平日に!!
芝生で!!
談笑しながら!!
のんびりしたい!!
──というコンセプトで開催されたイベント『第1回 ばーちゃるぱーく in 秋葉原エンタス』*1。
もうこの字面を目にした時点で「え? 最高か?」という共感しかこみあげてこなかった自分。──そう、休日に羽を伸ばしたいのは当然として、それと同じくらい「平日の仕事後に程よくリフレッシュする」ことは大切だと思うのです。おいしいものを食べるとか、映画を観るとか、友人と軽く飲むとか。
そんななかに降って湧いた、このイベント。コンセプトに並ぶ「芝生」「談笑」「のんびり」といった字面だけでも、心惹かれずにはいられない。これぞまさに、仕事に疲れたオッサンが求めているものなのでは……?
しかもよくよく詳細を確かめてみたら、出演者の全員が自分の知っている(よく動画を観ている)VTuberさんじゃないですかー! やったーー!!
《平日に芝生で談笑しながらのんびりしたい🌿》
— ぴろぱる🖌ばーちゃるぱーくありがとう!みんなのおかげで楽しかった! (@PIROPARU) 2019年3月9日
「第1回 #ばーちゃるぱーく in 秋葉原エンタス」開催決定🥳
第1回のゲストはホロライブ所属の「夏色まつり(@natsuiromatsuri)」ちゃんとENTUM所属の「皆守ひいろ(@HeroMinamori)」ちゃんです‼
▼本日よりチケット発売👈https://t.co/OudqlSR8pI pic.twitter.com/Ee3B5UaSif
「熱唱」という表現がしっくりくるアツい歌声が魅力の、ぴろぱる(@PIROPARU)兄貴。
下ネタ上等、でも素の優しさが隠しきれない清楚っ娘、夏色まつり(@natsuiromatsuri)ちゃん。
周囲を巻きこみみんなを笑顔にする天真爛漫ヒーロー、皆守ひいろ(@HeroMinamori)ちゃん。
三者三様の魅力を持ったVTuberたちが一堂に会するイベントと聞いたら、そりゃあ参加しないわけにはいかないでしょう!
──ということで、行ってきました。
出演者と来場者との距離が驚くほどに近く、会場を巻きこんでの掛け合いに終始笑いっぱなしだった自分。画面越しであるにもかかわらず尋常じゃない一体感を感じられる、本当に素敵で楽しいイベントでした。
芝生と熱気と聖水と
4月1日。すっかり風物詩になったエイプリルフールネタがSNSを賑わせつつ、新元号の発表に伴うあれやこれやがそれ以上に話題になっていた、月曜日の夜のこと。
秋葉原駅前、オノデンの5階にあるイベントスペース・秋葉原エンタスには、並々ならぬ熱気が漂っていました。
クラブイベントも開催されることがあるという多目的ホールを埋め尽くすのは、約100人の来場者。明らかに男性の数が多いものの、中には少なからず女性の姿も。足下には芝生が敷き詰められており、来場者はその上に設置されたパイプ椅子(ステージ前方はキャンプ椅子)に座って、開演を今か今かと待ち構えています。
──って、芝生に直に座れるんじゃないんかーい!
などと、軽くツッコみたくなったのは許してほしい。でも冷静になって考えてみると、「席」の概念がなかったらなかったでちょっと困りそうな気もするのよね……。
特にこの日は曇天模様。もし雨が降っていたら、濡れた靴で芝生を踏みしめることでちょっと座りにくい感じになっていたかもしれないので。
加えて、本イベントはワンドリンク制。
各々がBARスペースで注文したドリンクを携えており、もし思い思いに芝生に座っていたら、そこらじゅうでコップが倒れることになっていた可能性もあるんじゃないかと。「席」と「列」の概念があることでお互いに譲り合い、ドリンクや荷物に注意しながら会場内を移動していたようにも見えました。
ちなみに、その “ドリンク” がこちらになります。
【第1回 #ばーちゃるぱーく in 秋葉原エンタス】
— ぴろぱる🖌ばーちゃるぱーくありがとう!みんなのおかげで楽しかった! (@PIROPARU) 2019年3月24日
追加情報!
