5人以上の飲み会が苦手だ。
……いや、飲み会自体は楽しいし、呼ばれれば喜んで参加するのですが。
実際、昔から仲間内では「呼べば来る男」と称されるくらいに参加率は高かったし、僕自身、いつもその場を楽しめていた自覚はある。「ウェーイ!」すぎるノリは苦手だけど、「大勢でお酒を飲む」こと自体は好きなのです。
ただ、時にはそれが、憂鬱に感じることもある。
たとえば、飲み会の前。それがどれだけ気心の知れた友達グループの酒席だとしても、集合前に気分が落ちこむことがある。当日は数時間前に現地入りして、店の場所を確認。集合時間まで暇つぶしをして過ごす──というところまではいい。ところが、いざお店の前に立つと……なんだか無性に胸がドキドキして、苦しくなることがあるのです。もしかして:恋
何かやらかしてしまわないだろうか。変なことを口走ってしまわないだろうか。自分がいることで、誰かを不快にさせてしまわないだろうか……と、不安に駆られて憂鬱になる。それが無意味な妄想に過ぎないことは、わかっているのに*1。
あるいは、飲み会の最中。
ワイワイと話しているなか、ふと居心地の悪さを覚えることがある。これはどちらかと言えば、立食パーティーや懇親会でよく感じるもの。複数人で話している途中、急に自分が浮いているように感じられる。うまく会話のキャッチボールができていない気がする。スムーズに楽しく話していたとしても、突如として倦怠感に襲われる。辛い。息苦しい。早くこの場を離れたい──。
そんなときは、決まって会場の隅っこに退避するか、トイレに逃げこむ。しばらく壁に寄りかかってぼーっとしたり、便座に座って “考える人” のポーズになったりしていると、次第に気持ちが落ち着いてくる。そうしたら、再び喧噪へと身を投じるのだ。
そのように不安定な自分を省みて、「精神面に問題があるんじゃないか」と考えたことは、一度や二度ではない。けれど、いくら「人見知り」や「コミュ障」を自称したところで、一応は「それなりに他者とコミュニケーションが取れている」という現状もある。それならば、気分の問題か、もしくはそういう性格なのだと認めて、付き合っていくしかないのだろう。そのように半ば諦めていた……のですが。
『内向型を強みにする』を読んで、少しその認識を改めた。
文字どおり、「内向型」の人に向けて書かれた1冊。タイトルから感じられる自己啓発的な印象とは異なり、本文は思いのほかロジカル。長年にわたって内向きな人々と向き合ってきた、自身もそうである心理療法士の筆者が、「内向型」の特徴と強みを解説した内容となっています。
振り返ってみれば、自分は内向きな人間であり、他者と比べて劣っていると感じていた。それは生来の気質であり、変えることが難しく、諦めるしかないと思っていた。そんな後ろ向きな自分が、思わず「ほんまそれな」と共感し、「こういう見方もあったのか!」と驚き、もうちょい前向きにがんばろうと思えた1冊です。
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