【VRChat初心者日記#1】はろー、わーるど。


ついに念願叶って、HTC VIVEを手に入れたのが2月5日のこと。

手始めにセットアップを終え、「まずはこれやろ!」というノリと勢いでポチった『Beat Saber』にハマった結果──2日ほどの時間が溶けた

……いやー、マジでびっくりした。
動画で見るのと実際に遊ぶのとでは、ぜんっぜん違うのね!

でも考えてれみれば、僕はすでにそれを『VR ZONE』で実感していたはずなんじゃが……? VRの生々しさというか、実在感というか……。それだけ『Beat Saber』が魅力的だったということにしておこうそうしよう。

とは言え、いつまでもライトセーバーをぶん回しながら「VRやべえよ! マジパねえよ!」と叫び続けるだけというのも、なんか違う。

──お前がVRに求めていたものは、本当にこれなのか? 違うだろう? 仮想現実ならではの体験がしたかったんじゃないのか? 昨年の月ちゃんのライブのような最高の舞台を、実際にVR空間の客席で見たかったんだろう?

──それに、現実の容姿とは異なる仮想現実の肉体も、お前は欲しかったんじゃないのか? ケモミミを生やして、狐っ娘やネコ耳男子とキャッキャウフフもふもふワッショイしたいんだろう? ほーら……素直になっちゃえよ……。

VRChatのHome

──というわけで、やってきました。
世界中のkawaiiとchaosが集まるという、『VRChat』の世界に。

実際にケモミミっ娘になるかどうかはさておき、やっぱりVRChatの世界には触れておきたかったんですよねー。

ねこますさんをはじめとした人たちが「VRChatはいいぞ」と呟いているのを見て、ずっと気になっていたので。きっとそこにはおもしろおかしく、そしてVRの可能性と魅力を感じられる刺激的な空間があるのだろうと。

VRChatの初期アバター・Robot
VRChatでお絵かき
机にペンがあったので、空間にスライムっぽい何かを描いてみる。

すっかり沼っていたBeat Saberを一時休止し、VRChatをインストール。降り立った〈VRChat Home〉のワールドにて、まずはあれこれと試してみる。

あらかじめWikiや初心者向けの解説ページで予習はしていたものの、やはり実際に動かしてみないと感覚は掴めない。とは言っても、想像以上に直感的に動かせるし、空間内のオブジェクトに手を伸ばせばコントローラー部分に操作が表示されるので、あまり困るようなことはなかったけどね!

VRChatのワールド「VRC_JPEntrance」

Homeでなんとなーく操作方法を把握したら、Wikiでも勧められていたワールド〈VRC_JPEntrance〉へとジャンプ。

とりあえず前に向かってとっとこ歩いてみたら、「Welcome to VRCHAT!」の文字が表示されて「おおーーー!!」ってなった。これだよ……! こういう演出がたまらんのですよ……!

VRChat「VRC_JPEntrance」の説明
VRChat「VRC_JPEntrance」のポータル
日本語の説明が本当にありがたい。制作者さんの姿が垣間見えるのも素敵。

こちらは、日本人の初心者向けに作られたチュートリアル的なワールド。

最初にしておくべき設定の説明のほか、おすすめのワールドへのポータルも設置されている親切設計。スポーン地点近くに鏡があるのも嬉しい。

そして何より、このワールド自体がすっごく魅力的なんですよね……!

頭上にはどこまでも続くかのような青い空と白い雲が広がり、足場の周りは穏やかな水面で満たされている。全体的に目に優しい色彩が広がる空間には陽光も差し込んでいて、本当にあたたかさを感じられそうなほど。

よく見る青空のようでもありながら、そこに広がっているのは非日常のVR空間。最初の一歩がこんなに魅力的な世界だったら、「こういった素敵なワールドが、VRChatにはたくさんあるのか……!」という期待も自然とこみ上げてくる。 “入り口” としては本当に最高の空間なんじゃないかしら。

VRChatのワールド「Fantasy Shukai jou」

さて、それでは早速──ということで〈VRC_JPEntrance〉のポータルから飛んだのが、〈Fantasy Shukai jou〉

Wikiによると、「日本時間21:00~24:00頃に日本人が集う」ワールドだそう。入ってみて最初に「あ! VRCのスクショでよく見るところだ!」という感想を抱いたくらいには、 “知らないけれど知っている” 場所でござった。ここが噂の……!