★コラボドリンク制作決定!(各1杯700円)
夏色まつり(@natsuiromatsuri)「まつりの聖水」
皆守ひいろ(@HeroMinamori)「ひいろのエモ水」
※当日チケット購入者のみご注文いただけます
⬇イベント詳細※完売御礼https://t.co/OudqlSR8pI pic.twitter.com/94NSqDzfdy
今後の人生において、バーテンダーさんに向かって「聖水ください!」と注文する機会はいったいあと何度あるのだろう……。
そんな貴重な機会を蔑ろにするわけにもいかず、大声ではっきりと「まつりちゃんの聖水ください!」と注文した自分。対するバーテンさんも「はい! 聖水ですね!」と満面の笑みで対応してくださいました。たすかる。注文したノンアル聖水は甘くて美味でした。ごくごく。
ものすごい一体感を感じる
さて、見るからに濃ゆい黄色の “聖水” と、爽やかな青色が目に優しい “エモ水” を片手に持ち(中には“聖”と“エモ”を両手に持つ勇者の姿も)、今か今かと開園を待ちわびる来場者たち。
もともと友人同士で来ているのか、はたまた同好の士としてその場で仲良くなったのか──。
どちらかは知れませんが、開園前から楽しそうなVTuberトークが聞かれていたのが印象的だった場内。そんな期待と興奮が綯い交ぜになった空気を動かしたのは、19:00を過ぎた頃に響き渡ったぴろぱるさんの声と、同時にスクリーンに映し出された彼の姿でした。
「待ちわびたぞこんちくしょー!」と言わんばかりに盛り上がる会場。
さらに、夏色まつりちゃんと皆守ひいろちゃんが続けざまに登場し、来場者のボルテージは急上昇。やがてぴろぱるさんの煽りでなぜか巻き起こる「令和」コール。そして始まるミニライブ──『千本桜』のデュエットによって、早くも会場のテンションはMAXに。
最後に乾杯の音頭を経て、いよいよばーちゃるぱーくが開園されました。
イベントはぴろぱるさんのMCによって進行。
途中途中で企画やネタを織り交ぜつつも、基本的にはよくある「トークイベント」のスタイルで3人のお話を聴くような内容でした。……って書くと堅っ苦しく感じるけれど、実際にはめっちゃゆるふわフリーダムだったからね! 念のため!
聴いていた感じでは、あらかじめ用意していただろう台本はそこそこに、その場のノリと雰囲気に合わせて進行していたようにも映りました。まつりちゃんとひいろちゃんは普段の配信さながらのテンションだったし、合間合間にツッコミを入れつつ会場を盛り上げるぴろぱるさんのMCも絶妙。「コラボ配信がそのままリアルに出てきた」ような感じで、ほぼ笑いっぱなしだったレベル。
とは言っても、ただ単に「コラボ配信をリアル会場で映している」ようなものでもなく。
なんたって、ばーちゃるぱーくではこちらの「声」が届くし、向こうにも会場の様子が伝わっている。普段のYouTubeコメントやツイートなどの「文字」ではない、「生の声」がお互いに聞こえる。別にこのイベントに限った話ではありませんが、そのような場所はやはり普段の「配信」とは明らかに違うわけです。
しかもあの空間では、まつりちゃんもひいろちゃんも「話すぞオラァ!」と言わんばかりの積極性で来場者に絡みに来てたので、場内の盛り上がりが尋常じゃなかったんですよね。その一体感ときたら、画面越しの “あちら” と “こちら” の関係ではなく、演者も来場者も含めて同じ地平に立っていたように感じるほど。
だって、オープニングトークの時点で「『我こそは!』という話したい人~~~?」と会場に向かって語りかけていたくらいなので。対する会場からも、「わたくしは夏色まつりを愛しております!」という大胆な告白を筆頭に、マイクを通してガチ恋口上をキメる人が続くという振り切れっぷり。いいぞもっとやれ。
かと思えば出演者の2人も、「早めに入ったけど、一番後ろの席に座ろう」と開園前にツイートしていた人を逆指名して話させたり、「まつりの匂い嗅がせるから、あの女の子の匂い嗅ぎたい」などと目に留まった女性に粉をかけたりと、もはややりたい放題である。会場側も会場側でガチ恋勢が多かったようなので、それもただのご褒美だった様子。てぇてぇ。
そこに足を運んだ以上は、誰もが他人事ではいられない──。それが、ばーちゃるぱーくというイベントなのかもしれない。
……まだ第1回なのでわからんけど!
