ゴールデンウィーク。
それは、Kindle本をポチりまくる散財週間。
――というわけで今年も始まりました。大型連休にあわせた、Kindleストアの大規模セールが。さすがに毎年のようにセール本をチェックしていたら、もうポチる本もないだろう――。そう思って、今年はセールページで軽くまとめるだけにしようとしていたのですが。
ところがどっこい。
蓋を開けてみたら、なんじゃこりゃ。
恒例のKADOKAWA本はともかく、講談社でもどデカイポイント還元セールをやっているじゃありませんか。しかも最大50%還元。ちょいとお高い専門書を買って、還元されたポイントでまた別の実用書をポチリ、さらにそのポイントで新書を――なんて、しばらくループができるやつじゃん。
というわけで本記事では、そんな講談社セールをはじめとした、KindleストアのGWキャンペーンをまとめてチェック。
自分が読んだことのある本については簡単な紹介&感想文を併記しつつ、それ以外は表紙画像を並べる形で、気になるタイトルをまとめました。個人的には、講談社現代新書・講談社学術文庫・講談社選書メチエあたりのレーベルがアツいっすね……!
あと、2ヶ月99円キャンペーンをやってたKindle Unlimitedくんが、いつの間にか2ヶ月0円になってた。
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講談社現代新書
ブルーバックス
講談社学術文庫
講談社選書メチエ
講談社+α新書
理系専門書
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既読本に感想を添えて簡単に紹介
珈琲の世界史
「歴史を知ればおいしさが変わる」という一文から始まる、コーヒーの物語を紐解いた1冊。
想像以上に歴史上で存在感を放ち、時には歴史の転換点や革命のきっかけとしても役割を果たしていたコーヒー。こうして今、当たり前に飲めているのが不思議に覚えてくるほどに、すさまじい道のりを歩んできたことがわかる。
専門的な知識は必要なく、他方で、高校世界史で習ったことを覚えていればよりおもしろく読めそうな印象を受けた。知的好奇心が満たされる、まっこと「おいしい」1冊。
レトリック感覚
これまで小難しく感じていた「レトリック」への認識を改めることになった本。
専門的な話ばかりかと思いきや、登場するのはむしろ身近な考え方ばかり。自分が無意識に使っていた言い回しや「ことばのあや」に名前があることを幾度となく指摘され、読みながら脳内の「ことば」のソフトウェアがアップデートされていくのを感じられた。
当たり前のようでいて曖昧な、ルールが決まっているようでいて実は意外と適当な、「ことば」の特性と魅力が詰まった1冊。日常的に「ことば」に触れる生活を送っている人にこそ、ぜひおすすめしたい。
7つの比喩の型を知り、言語感覚を活性化させてくれる名著『レトリック感覚』
仕事のスピード・質が劇的に上がる すごいメモ。
1冊を通して書かれているのは、「考えるきっかけ」をつくるためのメモの書き方であり、メモによって仕事の生産性を高める考え方であり、走り書きを腐らせず使うためのメモの活かし方。
これまで意識的にメモを取っていた人は「何を今更……」と感じられる内容かもしれない一方で、なんとなく必要に迫られてメモをしていた人が読めば、「そうすれば良かったのか!」と多くの気づきを得られるはず。
なにより、本書そのものがこの “すごい” メソッドによって書かれていることがわかるため、読後のスッキリ感は最高。「よっしゃ、今日から実践したるで!」とすぐに取りかかれるわかりやすさ、お手軽感も相まって、 “読んで満足して終わり” にはなりにくいことも嬉しいポイントだ。
効率的な“メモの活かし方”とは?14の手法から紐解く『すごいメモ。』の書き方
すべての知識を「20字」でまとめる 紙1枚!独学法
