映画館へ向かってみたら――これが、思いのほかよかった。本作のテーマと魅力を2時間で描ききろうとするのなら、まさにこの映画が最適解なんじゃないかと思えるほどだった。

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映画「ReLIFE リライフ」90秒予告編 - YouTubeより

 何と言っても、「高校生の青春映画」として素直に楽しめたことが大きい。

 本来は「27歳無職」である主人公の価値観と葛藤を盛りこみつつ、眩しくも青臭い「高校3年生」の1年間が描かれていたこと。男友達との絡みなどは本当に高校生さながらだったし、懐かしさと憧れが同居した、学園青春ドラマとしておもしろかった。

 そのうえで、漫画ともアニメとも異なる後半の展開が、実写映画ならではの味わいとなっていたように思う。土砂降りのなかを走る5人のシーンは実写ならではの美しい映像だと感じたし、俳優さんの演技も違和感がなかった。むしろ「高校3年生に戻った27歳無職」の主人公を、18歳の俳優さんが演じていたことにびっくり。普通に同年代かと錯覚していたぜよ……。

 

美女と野獣

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「美女と野獣」MovieNEX予告編 - YouTubeより

 エマ・ワトソンかわいい。個性豊かな従者たちが好きです。

 

劇場版ポケットモンスター キミにきめた!

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ポケモン映画公式サイト「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」より

 2003年公開の『七夜の願い星 ジラーチ』以来、14年ぶりに劇場で観たポケモン映画。今年で一番印象的だったのは『ラ・ラ・ランド』だったけれど、最もダイレクトに感情を揺さぶられたのは本作。唯一、映画館でガチ泣きした作品。比喩でなく、マジで涙腺崩壊した。

 ぶっちゃけ、観に行ったのは完全に興味本位。そりゃあ「『赤緑』時代のアニメのリメイク」と聞いたら気になるし、ネットで観たPVに使われていた「めざせポケモンマスター」のメロディに「うっひょー!」となったのも事実。

 ただ、当初は「とは言っても、少年少女向けのポケモンアニメじゃろ?」という感覚のほうが大きかった。タケシもカスミもいないし、ポッチャマやガオガエンといった最近のポケモンの姿もあったし。せっかくだし、観に行くかーくらいの感じ。

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【公式】劇場版ポケットモンスター キミにきめた!特報3 - YouTubeより

 ところが、である。いざ映画が始まってみれば、それは紛れもなく「アニメ無印世代ホイホイ」な内容だった。懐かしい音楽があり、初代OPのオマージュらしき映像があり、見知ったポケモンとの出会いと別れがあり。

 なかでも、音楽の力はやっぱりすごい。バトルシーンでは歴代ゲームのアレンジ曲を採用しつつも、日常シーンで流れる無印アニメのBGM。すっかり忘れていたはずのメロディが耳に入るたびに、自宅のリビングで妹と並んでアニメを観ていたときの記憶がフラッシュバックする。あれはズルい。

 そのような昔なじみの要素が序盤から目立っていたこともあり、物語中盤で描かれたIFの世界のシーンの異質感と「やりおったー!」感はすごかった。アニメだろうがゲームだろうが、「ポケモン」の世界観を知る人ならば一度は想像したことはあるだろう、「現実世界」とのギャップ。サトシとピカチュウとの絆を感じさせられつつ、あのシーンの一言で旅に出たくなった大人は多いんじゃないかと思う。

 そして、問題の終盤。『ミュウツーの逆襲』のワンシーンを彷彿とさせるあの場面で、これまで絶対にやらなかった “アレ” が劇中で描かれたことで、アラサー男子の涙腺はいともたやすくぶっ壊れた。

 「アレはないわー」という声も多く聞かれるようだけど、個人的にはアレがあってこその『キミにきめた!』だったと思う。すっかり当たり前になっていた「モンスターボールに入りたがらないピカチュウ」を改めて描きつつ、20年の積み重ねを一気に解放するかのようなシーン。こうして思い出すだけでも軽く泣けてくるし、本当に観に行ってよかったと思う。

 

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

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「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」予告2 - YouTubeより

 (割と)好きなタイプの映画――だけど、時間が経ってから改めて感想を書こうとすると、どうも言葉に詰まるタイプの作品。

 鑑賞直後はその色鮮やかな作品世界に浸っていられたのだけれど、時が経つに従って、その感慨も感傷も薄れて消えてしまったような。それこそ、ひと夏の青春と打ち上げ花火のように。作品全体から感じられるノスタルジックな雰囲気と、未完成で不確かな青春模様が眩しい映画。

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DAOKO × 米津玄師『打上花火』MUSIC VIDEO - YouTubeより