リアルならではの熱気と、VRイベントへの期待
出演者も来場者も常にハイテンションで、笑い声が終始耐えなかった、ばーちゃるぱーく。無闇矢鱈に叫び出すような人もおらず、笑うときにはみんなで笑い、愛を叫ぶときには全力で叫び、その場にいる全員で楽しい空気を作り上げていた──そんなふうにも感じる、非の打ち所のないイベントでした。
個人的に驚きだったのが、海外からの参加者の多さ。厳密には留学中の学生さんも含みますが、ソウル・上海・台湾といった海外からはるばる足を運んだ人もいたとのこと。bilibili動画など海外でのVTuber人気は聞き及んでいたものの、まさかあれほどとは思わなかったのでびっくりしました。ぐろーばるだ……。
どちらかと言えば小規模(とは言っても100人近い)なイベントにも、海外から全力で参加しに来る人がいる。しかも出演者はVTuberという、見方によっては──語弊をおそれず言えば──「ネット配信でも事足りるのでは?」とツッコむこともできるイベントに。その事実に、改めて仰天したわけです。


そう考えると、演者であるVTuberはもちろん、彼ら彼女らを取り巻くファンや関係者の熱量は、想像以上に大きなものなんじゃないかと思うんですよね。僕自身、何度かVTuber関連のリアルイベントに参加して、そのたびに並外れた熱量の高さを実感しているので。
実際に参加してみれば、「ネット配信でもいいじゃん」というツッコミは見当違いだということがはっきりとわかる。だってそこには、文字でなく声を介した双方向のやり取りがあり、大勢が一堂に会することで熱気が生まれているのだから。
でも他方では、「同じ空間にいることの一体感」を擬似的に味わえる空間が現在、ネット上でも着々と整備されているという側面もあり、その中心にもやはりVTuberたちがいる。──言うまでもなく、VRを舞台にした各種イベントですね。
今はまだ機材をそろえるハードルが高いものの、もし今後、誰もがVR環境を自宅に持つようになったら。演者もファンも3Dアバターを用いて仮想空間で交流できるようになったら、VTuberを取り巻くイベントの様相は一変するのではないかしら。それこそ、「東京は遠すぎる……」という理由で泣く泣くイベント参加を断念してきた人たちも、VR空間での開催なら自宅から参加できるわけですし。当然、海外勢も含めて。


──なーんて話がズレましたが、この「ばーちゃるぱーく」について言えば、むしろ「リアルだからこそいい!」と言えるものだったのかもしれません。コンセプトがコンセプトなので。バーチャル空間に芝生を生成して、ごろ寝しながら話すのも楽しそうではあるけれど。
何はともあれ、初開催ながら大盛況のまま終わった、ばーちゃるぱーく。
短い時間ながら、ほんっっっとうにむちゃくちゃ楽しかった! 普段は一方的に話を聴くだけのVTuberさんと交流し、同じく文字を通してしか姿の見えないファンたちと一緒になって笑い、叫び、てぇてぇ絡みを目の当たりにすることができて、最高のひとときを過ごせました。チェキも撮ったよ! わぁい!
