昨年9月には「#本棚の10冊で自分を表現する」のハッシュタグが一部で流行っておりましたが、最近はその音楽版である「#私を構成する9枚」はが流行っているらしい。「本棚」をまとめてみて楽しかったこともありますし、これは便乗するしかあるめえ!
こんなんできました
──うむ、なかなかに、偏りが酷い。
本当はもうちょいJ-POP成分を多めにしたかったのですが、今現在の音楽の趣味も鑑みると、最近は遠ざかってしまったジャンルなので……。好きなバンドはちょいちょいいるけれど、どれもこの数年の間に出てきたアーティストなんですよねー。
というわけで以下、選出理由をざっくりと。
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『聖剣伝説2 オリジナル・サウンド・ヴァージョン』菊田裕樹(1995)
90年代、小学生の頃にスーファミでプレイしたゲーム『聖剣伝説2』のサウンドトラック。購入したのは、確か21世紀に入ってからだったと記憶しています。
昔からゲーム音楽が大好きだった自分。学校の宿題をこなすかたわらにゲームボーイを置き、『ポケモン』の戦闘画面で放置した状態で、それを作業用BGMにしていたくらい。それだけゲーム音楽は自分にとって印象的な音楽だったので、ずっとCDは欲しかったんですよね。
そんな中でも衝撃的だったのが本作『聖剣伝説2』。オープニング画面と流れる楽曲「天使の戯れ」からしてその壮大さにポカーン状態だったし、「危機」に代表される戦闘曲は言うに及ばず。「森が教えてくれたこと」などのフィールド曲も耳に残って癒される。
ずっとずっと欲しかったこのサントラが、自分のお小遣いで初めて買ったCDとなりました。中学生になり活動範囲が広がったことで、隣駅のゲームショップまで自転車を走らせられるようになった当時。たまたまこのジャケットが目に入って……買うしかねえ! と。
『THE END OF EVANGELION』鷺巣詩郎(1997)
こちらも買ったのは、2003年くらいだったはず。友達に勧められた『新世紀エヴァンゲリオン』を劇場版まで一気見し、「何か訳がわからないけど無茶苦茶おもしろかったしこの衝動を収めるためにも関連商品を買わねば!」と謎の情動に突き動かされ、コミックと一緒にBOOK OFFで購入。
それまでJ-POPとゲーム音楽くらいしか(たまに洋楽)聞いてこなかった自分にとって、「アニメサントラ」はまた違った印象でもってハマったジャンルとなりました。『EVANGELION:DEATH』と一緒に聞いて、「クラシック、ええやん!」とさらなるジャンル開拓にも貢献。
作業用BGMにはもちろんのこと、「Komm, süsser Tod/甘き死よ、来たれ」で浄化されたいときにも。ある種のトラウマ喚起。くやしい、でも聴いちゃう。
『THE LIVING DEAD』BUMP OF CHICKEN(2004)
BUMPは我らが青春。そして、怖いと思っていた“インターネット”の水先案内人。……FLASHアニメ? なにこの曲、知らないけど……むっちゃええやん! うでのなかもがいてー! ひっしでひっかいてー!