 一方で、そんなふわふわとした記憶を、映画全編を観ずとも思い起こさせてくれるものもある。それが本作の主題歌、『打上花火』のMVだ。

 映画鑑賞前は「きれいなMVだなー」くらいの印象だったこの動画、鑑賞後に改めて観ると、作品世界の魅力が凝縮された4分52秒になっていることがわかる。実際、久しぶりに観たら感動が蘇ってきたし、こうして現在進行系で感想を書くことができているくらいなので。

 もともと音楽と映像が一体化しているミュージカル――前述の『ラ・ラ・ランド』や『美女と野獣』とはまた別の感慨を呼び起こす、主題歌とMV。その絶大な魅力は、映画主題歌のMVとしては異例の9000万再生という数にも現れているように見える。

 我が家の小さなテレビ画面で観ると消化不良で終わりそうだから、また夏にでもどこかで上映しないかなーと思う今日この頃。上へ下へと極彩色が泳ぎまわるあの美麗な映像は、やっぱり大スクリーンで堪能したい。

 

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い

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「劇場版Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い」PV第3弾 - YouTubeより

 “魔法少女” で “イリヤ” な要素がほとんど皆無の劇場版。

 実質的な「プリズマ☆イリヤ/Zero」であり、本家本元の『Fate/stay night』で言えば、「Heaven's Feel」へ至る途中の物語。原作コミックでも大好きなエピソードだったので、劇場の大スクリーンで観られて嬉しかった。

 見せ場はやっぱり、美遊兄による固有結界の詠唱・展開シーンでしょう。コミック版もそうだけど、本家『Fate』をプレイしてからもう10年以上が経つにもかかわらず、それでも「無限の険製」の演出にはワクワクさせられずにはいられない。

 特に『プリヤ』の場合、絶望と諦観の果てに「1人だけを守る」と決めた衛宮士郎が持つすごみというか、ただアツいだけではない、静かな闘志が感じられてたまらない。本家をなぞっているようでいてどこか異なる魅力があり、それもまた『Fate』の作品世界の持ち味だと思っているので。

 

三度目の殺人

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映画『三度目の殺人』公式サイトより

 「原作が好き」とか「ネットで評判だったから」というような前提は何もなく、「何の知識もないままノリで観に行った」、多分初めての邦画。

 きっかけは、映画館で観た予告編。当初は「あー、福山雅治だー」くらいの感覚で特に気にも留めていなかったのだけれど、途中でふと既視感を覚えた。このピアノの音色……どこかで聞いたことがある……というか、自分がよく作業用BGMにしている、あの人の楽曲なのでは……?

 クレジットを見ると案の定、そこには「音楽:ルドヴィコ・エイナウディ」の文字が。5年前、映画『最強のふたり』ですっかり虜になり、以来よく聴いている作曲家さんでござる。その物寂しい音色と、予告編の独特の雰囲気に魅せられて、なんとなく観に行くことにしたのでした。予告以外は何も調べず、ノリと勢いのまま公開初日に。

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『三度目の殺人』予告編 - YouTubeより

 一口に言えば、「法廷劇」に分類される本作。

 弁護士の視点で殺人犯と向き合い、真実へと迫っていくサスペンスドラマ……なのだけれど、何ひとつとして「真実」が明らかにならないことにまず驚いた。観客目線では、物語の最後まで白か黒かがわからない。びっくりすほどグレーカラー。徹頭徹尾が曇天模様の作品だ。

 思うに、本作はいくつかのテーマ性をはらんでいる。そのなかでも個人的に気になったのが、既存の「システム」の歪さについて。

 「真実」などは誰も気にかけず、集団としての利益や調和を優先した “システム本位” となりがちな、現在の法廷が抱える問題点。それを、法廷における歯車のひとつである「弁護士」の視点で、「殺人犯」との交流からあぶり出していく展開になっている。

 特に象徴的に描かれているのが、円滑に裁判を進めるために、裁判官・検察官・弁護士を交えて行われる機械的な “忖度” 。対するは、そこで個人対個人の人間関係へと立ち返り、殺人犯の気持ちを汲み取るべく感情的に “忖度” する主人公。その決断は、常に灰色じみた物語と関係性が展開していく劇中において、唯一「色」のある行動に見えた。

 そして終盤、薄暗い接見室に射しこむ一筋の光を浴びながら、互いの胸の内を語る弁護士と殺人犯。最初は離れていた2人の距離が縮まり、影がひとつになっていくかのような映像が、今も脳裏に焼き付いて離れない。

 

新感染 ファイナル・エクスプレス

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映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』公式サイトより

 これまた「初めて観る韓国映画」かつ「初めて映画館で観るゾンビもの」という、自分が普段は観ないタイプの作品。好きで購読しているいくつかのブログで紹介されているのが目に入り、興味本位で観に行った格好です。

