本日より公開となる映画『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』を観てきました。いやー、まさか2年連続でポケモン映画を観ることになるとは思わなんで……。
というわけで以下、本編のネタバレなしでざっくりと感想をまとめました(※最後に来年映画の予告編のネタバレあり)。
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「14年ぶり」だった去年から、「2年連続」になった今年
昨年の『キミにきめた!』は特別だった。
なんせ「アニメ第1話のリファイン版として、サトシとピカチュウの出会いを描く」と聞いたら、『赤緑』世代として観ないわけにはいかないわけですよ。結果、14年ぶりに映画館でポケモンを観たのが2017年夏のこと。そして、自分でもびっくりするほど号泣した。あんなんズルいやん……ワシら世代に対する一撃必殺技やん……。
それから1年が経ち、さすがに今年はいいかなーとも思っていたのだけれど……まあやっぱり気になるよね。断片的に入ってくる情報だけでも、以下のような要素があるというのだから。
- 今年も「TVアニメシリーズとは無関係」の独立した作品
- 伝説枠はルギア+新ポケモン(ゼラオラ)
- PVに『ルギア爆誕』の笛のメロディが使われている
- 『金銀』世代のポケモンが多く登場するらしい
いやいやいや……『ルギア爆誕』とか懐かしすぎるでしょう……安室奈美恵さんの主題歌、今も耳に残っているぞよ……。ついでに言えば、今作は初めて監督が交代となり、メインスタッフまわりも大幅に変更されているのだとか*1。ほほー。
昨年の引き続き、今年も劇場版ポケモン「みんなの物語」のポスターを描かせていただきました。今年はキャラが多かったので難しかったです。公開は7月15日からです。是非劇場でご覧ください! #芦田愛菜 #川栄李奈 #ポケモン #みんなの物語 @pokemon_movie pic.twitter.com/0tsuzD9Nyo
— 四宮義俊/Shinomiya Y. (@cagerow555) 2018年7月9日
決定打となったのは、ずばりタイトルとポスター。『キミにきめた!』に続いてポスターを描かれている、四宮義俊さんのイラストがたまらんのですわ……!
描かれているポケモンが少ないなかで際立つ「みんなの物語」のタイトルが、どうも僕ら世代を手招いているように感じられたのです。「ほらほら、こういうの好きじゃろ? 過去に夢中になっていた大人でも楽しめるから観においで……」的な感じで。──うん! 観に行く! はい喜んで!
というわけで、そんなメッセージが込められていたかどうかはさておき、勝手にそう汲み取ってホイホイされることにした自分。風の吹くまま導かれるまま、いい天気に恵まれた、公開初日の映画館へと向かったのでした。……仕事は終わらせたぜ! このためにな!
キュートなポケモンたちと、寄り添う人との関係に思いを馳せる
本作を観てまず感じたのが、「ポケモンたちがとにかくみんなかわいい!」ということ。マジヤバい。マジかわ。マ。過去に同時上映されていた短編作品──『ピカチュウのなつやすみ』など──の系譜に連なるような、「キュートで生き生きとしたポケモンたち」の姿がそこにはあった。
ピカチュウは言うに及ばず、ゲーム最新作に向けてフィーチャーされているらしい、イーブイのもふもふ感よ……! あの毛並みに触りたい……埋もれたい……。
あと、ピカチュウがサトシに頬ずりするシーンを注視していたら、黄色の産毛? っぽいのがふれあっているようにも見えた。その点も含めてなんとなく、いつにも増して「生き物」っぽさが際立っていた気がする。犬や猫のように身近にいてもおかしくなさそうな、そんな印象。
街中で人々と戯れるポケモンたちの存在もまた、「身近さ」をより強く感じさせる一因となっていたように思う。本作は「年に一度のお祭りに賑わう街」が舞台ということで、背景には常に人とポケモンがうじゃうじゃと描かれているのですが……その1人1人、1匹1匹がむっちゃ細かい!
