Amazonのプライム会員であれば追加料金なしで利用することができる、「Amazon Prime Music」。ほかの聴き放題サービスには登録していなくても、「せっかくの会員特典だし、たまに使ってるよー」という人も少なくないのではないかしら。
とはいえ、最新曲が聴き放題対象になっていることは稀であり、人気アーティストの曲もほとんどないのが実情。ほかの聴き放題サービスと同等のラインナップを楽しむには「Amazon Music Unlimited」に申し込む必要があり、「結局は月額課金か……」と微妙な顔になるわけです。
しかし一部ジャンルに限っていえば、Prime Musicだけでも楽しめる──というか、想像以上に楽曲が充実していると見ることもできます。
個人的にアツいのは、やはりゲーム音楽ですね。昔から好きな『イース』や『軌跡』シリーズを擁するファルコム作品のアルバムの大多数を取りそろえているほか、『ペルソナ』『アトリエ』といったシリーズのサウンドトラックも充実。作業用BGMとしてお世話になっています。
また意外と多いのが、「ボーカロイド」や「歌ってみた」系のアルバム。商業・同人を問わず結構な数の作品が聴き放題対象となっており、ちょっと懐かしいCDも見つかったりと、検索ワードを変えつつ探すのが楽しい。売ってしまったCDと再会することもあり、こちらもしばしば聴いています。
というわけで、ひさしぶりにPrime Musicの対象作品を検索しつつ、個人的にお気に入りの作品をいくつかピックアップしてみました。
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『無限回廊 光と影の箱 a Soundtrack』坂本英城
過去にもブログで紹介した、世界一長いゲーム音楽。
その長さと曲調ゆえに作業用BGMにぴったりなので、特に集中して1時間を超える作業に当たるときは決まってこの曲を流すようにしています。
作曲者さんへのインタビューによれば、楽曲の「1分」を「1歳」と見立てて、ヒトの人生の「75歳」までを「75分」で奏であげた1曲なのだとか。そのため全体としては弦楽器とピアノの穏やかな曲構成でありながら、ライフステージによって曲調が異なっていておもしろい。そして最後は……。
ただ、Amazon Musicでは楽曲が分割されているのが個人的には少し残念。とはいえ、ライフステージ別(=曲調が替わるタイミング)に分けられているためさほど違和感はなく、好みの問題かしら。
『バンバーズ』mozellほか
もう3年くらい前から「バンバードはいいぞ」とたびたびTwitterで呟いていますが、バンバードはいいぞ。
mozellさん作曲のフリー素材(!)であり、有志によって毎年開催されている「みんなで決めるゲーム音楽ベスト100」の上位常連であり、昨年は並みいる名曲を抑えてついに1位に輝いたマジパねえ楽曲──それが「バンバード」なのだ!(正確には「Piano Version」ですが)
そんなバンバードのアレンジ曲を集めたコンピレーションアルバムが、こちらの『バンバーズ』。埼玉最終兵器さんやziki_7さんも参加している豪華なアレンジ盤であり、十人十色のバンバードを楽しめます。とりあえず「バン!バン!バンバード!!」を流しながら高速道路を疾走したい。
本アルバムとは関係ありませんが、バーチャル執事・Cecilia姉貴兄貴の「全部私の声」動画もいいぞ。
『Tower of Heaven』flashygoodness
ブラウザ上でも遊べるフリーゲーム『Tower of Heaven』のサウンドトラック。
何と言っても、レトロなピコピコ音源がたまらない……! チップチューン好きのあいだでは有名な作品かと思いますが、聴いたことのない方はぜひ。全曲をあわせても16分程度の長さなので、ちょっと気分を変えてテンションを上げたいときによく流しています。
楽曲はゲーム中で耳にする順に収録されているので、一度でもプレイしておけばより楽しく聴けるかと。昔ながらの横スクロールではあるものの、慣れていない人には少し難易度が高いかも……。ゲーム中で初めて「Luna Ascension」が流れたときは感動した。
『Undertale Soundtrack』Toby Fox
間違いなく今年一番聴いているアルバム。特に各バトル曲は、単体でも無限にループして聴いていられるくらい大好き。作業用BGMとしては「Undertale」「His Theme」が適している……けれど……泣き曲でもあるから……使いどころが……。
なにげに未プレイヤーからも人気らしく、自分の周囲にも何人か「ゲームは遊んでないけど曲は好き」という声が聞かれた……のはいいんだけど! それなら!! ゲームも遊ぼう!! な!!! あまり強制すると面倒なオタクっぽくなってアレだけど、アンテについては面倒なオタクでいいや!! プレイしよう!!!
記憶に残る最高のRPG『UNDERTALE』感想|泣き、笑い、感動し、絶望の果てに犬をなでる
『UNIQTRAP』sasakure.UK
『Undertale』のアレンジアルバム。
しかもアレンジャーはボカロPとしてもおなじみのささくれさん……とくりゃあ、テンションが上がらないわけはないのだ\( 'ω')/ウオオオオオアアアーーーーッ!!! (¦3[▓▓]≡=- ズゴゴゴバシュウウィン
ささくれさんといえばポップでエレクトリックでピコピコな印象も強く、1曲目からそのイメージそのままの楽曲だったため、移行もこのノリで続く──のかと思いきや、それぞれに方向性の異なる多彩なアレンジが聴ける楽しいアルバム。
全体としてはポップなイメージをまといつつ、その明るさが7曲目の「Hopes and Dreams (Alterego remix)」で最高潮に。そして続く「MEGALOVANIA (Lovevol remix)」で予想外の疾走感とカッコよさに打ちのめされ、最後の「Undertale (Ender remix)」で穏やかに(不穏に)終わる感じ。最高。
『セブンスワールド』岸田教団&THE明星ロケッツ
事あるごとに「岸田教団はいいぞ」と声に出している(はず)なのに、意外と身近にファンが少なくて僕は悲しい……。割と飽きっぽい自分が、10年にわたってライブに通っている唯一のバンド。
アニメのタイアップとしては『HIGHSCHOOL OF THE DEAD』『ストライク・ザ・ブラッド』『GATE』などがあり、同人音楽の分野では『東方Project』のアレンジ曲を数多く発表。そしてこちらの『セブンスワールド』のように、オリジナル楽曲のフルアルバムもあります。
なぜこれだけが聴き放題対象なのかはわかりませんが……ともかく! このアルバムには! 僕の愛してやまない! 「Colorful」が収録されているのだ!! ギュワンギュワンドコドコドコドコな表題曲「セブンスワールド」や「ワイヤーステップ」も好きだけど、このなかから1曲を選ぶならこれ。ライブで聴くたびに泣いてる。
個々の紹介文がそこそこ長くなってしまったので、ひとまずはここまで。気が向いたら、またいくつか取り上げてみることにします。