25分刻みで暮らす日々〜ポモドーロ・テクニックはいいぞ


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 25分刻みで暮らすようになってから、気づけば1年が経っていた。

 ここで言う「25分」とは、アレです。
 アニメ1話分の試聴時間――ではなく。

 そう、「ポモドーロ・テクニック」のことです。

 2019年の半ばにポモドーロ・テクニックを試してみたところ、これが思いのほかいい感じ。作業がはかどり、キーボードを叩く指は軽快に踊り出し、積み上がっていた原稿は溶けるように消えていく。世界を「25分」に分割してみたら、こんなにもうまく作業が進むようになるなんて……!

 体が軽い……!
 こんな気持ちで書くなんて初めて……!
 もう何も恐くない――!

 

「ポモドーロ・テクニック」ってなんぞ?

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 「ポモドーロ・テクニック」は、タスクに集中するための時間管理術。「25分の作業時間」と「5分の休憩時間」を繰り返し、生産性を向上させることを狙いとしたテクニックです。

  1. タイマーを25分に設定して作業を開始する
  2. タイマーが鳴ったら、3〜5分の休息をとる
  3. 4〜5回に一度は、15~30分の長めの休息をとる

 ライフハック系の記事やビジネス書で見かける機会も多いので、聞いたことがある人も多いのではないかしら。僕自身、存在自体はもう随分前にネットの記事で見かけて知っていたので。……ただ、知っているだけで実践するまでには至っていなかったわけですが。

 では、なぜ今になって試すことになったのか。
 きっかけとなったのは、『ライフハック大全』でした。

 2年前に読了して以来、生活改善のヒントとするべくたまに読み返していた本。その中で「そういえばこんなのあった!」とこのテクニックが目に留まり、実践してみた格好です。

 ポモドーロ・テクニックの魅力。
 それは、「誰でもすぐにできる手軽さ」にあります。

 準備らしい準備と言えば、「スマホでタイマーを起動する」だけ。タイマーを25分にセットしたら、目の前のタスクに集中。あとはタイマーが鳴ったら5分間の休憩タイムに入り、休憩が終わったら次の25分に取り掛かる――というルーチンを繰り返すのみ。

 ――ね? 簡単でしょ?

 もちろん人によって向き不向きはあるでしょうが、自分の場合は驚くほどに効果が感じられたんですよね……! 「時間を区切った」こと、より正確に言えば「作業のペース配分を決めた」ことそれだけで、想像以上の効果が実感できた格好。ポモドーロ・テクニックはいいぞ。

アプリ『Focus To-Do』を使って習慣づける

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※すべての作業時間を記録しているわけではないので念の為。

 こうして「ポモドーロ・テクニック、意外と使えるのでは!?」と今更ながらに気づいた僕ですが、それを続けられるかどうかはまた別問題。

 ただでさえ飽きっぽい自分が、はたして継続的にこの手法を使い続けられるのか。さらに継続するうえで、作業効率も安定して高い状態を保てるのか――? そんな懸念もありました。

 しかし結果は、冒頭でも軽く触れたとおり。

 “気づけば1年が経っていた”――つまり、少なくとも1年にわたって継続できるくらいには効果があり、また、自然と続ける「習慣」になってしまうくらいには、自分の中でしっくりくるタイプの手法だったわけです。3日坊主にはならなかったし、3話退場にもならなかった。やったぜ。

 ただし、そうやって1年にもわたって継続するにあたっては、欠かせない存在がありました。それが、こちらのアプリ。

Focus To-Do: ポモドーロ技術 & タスク管理

Focus To-Do: ポモドーロ技術 & タスク管理

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 ポモドーロ・テクニックに特化したタスク管理アプリ『Focus To-Do』。基本無料で使うことができ、有料版を買うとオプション機能が開放されるタイプのアプリです。

 数多くのポモドーロ・テクニック向けのアプリがある中で、『Focus To-Do』の魅力は、「『タスク管理アプリ』でもある」という点にあります。タイマーとして「25分+5分」を刻んで教えてくれるだけでなく、その名のとおり「To Doリスト」としても機能してくれるのだ!

