9月の1枚/渋谷からレインボーブリッジ遊歩道を経由して、お台場まで10km歩いてきた
ちゃーっす。風邪ぎみの僕です。
9月も下旬を過ぎたころにはすっかり涼しくなり……かと思いきや急にまた暖かくなったり、その寒暖差に季節の節目を感じさせられる今日このごろ。そりゃあ風邪もひくってもんですよ。“たんぱんこぞう”になってポケモンGOやってる場合じゃねっすよ。オフトゥンを増やそう。
さて、先月はじめには、8月のイベントで話せなかったことを長々と書いたわけですが、9月は9月で「ブロガーズフェスティバル」なる年に一度のお祭りがありました。
百人単位でブロガーさんが集まるイベントということもあり、すでに数々のイベントレポートがネット上に投稿されている様子。そのため、今更感はあるのですが……せっかく数時間にわたってお話を聴いたので、自分なりに思ったことをざっくりとまとめておこうと思います。
※イベント自体の詳しいレポートは、つじもん(@iTsujimon)さんの記事がまとまっていて読みやすく感じましたので、勝手ながら参照させていただきまする → ブロガーズフェスティバル2016に行ってきたよ!ブログ運営で勉強になったことをまとめてみた! #ブロフェス2016 | まぬけブログ
もうひとつの「量より質」問題
ヨッピー(@yoppymodel)さんによるオープニングセッションで幕を開けた本イベント。わずか20分のお話ながら、最初から最後まで「それな!」と全力で首をブンブン縦に振ってしまうほどに共感できる内容でした。開幕ヘドバン。これだけでも大満足。
▼ヨッピーさんが間違ってると思うブロガー戦略
— つじもん大阪のブロガー (@iTsujimon) 2016年9月24日
「たくさん記事を書く」
「炎上させること」
「どこにでもあるライフハック記事を書く」
▼ヨッピーさんが思う良いコンテンツ
「記事は数よりも質」
「ちゃんと外に出て取材しよう」
「独自性大事」
「批判を恐れろ」#ブロフェス2016
(例によってわかりやすいので、つじもん氏のツイートを拝借)もうずっと言われ続けているにも関わらず、いまだに炎上上等&数字至上主義が一部でまかり通っている現在。その問題点と、処方箋となる考え方を、まとめて提示してくださった内容と言えるかと。
もちろん、各々のブログの運営方針や目的によって変わってくる部分だとは思いますが、一般的な「個人ブログ」の多くに当てはまる考え方・戦略であるように感じました。
どんなに多更新したところで複数人で運営するメディアには敵わないし、個々の記事の質だって落ちてしまう。雑に見えるブログを継続して読みたがる人がたくさんいるとは思えないし、「数」が他のブログに対する優位性になるケースは、今となっては少ないのではないかしら。
また、この「量より質」問題に関しては「記事数」以外にもうひとつの視点があると思っていて、それは「PV数」にも当てはまるのではないかと。長らくウェブメディアの価値基準とされてきたPV数だけれど、それもあくまで“基準のひとつ”にしか過ぎなくなってきているように見える。
実際問題、ブロフェス登壇者のみなさんもPVうんぬんについてはあまり言及しておらず、なかにはそもそも気にしていない方もいらっしゃいました。それよりかは、自分が書きたいことを書けているか、読んでほしい読者に届いているか――といった点を重要視している様子。
たしかに、PV数が増えれば広告収入につながるのでしょうが、それもブログがもたらす価値のひとつに過ぎないわけで。むしろ極度に「PV」に固執し、扇動的な記事を書いたり、ろくに調べもしないでトレンドに乗っかったりを続けてしまったら……正直、失うもののほうが多いように思う。
あったかもしれない仕事のお願いや、書籍執筆の提案、あるいは人とのつながりなどなど。数を気にしすぎるあまりに信頼を失ってしまっては、元も子もございません。ネット上に作った、自分の自己表現の場。それを無為にしてしまうのは、もったいないんじゃないかなーと。
他方で、ネットビジネスにおいては「コンバージョン率」を重視するべきという話をたびたび耳にしますが、考え方はそれに近いように思います。目的は大勢の人の目に触れることではなく、その商品(ブログ)のターゲット層に読んでもらうこと。その意味での、“量(PV)より質(ファン)”。
アフィリエイターさんにとっては基礎中の基礎なのでしょうが、おこづかい稼ぎ目的でブログを始めるとどうしても目先の収益に釣られ、PV数を追い求めがちになってしまうようなので……。分析・検討しなければただの数字でしかない「PV数」ではなく、ブログに対するコンバージョンとしての「ファン」を増やすように考えたほうが得られるものは大きいし、ブログ自体も楽しみながら、長く続けられるんじゃないかしら。
