インターネットの世界は広大だ。どんなにマイナーな趣味嗜好だって、だいたい探せば同好の士が見つかる。
学校の友人、会社の同僚に話しても「なんぞそれ?」と全く伝わらないようなニッチな漫画、音楽などの話が見知らぬ他人とできてしまう。それはきっと、個人HPやテキストサイトの時代から今に至るまで変わっていない。――実際に先日、また一人、同好の士を発見した。
「20歳を過ぎても『えっちぃ本』を買ったことがない系男子」でござる。これ、リアルでは意外と聞かないんですよね。
「AVもエ口本も持ってないよー?」と言えば下手すりゃドン引きされるし、さらに男子校出身であることを付け加えると、真夏の夜道で化け物とエンカウントしたようなリアクションを取られる。だいじょうぶだいじょうぶ、こわくない。
※以下、特に劇的な体験もない一個人のエ口遍歴となります。
純粋無垢だった(かもしれない/なんてことはない)あの頃
まず最初に明らかにしておかなければならないこととして、今まで書いたことなかったかもしれないけれど、実は僕、男なんです。
もし美少女だと思っていた方がいたら、ごめんなさい。老け顔で毛深い25歳男子ですよ。うふふ。
さて、そんな自分の思春期と言えば、人並みにエッチなものには関心があったし、少年マンガのお色気シーンにドキドキするくらいには「ふつーのおとこのこ」でございました。『地獄先生ぬ~べ~』とか、その他ジャンプマンガは小学生男子にキュンキュンくるよね。前屈み。
しかし他方では、そういった一般誌の枠を超えた「性」にはある種の忌避感を覚えていた面もありました。ティクビが見えているだけで「うわあばばばば」と全力で後ずさるし、保険の授業中、周囲の男子が興奮しながら見ていたビデオに謎の気持ち悪さを覚えて直視できなかったレベル。別に潔癖症ではないと思うんだけど……今考えてみても、謎。
もちろん、中学に入るくらいになれば当然のように性的な欲求を覚えるようにはなったし、クラスメイト女子の胸部を見て「Oh...Goooooood!!」と心の中でサムズアップするくらいにはオパーイが好きでした。中学男子なんてこんなもんですよね?ごめんなさい!ありがとうございます!(平身低頭)
ただ、サッカー部の男子が「お〜い、これ見てみろよ〜」とニヤニヤしながら押し付けてくる携帯電話の画面に表示された“そういう写真”を目にしても、本気で何だかわからず「??」と疑問符を浮かべるくらいには性の知識に疎かった格好。多分、中学時代にまじまじと目にした一番のエ口は、『烈火の炎』だったんじゃなかろうか……。
そんな感じで、当時は「エ口」に関してはてんで詳しくなく、そもそもあまり関心も持っていない中学男子でした。
中3になってアニメ版と旧劇場版を一気見した『新世紀エヴァンゲリオン』の一番の謎は、人類補完計画でも何でもなく、「最低だ……俺って……」のシーンだったというくらい。ビデオを貸してくれた友達に「アレってなに?」と真顔で尋ねて、後に謝った思い出。すまぬ。
ネットが「エ口」を教えてつないでくれた
高校は中高一貫の男子校に入学したものの、極端に大きな変化はなく。合宿先にわざわざノートPCを持ってきてAV鑑賞会を始める高校生組を尻目に、わざわざニンテンドー64を持ってきて「そんなことよりマリカーだ!」と中学生男子と戯れていたのが私です。ワリオスタジアムのショートカットは基本。
とは言え、先にも書いたように、女性のオパーイをガン見するくらいには健全なオトコノコだった自分。中学時代には既に、手にしたインターネットを駆使してアレコレしておりました。
冒頭のゆーすと(id:syuraw)さん同様、リビングに家族共用のPCがあるという環境だったので、週末の家に誰もいなくなった隙を見て「ムフフな画像」を検索してはウッホホーイする日々。
どのレベルの「ムフフ」を求めるかは個人の嗜好かと思いますが。自分の場合、あまりに過激すぎるものを見ると気持ち悪くなってしまうため、ボンキュッボンなおねーさんのグラビア画像を目の保養に楽しんでいた程度です。ぐへへへへ。
加えて、過去にも書きましたが、「インターネットの使い方」を覚えるにあたっては、やはりこの手のエ口画像探しによる経験が大きかったと思いまする。実質的なネットリテラシーを学ぶなら、男子にとっては「エ口」が最高のドーピングなのです。たぶん。
検索の使い方を覚え、2ちゃんねるをはじめとする電子掲示板の構造や文化を学び、ハイパーリンクを知り、単なるアルファベットの文字列にしか見えなかったアドレスをよく確認するようになった。ブラクラ先輩に初めて引っかかったときはガチでビビった。有名なアレっすね。
You are an idiot!! - YouTube/you are an idiot!とは - ニコニコ大百科
直接的な“AV”は高校生になってもなお嫌悪感を感じて見れなかったので、「ネットでエ口に親しんでいた」と言っても、プロ紳士からすれば「は??なに言ってんの??」とツッコまれかねないと思います。
ただ、とにもかくにも、やっぱりネットがあったからこそエ口本には見向きもしなかったのだろうし、紙で手にするにしても、ちょっとエッチな少年マンガで事足りていたのではないかしら。
初めて買った「エ口本」は……
以上のように、ずーっと「エ口本」とは無縁の生活を送っていた僕。友人から誕生日プレゼントに『鋼の錬金術師』のBL本をもらって、扱いに困っていた僕。しかし昨年、25歳になって、ついに自発的に「エ口本」を購入しました。
「突如としてムラムラしてきて衝動的にコンビニで!」とか「実は今まで我慢していてその中でたまった鬱憤が十数年の時を経てウッホホーイ!」とかそういう理由ではなく、もっと単純明快、オタクっぽい理由でござる。
ざっくり言えば、「好きなイラストレーターさんが年齢指定の同人誌を出していたから」、ただそれだけ。淡くてどこか少女漫画チックな絵柄がすっごい好きな絵師さんが新刊としてエ口本を出していたのを見て、他の全年齢向けの同人誌と一緒にスッ……と、自然な形で購入しますた*1。いいねぇ……しびれるねぇ……。
実際に読んでみた感想も、「あー! もう! このカップルはかわいいなあ! こんちくしょう!」というホッコリ感に満ち満ちたものだったので、そのくらいなら問題なく読めるみたい。多分、昔から苦手な直接的すぎる描写やグロ方面は今も無理だけど。
なるほど、これがエ口本か……と言ったら、きっと各方面の紳士に怒られると思いますが、大人の階段を上った感じ。わぁい!
そうして考えてみると、自分が性的なエ口いコンテンツに触れる場合は、そこに「カワイイ」が同居していることが前提になっているのかもしれない。きれいなおねーさんが「うっふ~んあっは~ん」しているのもいいんだけど、それなら、カップルがイチャコラしているのを見る方が楽しい。あ、外でそういうの見せられるのはノーサンキューっすよ。
なんだか「エ口本」というよりは、「ぼくのすきなこんてんつ」の話がほとんどだった気もしますが、こちらからは以上です。ちなみに、イチャコラ限定のアンソロジー的なエ口本やAVってあるんです? ……え? ググれば出る ?はい。
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*1:前からえっちぃ絵も描いていることは知っていましたが