門外漢にも易しい、前向きな“政治”のお話『僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか』感想

荻上チキ『僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか』要約サムネイル

本書のメッセージを一言で要約すれば、「これからの社会には、あなたの〈ポジ出し〉が不可欠だ」、ということです。

(荻上チキ著『僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか』P.3より)

 このような序文から始まる本、荻上チキ『僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか』を読みました。

 いつでもどこでも、誰かが何かにダメ出しをしていて、生きにくく感じることもある今日この頃。ネット上の過激な発言は言うに及ばず、駅前でもあれこれと声高に叫ぶ人がいる。いや、もちろんデモやスピーチは自由ですし必要な場合もあるとは思いますが、どうも言葉が強すぎて、聞くに耐えないんですよね……。

 特に政治的な問題については、どこもかしこもセンセーショナルな発言ばかりが目立って、ダルい(って書くと、これも “ダメ出し” なのかもしれないけれど)

 「冷静に考えている人もいるよ!」「あんなのは一部だよ!」という指摘もわかるのだけれど、冷静で客観的で有益な情報にアクセスするには、過激で極端な主張を掻き分けて探さなければいけない現状がある。わざわざ不快な思いをしてまでそうしようという気持ちには、どうしてもなれないのです。

 そんな自分にとって、本書の論調はしっくりくるものでした。

 政治への関心が薄い自分でもすらすら読めるほどにわかりやすく、かつ知らなかった話が盛りだくさん。メディアの報道では興味を持てなかった政治の話も、俯瞰的な「システム」の側面から眺めてみると思いのほかおもしろい──。そう感じられたのは、大きな収穫だったように思います。

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サンデーうぇぶりの全巻無料公開に際して「『結界師』を読め」と過去の記憶が語りかけてくる

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ふなっしーインタビュー、日韓の映画ポスター比較、音声合成技術の展望〜今月気になった話題(2020/2)

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やっはろー! いろいろと大変な今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。僕は毎年恒例、確定申告に追われている近頃ですうふふ。お仕事も推し事もがんばらなきゃ……!

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SNSや人間関係のモヤモヤを吹きとばす!『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』感想

Jam『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』感想レビュー

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