――とまあ、数年前を省みると僕も偉そうに言える話ではありませんが、イベント会場で複数の登壇者さんの話を聴き、ちょっと考えた話題として。
素描のように文章を書き連ねる
じゃあ具体的にはどのように「質」を高めていけばいいのかと言うと、個人的には清田いちる(@kotoripiyopiyo)さんのセッションにつながるように感じました。そのための基本となる考え方は、「上手く書こうとするな。素直に書け」というただ一点。
この考え方は、自分が日頃から――というか、ブログを始めたころから意識している「好き勝手に書く」とほぼ同じであるように感じたこともあり、強く共感した格好。これまたブログの方針・目的によって変わってくるでしょうが、単純かつ効果的であるように思います。
結局、徹底的に研究や取材を重ねたウェブメディアを相手に、個人のブログが敵うはずもないんですよ。ただ唯一、読者さんに強い共感をもたらせるとすれば――それは自分自身の等身大の経験と記憶を、自分なりの表現でもって、自分勝手に書き散らした、「個人的な話」くらい。
変に型にハマった“作られた感”のある記事を書くよりも、逆に適当に書きなぐった「落書き」のほうが注目されやすいし、共感する人も多いはず。完成度ではプロ相手に勝てないのだから、自由に書いて、それをおもしろく読んでくれる特定の読者さんへ向けて公開したほうが良い。
この“素直に書く”ことを清田さんは「素描のように」と言い換えておられましたが、言い得て妙だなーと。そう、デッサンでも下書きでもまったく問題ないのが「ブログ」の魅力だと思うんです。ふとした思いつきであっても、どこかの誰かにとっては価値ある情報になるかもしれない。
完成されている必要はなく、拙いからこそ、途中経過だからこそ伝わるものもある。ネット上では失敗体験が注目されやすい(ように見える)のも、成功体験ばかりが並んでいる(傾向にある)書店とは異なる魅力だと思うし、個人のナマの失敗こそ、他人の役に立つのではないかしら。
言い換えれば、ブログの最新記事は、「最新版のオレ」。その時々で、「現時点での自分の考え」を記したひとつの文章でしかなく、「本」のようにひとつひとつを完結、完成させる必要はないと考えています。むしろ、「私はこう思ったけど、あなたはどう思います?」「自分にはここまでしかわからなかった、どなたか詳しい方に続きを書いて欲しい」と、読者さんに問いかける、丸投げする形でもなんら問題はないと思う。お互い、お金を払っているわけでもなし。
(中略)
ウェブ上でも常に完璧な自分を見せる必要はないし、「未完成なくらいがちょうど良い」の気概を持って事に当たるのも楽しそう。悩んでいるなら、悩んでいるそのことを書けば良い。「こんなに知ってるんだぜ!」じゃなくて、「これだけしか知らない……」でも良いじゃない。
――と、1年半前のワシも書いていた模様。 そして、そういった素描を繰り返し繰り返し続けることで見えてくるのが、清田さんも仰っていたブログ最大の効用「自分のことをより深く知ることができる」で相違ないと思いまする。
過去の記事を読んで、その意外にも論理的な内容に「おまえ良いこと言ってんな……」と感心したり、痛々しいポエムに「ウボァー!!!!」と赤面してもんどり打ったりできるのもまた、ブログのおもしろさ。現在の自分を記録し、未来の自分へ投げて、過去を知ることができる。
あるいは、個人の雑記ブログって見方を変えると、1人でひたすら「壁打ち」を続けているようなものなのかもしれない。単純作業に見えるそれも、角度や強弱を考えて打ってみる試行錯誤の楽しさもあるし、そもそも壁打ちが好きな人ならば、決して飽きることはありませぬ。
そして時には、「一緒にやろうぜ!」と他の壁打ちマンがひょっこりやってきて、一緒に遊ぶこともある。1人でシコシコと書いているだけではあまり巡ってこない機会かもしれないので、今回のブロフェスのような誰かの企画に乗っかって、壁打ち祭りに参加できるのはありがたい。
そういった意味でも、今回のブロガーズフェスティバルは勉強になっただけでなく、新たにいろいろな“壁打ち仲間”と出会うことができて最高に楽しかったのでした。改めまして、主催者さん、実行委員長、運営スタッフのみなさん、ありがとうございました!
おそらく来年もまた、参加させていただきまする。この驚くほどに個人的で、また最高に楽しい壁打ちを、それまではキャッキャウフフと1人でも続けていこう。そう思いを新たにしたのでした。
会った人全員に着物じゃないことを驚かれるワシ。着物が本体……。
— けいろー (@Y_Yoshimune) 2016年9月24日