【GW日記】マリオ映画、コミティア、偽物の写真展


 GWでございます。

 Twitterでは「Genkou Week」だの「Genkou Writing」などと言葉遊びをしていたものの、なんやかんやで5月に入ってからは毎日欠かさず外出している今日この頃(原稿もやってます)。実に数年ぶりに「大型連休」を満喫している。そう、満で喫している。フルドリンク。完全吸引。「休み」という概念をフル吸引している。うま……うま……。

 

Tシャツを買うか、アバターを買うか

 5月1日は、アウトレットモールに行った。

 これまた多分、数年ぶりのアウトレット。……ってか、「服を買いに行く」という行為も数年ぶりレベルなのでは……? あまり大きな声では言えないけれど。こんなご時世で出かける機会も減り、人と会うこともなくなり、家と喫茶店との往復生活を過ごしていたので。

 間違いなく言えるのは、「この2、3年間は、リアルで着る洋服よりも、VRで着る服やアクセサリーやアバターの出費のほうが大きかった」ということ。それゆえに間近で見る「リアル洋服」の解像度の高さにビビる。現実ってすごい。自分はもう「服」と言えば「アバター向けの服」や「アバターそのもの」をイメージしてしまう体になってしまったので、UNITED ARROWSの1着5,000円のTシャツがまめひなたに見えてくるレベルである。嘘だけど。でも、まめひなたちゃんはかわいい。

『劇場版スーパーマリオRPG』の夢を見る

 5月2日は、映画を観に行った。

 ネットで話題のアレでございます。『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。一足先に封切りとなっていた海外でのとんでもびっくり評判もあり、結構な期待を込めて観に行った……のだけれど、その期待のハードルをぴょーんと超えてきた。そりゃあハードルがあったら超えるでしょう。だって、マリオだもの。イヤッフゥー!!

 詳しい感想については下記記事で書きましたが、一点だけ書きそびれていたのが、「次回作があるならこんな感じでお願いします!」の話。本作中にもちょっとした「次回作があってもおかしくない匂わせ」があり、そこから妄想できるストーリーもあるっちゃある……のだけれど、それとは別に個人的に思うことがありまして。

 『マリオRPG』の映像化……ワンチャンできませんか……? 限りなく実現可能性が低いとは知りつつも、“あの感じ”でできないかと夢を見ずにはいられない、そのくらいのクオリティだったので……。ジーノやマロと会いたいよ〜〜〜!!!

エレベータートークでトゥンク

 5月3日は、散髪に行った。

 近頃はもっぱらQBハウスで済ませていたので、久しぶりに理容室を予約して突撃。シェービングを担当してくれた快活系理容師さんと「ネットDE副業」的な話を、カットを担当してくれた誠実系理容師さんとYouTuberの話をしていたら、あっという間に終わってた。普段はインターネット住民やVRの民やVTuberオタクとばかり交流していることもあって、「YouTubeで何を見てます〜?」の質問ひとつで、知らない世界が垣間見えて楽しい。

 あと、散髪とはまったく関係ないのだけれど。退店後のエレベーターの中で、先に乗っていたお姉さんに「先ほど一緒になりましたよね?」と話しかけられてびっくりした。そういえばたしかに、ビルのエレベーターで一緒になったような……? かと思えば、「アッハイ」とおどおど答える自分の様子を見やりつつ、「雰囲気変わりましたね」「お似合いですよ」的なことを仰るじゃあありませんか。

 やだ〜〜〜!! 嬉しい〜〜〜〜〜!! たまたまエレベーターで居合わせた見知らぬオッサンを瞬時にニッコニコにさせてしまうお姉さん、強い。あまりにも強すぎる。そのコミュ力を参考にしたい……! と思ったけれど、僕がやったら不審者になるのでやめておきますはい。

あるく、あるく。

 5月4日は、歩いた。

 この日に関しては「外出」というより、「日常の延長線上にある1日」といったほうが近そう。普段から週1、2くらいの頻度で発生させているウィークリーミッション、「片道5kmの距離にあるスタバまで運動がてら歩く」をこなしただけなので。このミッションをこなしてもソシャゲの「石」的なアレは増えませんが、Pixel Watchくんが「いっぱい歩いてえらい!」と褒めてくれます。わーい!

逆三角形の実家

 5月5日は、コミティアに行った。

 自分のツイートの過去ログを参照するに、どうやら現地に行くのは5年ぶりっぽい。……マジで?? 久方ぶりの参戦と、しばらくVTuberのイベントでしか味わっていなかった人混みと熱気にさらされて、「帰ってきたぞーーーッ!!」と内心で叫びたくなる。やはり我らの実家は有明にあるのじゃ……あの逆三角形こそが聖地なのじゃ……。

 もちろん、ここ数年はリアル即売会に参加できない代わりにVRイベントをエンジョイしまくっていたし、あっちはあっちで「自宅から参加できる!」とか「知らない人と一緒になって盛り上がれる!」とか「リアルでは再現不可能な体験ができる!」といった魅力がある。

 でもそれはそれとして、リアルイベントじゃないと体感できない「熱」や「空気感」といったものは間違いなくあって、その空間へと定期的に身を投じる、身を浸す体験は必要なんだろうなあと、そう思った次第でございます。やっぱり、あれだけ大勢の人が創作に励んでいるということが目に見えてわかると、「自分もなんかやりてえ!」「がんばるぞい!」というモチベーションになるし、「まだまだ素敵な創作物と出会える可能性があるうちは死んでられないよなァ!?」と、生きる希望になるのです。物語と創作は、人生を歩ませてくれる活力。

偽物の写真展

 5月6日は、個展に行ってきた。

 おじゃましたのはメタバース写真家・あまねこさんの個展で、その名もずばり「偽物の写真展」。外出の機会が減ったこのご時世において、自分の「撮影欲」を満たしてくれていた、VRChatの世界。その「写真展」がリアルワールドで開催されると聞いたら、そりゃあアクセスしないわけにはいかないってもんっすよ! レッツジョイン!

