2019年3月の3日間にわたって開催された、仮想空間上の展⽰即売会『バーチャルマーケット2』。
0:00の開幕から数時間、さらにはお昼すぎにも数時間ほどログインして、夢のような未来のような世界を楽しんでおりました。VR初心者かつモデリングの知識も皆無な自分が、はたしてどこまで楽しめるのか……と若干の懸念もあったのですが、まったくの杞憂でござった。
個性豊かな3Dモデルを見て回るのはもちろん、
作り込まれた “世界” を歩く体験が楽しすぎる……!
このイベント、マジヤバっす。想像以上っす。この1ヶ月でVR空間にもそろそろ慣れてきて、初めてHMDを被ったときほどの衝撃はもうないだろう……と思っていたのですが、そんなことはなかった。VRChat、パない。バーチャルマーケットを作っているみなさん、しゅごい。
「バーチャル」の名を冠してはいるものの、パソコンさえあれば誰でも無料で参加できる本企画。何か少しでも気になる部分がある人、ビビッとくるポイントがあった人には、ぜひとも……そう! ぜひともVRChatの世界にログインして、仮想現実の魅力を堪能してほしいのです。
スポンサーリンク
『バーチャルマーケット2』って?
『バーチャルマーケット』は、動く城のフィオ(@phio_alchemist)さんとVR法人HIKKY(@HIKKY_Official)が主催する、仮想空間上の展⽰即売会。昨年夏にVRChat上で第1回が開催され、Twitterトレンドで1位を獲得するなど大きな話題となりました。
第2回となる今回は、会場規模も出展者の数も大幅に拡大。6つのワールドに400ものスペース(+企業)が出展しているほか、pixivやTSUKUMO、avexやセブン&アイ・ホールディングスなど、多くの企業が協賛する一大イベントとなっています。upd8、cluster、にじさんじなどもいるよ!
自分は第1回には参加することができず、Twitterのタイムラインが盛り上がっているのを「いいなー」と横目に眺めていた記憶があります。当時のうちのよわよわPCでは、VRChatを起動することすらままならなかったのじゃ……。
それが今回、年末につよつよPCをお迎えし、2月には念願のHTC VIVEを手に入れたことによって、バーチャルマーケットへの参加権を手に入れたわけです。まだまだVR素人かつVRChat初心者ではあるものの、このタイミングで開催されると聞いたら……そりゃあ、覗きに行きたくなりますやん?
もちろんスペックを満たしたパソコンさえあれば、VR環境の有無に関係なく誰でも無料で参加できるので、気軽に迂闊にVRChatの世界に飛び込んでいこうな!
Welcome to ようこそVケット2
──ってなわけで、やってきました。
バーチャルマーケット2のワールドに。
先ほどから繰り返しているように、参加するにあたってチケットのようなものは一切必要ございません。アカウントを作って、VRChatをインストールして、ログインして、即売会場のワールドに行くだけ。未登録の人が始める方法は、公式サイトでわかりやすくまとめられております(参加方法 | バーチャルマーケット)。
エントランスは企業ブースとなっており、スポンサーとなっている各社の商品やサービスを展示しています。期間中に販売している商品のほか、自社サービスを紹介するムービーを流していたり、体験型コンテンツがあったりと、企業によって内容はさまざま。
VTuber関連の展示も多いので、そのあたりをぶらぶらするだけでも楽しめるはず。近未来感あふれるワールド自体の魅力も手伝って、歩き回るだけでも自然とテンションが上がるんですよね……! ぜひぜひ、隅から隅まで歩いてほしい。そして最後は、最上部から落下してみませう。
にじさんじブースでは委員長をはじめ、JK組の3Dモデルを間近で見れる!
そういえば昨夜、にじさんじブースの前で初めて出会ったらしい2人が、「おお! PCだとスカートの中が見れるぞ!(下に潜りつつ)」「へっ! VRなら本当に委員長が目の前にいるみたいに感じられるぜ!」「ちくしょう! VR買うわ!」などとハイテンションで話していたのが印象的でした。うん、買おう。
オムニ7のブースには東雲めぐちゃんもいて、目の前ではぴふりしてもらうことができます。かわいい。あと、けもみみボクっ子国王・リオネル様を、みんなですころう。ファンタジーな世界観と、穏やかながらかわいらしい声色が素敵なんじゃ……。
そんなエントランス部分だけでも、昨夜はたしか軽く1時間は過ごしていたんじゃなかったかしら……。あんなに見どころがあるのに、まだ入り口部分に過ぎないという。マジかよ!(歓喜)
エントランスの最上部にはポータルが設置されており、そこから5つのワールドに飛んで、クリエイターさんたちの展示を見に行く格好です。それぞれのワールドにコンセプトがあって、ジャンル別に分かれているイメージ。このワールドが、これまたすっっっごいんですよ……!
