仕事中に、勉強中に、お絵描き中に。
何かしらの “作業” を進めるに当たっては、「作業用BGM」*1が欠かせない。
十人十色の「作業用BGM」を背景に
「いやいや、作業中に音楽を流すなんて、気が散るだけじゃない?」というツッコミも当然あるでしょう。僕自身、遡れば小学生のころからゲームボーイが奏でるピコピコ音を宿題のお供としてに聞いていた身ではあるものの、すべてのBGMが作業に適しているとは思いませんし。
少なくとも、一般的な歌謡曲──ボーカル曲を作業に据えるのは難しい。低音の男性歌手やウィスパーボイス、あるいは外国のバラードやカントリー調の歌だったらイケるかもしれないけれど、J-POP全般は基本的に “作業” に向いていない印象があります(※作業内容によります)。
洋楽は曲によりけり(【全部俺】絶対聴いたことある洋楽トランスメドレー - YouTubeより)
ゆえに自分が「作業用BGM」として普段から聞いているのは、それこそゲーム音楽だったり、アニメや映画のサウンドトラックだったり、クラシックだったりジャズだったり、その他諸々のインストゥルメンタルだったり。そういった楽曲をiTunesにぶっこんで流している格好です。
他方では、そんな自分のiTunesを見ると、同じ「作業用」でもプレイリストが細分化されつつある現状も。ピアノ曲特化、チップチューン特化、シリーズ作品別まとめなど、「作業用BGM」にも自分なりに幅を持たせている感じです。ゲーム曲でも、特に “ボーカル曲のインスト版” をまとめたリストとか。
で、そんななか最近になって登場したのが、「脱稿用BGM」でござる。「原稿の〆切があばばばばー!」と叫ぶ機会が増えた近頃、その追い込みのタイミングで流すプレイリスト。
まあ、要するに「あとちょっとで作業が終わるから、ラストスパートがんばるぞい」な気分のときに使う、モチベーションアップのための楽曲でございます。なんとなくテンションが上がって、作業速度も向上する……気がする。たまにテンションが上がりすぎるのが玉にキズ。
そんなわけで、自分が「作業用BGM」として聞いているなかでも、特に「脱稿用BGM」として使っている楽曲の一例をざっくりとまとめてみました。
ぶっちゃけ、“脱稿” 云々というより、「ほどよくテンションの上がるインスト曲」と言い換えたほうがわかりやすいかもしれない。必然的にアニメ・ゲーム楽曲が多くなっておりますので、あしからず。
インストゥルメンタル/ドラマ
「bAd Companyz」sasakure.UK
【sasakure.UK】bAd Companyz【Music Video】 - ニコニコ動画
就職活動がんばるぞいのテーマ。ちょうど就活のタイミングで出会った楽曲ということもあり、それ以来、やる気を注入するインスト曲としてしばしばお世話になっています。慌ただしくも緩急のある音の連なりが魅力の、洒落た雰囲気の曲。
「Piano Ninja」maras k
かっ飛ばしていくぞおおおおお! というときに流す疾走感マシマシのピアノ曲。アーティストは、ピアノ奏者・まらしぃさんと、『BEMANI』シリーズでおなじみのコンポーザー・kors kさんのコラボユニット。 “Ninja” の名のとおり、ところごころに挿入される和の要素と鼓の音が気持ちいい。
「情熱大陸 with →Pia-no-jaC←」→Pia-no-jaC←
おなじみ『情熱大陸』のテーマ曲を、→Pia-no-jaC←が演奏。原曲ももちろんいいのだけれど、気分を高めるという一点では→Pia-no-jaC←版の掛け声が気持ちいいのです。\ヘーイ!/
「風林火山-メインテーマ-」千住明『風林火山』
自分の好みとして『風林火山』を挙げてはいるものの、大河ドラマのメインテーマは多くが脱稿用BGMに適していると思うんだ。ほどよい曲の長さ、オーケストラ編成による壮大さ、などなど。「コッペパーン♪」などという幻聴が聞こえてくるのは気のせい*2。
「花意書く」吉俣良『篤姫』