 まず何に驚いたって、「作中ほとんどの場面が、高速鉄道の列車内を舞台にしている」こと。決して広くはない、ほぼ日本の新幹線と同じような車内で、あの手この手でパニックが起こり、アクションシーンが繰り広げられるという、めまぐるしい展開に興奮させられた。

 なかでも、津波のように押し寄せてくるゾンビの物量がとんでもない。ガラスを突き破り、車内になだれ込み、次々と乗客がばったばったと感染させられていく絶望感。しかも、それが自分もよく知る「高速鉄道の車内」という環境で繰り広げられていることで、想像以上にリアルに感じられた。

 そもそも街並みだって日本と近しい国だし、同じアジア系の俳優さんが演じているから、スクリーンの中に漂う「日常」を必然的に感じてしまうのよね。知らない街、知らない言葉だけど、そこにはよく知る日々の営みがある。だからこそ、否が応でもリアルに見えてしまう。怖い。

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ぴあ株式会社のプレスリリースより

 そして何より、劇中で繰り広げられる人間ドラマと、キャラクター同士の関係性が変化していく流れがすっごい好き。

 序盤は独善的で自分本位に映る主人公も、その葛藤と心境の変化は理解できるし、他方では、「口は悪いが情の深い兄貴分」といった風体のサンファがかっこよすぎて惚れる。子役の演技も自然に見えて最後は目頭が熱くなったし、しっかり伏線を回収したうえで畳む物語構成も見事。

 感想をブログにまとめるだけでは物足りず、韓国好きの友人と連絡を取って、居酒屋で2時間近く語り尽くすほどに夢中になった本作。その際にいくつかおすすめの映画を教えてもらったので、今年は韓国映画もちょいちょい観てみるつもりです。

 

劇場版「Fate/stay night[Heaven's Feel]」

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劇場版「Fate/stay night[Heaven's Feel]」より

 10年待ちわびた、念願の映像化。多分、10年前の自分に言っても信じないと思う。「マジで!? 映像化できるの!?」とかツッコまれそう。でもね、きっと間違いなくやってのけちゃうんだよね……『空の境界』を劇場7部作で描ききった、ufotableなら。

 原作『Fate/stay night』の全3ルート中、すでに2ルートが映像化されているとくれば、導入はダイジェスト的に流すのかな――なんて思っていたら、とんでもない。それどころか、原作のテキストをさらに掘り下げ、さらに桜との出会いを丁寧に描くという至高のプロローグ。冒頭5分で、約束された勝利の映画だと確信した。あと、地味に生活音がリアルでしゅごい。

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劇場版「Fate/stay night[Heaven's Feel]」より

 「音」と言えば、バーサーカー戦の轟音もヤバい。極上爆音上映で観ていたからかもしれないけれど、バーサーカーの咆哮で自分の服が小刻みに震えるのを感じ、その巨体から放たれる一撃が館内を揺るがしていた。ド迫力の戦闘シーンは、やはり圧巻でござった。

 そして言うまでもなく、真アサシン対ランサーの一連のシーン。あれはもう、文字にしてどうこう書くよりは、「実際に見て!」と声を大にして言いたいスーパーとんでも爽快アクションでしょう。

 夜の街を駆け、走り、飛び、刺し、そして宝具展開に至るまで、息もつかせぬ攻防にポカーン状態。その後のハサン先生の不気味さと、絶望をもたらす強キャラっぷりも魅力的で、10年ぶりに “アサシン” たる恐怖を思い出した。FGOではただの良い人だし、スピンオフ作品ではネタキャラ枠が多かったから……。

 おそらくはバーサーカーとの対峙があるであろう第2章の公開が、今から楽しみでならない。本作以外にも『Fate』関連の作品が多く展開されるということで、全力で楽しみたい所存。

 

GODZILLA 怪獣惑星

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アニメーション映画『GODZILLA 怪獣惑星』OFFICIAL SITEより

 『シン・ゴジラ』に引き続き、こちらも極上爆音上映で鑑賞。のっけから地球を蹂躙する大怪獣たちと、真空の黒い海を航行する宇宙船の音が、体の芯にズンガズンガと響いてくる。やはり、映画は極爆で “聴く” に限る――と思っていたら、そんなのはまだ序の口だった。

 中盤、いよいよもって登場した筋肉質なゴジラから放たれる大音響に、「うおおおお!」と大興奮。とてつもない重量感を伝える足音に全身をビリビリ震わされたかと思えば、横方向になぎ払う熱線の威力に呆然とする。目と耳で感じられる圧倒的なその存在感は、『シン・ゴジラ』とはまた違った方向で畏怖を覚えるものだった。

