──スキマ時間を利用すれば、本を読むことはできるんです。
けれど、読書の中で感じたことや考えたこと、心動かされたことをまとめる時間がない。本当はもっと、読書を通じて得られた経験を残しておきたいのに。共有したいのに。語りたいのに。
本記事では、そんな人が手軽に取り組める「読書記録」の方法をまとめました。また、後半はブロガーさん向けの「書評記事」の書き方も掲載しています。
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気になった部分はささっとメモ or Evernoteにハイライト
「本を読む時間はあるけれど、読書記録を付けるほどの余裕はない!」というときには、「とりあえず」の形でもメモを残しておくようにしましょう。
本への書き込みを気にしないのであれば、本文に線を引いたりコメントを加えたりしてもOK。スケジュール帳や専用のメモ帳にぱぱっとメモるのもいいですね。それすら難しい人は、気になった部分に付箋をペタペタ貼るだけでもOKです。それだって「読んだ」記録であることに代わりはありません。
「とりあえず」の形でも何かしらの「読んだ」記録を残しておけば、後で読み返したり感想をまとめたりするときの役に立ちます。
アウトプットのための「道具」を用意するようなイメージですね。取っ掛かりがあれば後でしっかり記録しようというモチベーションになりますし、なんとなくでも「記録」しながら読み進める習慣を持つようにすることで、本の内容が「記憶」として残りやすくなるメリットもあります。
日野瑛太郎著『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』より
Kindleをはじめとする電子書籍であれば、さらに簡単。
画面を長押ししてハイライトやコメントを付けるだけなので、読みながらの「記録」も容易にすることが可能です。「自分でペンを持って手を動かさないと、なかなか記憶に残らない」という人も、中にはいるとは思いますが。
Amazon Kindle: Your Highlights
特にKindleの場合、電子書籍上でハイライトした部分は端末を同期することで、マイページで一覧を確認することができます。
スマホで読むときにはハイライトを付けるようにして、後ほどパソコンで引用部分にコメントを付ける──という使い方をするのもありですね。
さらに、電子書籍を読んでたまったハイライトをEvernoteにまとめて保存するのもおすすめです。そうすることで電子版の「読書ノート」が簡単に作れますし、ブログなどで感想をまとめるときにも役立ちます。
Evernoteに記録する一番のメリットは、「全文検索機能」があること。
何か調べ事をしている途中、「そういえば “◯◯” みたいな表現を何かの本で読んだけれど、どこで読んだか思い出せない……」と頭を悩ませることになっても、一部でも単語を覚えていれば一発で発見することができます。僕自身、ブログに引用する際に非常に重宝しております。
読書記録サービスを利用することで、要約力が身に付く?
他方では、ウェブ上に自分だけの「読書記録まとめ」を作ることのできるサービスとして、「ブクログ」や「読書メーター」を利用している人も結構いるんじゃないでしょうか。
どちらが良いかは、その人の好みや使い方にもよるかと思います。単に冊数やページ数を記録するために使っている人もいれば、他の読書好きなユーザーとの交流を目的にしている人もいるでしょうし、はたまた「おもしろい本との出会いの場」として活用している人もいるはず。
自分はブログを始める前から読書メーターを使っていますが、これが想像以上に役に立っています。読んだ本の記録を続けることによって、その本がどのような内容なのか、どこが印象的だったか、誰に勧められるものなのかなどを簡潔にまとめる「要約力」が身につきました。
長々と詳細に感想をまとめる時間はないし、そこまでの気力もない──。そのような場合に、このような「読書記録」系のサービスは力になってくれます。
僕自身、営業職として忙しくしていた時期にも本を読み続けることができたのは、その「記録」をこうして形として残すことができていたからだと思いますので。
メモ&要約を有効活用!
ところで、このように読みながら付けていた「メモ」や読み終えた後にまとめた「要約」は、それだけでコンテンツたりえるものでもあります。
──そう、「本の感想もたまには記事としてまとめたいのだけれど、時間がなくてできない」というブロガーさんでも、ここまでに書いた「読書記録」を続けていれば、簡単に感想記事を書けてしまうんです。
それが、いわゆる「まとめ記事」ですね。
年末1年間の記録を一挙にまとめてもいいですし、特定のジャンルの本の読書記録がたまってきたら、それに関する「まとめ」を作るのも悪くありません。極端な話、それまでにまとめてきた「メモ」あるいは「要約」をコピペするだけでも、ひとつのコンテンツとして価値ある「まとめ」になるのです。
「まとめ」と聞くと、ちょっとネガティブな印象を持つ人もいるかもしれません。ですが、そこで “まとめ” る対象はすべて、自分がそれまでにためてきた文章であり、なんら悪いものではないです。
1冊1冊について感想記事を書くことはできなくとも、塵も積もれば何とやら。小さな「メモ」や「要約」を積み上げるだけでも、立派な「コンテンツ」と言えるものになるのではないでしょうか。
その例として、昨年末に書いた2つの「まとめ記事」が挙げられます。なぜ2つ書いたのかと言えば、同じ本について切り口やまとめ方を変えて紹介したとき、読んだ人の反応がどのように変わるのかが気になったからです。
前者は、まさに本記事で書いた「メモ」と「要約」を活用してまとめたもの。
1年間にわたって読書メーターに記録してきた「要約」を参考に、少し文量を膨らませたうえで、当該書籍から印象的だった部分を引用してまとめた記事になっています。
後者は、それぞれの本について、改めて自分で感想を考えてまとめたもの。
先ほども触れた「要約」と「メモ」を参考にしてはいますが、そのままコピペして使うのではなく、改めて一から文章を考えて書き上げた記事となっています。
結果としては、淡白にまとめた前者の「メモ」と「要約」よりは、「この本おもしろいから読んで読んで読んでみて絶対損はさせないからどうぞどうぞうひょー!」と好き勝手にまとめた後者の記事のほうが、大勢に読まれることになりました。
自分にとっては単なるメモに過ぎないものでも、そうした「誰かの記録」は、どこかの誰かの役に立つ可能性があります。読書メーターやブクログにコメントの機能がついているのも、やはりそういった要素が認められているからなのではないでしょうか。
ちょっとした「本の感想メモ」でも、継続して残すようにすればきっと将来役に立つ瞬間があるはず。いきなり習慣づけるのは難しいかもしれませんが、まずは「読んで印象的だった本についてツイートする」くらいのところから、ぜひ試しに始めてみてください。