「学び」を活かすための「型」を教えてくれる本。文字通り「紙1枚」を用いた学習法で、効率的なインプット&アウトプットの仕方を身につけられる。
特徴としては、誰でも実践できる「型」として学習法を紹介していること。あやふやなまま本を読んでいる人。資格取得などの必要に迫られて学んでいる人。興味の向くまま学習してはいるものの、知識として定着しない人。幅広い層に向けて「学び」の基本となる型を示しており、学習の習慣がない人におすすめ。
最後に登場する「仕事に活かす」目的に特化した学習法は、働く人にぜひ読んでほしい。
せっかくの学習意欲を無駄にしない!“学び”の型を身につける本『すべての知識を「20字」でまとめる 紙1枚!独学法』
新しい文章力の教室
創作、論文、ビジネス文書、ネットなど、一口に「文章」と言っても多岐にわたる今、「文章力」を1冊の本で取り扱うのは無理があると思っていた──のですが、そんな諦観を見事にぶち壊してくれた本。
冒頭で「良い文章とは完読される文章である」と断言することで、それを共通の目標にさまざまな文章に応用できる「書き方」を提案しています。
それも本書は「上手な文章を書くようにはこのような方法をとる」ではなく、「完読される文章を書くためにはこういった書き方をしない」という書き口なので、自分で試行錯誤しながら文章力を伸ばしたい人に勧めやすい。
“文章力”を学ぶ最初の1冊!ビジネスマンにもおすすめの『新しい文章力の教室』
やがて君になる(1~8巻)
はじめて読んだ百合漫画であり、自分の大好きな「人間関係」を描いた物語であり、最高にハマった作品。
「特別」が実感できない先輩後輩関係の2人が、徐々に互いに惹かれていく物語……かと思ったら、先輩のほうが即堕ちでベタ惚れしてた。他方ではいまだ「特別」を見つけられず、キラキラと輝きだした先輩を冷めた目線で見ながらも惹かれ始めている後輩ちゃん──という図もまた、対比的でおもしろい。
何より、キャラクター同士を行き交う “矢印” の方向それ自体はシンプルでありながら、とても一言では表せない想いのベクトルがすばらしい。言語化の難しい思春期の心の機微と、諸々が綯い交ぜになって混沌とした感情。それを「マンガ」という媒体でこれほどまでにわかりやすく、しかも魅力的に描いている作品って、そうそうないんじゃなかろうか。
なでしこドレミソラ(1~5巻)
王道の「バンドもの」でありながら、その編成は珍しい「和楽器ガールズバンド」の作品。なによりも特徴的なのが、多彩な和楽器によって奏で織り紡がれる、極彩色の「音」の表現です。
三味線は花を咲かせるように。尺八は風が吹き抜けるように。琴は水面に波紋を広げるように。──楽器ごとに異なり、市松、菱菊、格子、青海波といった和柄の文様で描かれた「音」の表現は、その音階・強弱・呼吸までをも伝えてくれるかのよう。モノクロのマンガを読んでいるはずなのに “色とりどり” であるかのように錯覚する魅力を持っています。
和楽器の経験がある人、あるいは和楽器が好きな人には、ぜひとも読んでほしい作品です。
音の表現に惚れた!和楽器ガールズバンド漫画『なでしこドレミソラ』感想
ガイコツ書店員 本田さん(1~4巻)
一口に言えば、「ガイコツな書店員である本田さんと愉快な仲間たちを中心に繰り広げられる、書店の“実録コメディ”」。
見た目がガイコツな本田さんをはじめ、仮面・カボチャ・ガスマスクといった風貌の書店員さんたちはみんな魅力的。個性豊かなお客様たちとのやり取りも含めて、「こんな書店で働きたい!」と思えるような内容になっています。
また、外からは見えない裏方での作業や版元さんとのやり取りなど、書店員さんの悲喜こもごもを多彩な視点で描き出しているのも本作の魅力。徹頭徹尾笑いながら読める、素敵なコミックエッセイです。
コミック売り場は戦場だ!『ガイコツ書店員 本田さん』で爆笑した