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アニメーション映画『GODZILLA 怪獣惑星』本予告 - YouTubeより

 ところがどっこい。それで終わらないのが、安定と信頼の虚淵節。ただでさえやべえ状況をようやっと乗り越えたと思ったら、ラスト10分で最上級の絶望が待っていた。

 その絶望っぷりときたら、思わず声に出して笑いそうになるほど。「あまりにどうしようもなさすぎて、愕然を通り越して笑えてくる」という不思議な体験をしたのは、本作が初めてだった。

 もちろん、「リアリティを伴う絶望」という意味では、『シン・ゴジラ』の生々しさのほうが勝るのは間違いない。でも一方で、「 “現実味” なんてものを吹き飛ばすくらいに強大で絶望的な存在が、まるでそこにいるかのように圧倒的な存在感でもって描かれていた」のが、『怪獣惑星』だったようにも思う。3Dアニメでそこまでのめり込むとは思っていなかったので、我ながらびっくり。

 そして、複数段階に分けてもたらされた驚愕は、エンドロールの後にも待ち構えていた。次作では強大な存在同士の激突が描かれるんじゃないかと想像すると、今からわくわくが止まらない。

 

スター・ウォーズ 最後のジェダイ

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「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」日本版本予告 - YouTubeより

 どうやら賛否両論らしい最新作『最後のジェダイ』。ご都合主義は今に始まったことじゃないし、個人的には総じて楽しめたという感想。アクションは派手だし、前作よりも殺陣のシーンが多かったし、新旧キャラ入り乱れてのストーリー展開はおもしろかった。

 専門的な話はわからないけれど、なんとなく「演出」全般が好みだったように思う。前作以上に「アニメ的」な演出・シーンが多かったような印象があり、それが魅力的に感じられた。

 映像づくりが丁寧というか、芸術方面に寄っているというか、リアリティよりも見た目の美しさを重視していたような。なかでも印象深いのが、しばしの無音のなかで光の軌跡が目映く輝き明滅していた、例の特攻シーン。あの1枚絵のような場面が、今も目に焼き付いていて離れない。

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「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」日本版本予告 - YouTubeより

 それ以外でも、背景の美しさを考慮したキメの1枚絵っぽいシーンがいくつかあったように思うし、会話によるジョークよりもジェスチャーによるお笑いの要素が多かったような実感もある。あとは、カメラワークも含めた殺陣とか。

 ってか、共闘のシーンは言うまでもなくアツかったけれど――それより、ストームトルーパーとスノーク親衛隊の武器、なにあれカッコよくない!? EP7で目立ってたトンファーの再登場に喜んでいたら、処刑用アックスという専門武器が出てきて、長刀じみた長柄武器に、両端が刃のダブルブレードも登場。さらには蛇腹剣までお目見えとか、男の子が興奮するラインナップじゃないか……!

 次回作への不安がないと言えば嘘になるけれど、自分が子供の頃から追いかけてきた数少ないシリーズ映画として、楽しみに待ちたい。

 

ガールズ&パンツァー最終章 第1話

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『ガールズ&パンツァー 最終章』第1話 劇場本予告 - YouTubeより

 極上爆音上映の真骨頂が体感できる、最高の映画であり、アトラクション。それが『ガルパン』である。久しぶりに大音量で聴く砲弾の炸裂音に、思わずにっこり。これだよ……これを待っていたんだよ……! 実家のような安心感が、そこにはあった。

 冒頭にも書いたように、映画をあまり観ることがなかった自分にとって、「映画館」という存在を身近にしてくれたのが、立川シネマシティと、極上爆音上映と、ガルパンだった。前回の劇場版で「音」の魅力を知り、「体験」としての映画に惹かれ、初めて “2回目” を劇場に観に行った作品。Blu-rayを購入しようが、やはり極爆の魔力に抗うことはできず、何度も足を運んでしまう。それが、ガルパンだ。

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『ガールズ&パンツァー 最終章』第1話 劇場本予告 - YouTubeより

 その最終章・第1話となる本作も、期待通りの内容。全6話の構成ということもありOVA的な雰囲気で進むのかと思いきや、戦車戦でなくとも休む間もない展開にあっぷあっぷ。

 良い意味でツッコミどころ満載の世界観に、テレビアニメと劇場版を経てすっかり好きになった個性的なキャラクターたちに、これまたアクの強い新キャラとのやり取りが小気味よい。戦車を降りても超人的能力を発揮する西住殿に笑わされつつ、それでもまったく違和感がないというね……。あと、秋山殿がいつにも増してかわいい。超かわいい。

 まだ1話なのであれこれと書くには早い気もするけれど……つまるところ、ガルパンはいいぞ。

 

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