で、すぐに隣駅のTSUTAYAまで走ってー! 走ってー! BUMPのCDを借りにいったわけですが。そこで何枚か借りたうちの1枚が、この『THE LIVING DEAD』でござった。「K」で存在を知った自分としては、思い出深いのは『jupiter』『FLAME VEIN』よりも本作かなー、と。
以後、今に至るまで聴き続けている数少ないアーティストでもあり。その割にライブには行けていないから、そろそろ行ってみたいのよね……。
『洞窟物語 サウンドトラック』Pixel(2004)
サウンドトラック……というか、CDですらないため悩んだのですが、間違いなく今の“自分を構成”している音楽だと思われたので。配布サイトはこちら。
『洞窟物語』は、2004年に開発室Pixelから公開されたフリーゲーム。「とりあえず無料でゲームしたいならこれやっとけ」という作品のひとつとして数えられ、有志により英語化、世界中でファンを獲得し、海外でのコンシューマー版開発を経て、日本でも発売されたアクションゲームです。
音楽要素としては、自分が好きな「チップチューン」的な楽曲の代表格として。それまでも当然、ファミコンやゲームボーイでピコピコ音楽に親しんできてはいたのですが、すべての曲を何度も繰り返し聴きたい、どうしようもないくらいに好きになったのがこの『洞窟物語』の音楽だったと、そういう話です。今でもたびたび聞いているし、ゲームもたまにやる。
フィールド曲、戦闘曲、効果音も含めてぜーんぶお気に入りなわけですが、特に「つきのうた」はマイベストミュージックの上位に入るくらい。もう何百、ゲームプレイ中も含めれば何千回は聞いたはずなのに、いまだ飽きない。こわい。
『AIR オリジナルサウンドトラック』Key Sounds Label(2002)
すべての元凶。その前から『エヴァ』だなんだと好きなアニメはあったけれど、それまで偏見の目で見ていて忌み嫌っていた「深夜アニメ」や「ギャルゲー」にまで手を出させるきっかけとなった作品。楽曲ひとつで人生変わっちゃうからね、こわいよね。
ゲーム音楽のアレンジサイトをあさっていた最中、偶然耳にしたのが「鳥の詩」のアレンジ版。そのメロディに脳天を撃ちぬかれ、原曲とオープニング映像を見て、あろうことかエ口ゲーが原作であることを知り、それでも評判がいいから……とPS2版を購入。特徴的すぎる絵柄にドン引きしつつも、気づけば引きこまれ、夢中になって読み進め──早朝、画面の前でむせび泣いた。
それまでも『エヴァ』のオープニングみたいな、音楽の力で映像が引き立つような印象、音楽+映像のPVの魅力のようなものは感じていたけれど、映像以上に「音楽」の底力を心から味わうことができたのが、本作『AIR』でした。人って……音楽で、泣けるんだね。ゴールしてもいいよね。
『星空ロジック』岸田教団(2007)
同人ロックバンド・岸田教団のフルボーカルオリジナルCD第1弾。当時、東方アレンジにハマっていて、興味本位でこのオリジナルCDにも手を出してみたら……昇天した。このタイミングで岸田教団と出会えたことは、本当に僥倖だったと思ってる。
2010年にメジャーデビューしてからも、平行して同人活動を続けるというスタイルもなんだかしっくり。毎度毎度のライブの際には全力で参加。自分にとっては唯一、ほぼ欠かさずライブに足を運んでいるバンドであり、「好きなアーティストは?」と問われたら、まず真っ先に名前を挙げるグループです。
当初は東方アレンジが好みで集めていたのだけれど、今となってはオリジナルのほうが好き。特に最初のアルバムとなった本作は、序盤中盤終盤と隙のない最高の1枚でござる。表題曲にして代表曲、「星空ロジック」はライブのアンコール曲としてもおなじみ。飛べ!!!! あ、今年のツアーライブラスト、日比谷野外大音楽堂のチケットは既に抑えてあるぜ! たのしみわっほー! 最新作『GATE II 〜世界を超えて〜』は、2日前に発売したばかりですよ!
『∞-InfinitY-』cosMo@暴走P(2008)
CHEMICAL SYSTEM LE Official Site
ボーカロイド枠。cosMo@暴走Pの同人版VOCALOIDアルバム第1弾。初めて手にしたボカロCDは2007年冬コミで頒布された『メルト』のシングルだったと思うけれど、自分にとっての「ボカロP」の代表格がcosMoさんなので。
ボカロ文化については黎明期から触れていたこともあり、そこそこ親しみ深いはず。さすがに最近は聴く頻度は減ったものの、今でも好きなカルチャーとして追いかけ続けておりまする。なんたって昨年は武道館で、今年は日本ツアーっすよ! 世界ツアーも進行中だっけ?
