旅行が好きです。
なぜって、そりゃあ気心の知れた友人と遠出するのは楽しい。よく知る仲間と過ごす、よく知らない土地での非日常。それは、年に数回と経験できない素敵なひとときでござる。
昼間はわいわいと観光地をめぐり、夜はぐだぐだと酒に郷土料理に溺れる。そんなことができるのも、ちょっと特別な “非日常” である旅行中ならでは。布団に潜ってからもすぐには眠らず話し続ける、あの修学旅行のような楽しさは、大人になっても変わらない。
──でも、ひとりぼっちだって、悪くない。
そう、僕は一人旅が好きだ。大好きだ。予定は未定、目的もなくふらふらと見知らぬ街を歩く、自由気ままな非日常。そんな、ひとりならではの旅情もまた大好きだ。
次の目的地を誰かと相談する必要はなく、風の吹くまま気の向くまま、どこへ行こうが自分の勝手で自己責任。うっかりバスに乗れずとも、怒る同行者の存在はなく、「それなら歩けばいいじゃない!」で間髪入れずに一歩を踏み出せるお気楽感。
人ひとりの全身で受け止める見知らぬ街の雰囲気と空気は、何物にも代えがたい。それは文字どおり “等身大” の刺激的な体験として、己の記憶にのみ記録される。──もちろん日常に戻ったら、自分なりに感じたこと考えたことをブログにまとめたって良いわけですし。
──というわけで前置きが長くなりましたが、そんな「一人旅情の魅力」をどことなく感じられるマンガ『ぱらのま』を読みましたので、ざっくりと感想をば。
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