ぐるりみち。

日々日々、めぐって、遠まわり。

平成生まれの僕が見てきたインターネットの世界

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Nightmare City

 どうも、平成(初期)生まれです。

 

相当数の日本人が多かれ少なかれネットに関わっているわけで、もうメディアの「ネットで話題」という言葉は「日本で話題」ぐらいの意味しかない

 

 日常的にネットに接していると、意外と忘れがちなこと。何でもかんでも “ネットで” と一括りにするのは、たしかにおかしい。考えてみれば、昔からWebサービスはそれぞれが別個のコミュニティを持ち、住み分けがされていたように思う。2ちゃんねるの「住民」に代表されるように。

 

たまには、自分の知らないインターネットを見にいくのも楽しいのかもしれない。

 

 閉鎖的なコミュニティにとどまるよりは、普段からさまざまな価値観に触れていたほうがいいように思う。特にWeb上では、似通った価値観を持った人たちが自然と同じ場所に集まりやすいから。

 そんななか、ふと「僕の知っているインターネット」はどういうものだったろう、と考えた。今の子供たちほどデジタルネイティブな世代とは言えないだろうが、小学生のころからインターネットに触れていた自分。今まで、どんなサービスを、どのように使ってきただろう。

 ――そんな、回顧録。

 

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はじめてのぱそこん

 最初の出会いは、たしか小学校高学年のころだったと記憶している。ある日、父親が大きな紙袋を手に返ってきたのだ。「それ、なーに?」と尋ねると、「パソコンだ!」という話。

 パソコン。よくわからないけれど、見るからにハイテクな機械であり、個人でも使える箱型のコンピュータ。当時の僕にはさっぱりだったけれど、何かいろいろなことができる、最先端のものらしい。

 はたして、紙袋の中から現れたのは……銀色に鈍く輝く、タウンページをちょっと薄く小さくしたような物体だった。Appleのノート型Macintoshである。

http://www.flickr.com/photos/49503152785@N01/2050889037
photo by benclark

 それを一目見るなり「なんかわからないけど、かっこいい!」などと、素直に子供らしい反応をしたんじゃないかと記憶している。父親に聞くところによれば、メールとか、ゲームとか、インターネットとか――そのほかにも、いろいろとできるらしい。

 そのときはおそらく、初期内蔵のゲームを遊ばせてもらいながら、「インターネット」の使い方――四角い箱に調べたいことをキーボードで打ち込めば、情報が手に入る――を、簡単に教わった程度だったと思う。

 このように、僕にとっての初めてのパソコンは、かっこよくて、高級そうで……でも便利なのかどうかは全然わからない、「謎の物体X」的な存在だった。インターネットの魅力に触れるのは、もうしばらくあとのことになる。

 

きっかけは、おもしろフラッシュ

 インターネットにハマるきっかけとなったのは、小学校の友達から教えてもらった「あるサイト」の存在。どのような流れでその話題になったのかは覚えていないけれど、多分「うちの父ちゃんがパソコン買ったんだけど~~」的な話の流れだったんじゃないかと思う。

 当時は、メディアを賑わせていた「2000年問題」がほぼ何事もなく過ぎ去り、少し経ったくらいの時期。パソコンのある家庭が「さほど珍しくない」レベルでは普及しており、小学生でありながら詳しい子もクラスに何人かいたと記憶している。そんな “詳しい子” が教えてくれたのが、アレだ。

 

「お、パソコン買ったの? じゃあインターネットで、『おもしろフラッシュ倉庫』って調べてみなよ! めっちゃくちゃおもしろくて笑えるから!」

 

 それが、すべてのはじまり。
 ……ん? フラッシュ? カメラの光るアレじゃないの? 何のことだろう?

 詳しくは教えてもらえなかったので、帰宅したらすぐにYahoo! Japanで検索をかけてみる。――なんかたくさん出てきたので、とりあえず、一番上のサイトを開いてみよう。

 開かれたページには、「おもしろ系」「2ch系」「ゲーム系」「楽しい◯◯系」などの文字がずらっと並んでおり、何やらいっぱいある様子。「ホラー」とか「グロ」とかちょっと怖い単語もあるけれど……よし、まずは危なくなさそうなやつを開いてみよう……。

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千葉滋賀佐賀 - YouTube

 ――結果、見事にハマった。
 爆笑した。2010年前後っぽく言えば、クソワロタwwwwww

 ぶっちゃけ、ほとんどは「意味不明」なもの。だけど、なんだか知らないけれど笑えるのだ。記号みたいな顔したキャラが走りまわったり殴られたり、有名人が替え歌に乗せて笑いものにされていたり、ドラミちゃんがダイナマイトだったり……もう、わけがわからないよ!