本作『∞-InfinitY-』は言うなれば、2010年にメジャーデビューアルバムとして発売される『初音ミクの消失』のプロトタイプとも呼べるCD。曲数は少なめ、音源もメジャー盤と比べれば見劣りするものの、ふと1枚通して聴き返すとホッとする。収録されるたびにアレンジが変わっていった「消失」も、一番聴いたのはこのバージョンかしら。
『生まれてきてくれてありがとう』dai(2008)
『ひぐらしのなく頃に』などでおなじみ、daiさんの同人CD。表題曲「生まれてきてくれてありがとう」は『ひぐらし』名義で発表された後、『うみねこのなく頃に』で使用されて広まった印象。nayutaさんの“歌ってみた”で涙ちょちょ切れた。
daiさんの音楽もずーっと聴いており、大好きな曲も多いのですが、このCDの収録曲では「幸せの結晶」が印象的。それまでも映像+音楽の力で泣かされてきたことはあったけれど、何の映像補正もなく、音楽ひとつ、その音色だけでなぜか涙を流してしまった曲は、前にも後にもこれだけ。
以来、ピアノの音色は自分にとって特別なイメージでもって迎えられるようになり、積極的に聴くようになったという変化もあったり。きっと、これからもずっと大切なCDの1枚。タイトル的にも、誰かの誕生日に贈りたい作品でもあります。人は選ぶでしょうが。
『ZONEトリビュート〜君がくれたもの〜』(2011)
普通に考えれば“10年前”のシングル盤を選ぶべきなのだろうけれど、諸々の補正でもって“自分を構成する”のはこっちかなー、と。――アレンジ大好き、別アーティストのカヴァーどんと来い、アニメでの使用も最高じゃないか、的な。
「secret base 〜君がくれたもの〜」は本当に象徴的な歌で、小さな頃から転校の多かった自分を勇気づけてくれた、思い入れが強い1曲。そんなにきれいな思い出ばかりでもないはずだけれど、引っ越しで別れた友達とこれから会うことがなくても、そのときの冒険の記憶は色褪せないんだよ、と言ってもらえているようで。耳にすると、茨城の田園風景が浮かぶ。
なればこそ、“10年後”のアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の第1話エンディングで耳にしたときは、そりゃあ号泣しますよ。2話以降のサビの演出も含めて。自分の思い出を思い出たらしめてくれる楽曲であり、今なお新たな形で歌われ、また違った印象をもたらしてくれる素敵な歌。だから、このトリビュートアルバムも大好きなのです。
「物語」に全振りした音楽鑑賞
こうして見ると、自分の音楽鑑賞態度はきっと、元来の「音楽ファン」の方からすれば邪道も邪道なのかもしれない。楽曲単体で評価するのではなく、それに付随した「物語」を通して音色を聴き、消費しているように見えなくもないので。ゲームにせよ、映像にせよ、思い出補正にせよ。
でも逆に考えると、きっかけとしてそういった「物語」がなければ、そこからジャンルを広げて音楽を聴くような機会もなかったように思う。
そもそも細かなジャンルなんて知りようがなかったし、分野の違いを実践して教えてくれたのは「○○アレンジ」の類だった。作り手ごとのアレンジの違い、言い換えれば“解釈”の差異がおもしろいと思ったからこそ、同人音楽CDだけでも500枚も集めることにはなったのだろうし。
何はともあれ、「本棚」のときもそうだったけれど、9枚限定で“私を構成する”CDを選ぼうとすると、なかなかどうして難しいっすね。
最近の傾向を鑑みれば、もうちょいインストCDやロックバンドのアルバムが入ってくるはずなんだけど、前々まで遡って現在の好みを斟酌すると、やっぱりそのきっかけとなったCDを選ばざるをえないような。──その結果が、この偏りっぷりっすよ! 元ネタありきのCDばっかじゃん!
そんなこんなで、好き勝手に書いていたらもう6,000字をオーバーしてるみたいなので、本当に僕は自分語りが大好きなんだな、と再確認した次第であります、はい。こういう企画(?)は大好きなので、今後も喜んで便乗するべく、隙を窺わせていただきます。ぐへへ。
※別バージョン
#私を構成する9枚 pic.twitter.com/SqL2xPCLUA
— けいろー (@Y_Yoshimune) 2016, 1月 29