そこには紛れもない「世界」があった
それぞれのワールドにコンセプトがあるとは聞いていたものの、そこは即売会場。
正直に言うと、当初は普通に「平面上に並んだ各サークルの展示を見て回る」ようなイメージを抱いていたんですよね。それこそ、コミックマーケットをはじめとするリアルの即売会のように。ワールドごとに景色やBGMの違いはあっても、その場所はあくまでも「会場」に過ぎないんじゃないかと。
ところがどっこい。そんな素人の想像は、実際にワールドに降り立つと同時に霧散しました。──展示品を眺めるためだけの即売会場? いやいや、とんでもございません。
そこには、紛れもない「世界」がありました。
異世界マルシェ
異世界マルシェは、中世ヨーロッパを彷彿とさせるファンタジー世界の街。
入口には街を囲う石造りの壁がそびえ立ち、その上を汽車が走っていく。ワールドに入ると最初に聞こえるのが、その汽笛の音でした。
壁の向こうには石畳の街並みが広がり、その奥の広場には輝く球体が浮かんでいる。その美しくも異質な光が目に入った途端、そこが決して欧州風の街ではなく「異世界」なのだと認識させられる──という、最高の導入を体験できました。……ってか改めてスクショで見ても、石壁のリアル感、すごくない?
「マルシェ」の言葉が示すとおり、ここでは街中の「市場」のようにサークルスペースが点在しています。
小屋のような店構えのサークルがあれば、屋台もあり、路上販売のような見た目で作品を展示しているところも。その多くの3Dアバターが街中に溶け込んでいるように見え、それはまるで、活気ある週末の街並みのよう。異国情緒を味わいながら、同時にちょっとした異世界体験もできる、素敵なワールドです。
モクリバザール
モクリバザールは、さわえみか(@SawaeMika)さんとつくしあきひと(@tukushiA)さんが中心になって立ち上げた体験型コンテンツ「モクリプロジェクト」とのコラボレーション世界*1。
獣人──と呼ぶには愛くるしすぎるふわふわの獣っ子たちが、ワールドを訪れた僕らを出迎えてくれます。何と言うか……モフりたいというか……愛でたいというか……。胸の内から溢れ出る謎の衝動に突き動かされるまま、「んなあああああああ!」と叫びたくなりますね……。んなぁー。
斜面に立ち並ぶ家々の一番下を起点に、上へ向かって展示スペースが広がっているワールド。高低差のある街並みはちょっとしたアスレチックのようでもあり、自分のアバターをぴょんぴょん跳ねさせながら進んでいくのが結構楽しい。
出展されているサークルさんにはやはりケモノ系のアバターが多く、全体的にkawaii雰囲気に満たされた世界。かと思えば、ヒトよりもケモノ寄りの獣人も少なくなく、鳥類や根菜の姿もあります。
けもみみ成分に満ち満ちた中で急に「大根」が現れれば目が向くし、ダメ押しのように「君も大根になろう」なんて看板に書かれていたら……そりゃあ当然、大根になりますよね!(この後むちゃくちゃ大根になってワールドを闊歩した)
絢爛博覧会
ワールドに降り立ち、巨大な歯車が目に入った途端、「あっ……しゅき……」と口に出さずにはいられなかった。絢爛博覧会は、和風とスチームパンクがコンセプトの世界。
遠目には空中要塞にも見えそうな歯車と鉄塊を中心に、浮遊する複数の建造物が織りなすワールド。その随所に和の装いが見受けられ、紅葉や提灯が周囲を彩っています。間違いなく、和物好きの心を絶妙に、そして良いようにくすぐる世界なんじゃないかしら。よいではないかよいではないか。
正統派(?)の和装キャラが多く見られる一方、同じくらい目に留まるのがスチームパンク風のアバターたち。素人目にも精巧な作りだとわかるモデルがたくさんで、文字どおり “博覧会” のように楽しめます。
狐面、髪飾り、日本刀、銃器などのアクセサリーや武具類も数多く展示されており、どれもこれも試したくなるほど魅力的。僕自身、生まれてこの方、髪飾りなんて付けたこともないオッサンなのに、それでも気づけば手に取って頭に付けようとしていたくらい。あらやだ……たのしいじゃない……。
Future Terminal
見るからに全力で「サイバーーーー!!!」している近未来風ワールド、Future Terminal。見方によっては、一番「バーチャル」に馴染む世界なのかもしれない。
青系統を基調としたドーム状のワールドで、上層・下層の2層構造。全体を見渡せる円形のためか他のワールドと比べて小さな印象も(実際はそうでもないはず)。最上階では、音楽に合わせて空間全体にエフェクトが広がるパーティクルライブを堪能できます。こればっかりは、VRじゃないと伝わらない……!