 

 これを機に、インターネットは僕にとって「日常」となった。

 

 検索の方法、掲示板の使い方、リンクの仕組み、ブラクラを始めとする「危険なもの」などを、感覚的に覚えた。親には「勉強に使うから!」と言って、休日は妹と2人でFLASHアニメを見たりゲームをやったりと、全力でネットを楽しんでいたように思う。

 おもしろFLASH以外には、CGIゲームにハマった時期もあった。ただ、むちゃくちゃ熱中したのは『箱庭諸島』と『三国志NET』くらいだったんじゃないかと思う。『三国志NET』は中学校の友達と組んで、メールで連絡を取り合いながらプレイしていたような……懐かしい。

 

 そういえば、音楽に興味を持ちはじめたのもこのころだった。主に2chのAAキャラを使った、いわゆる「BUMPシリーズ」のFLASHがきっかけ。ラフメイカー! 冗談じゃない!

 FLASHを経由してJ-POP全般に興味を持つようになり、中学生になると、週末にはラジオでランキングをチェックし、毎週のようにTSUTAYAに通うことになるのだった。……それは長くなりそうなので、また別の機会にでも。

 もうひとつ、のちにニコニコ動画をきっかけにハマることになる「同人音楽」の世界についても、初めて触れたのはFLASH時代のこと。み~や氏制作のNightmare City。曲は、403の「SouthernCross」。FLASHアニメといえば、やっぱりこの辺が人気ですよね。

 

 

エ口はネットスキルのドーピング

 で、中学生になり、多感な思春期でございます。
 ……そうです、エ口に興味津々なお年頃でございます。

 

 ネットは便利だ。なんたって、検索すればいくらでもムフフな画像が見れてしまうのだから。そりゃあ思春期男子にとってはネ申ツールでございましょう。――と言っても、当時のかわいい僕ちゃんは刺激的なモノは一切ダメで、グラビアの水着写真でハァハァする程度でしたが。

 エ口思考に付随して、2ちゃんねるの使い方を覚えたのもこの時期。滅多に書き込むことはなかったけれど、エ口とかエ口とかエ口とかゲーム攻略とか極稀に勉強とか、わからないことはYahoo! → 2chの順番で検索する癖がついた。まだ “ググって” はいなかったころ。

 

 また、HTMLを覚えて、自分でホームページを作ったりブログを書いたりするようになったのも、中学生時代から。たしか「楽天ブログ」だったんじゃないかしら……。

 当時はポケモンの攻略サイトを運営し、情報発信をしつつ、他のサイト管理人と交流もしていた。掲示板やチャット、お絵かき掲示板もレンタルして設置していたなあ……。僕は絵を描けないので、眺めるだけだったけれど。

 こうして見ると、ネットのコンテンツを見て楽しむだけだった小学生時代と比べて、中学生になると、自分から積極的に「ネット」と関わるようになったと言える。サイトを作ったり、チャットで半日も他人と話したり。名実ともにネットの「住人」となったわけだ。

 

知ってるのに、知らないやつだ!

 先ほども書いたように、このころになると「音楽」も好んで聴くようになった。J-POPを聴きまくるべくTSUTAYAに通っていた一方で、もうひとつ、熱中していた “音楽” がある。それが、ネット上で個人公開されていた、ゲーム音楽のアレンジ曲だ。

 ある日、ゲームの攻略情報を調べるなかでアクセスした個人サイトで、たまたま「MP3」という文字を目にしたんだったはず。詳しく説明を読んでみると、どうやら音楽ファイルのことを指すらしい。どれどれ……と試しに聴いてみたところ……心底、びっくりした。

 

 ゲームプレイ中にいつも聴く、知っている曲なのに、知らない曲だ!!