周囲から聞こえてくる日本語の会話に意識を向けつつ、フラフラと部屋の中を歩き回ってみる。

さっきのワールドは「ひろびろーーー!!」と叫びたくなる感じだったけど、屋内は屋内で「マジで部屋の中っぽーい!」と謎の興奮がこみ上げてくる。いや、そりゃまあ見るからに部屋の中ですし、僕自身も自室でHMDを被っているわけですが……。

つまるところはアレです。VR初心者ゆえに、「目の前のすべてのものが新鮮かつ魅力的に映る」という感じのやつです。ある種の異文化体験というか……いや、むしろこれは、もはや “異世界転生” と言ってもいいのでは……?

VRChat「Fantasy Shukai jou」のイベントカレンダー

なんちゅーか、耳に入る音がリアルさながらの「複数人がいる部屋の中で聞こえてくる会話」になっているのが、地味にすごいなーと。

人が集まっているところから離れれば音は遠くなるし、逆にそちらへ向かっていくと音は近くなる。移動に伴う音の変化が「小さくなる/大きくなる」ではなく、「遠くなる/近くなる」と表現してしまうくらいにはリアルなのです。

途中、ぼーっと壁を眺めていたところ、小さなケモミミっ娘がこちらにトテトテと走ってきたのを見て、思わずドキドキ。自分と同様にマイクをミュートにしていたのか、お話をするような感じではなかったものの──軽く身振り手振りで挨拶をば。

こんにちはー……じゃなかった。
こんばんはー(手を振って頭を下げる)
……あ、めっちゃ素敵なニコニコ顔で返してくれた。
おのれ、かわいい(かわいい)
……あ、ばいばーい。またねー。

──初期アバターの姿でキョロキョロしていたので、もしかしたら気を利かせてくれたのかもしれない。ともあれ、VRCでの最初の交流が変なものでなく、ほっこりできるコミュニケーションになってよかった。ありがとうございます!

VRChatのワールド「Japan Shrine」

次に訪れたのが、〈Japan Shrine〉

こちらもTwitterに流れてくるスクショで見覚えがあるワールドだったけれど……びっくりするほどにリアルでびっくりした。いや、さっきからびっくりしかしてないけど、マジで。ほぼ完全にリアル神社では??*1

VRChat「Japan Shrine」の手水舎
VRChat「Japan Shrine」の社務所
VRChat「Japan Shrine」の鳥居
VRChat「Japan Shrine」の拝殿
VRChat「Japan Shrine」の拝殿横
VRChat「Japan Shrine」の空
「小さな山を登った先にある手入れの行き届いた神社」感がすごい。

参道があって、手水舎があって、鳥居があって、拝殿があって、本殿がある。あとついでに、セミ先輩もすんごい勢いで鳴いてる。

建物の中も床から天井まで「ザ・木造建築ゥ!」な装いで、思わずカメラを構えまくってしまった。神社に来るとテンションが上がるのは、リアルでもVRでも変わらんな! おほほほほ! たーのしーー!!

VRChat「Japan Shrine」の参道
VRChat「Japan Shrine」で戯れるアバターたち
見覚えのあるキャラがちらほらといらっしゃいますね……。

リアルと異なるのは、参拝客の姿くらい。

見覚えがあったりなかったりするキャラクターがいて、長身のイケメンやちっこい美少女がいて、モノノケやモンスターのたぐいもフラフラしている。そういえば、自撮りをしている僕もロボだったわ。ロボボボボ。

VRChat「Japan Shrine」で自撮り

でも考えてみれば、そもそものリアル神社も「人ならざるもの」が住まう場所であると考えれば、別におかしな光景というわけでもない……のかも……?