 「VR世界の写真を、現実世界のギャラリーに展示する」というこの個展の概要を聞いて、中には「どゆこと〜〜〜!?」と混乱する人もいるかもしれない。言ってしまえば「ゲームのスクリーンショットを展示している」ようなものなので、それをわざわざギャラリーで展示・鑑賞する意味があるのかしらん、と。

 でもでも、このブログでも何度か書いているように、VRChatの世界に入り、カメラ機能を使って切り取られた画像は、紛れもなく「写真」なんですよね。そこには自由に動き回れる――「空も飛べる」という意味ではリアルよりも自由かもしれない――空間があって、現実世界でカメラやスマホを構えるのと同じように画角や焦点距離を調整し、シャッターを切ると、その瞬間を切り取れる。遠目に見るとリアルと区別のつかない写実的な空間も、リアルにはありえないファンタジー世界の風景も、等しく「写真」として切り出せる。

 そうして切り取られた「写真」を、現実世界のギャラリーに展示するとどうなるか。リアルワールドの、用意された空間で写真と相対したとき、どのような感覚と出会うことができるのか。――それが気になって、恵比寿まで足を伸ばした格好でございます。

 まず何より、「VRChatの写真がフレームに収められて展示されている」という構図が良い。たまらなく良い。遠目に見るかぎりでは「写真かな?」あるいは「絵画かな?」としか思えないし、離れて見るぶんには十分に「絵」として楽しめる。特に入口付近には青空が映える風景写真が多いので、GWの陽気も相まって「夏」の空気感を味わえる感じ。ぶいちゃで「夏」と言えば別のアレを想起する人もいるかもだけど。

 一方、近くで見ると粗が目立つかと言えばそんなこともなく、隅々まできれいに、くっきりと、違和感なく「写真」として印刷されているように見えて、むしろ近くで見たほうが新鮮に感じられたかもしれない。しっかりしたフレームの中にあって負けていないし、自分で撮影したVRChat写真をレタッチする際にまじまじと眺めるのとはまた違う、「鑑賞対象」として細部まで観たくなる感覚があった。

 PC画面を見るのと物理的にはそこまで違わないはずなのに、なんとなく壁をひとつ隔てたような感覚のある液晶画面に対して、あの空間ではそれがなかった……というか。ギャラリーという空間ならではの特性なのか、フレームの存在による効果なのか、リアルワールドの空気感がそう思わせるのか、はたまたそれらすべての要素が組み合わさっての印象か……はわかりませんが。

 また、ほかのお客さんがちょうどいないタイミングでおじゃましたので、あまねこさんとあれこれお話しながら鑑賞できたのも楽しかった。個展のコンセプトとか、どんな用紙を使っているのかとか、VRChatで写真を撮るようになったきっかけとか、現実の写真との違いとか。

 で、その場で話しながら改めて実感したのだけれど、自分の場合、VRで写真を撮るようになったことで、「写真」自体の見方が以前よりも広がったという実感があるんですよね。

 それまでの街歩きではあまり意識していなかった、「影」や「色」を見るようになった。現実には不可能なドローン操作で遊びながら、いろいろな構図を試す楽しさを知った。多種多彩なVRのワールドを朝まで巡り巡った翌日は、現実世界の建物や植物の解像度の高さに驚いた。

 普通に日常生活で過ごすなかでは、あまりにも当たり前過ぎて、意識に上ることもながった、「空間」の概念。カメラによって切り取られる一枚絵が、もともとは三次元の「空間」であり、そこにはさまざまな物体があり、物体それぞれに付与された色があり、個々の物体が作り出す影があり、その影を形にする光源がある。カメラの知識もろくに学ばないまま、ただ趣味でキャッキャウフフと撮影を楽しむだけでは気づけなかったそれらの要素が、リアルとVRを行き来することによって、やがて実態を持って捉えられるようになった。そのような実感があります。

 そういう意味ではこの個展も、リアルとVRを行き来することによって、双方の「空間」に改めて目線を向けることのできる場所なのかもしれない。実際、ギャラリー内にはVRヘッドセットが鎮座した体験スペースも設けられていて、今まさに観た「写真」の世界にそのまま飛び込めるようになっていたので。

 というかこれって、VR体験の入り口としてもめちゃくちゃ良い切り口なのでは……! 「VRなんもわからん」という人に、まずは写真を見ることで「こういう世界があるんだー」と知ってもらい、間髪を入れずにHMDをオラァ! とかぶせて実際に体験してもらう。言うなれば、「写真の中の世界に飛び込む」ような体験によって、VRの特徴と魅力を“理解らせる”試み。

 ……やっぱり最高では? 家族とか友達とか連れて行きたいですね?? 次回開催も期待して楽しみにしております!!!

 その後はリアルワールドをカメラ片手にお散歩しつつ、そのまま庭園美術館に行くつもりだったのだけれど、すっかり忘れていたお昼ごはんのために飲食店に入ったら、あっという間に夕方に。

 ランチと言うには遅すぎる時間(17:00)に、普段は絶対に入らないようなお店で、ロースカツ定食(2,300円)を喰らって帰宅。いやはや、最高の1日かつ、とっても充実したGWでございました。心残りの庭園美術館はそのうち行きたい。

 

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