きっと遠くないうちに、第2回も開催されることを期待しつつ。最近はVR空間に引きこもりがちだった自分も、イベントがあれば全力で推しに会いに行こうと思いを新たにしました。
今日も今日とて、推しに生かされている。
おまけ:出演者3人の個人的な“推し”ポイント
夏色まつり
「おっ、かわいい子おるやんけ」→「とりま配信見てみるべ」→「めっちゃアヘ顔してる……」という、衝撃的な(でもそういう人も多そうな)出会いをした、夏色まつり(@natsuiromatsuri)ちゃん。
超絶ハイテンションのぶっ飛びガールかと思いきや、幅広い声色と純朴なかわいらしさもあわせ持つ魅力的な女の子。──そう、純朴。下ネタ大魔神だとしても、純朴で清楚なのです。たぶん。
ぶっ飛んでるけど、たまにしおらしい。下ネタばっちこいだけど、愛くるしい。鼓膜ブレイカーだけど、素敵な歌声に魅了される──。いろいろな部分で二面性を持っているように見えて、そのギャップに惹かれてハマった人も多いのではないかしら。
でも一方でまつりちゃんの魅力を一言で表すなら、「等身大の優しい女の子」というイメージも。「ねぇねぇ聞いてよ!」と楽しそうに話す雑談配信と、自然と口にする友達&ファン思いの発言から、根っこにある「優しさ」がにじみ出しているような。そりゃあガチ恋する人もいるってもんですよ!
皆守ひいろ
デザイン担当のちょこ庵(@Chocoan09)先生のイラストが前々から好きだったこともあり、活動を始めた頃から存在は知っていた、バーチャルヒーロー見習い・皆守ひいろ(@HeroMinamori)ちゃん。
当初は「気になるVTuberの1人」として遠目に見ていた程度だったのですが……。11月投稿の『ピースサイン』に心を撃ち抜かれたことで、積極的に追いかけるように。ゲーム実況もだけど、最近は特に「おはひろラジオ」を毎回楽しみに聴いております。ひーちゃんの明るい声に癒やされるんじゃ……。
本家とは異なるピアノの伴奏に対して、突き抜けるような力強さと、静かな感情の熱を感じられる歌声が胸に響く。そしてなにより、「この曲をヒーロー見習いの女の子が歌っている」と考えると……いくらなんでもエモすぎるのでは??(すこすこ)
それとこの動画、文字の演出がこれまたエモーショナルでニクいんすよね……。ところどころに挿入された「ゆっくり頑張ろう」「取り敢えず笑えば何とかなるさ」「悪者だって心はあるんだよね」などの言葉に、なんでかわからないけれど泣きそうになった。
ぴろぱる
達筆な筆文字と秀でた歌唱力を持つバーチャル書家・ぴろぱる(@PIROPARU)さん。マリオカート配信をきっかけに知り、歌ってみた動画を聞いて──ふとこみ上げてきた、謎の既視感。
「はて……どこかで聞いたことがある歌声のような……?」と思ってニコニコ動画で検索してみたところ、一時期むちゃくちゃ聴いていた動画がヒットして「あーーーーー!!」とびっくりしたことを覚えています*2。
そんな事情もあって、個人的には「歌うま男性VTuber」としてのイメージが強いぴろぱる兄貴。でもそれ以上に、マルチクリエイターとしての技術力&企画力がしゅごい。
デザインと歌唱はもちろんのこと、楽曲制作にミックスといった音声まわりの諸々や動画制作もこなせる多才っぷり。多くのVTuberの動画に携わっており、VTuberを追うなかで名前を見かけたことがある人も多いのではないかしら。そして此度のばーちゃるぱーくでも、すばらしいMCをこなしておりました。
感情が暴走してめちゃくちゃな文字になってますが、 #ばーちゃるぱーく への僕の意気込みの走り書きです。 pic.twitter.com/SoxZesz3zr
— ぴろぱる🖌ばーちゃるぱーくありがとう!みんなのおかげで楽しかった! (@PIROPARU) 2019年3月9日
改めまして、本当に楽しかったのじゃー! 第2回開催も楽しみにしております!
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*1:参考:第1回 ばーちゃるぱーく in 秋葉原エンタス in東京 - パスマーケット
*2:一応は「前世」扱いになるのかもしれないので、ここでは触れません