 

 必然、ハマった。アレンジ系のサイトを巡り巡って、気に入った曲をダウンロードしまくった。ゲーム音楽の二次創作に関しては、商用利用でなければ「悪いこと」ではないと書いてあったのを読んだので、遠慮なく保存して聴きまくった。

 具体的な作品としては、当時プレイしていた『FF』『テイルズ』『ポケモン』といったシリーズのほか、小学生のころに好きだった『カービィ』『マリオ』『聖剣伝説』なども。自分が知っている作品・楽曲は、とにかくかたっぱしからダウンロードしていたように思う。

 「アレンジ」として好みだったのは、ロックやメタル系の楽曲。音楽ジャンルとしての “ロック” については、TSUTAYA通いをしていてなんとなく知っていたものの、それ以外のメタル、パンク、エレクトロといった音楽の種類を知ったのは、ゲーム音楽のアレンジによるものが大きい。

 

 

「SS」という名のたくさんの世界

 さらにもうひとつハマっていたのが、ファンによる二次創作小説(SS)だ。――それもこれも、すべては『エヴァ』とそれを勧めてきた友達が悪い! おのれ! ありがとう!!

 そう、きっかけは、「おもしろいから読んでみ!」と友達から押しつけられた、マンガ版の『新世紀エヴァンゲリオン』だったのです。

 当時の自分はガンダムをはじめとするロボット作品になぞまったく無関心だったにも関わらず、「なにこれむっちゃおもろいんですけどー!」となり、「そうだろうそうだろう」とそのまま劇場版を含めたアニメ全話を録画したVHSを友達から手渡され、半日かけて一気に視聴し、並々ならぬ衝撃を受け、感情が昂ぶり、ラストの愛しさと切なさとやるせなさともやもや感をどうにかしてほしいと考察サイトを読みあさっていたなか――見つけてしまったのです。SSを。

 

 それを読んで、びっくりした。そんな解釈があったのかと。そんな続きが想像できるのかと。そんな設定が思いつくのかと。

 公式とは何も関係のないはずのファンたちが描く物語は独特で、同じファンとして、とても魅力的に感じられたのです。あらゆる可能性があるのだと。どんな妄想も形にできるのだと。――本当に、最高の娯楽を見つけた気分だった。

 

 それからは、ただただSSを読みあさる日々だった。その過程でさまざまなジャンルを知り、カップリングの概念を知り、桃色の世界と、腐った世界を知ったのでした。 “腐った” アレも実は割と好きなんです……。

 なかには、中学生の自分からしても「文章がわかりづらいなー」と思う作品もあり、「その展開はどうなんだ」と突っこむような作品もあり、良くも悪くも玉石混交。それでも、多種多様な創作物の海であっぷあっぷする日々は刺激的で、最高に楽しかった。

 このように、二次創作小説は僕に可能性と想像性を教えてくれるにとどまらず、「個人制作のインターネットコンテンツ」を楽しむ土壌を整えてくれたのでした。

 

 

現実世界とつながった!

http://www.flickr.com/photos/32332324@N00/3241483494
photo by hockeyshooter

 その後、高校に入学した僕は、ついに自分だけのネット環境を手に入れた。携帯電話である。当然、スマホではなく、パカパカするやつである。悪趣味な金色である。

 それによって何が変わったかと考えてみると……実のところ、あまり変わらなかった。やることといえば、着メロ集めと画像集め(エ口くないよ!)くらいのもの。掲示板などで積極的に交流する気もなく、連絡手段としての側面が大きかったように思う。

 

 転機を持ってきたのは、またもや友達である。
 当時、男子校でもじわじわと流行りはじめていた、モバゲーでござる。

 

 まだこのころは「モバゲータウン」だったかな? 暇つぶしのゲームよりも、趣味が近い仲間とサークルで交流するのが楽しかった。ネットでの自分の口調やキャラが定まったのも、おそらくはこの時期になるはず。当時の写メ・自撮り(顔隠し)は黒歴史……。

 僕が主に楽しんでいたのは、どちらかといえば「オタク」趣味の人間が集まっていた、小さなサークルでの交流だった。特定の作品のファン限定だとか、サークルの主旨だとかは特になく、「変な人たちが集まってアホなことをしている」ようなグループっすね。

 

 そしてある日、そのサークルでオフ会が開かれることになった。

 

 ネット上で数ヶ月は絡み合っていた仲間とはいえ、実際のところは名前も容姿も声も知らない他人(写メを載せている人もいたけれど)。そりゃあ躊躇したし、不安を抱えながらも、それでも「楽しそうだ!」とドキドキしながら参加を表明したことを覚えている。

