本記事は「仕事を辞めることを決意した人」に向けた内容となります。
労働意欲に満ちあふれた人、仕事は嫌だけど無理にテンションを上げている人、その他ニートなどにとっては目の毒となる可能性がありますので、ご注意ください。
辞めるかどうかまだ悩んでいたり、現在の仕事について違和感を覚えていたりするような方は、こちらの記事も参考にどうぞ(参考リンク:今の仕事に“違和感”を感じたらどうする?辞めるか悩んだ時の考え方)。
スポンサーリンク
いつ辞めるの?
今でしょ!
──と、早合点してはいけません。たとえ仕事を辞めることを決意したとしても、「その先」を考えずして退職してしまうのは早計です。
その後の生活、未来の展望、自分のやりたいこと、やりたくないこと──などなど。まずはそういった問題を整理して、「辞めた後」のことを考える必要があります。
もちろん、今すぐにでも辞めないと心身の健康に問題をきたす、あるいは既に体や心を壊しつつあるような人は、速攻で逃げるべきです。「とんでもないブラック企業に捕まった」とか、「セクハラやパワハラなど、耐え切れない人間関係に悩まされている」とか。
何よりも、身体と精神の健康が一番。潰されてしまってからでは遅いので、そのような差し迫った状態に置かれている場合はとにかく逃げましょう。将来のことは、安全を確保してから考えても遅くはありません。
夢・目標・やりたいことを考える
でも一方では、次のような人もいるかもしれません。急を要する状況ではないけれど、今の仕事を続ける気はない。どこかのタイミングで辞めたい──。
そのように考えている人は、まず「将来設計」から始めることをおすすめします。具体的に自分はどうしたいのか。転職活動をするのか、それとも自立するのか──といったふうに。
まずは「辞めた後」の方向性について考え、なんとなくでも決めておくこと。そうでもしなければ、ぐだぐだと日々を浪費し、転職活動にも身が入らず、貯金を減らしていくだけの生活が待っています。……実際、過去の僕がそうでした。
退職後、自分のやりたい仕事や挑戦したいことが明確に決まっている人の場合は、あまり悩むこともないかと思います。
- 起業を目指すのならば、その準備を。
- 別の業界に飛び込むならば、転職活動を。
- 学校に通うのならば、そのための資金繰りと計画を。
働きながら取り組めることもあるでしょうし、あるいは先にちゃっちゃと退職し、それ一本に集中して打ち込むこともできます。自分の目的や夢がはっきりしているのならば、ただそれを目指し、行動に移すだけです。
では一方で、「具体的にどうするかは決まっていないけれど、今の仕事は辞めたい」という人はどうすればいいのでしょうか。いくつかの考え方がありますが、私個人の意見としては、「自分のやりたいことを紙か何かに書き連ねてみる」ことをおすすめします。
具体的でなくても問題ありません。今現在の自分が求めているもの、興味のある事柄、やってみたいこと、身につけたい能力などを、思いつくかぎり書きまくりましょう。絵がうまくなりたいとか、田舎生活に関心があるとか、英語を学び直したいとか、台湾に行ってみたいとか──なんでもOKです。
仕事を辞めたいが「やりたいことのない」人に退職を勧めていいのか
持っている能力、考え方など、「自分」を考える
そうしたら次に、自分の棚卸しをしてみましょう。
現在の自分が持っている能力は何か。仕事や生活についてどのような価値観を持っているか。転職するとして、住まい・給料・人間関係などはどこまでなら妥協できるか。就職活動の「自己分析」に少し似ているかもしれませんね。
自分のことはよくわかっているようでいて、意外と知らないこともあります。上で挙げたような事項を書き出して整理してみることで、これまで考えもしなかった分野への関心があることに気づけたり、言葉にできていなかった価値観が形になってスッキリしたりできます。
先ほどの夢や目標の話が「未来」を考えるものだとすれば、ここで考えるべきは「現在」。
己の内へ内へ視線を向けることで、今そこにいる「自分」がどういう存在であるかを再考する。そうすることによって自身の立ち位置を再確認したり、それまでは気づけなかった新しい興味関心や挑戦したいことと出会えたりするかもしれません。
それと同時に、視線を周囲に向けてみるのも大切です。人と会って話をし、刺激を求め、吸収しようとすること。
しばらく会っていなかった馴染みの友達と話をすることで、「今はこういうことに興味があって〜」とか、「そういえばあの頃はこんなことしてたよな」というように、会話の中で何かしらのヒントが得られるかもしれません。
また、自分とは関係が薄い人の話を聞くことで得られる刺激はもあります。普段は行かないようなオフ会などのイベントに足を運ぶとか、セミナーを聴講してみるとか。新たな環境に飛び込み、新鮮に感じられる経験をすることによって、また違った可能性を見出すこともあり得ます。
悩んだとき、迷ったときは、他人と話をしてみる。
自身の内へ内へと向かって考えを深めるのも大切だとは思いますが、そのベクトルを外へ向けることによって得られるものもあります。行き詰まったときは、ぜひ誰かと話をしてみてください。
仕事を辞めるタイミング
以上の点を統合して将来設計をしつつ、実際に仕事を辞めるタイミングはいつにするのがいいのでしょうか。
大前提として目指すべきは、円満退職。会社にむちゃくちゃ恨みを持っていないかぎりは、穏便に立ち去るようにしたいところです。──「会社に酷使されまくった」とか「今すぐに辞めないと肉体的にも精神的にも耐えられない」という場合を除いて。
不満や文句、ミスマッチやすれ違いも在職中にはあったかもしれませんが、なんだかんだで会社にはお世話になっているはず。それならば、相手に迷惑がかからないタイミングを考えて、気持ちよく去れるように相談するのがマナーなのではないでしょうか。
そのうえで、退職の時期が自分にとっても最良のタイミングになるように調整しましょう。起業の時期や転職先が決まっているのであれば、そちらに合わせる形で。退職後、自分が気持ちよく新しい一歩を踏み出せるようなタイミングを指定します。
他方で、先の見通しが立っていない人の場合は、「自分でデッドラインを指定してしまう」のも考え方のひとつです。「3年目に入る前に」「貯金がいくら貯まったら」「副収入が安定するようになったら」など、退職するタイミングを自分で決めてしまう格好ですね。僕自身もそうでした。
転職先が決まっていないと、金銭面での不安はあります。でも今の時代、小金稼ぎならインターネットでできますし、退職後には雇用保険を利用することも可能。職種の選り好みをしなければ、今は仕事だってたくさんあります。
なので、現在の仕事があまりにも嫌で嫌でやってられないのなら……続けても求める未来が見えないのならば、無理に自分の体を酷使せず、辞めてしまうのも悪くはないと思います。そもそも絶対的な「安定」なんて、どこにも転がってないのだから。
もちろん、先のことはちゃんと考えておかないと後悔しかねませんので、計画はしっかりと。僕自身、仕事を辞めたことに後悔はありませんが、「見通しが甘かった」などと思うところはありました。
以上、取り留めのない内容になってしまったようにも思いますが……。本記事の内容が、少しでもどこかの誰かの参考になれば幸いです。どうか無理せず、良き退職を。
おまけ:自分の経験をまとめた電子書籍を書きました
※個人的に、メールでのご相談を受け付けております。詳しくは、プロフィールのページを参照ください。