それも、ただ単に「人とポケモンが一緒にいる」だけじゃなく、それぞれに別々の動きが割り当てられていて、時には関係性までもが垣間見えるほどの細かさ。
少年の頭に乗ったハネッコが周囲をきょろきょろしていたり、家のベランダにいる少女が傍らのベイリーフに何か話しかけていたり、イベントに盛り上がる会場で人々が拍手をするなか、ポケモンも思い思いに感情を示していたり(筋肉を見せつけるゴーリキーなど)。
「家族同然に暮らしている人とポケモン」の姿が、街中のワンシーンワンシーンから実感できました。
そして、そのような背景のモブだけでもあれこれと想像できるのだから、物語の中心にいるキャラクターとポケモンたちとの関係性は言うまでもなく。
『みんなの物語』と題した本作は、ちょっとした群像劇のようにもなっているのが特徴のひとつ。人見知りの研究者、ホラ吹きおじさん、ポケモン嫌いのおばあさん──など、悩みを抱えた人たちがポケモンとふれあい、騒動のなかで自分の気持ちと向き合っていく展開となっています。
“おばあさん” を演じた野沢雅子さんも「自分の経験と重ねてしまった」という旨の話をしておられましたが*2、おそらく人によって共感するキャラクターは異なってくるはず。自分の場合、 “人見知りの研究者” は当然として、姪っ子相手に見栄を張って嘘をついてしまう “おじさん” に共感してしまった感じ。
このおじさんと、「嘘」でつながるウソッキーとの関係性がまた尊いんすよ……。自らモンスターボールに入ったうえで抱き合う姿に泣いた。ヒロインはウソッキーだった。間違いない。あと、常に研究者の隣で彼を寄り添い支える、ラッキーにバブみを感じた。そっと背中に手を添えて、「らぁっきぃ……」って優しく囁いてほしい……。ママーーー!!
物語全体の展開としては、ポケモン映画でおなじみのテーマだけでなく、今回はどちらかと言えば「災害」の要素が強く感じられたのが印象的。巨悪に立ち向かうわけではなく、戦いの果てに相互理解を得る──という一面はあっても、それも過程に過ぎない感じ。
「だれかが困っているときは、立場に関係なくおたがいに助けあおうよ」という、当たり前だけれど大切なこと。人もポケモンも関係なく、劇中では名前のないモブやポケモンたちも含めた “みんな” がひとつになって協力する終盤は、アツい展開であると同時に、あたたかさを感じるものでもありました。
風といっしょにまた歩きだそう
- サトシとピカチュウが相変わらずベストパートナーだった
- ワニノコ・トゲピー・マリル・ムチュールがわちゃわちゃしている光景が癒やし
- 悠木碧さん演じるイーブイがかわいかった
- 傷ついたバンギラス(202kg)に肩を貸すサトシの筋力
- 周囲のポケモンが眠るなかで目を見開いたままのネイティオの存在感
- クンカクンカしながらドーブルの上半身をのぼるピカチュウがえっち
- 『ルギア爆誕』さながらの活躍が見れるかと思いきや、ロケット団はいつもどおりだった
──などなど、たくさんの見どころがあった『みんなの物語』。昨年レベルで号泣はしなかったものの、軽く涙ぐむくらいには素敵な物語が観られてよかった──と感動したのもつかの間、スタッフロール後に特大の爆弾が待ち構えていた。
『ミュウツーの逆襲 Evolution』
は!!?!?? マジで!!!???
ミュウツーがEvolution……でもメガシンカはすでに既存作でやっている……ということはまさか、「ミュウスリーだっピ!」*3な展開がくるのか……!(こない)
まさか1年前の時点で「来年も観るしかない」状況になるとは考えもしていなかったので、椅子から転げ落ちそうになった次第です。「私は誰だ……」のあの声が耳に入った途端、なんかもうテンションが跳ね上がってやばかった。
上映後の館内でも、「ゼラオラかっこよかったー!」と楽しそうに話す少年たちに紛れて、「ミュウツーの逆襲とかマジかよーー!!」と叫ぶ大きなお兄さんたちの姿がちらほら。わかるわ。というか、ここ最近の「初期ポケモン世代ホイホイ」な展開はなんなんだ……!(歓喜)
来年の話はともかくとして、今年もむちゃくちゃ楽しめた『劇場版ポケットモンスター』。
新しいポケモンの知識は必要なく、サトシとピカチュウの関係だけ知っていれば誰でも、世代に関係なく楽しめる映画に仕上がっていると思いますので、少しでも気になった人はぜひ劇場に足を運んでみてくださいな! 自分の推しポケがいないか、背景を探してみるのも楽しいよ!
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