 集まったのは、首都圏住まいの中学生と高校生。……6、7人くらいだったかな? 実際に会ってみると、お互いに緊張でぎくしゃくと戸惑いぎみ。自分のハンドルネームをリアルで名乗るのも、なんだか恥ずかしい。ぼぼぼぼくかえってもいいいいですかかか。

 でも蓋を開けてみれば、それも最初だけだった。慣れてくると、学校の友達と何も変わらない。カラオケで騒ぎ、マックで飯を食いながらバカ話。それ以降も不定期で集まるようになり、モバゲーを使わなくなった今でも、彼らとはたまーに会ってバカ話をしている。

 

 このオフ会があるまでは、自分にとってネットでの「交流」というと、それは掲示板やチャットの会話だけで完結しているものだった。それがこのとき、初めて現実世界とつながったのです。

 高校生にもなれば、インターネットのことはだいたい知った気になっていたけれど……。それも、まだまだ甘かったと自覚させられた格好。このオフ会によって、「ネットってすげー」ということを改めて実感したのでした。

 

 

ニコニコ動画、Twitter、ブログと、これからのインターネット

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livetune feat. 初音ミク 『Tell Your World』Music Video - YouTube

 それ以降、新たに出てきたウェブサービスのなかには、今でも使い続けているものが多い。ネット上で友達と交流するためのSNSは、モバゲーからmixiへと移行し、Twitterで落ち着いた。リア友とはFacebookでつながっているものの、更新頻度は減る一方。

 ニコニコ動画は(仮)の時代から利用しているので、古参ユーザーと言っても間違いではないはず。過去に好きになったウェブコンテンツ――FLASH、アレンジ音楽、二次創作など――が集約化されたプラットフォームであり、今なおそこそこ魅力的なサービスです。

 

 もう何を今更、という感じではあるけれど、ネットとリアルの接点はそこらじゅうに存在しており、もはや当たり前のもの。「ネットでの出会いは危ない」なんて話はどこへやら、オフ会なんて基本中の基本、就職も結婚も、あらゆる活動はネットを通して行われている今がある。

 若い世代の利用者数も、十数年前と比べればとんでもないことになっているらしい。そのせいかはわかりませんが、マナーの悪さや炎上も目立ちやすくなってきたように見える。そう考えると、2chの「半年ROMってろ」や個人HPの「毒吐きネットマナー」って、ものすごい優しさに溢れていたんですね……。

 

 そして僕は今、こうしてブログを書いている。00年代のブログブームのあと、SNSの隆盛で一時期は下火となったとも言われていたけれど、どうやら最近はそうでもないらしい。

 TwitterやLINEのようにお手軽な短文コミュニケーションとは別のサービスとして、長文による情報発信が可能なブログ。広告やステルスマーケティングの問題も指摘されているものの、個人が自由に発信できるブログがなくなることは、そうそうないんじゃないかしら。

 

 今の僕から見えるインターネットは、短いコミュニケーションや、まとめサイトによる情報の凝縮化など、とにかく「早さ」と「分かりやすさ」が重視されているような印象が強い。その一方で、方向性の違うブログなどはこれからどのように使われ、変化していくのだろう。

 この先、インターネット上での情報の扱いや、交流の方法がどうなっていくかはわからない。けれど、これだけ情報量が膨大となり、サービスが細分化されてしまった今、何かの一面だけを見て、納得したりわかった気になったりするのは……ちょっと怖い。

 

 インターネットで自分の居場所を見つけて、そこから見える世界と情報だけに触れ続けるのは心地いいし、むっちゃ楽だ。でも、そこだけにとどまり続ければ、その世界がネットのすべてだと錯覚してしまう恐れもある。思考停止は避けたいところ。

 そうならないためにも、たまには別の世界、別のインターネットを覗いてみるのも悪くないと思う。「私の」じゃない、「誰かの」インターネット。見たくないものが見えることもあるだろうけれど、そのときは、さっさと退散すればいいのです。

 どこにでも、誰とでもつながれるインターネット。そんな便利なものを使える僕らは、せっかくなのだから、もっともっとおもしろいものを探しに行こう。

 

いくつもの線は円になって
全て繋げてく どこにだって

Tell Your World/livetune feat.初音ミク

 

 

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