先週、法要で京都に行っていました。1泊2日。京の都を訪れるのは、おそらく5年ぶりくらいになるんじゃないかしら。
普段ひとりでは乗ることのない新幹線の速さに感動し、なんだか来るたびに大きくなっているような京都駅ビル(そんなことはないでしょうが)を見上げて「おほーっ」と息を漏らす。見た目は小さい割に地下が広すぎる東京駅に対して、高くそびえる京都駅は圧巻でござる。京都すごい。駅の時点で楽しい。
かと思えば、駅の周囲はおとなしめ。高い建物はいくつかの商業施設と京都タワーくらいのもので、周囲に高層ビルが乱立する東京駅とは対称的。そうやって京都駅と東京駅をあれこれと比較してみたら、結構おもしろいんじゃないか……とふと思う。すでにやっている人がいそうな気もするけれど。
法要を終えた1日目の夜。
これまた普段は泊まらないような駅前のホッテールに居心地の悪さを感じ、ふらふらと夜の街に繰り出そう──と思ったのだけれど、時間も時間なので駅周辺を散策する程度にしておく。
でもこれがひとりだったら、眠くなるまで夜通しで京の都をぶらぶらと歩きまわっていたかもしれない。ちょうどタイミングよく、デイリーポータルZの京都深夜散歩の記事を読んでいたので。
そういえば過去にひとりで京都を訪れたときには、夜の伏見稲荷大社に向かって、登っている途中で悪寒がしてゲストハウスまで引き返したことがあった。寺社仏閣って基本的には落ち着く空間なんだけれど、夜になるとやっぱり近寄りがたさがあるよね……。 “心霊” 的な怖れというより、 “神霊” 的な畏れがある。
伏見稲荷にはいつかリベンジするとして、2日目。慣れないベッドでなかなか寝付くことができず、結局この晩はろくに眠れなかった。
睡眠不足とくれば、日中の観光にも支障をきたす──かと思ったけれど、意外にそうでもなく。……たぶん、アレです。旅先ならではのハイテンションで、疲れや眠気が吹っ飛んでいたのかもしれない。しばらく遠出もできていなかったし、余計に「非日常」な感じに興奮していたんじゃないかと。法要の後ではあるけれど。
午前中は修学旅行生らしき少年少女の波に流されつつ、二条城をぶらぶら。自分が修学旅行で来たときは、たしか清水寺とか三十三間堂のあたりを巡った記憶があるので、なにげに初見学だったのかもしれない。ほかに行ったことがあるのは東西の本願寺と、先日「ナムい」で話題になった知恩院あたりだったかしら。
二条城・和楽庵のお抹茶セット。
前回の記事にも書いたように、割と日常的に煎茶を淹れて飲む習慣はあります。ただ、抹茶については「極稀に飲む」レベルであり、ぶっちゃけ淹れ方──もとい “点て方” もよくわかっていなかった。シャカシャカやるのは短時間でしなきゃダメなんすね……知らんかった……。
お抹茶もおいしかったけれど、それ以上にヤバかったのが、一保堂茶舗で飲んだ玉露。「ヤバい」というか、価値観が軽く上書きされるほどに衝撃的だった。バリうま。
何年か前に「お茶の淹れ方研修」的なものを受講して、そのときに玉露を含む複数のお茶──それなりに割高な茶葉も──を飲んだことはあったけれど、まったくレベルが違う。一煎目、想像もしていなかった旨味にガツンと脳を揺さぶられ、思わず「うんまぁあぁぁあぁああ……」と声に出しながら破顔してしまった。「あまりにおいしすぎて自然と満面の笑みになってしまう」経験って、なかなかないぜよ……。
しかもこの玉露、ラインナップをよくよく見ると、中堅くらいの価格帯。店内で飲める最高級の玉露はこの倍のお値段ということで、仰天すると同時にむちゃくちゃ気になってくる。さらにまだ上のステージがあるとか、お茶の世界やべえよ……。飲んだ瞬間に昇天してしまうレベルなのでは……?
一保堂茶舗もそうだけれど、行っておきたかったのが下鴨神社。
京都御所あたりから鴨川沿いをとっとこ歩き、某ラブストーリーで「はうあ!」と胸キュンさせられた鴨川デルタを過ぎるようなルートで。ついでにポケモンGOもプレイしつつ。鴨川沿いのジムに置いてきたハピナスとケッキング、なんだかんだで翌日まで倒されずに粘っていた模様。つまり、京都から東京までワープしたのか……。
下鴨神社は縁結びの神社でもあるということで、境内には女子高生の姿がちらほら。団体で来ているわけではないっぽかったので、おそらくは修学旅行の自由行動でルートに選んだ感じかしら。結婚式の写真撮影をしている人もいたりと、本殿からは渋く厳かな印象も受ける一方で、境内はどこかふわふわとした雰囲気。
──まあ、僕は聖地巡礼として足を伸ばしたわけなんですけどね!
さすがに愛おしき毛玉たちの姿はなかったものの、グッズやら台本やらが展示されていて楽しめました。『有頂天家族』はいいぞ。
夕方にかけてまた鴨川沿いをぶらぶらしつつ、夜には東京への帰路につきました。時間が許せば、もっといっぱいまわりたかった……。伏見稲荷や祇園もそうだし、宇治まで足を伸ばしてお茶を買ったり、『リズと青い鳥』の “例の階段” のところに行ったりしたかったのじゃ……。
そもそも今回は「ついで」の観光だったこともあり、じっくりと見て回るのはまた別の機会に。「次の楽しみ」を残して去るのも、一種の「遠出における楽しみ方」と言えるのかもしれない。──うん、そう考えることにしよう、そうしよう。