──ともあれ、拝殿前の石段に腰掛け、英語や韓国語が飛び交うバーチャル神社をしばし堪能したロボは、次なるワールドへ向かうことにしたロボ。

VRChatのワールド「SAKURA hiroba-yoru」

VRChat「SAKURA hiroba-yoru」の千年桜

続いて足を運んだのが、神社と同じ制作者さんが作ったというワールド〈SAKURA hiroba-yoru〉

さっきの神社の樹木もそうだけど、人工物でない自然のものまでもが「近づいてもそれなりにリアルに見える」って、結構すごい気がするのじゃ……。

もちろん画像で見れば作り物であるのは明らかだし、VR空間でも冷静になって見れば普通にそうとわかる。それでも「これは桜の木である」として認識してしまえば、VR空間上では自然と「そういうもの」として扱ってしまうような感覚があったのよね。昔からテレビゲームがそんな感じかもだけど。

VRChat「SAKURA hiroba-yoru」で戯れるアバターたち

だから、季節に関係なく咲き続ける千年桜は “そういうもの” だと言えるし、その下にコウテイペンギンが佇んでいるのだって、 “そういうもの” 。

──そうなのです。「VR世界の夜空は、星が見えるのか……」などと終末世界の生き残りのような独り言を呟いた次の瞬間、突如として頭上に巨大ロボが現れたとしても、それは “そういうもの” で説明できてしまうのだ。

VRChat「SAKURA hiroba-yoru」の空を横切るロボ

……って、なんじゃこのロボはーーーー!?

巨大アバターも普通に存在するとは聞いていたけれど、いくらなんでもデカすぎでは!?

そして、ロボが転移してきた瞬間こそチラッと頭上を一瞥しつつも、すぐに会話に戻る周囲のみなさん。その姿を見るに、やはりこういう光景はこの世界では日常なんすね……。俺はユニコーンで行く。

VRChatのワールド「1619Hz」

VRChat「1619Hz」の注意書き

初日の最後に向かったのは、〈1619Hz〉

こちらのワールドも、Wikiによると「VRC初心者の日本人の方が、まず日本語で交流できる場で慣れて欲しい」という趣旨で作られたらしく、まさに僕ちゃんにぴったり。

というか「入り口が電話ボックス」というそれだけで、ワクワク感が天元突破しそうなんじゃが! それと、【喫煙可】の注意書きも地味にすこ。

VRChat「1619Hz」の浮島

浮遊島っぽいワールドに降り立ち、聞こえてくる周囲の会話を鑑みるに、日本人と外国人が半々くらいの割合でいらっしゃる様子

どうやら知り合い同士で集まっているようなグループが多いようなので、自分のような初期アバター勢はいないかしらん……とキョロキョロするも、影も形も見当たらず。おおーん……(悲)

おそらくは普通に話しかけに行けばよかったのでしょうが、そういえばずっとマイクがミュートのままだったことを思い出す。

VRChat「1619Hz」で自撮り

「それならまあ、今日はいいか!」と開き直り、とりあえずワールドをぐるっと回ってこの日はログアウトすることにしたのでした。空はきれいだし、キャッキャと話すケモミミっ娘はかわいいし、自撮りをする僕はロボ。

いやー、充実したVRC初日だったぜ! HAHAHA!

実のところ、こちらのワールドを訪れる頃には時計の針が深夜3:00を回っておりまして……。長時間のログインと、何もかもが初めての体験でそろそろ疲れてきていたので、気力の面で致し方なかったのかなーとも。

ただ同時に、「長時間にわたってVR空間にいてもぜんぜん平気」ということに気づけたのは、大きな収穫でございました。

と言うのも、HMDを買うにあたっての一番の懸念が、「VR酔い」の問題だったので。VRChatについてはその心配が(ひとまずは)ないことがわかったので、よかったなーと。時間帯とテンション次第ではもっと長く潜っていられそうなので、少しずつ慣らしていこうと思いまする。

そんなこんなで、さっくりまとめるつもりが結構な長さの「日記」になってしまったけれど……。言うても初回だし、こんなもんかしら。

これからしばらくは暇を見てVRChatに潜りつつ、また何かあったら簡単な日記として記録するつもりです。

とりあえず、ともだちをつくらなきゃ……。
ぼく、がんばる……。

 

2日目に続く。

 

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*1:制作者さんのツイートによると、複数の神社をモデルにされているそうです(参考:https://twitter.com/rootgentle/status/961735847308533760