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 たとえば「原稿」や「読書」などのカテゴリー*1別にタスクを振り分けて、To Doリストを作成。個々のタスクには期限とリマインダーのほか、どのくらいの時間をかけて取り組むかを設定することができます。

 ここでは一例として、「『嫌われる勇気』を9月30日までに約3時間かけて再読する」というタスクを作ってみましょう。

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 こんな感じで作ってみました。週末のお昼過ぎに読むことを想定してリマインダーを設定し、本の章タイトルを「サブタスク」として入力。章を読み終えた段階でサブタスクにチェックを入れることで、次に読むときに「どこまで読んだか」がわかります。進捗状況のチェックに便利。

 そのうえで実際にタスクに取り組む際には、タイマーの起動を忘れずに。

 作業を終えると、各タスクの横にタイマーのアイコンが記録されます(1タイマー=1ポモドーロ=25分)。こうして作業時間が可視化されるのみならず、1日の終わりには「これだけ作業してたやで」と通知もしてくれる親切設計。そりゃあモチベーションも高まるってもんですよ!

 ただの「ポモドーロ・テクニック用のタイマー」ではなく、「進捗管理やスケジューラーの機能を持ったTo Doリスト」としても優秀な『Focus To-Do』。このアプリのおかげでポモドーロ・テクニックを習慣づけることができ、日々の作業効率は間違いなく向上しました。

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 そのありがたさときたら、この手のアプリにはあまり課金しない自分ですら、迷わず有料版をポチってしまったほど。iOS/AndroidアプリだけでなくPCアプリやChrome拡張機能としてもリリースされており、デバイス間でデータを連携できる点も嬉しい。これからもお世話になります!

ポモドーロの本質は「時間管理」ではない?

 そんなこんなで、1日の始まりには「今日もいっぱいポモドるか〜!」なんて気合いを入れて作業に取り組んでいる今日この頃……なのですが。

 聞くところによれば、このテクニックのは本質は「時間管理」のみにあらず。

 ただ単に「25分+5分」という尺でタスクに集中しようとするだけではなく、ポモドーロ・テクニックには、その前の「計画」やその後の「振り返り」も行うことによって、プロセスの改善や意思決定に役立てようとする狙いがあるのだとか。

 このテクニックの開発者さんが書いたノウハウ本に、その具体的な内容と方法が記されているとの話。これは結構気になりますね……。というのも僕自身、たまに『Focus To-Do』の記録を振り返っている中で、自然と「振り返り」をする場面があったので。

 「これ、簡単な作業のはずなのに、時間かけすぎでは……?」とか、「同じ原稿料の記事でも、こうして見るとかかってる時間が違うなー」とか。そのうえでその理由を探ってみると、「寝不足で効率が落ちていた」「事前調査の有無で差が出ていた」などの原因が浮かび上がっていた感じです。

 こうした自分なりの「振り返り」は、もしかすると公式本に書かれている「改善」の考え方にも当てはまるんじゃじゃないかなと。だとしたら今の自分に必要な視点だし、そのうち読んでみようかなーと考えている次第です。見方を変えれば、自然に「振り返り」をさせてくれていた『Focus To-Do』の設計がすばらしすぎますわね……。

 とはいえ、無理にガッチガチに決めて取り組む必要はない、とも思っていて。

 まずは純粋に、「25分+5分」のスパンで作業に取り組むことから試してみる。最初は気軽にやってみて、少なからず効果が実感できたら継続してみる――くらいの感覚で始めたほうが、きっと長続きするんじゃないかしら。

 公式本に書かれている考え方を身につけるのは、その後で。やがてポモドーロが習慣となり、さらに効率を高めたいと考えるようになったその時に、より実践的な手法を学んでいけばいいんじゃないかなとー思います。

 最初の一歩は、タイマーをセットするところから。
 物は試しに、ポモドってみませんか?

 

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*1:アプリ上では「プロジェクト」と呼んでいます。