先日、勤めていたメーカーを退職しました。
期間にして、僅か1年と半年。プロ社会人の方々に言わせれば、「これだから根性のないゆとりは!」だの「そんなんでこの先やってけんのか?」だのと突っ込まれそうですが……いや、仰るとおりでございます。
辞めた理由は、簡潔に言えば──飽きたから。
なんかもう、日々のルーチンワークにうんざりして、やる気がぶっ飛んでしまったんですよね。ならいっかー、夏のボーナスもらったし辞めてやるー、と。
あ、退職の手続きはしっかりとやりましたよ。早めに上司に話して、引継ぎもしっかりと。
「とりあえず3年間」に騙されるな
入社1年目は、僕もフレッシュな新社会人としてあくせくと働いておりました。
営業とは名ばかりの肉体労働。仕事は辛いけれど、周りの上司や先輩たちに加え、担当のお客さんも良い人ばかり。多くの就活生や新卒社員が考えるように、「まずは3年、がんばってみっかー!」と精を出していました。
しかしそんな矢先、ノロウイルスに感染してしまったのです。
世は師走、12月のことでした。
突然の激しい嘔吐感と発熱とその他諸々。しばらくは身体が使い物にならず、寮のベッドでうんうん唸り続けるだけの日々が続きました。
その間、1週間。それだけ休めば、いろいろと考えてしまうわけで。ふと我に返ってしまったのです。
「あれ?どうして僕は、この仕事をしているんだっけ?」
この出来事がきっかけとなり、僕は「とりあえず3年間」の考えを放棄しました。
さらに、仕事観や働き方、企業の在り方などにも興味を持つようになって、人の話を聞いたり、本を読むようになったりと、いろいろと考える機会が増えたように思います。
「気づいたら10年間」にならないために
「とりあえず3年間」。
この論理が通用する会社も、たしかに少なからずはあるのでしょう。3年間の下積み時代を経て、その後はステップアップした業務や、別の部署で自分の能力を発揮できるような。
ただ、そうではない場合。3年がんばっても、変わらず今の仕事を続けるとしたら。それが下手したら10年も続くとしたら。それが辛い、嫌な内容だったら──。
そんな先行きの見えない「とりあえず3年間」では、最悪それが「気づいたら10年間」なんてことになっている場合もありえます。
僕の働いていた企業が、まさにそれでした。
──ならば、逃げるしかあるめえ!
基本的な仕事を覚え、企業を知り、その経験と能力を後に活かすことができる算段があるのなら。それならば「とりあえず3年間」は耐えるべき。──それは間違いないと思います。
その一方で、この「とりあえず3年間」は、おバカな新卒社員の思考を3年間停止させる効力もあるのではないでしょうか。バカ正直に先輩や上司の言葉を信じていると、企業に使い捨てられるなんて可能性が、ががががが。
そうならないためにも、数ヶ月に一度とか、僕らは自分の現状について考える機会を度々設ける必要性があるのではないかと。当たり前と言えば当たり前、できる人は、常に自身と周囲の環境に気を配っていると思うけれど。
でも、仕事に追われている人にはそれができない。そんな余裕が無い。だから、「たまに」でいいんです。ちょっと余裕のあるときに、今の自分の体調とか、仕事の調子とか、周囲の人間関係とか、そんなことをぼーっと改めて考え直すこと。
そこでもし、「あれ?おかしくね?」「こんなはずじゃ…」といった疑問が浮かび上がってきたら、要注意。腰を据えてよく考えること。周囲の人に相談してもOKです。
とにもかくにも、「とりあえず3年間」で思考停止するのはよろしくない。そう思いました。