ついに、万年筆デビューしてしまった。
この気持ちはなんだろう。まるで、オトナの階段を登ったような甘美な気分……。
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万年筆クラスタからの誘い
ちょっと前に、ブログでこんな記事を書いたんですよ。
ボールペンで、シコシコと「手書きブログ」を書いてみた実験記事。結果、あまりに自意識がダダ漏れで「独り言」のような文体ゆえに頭を壁に打ち付けることになったのですが、まあ割と楽しかったのも事実。
好きで読書ノートっぽいのをまとめているだけあって、文字を書くのは好きなのです。それこそ、小学校で20×20の原稿用紙に読書感想文を書いていた当時から。なんちゅーか、目の前の余白を自分の「字」で埋めていく作業が楽しい。お世辞にも美文字とは言えませんが。
そんな話をブログで書いたら、以下のツッコミが来ました。
万年筆だったら完璧だったと思います!(誘導)…字は体を表す、と思ってる派なので、みんなアカウント名は手書きデフォになればいいのに。 / “紙とペンによる「手書きブログ」で、セルフツッコミをしてみた - ぐるりみち。” http://t.co/K1y9XdThQs
— 三森 (@Yuki3Mori) 2015, 2月 17
ほほう、万年筆とな。
筆ペンならまだしも、そういえば万年筆はろくに触ったことすらないような気がする。百貨店の文房具店なんかで目にしても、大抵はショーケースに並べられている“お高い”イメージ。庶民たる僕には無縁の存在ですよねー、と。なんか手入れとかめんどそうだし。
そう思ってたら、なんか声が聞こえてきた。
@Y_Yoshimune (…… きこえますか… きこえますか… 私は今… あなたの心に… 直接… 呼びかけています…万年筆を…買うのです… 万年筆買ったよ記事を楽しみにしてる人が…沢山います!… きこえますか…)
— 三森 (@Yuki3Mori) 2015, 2月 17
@Yuki3Mori 【便乗天の声】(万年筆はSt. Dupontがオススメじゃぞ・・・池袋の西武に専門店があるぞい・・・) @Y_Yoshimune
— ふくろくん(a plastic bag) (@mixednuts25) 2015, 2月 17
増えた。
自分に馴染みのある“ブログ町”の集会場でわいわい楽しんでいたはずが、いつの間か郊外の湿地帯に迷い込んでいた気分。いけない。明らかに足場が悪い場所から、おいでおいでしているフォロワーさんが見える。このまま進めば、きっと“沼”に堕ちる。
――などと食わず嫌いするのもよろしくないので、まずは調べてみようじゃありませんか。えっと、なになに……? えす、てー、でゅぽん……?
あったあった。サムネイル画像でもわかる、素敵デザイン。
気になるお値段は……?
じゅうろくまん。
月の収入の大半がぶっ飛びますわこれー!
他を見ても、どれもこれも万単位。どういうことですか!ブログのネタにするにしても、1ヶ月の収入を犠牲にするとか無理ゲーです!買ってくれるならありがとうございます!!
……よし、見なかったことにしよう。おーけい?
安価で使いやすい、ビギナーにおすすめの1本目
とは言え、他にも自分が購読しているブログの中でも勧めている人の多い「万年筆」という存在が気になっていたのも事実。ちょいと調べてみたら、初心者におすすめの安価で手軽なモデルも結構発売されているということで、試しに買ってみようかな、と。
調べて真っ先に出てきたのが、パイロットの「カクノ」*1。文具屋でも目にした記憶があります……ってかこれ、万年筆だったのか。Amazonだと、驚きの830円。
子供にも使えて、非常に安く、入門モデルとしても最適。にゃるほどー、これにしよっかなー、と決めてポチろうとしたところ、もう1本の存在が目に入りました。
LAMYの「safari」*2。あー!これ、知ってるー!と食い気味に飛びついた。文具店というよりは、東急ハンズやロフトのステーショナリーコーナーでいつも目にしていたもの。そういえば、これも万年筆なんですね。
店舗で目に入った4,000円はちょいと高く感じましたが、Amazonならば2,500円ほど。3,000円以内ならばまあ許容範囲かなと考えて、その場でポチりました。使いづらかったら使いづらかったで、母親か妹にあげればいいのです。うふふ。
2、3日ほど使ってみて感じたこと
速さに定評のあるAmazonさん。夜に注文して、翌日には既に届いておりました。
早速開けて、2、3日ほどボールペンの代わりに使ってみました。スケジュール帳に留めて持ち運び、ちょっとしたメモや、習慣である簡易日記を書くときに使う感じ。最初はおっかなびっくりだったものの、しばらくしたら楽しくなってきた。なんぞこれ。
特に何も調べずに「まずは使ってみっぺー!」と試行錯誤しつつ筆を走らせていたため、ペン先の“向き”が逆であることにしばらく気づきませんでした。刻印のある面を紙の方へ、寝かせて書いていた格好。道理で字が薄いわけっすよ!
筆の角度はどちらかと言えば“倒した方が良い”っぽいことは、なんとなく書いている中でわかった。その方が、インクの乗りが良い感じ。あまり紙に色を染み込ませ過ぎるのは好きじゃないので、自分好みの位置を探している最中です。
また、特に何も考えずにポチったsafariの字幅は「EF」。最も細い「極細」に当てはまる種別とのことですが、これは普段から0.5mmのボールペンを使っている自分には、むしろぴったり。違和感なく書けております。よかったよかった。
何より画期的だったのが、「すっごいスラスラ書けるよ!」という驚き。万年筆の特徴としても挙げられている、「筆圧をかけなくても良い」点ですね。
安いボールペンを駄目にしてしまうことがあるくらいには筆圧が強い自分にとって、「力を入れなくてもスラスラと、濃く、整った字を書ける!」という体験は非常に嬉しいものでした。昔から几帳面で、なるべく字は丁寧に書こうと心がけていたせいか、余計に力が入っちゃうんですよね。
その点、明らかに力を抜いても形が崩れず、自分の思うような濃さで字を書くことができる万年筆はすばらしい。もしかして、シャーペンよりも筆ペンよりもベストな筆記具なんじゃね?と思うくらいには、一気に自分の中でランクアップしました。うむ、これは、良いものだ。
しばらくは、このサファリたんを完全に思うがままにできるくらいに使い込んでみて、金銭面で余裕があれば別の子にも手を出してみようと思います。ぐへへ。
というかそれ以前にまだ知識の皆無なトーシロなので、おすすめの本とかサイトとかあったら、教えていただけるとありがたいです。先輩方のご助言をいただければ嬉しい限り。特に、インクまわりとか。
先日、何を思ったか知識ゼロの状態で青山の書斎館を覗きに行った結果、あまりの敷居の高さに漏らしそうになったので。異世界に迷い込んだかと錯覚するレベル。美術館的な楽しみ方しかできないお……。
この動画を見て「ほぅ……」と息を漏らすか「ほあああああああ!!」と叫びたくなる人はハマりそう。