ワールド内でも特に目立つのが、サイズの大きいロボットモデルたち。見るからに「ロボだーーーー!!」と叫びたくなるメカメカしさで、過去に男の子だった自分としても、思わずカメラを構えずにはいられなかった。間近で見たいし、撮りたくなる。
もちろん、中にはメカ×美少女の要素を取り入れたアバターも。試しに試着したアバターが移動時にホバーして動くのを見て、すっかり大興奮。しかもけもみみ属性付きときたら……きたら……これはもう買うしかない気がしてきたぞ……。あとでチェックします、はい。
バーチャルミュージアム
「ミュージアム」というくらいなのだから、清潔で静謐な雰囲気のワールドなのかと思いきや──入って最初に目に入るのは、真っ白な空間と足場に広がる幾何学模様。
……はて? 読み込みが遅いのかな? と疑問に思いつつ、目の前に浮かぶ「VIRTUAL MUSEUM」の文字を選択してみたら……びっくり仰天。まるで巨大で複雑な図形が切り取られて展開していくように、目の前にワールドの真の姿が広がっていったのです。なにこれすっげえ……!
こちらは、ノンジャンル・オールジャンルの作品を展示するワールドとして、参加サークルのカラーは多岐にわたるそうな。
──なぜ伝聞調なのかと言うと、実はまだこのワールド、しっかり見て回れていないんですよね……。他のワールドを散策するのに時間をかけてしまい、ほとんどノータッチという状態。とりあえず一度入ってみて、そのログイン時の演出にいたく感動させられた格好です。
あとは、いつも使わせてもらってお世話になっているアバター「響狐リク」ちゃんの作者さんがこちらに出展されていると聞いて、先に覗きに行ってきました。うーん、やっぱりかわいい。全体的にかわいいんだけど、帽子からぴょこんと飛び出た髪の毛が特にきゃわわ。これからもすこっていきます。
この週末は、仮想現実の未来を覗いてみませんか?
けもみみ娘やイケメン男子はもちろんのこと、ロボットに妖怪、さらには大根やパンダの乗り物まで。「十人十色」という表現では物足りないほどに多彩な3Dアバターを見て回ることができるバーチャルマーケットは、想像以上に楽しくて素敵なイベントでした。
実のところ本当は、散策中に見かけたアバターについても個別に取り上げたかったのですが……。「バーチャルミュージアム」の項目でも触れたように、まだ全部を回り切れていないんです!
というのも、ワールドの種類はエントランスを含めて6種類ですが、中には複数の会場が用意されているワールドもあるんですよね。たとえば「モクリバザールA」と「モクリバザールB」があり、AとBではスペースにいるサークルさんが異なる形です。
6種類のワールドに対して、会場の数は全部で10ヶ所。現時点で隅から隅まで回れているのは6ヶ所にとどまっており、やっと半分を超えたという段階なのです。冒頭でも書きましたが、昨夜の数時間+昼過ぎの数時間をかけてまだ半分なので、全部を回るには1日近くかかるんじゃないかしら……。
もちろんそれが悪いという話ではなく、むしろ「この数時間で感じた刺激と興奮を、まだまだ堪能できるとかマジかーーー!! たすかる!!!」などと嬉しい悲鳴が上がるくらい。今夜はバーチャルミュージアムを見て回るぞー! 「アルテマ音楽祭がヤバい」と噂なので楽しみ。
他方では、気になったサークルさんだけを見るだけならそこまで時間もかからないでしょうし、時間の許すかぎり気楽に楽しむのがベストなのかな、とも思います。
ただ、これだけの規模でとんでもないクオリティの舞台を用意した主催者さんたちの熱意を見ると、いち参加者としては全力で遊び回りたくなるんですよね……! VR初心者の自分は、「なんかすげーー! やべーーー! \( 'ω')/ウオオオオアアーーーーッ!!!」とネットの片隅で叫ぶくらいしかできないものの。
素人目線の拙い内容ではありますが、もしこの文章を読んで少しでも興味を持ってくださった方がいらっしゃいましたら。ぜひともバーチャルマーケットに来てみてください。もういい加減しつこいでしょうが、VRじゃなくてもいいんです! その手元のパソコンで、未来にログインするのです……!
\バーチャルマーケットへようこそ❗/
— イトッポイド@バーチャルスタッフ (@itopoid) 2019年3月7日
3/8~10開催の #バーチャルマーケット2、
各会場の「公式バーチャルスタッフbot」の企画&衣装プロデュースをしたよ🎉日英韓中(簡繁)の5言語対応😳ただし #イトッポイド は人力だよ
スタッフの子を目撃したら「#バーチャルスタッフ」で写真ツイしてね✨ #Vケット2 pic.twitter.com/tAmYldJtGv
ちなみに運が良ければ、各ワールドに1人ずついる「公式バーチャルスタッフbot」の7人目、イトッポイド(@itopoid)さんに出会えるはず。
お客さんの対応に慣れたバーチャル販売員にして、初心者にも優しい唯一の人力スタッフさん。初めてバーチャルの世界に降り立って不安な人は、見かけたら話しかけてみてはいかがでしょうか。僕も親切に対応していただきました。お疲れさまです!
※もしも問題のあるスクリーンショットや、クリエイターさんの本来の意図とは異なる表現などありましたら、お手数ですがTwitterまでご連絡ください。
© 2019 Virtual-Market.