大河ドラマの劇中曲としては、『篤姫』が好きです! なかでもお気に入りなのが、この曲。本編でも特に盛り上がる場面で使われていたような覚えが……。自分でも和太鼓を叩いていたことがあるので、下から突き上げるような馴染みのある低音は、自然と気分が高まる。
アニメ
「熱き決闘者たち」光宗信吉『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』
アニメ曲のターン! まず、これは欠かせないでしょう! もはや説明不要。全速前進だ! どちらかと言えば「処刑用BGM」*3のほうが近しい気がしなくもない──けれど、用途としては「脱稿用」と「処刑用」はほぼ同じイメージだから無問題。
「FIGHT」川井憲次『機動戦士ガンダム00』
みんな大好き、トランザムのテーマ。(気分的には)作業効率も3倍速になる(はず)。関係ないけど、『00』は個人的に好きなシリーズです。( ゜Д゜)アーアアー( ゜Д゜)アーアアー
「RX-0」澤野弘之『機動戦士ガンダムUNICORN』
本作における覚醒曲と言えば「UNICORN」の印象が強いけれど、クライマックスに相応しいのはこちらかな、と。壮大さ極まった澤野さんの楽曲は、聴くと自然に体の内からエネルギーが湧き出してくるのだ。『100秒でわかる!機動戦士ガンダムUC』が脳内再生されるのは勘弁してほしい。
「☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆*****」帆足圭吾『結城友奈は勇者である』
アニメでは何度も使われた楽曲。にぼっしー奮闘のテーマとしての印象が強い。人工言語? によるコーラス曲なので、自然と聞き流せて作業にも使えるすばらな楽曲。脱稿用BGMとしては、4度の満開(レッドブル×4)を繰り返し、バーテックス(〆切)に立ち向かうイメージで。
「IV paradigm (矛盾螺旋)」梶浦由記『空の境界』
劇場版『空の境界』全7章のなかでも屈指の戦闘シーン、縦に横に斜めにぐるぐるカメラワークでおなじみの、両儀式vs荒耶宗蓮の場面で流れた曲。物語のクライマックスで使われる楽曲は、脱稿前にぴったり! 梶浦さんの曲は、いい意味で “聞き流せる” のも魅力だと思っています。
ゲーム
「Luna Ascension」flashygoodness
“法典が砕けた。”
フリーの2Dアクションゲーム『Tower of Heaven』の最終ステージのBGM。どこか切ない旋律のピコピコ音、かつゲーム中でも何十回もコンティニューして聞き続けた曲ということで、ほどほどに気分を上げつつ聞き流せるバランス感がある。月を目指して昇っていこう。
「PWT決勝戦!」一之瀬剛『ポケットモンスター ブラック2・ホワイト2』
『ポケモンBW2』より。過去作品のジムリーダー&四天王揃い踏み、しかも全曲新アレンジとして聞くことのできるお祭り感のなかにあって、最終戦でこの新曲である。さいっこうに「これで最後!」な雰囲気ビンビンで、キーボードを叩く指も踊り出しそう。たのしい!!!
「A Total War」海田明里『ロックマンエグゼ5』
『エグゼ』の曲はシリーズを通して一貫しているというか、どれもこれも最終決戦に向かう道中のBGMが “ズルい” のよね……。演出も含めて、メインテーマを挟んでくるあたりとかも。『3』の「FINAL TRANSMISSION」などと合わせて、ラストスパートにふさわしい一曲。
「子午線の祀り」菊田裕樹『聖剣伝説2』
「さあ、聖剣にもちかえて!」
紛うことなきラスボス曲。おそらく自分にとっては初めて最後までプレイしたスクウェアRPGであるため、思い入れもひとしお。生まれて初めて買ったサウンドトラックでもあり、今でもここぞというときに聞いています。うっかりセレクトボタンを押してはいけない。
「地平を喰らう蛇」Revo『ブレイブリーデフォルト』
Revo節全開のラスボス戦BGM。各キャラクターテーマのメドレー部分で脳汁出しまくり、アドレナリン全開でキーボードを叩くのだ。全国のCOMタロウ……同業者さんもきっとこの瞬間にがんばっているはず! そう信じて!
「全ての人の魂の戦い」目黒将司『ペルソナ3』
『ペルソナ』シリーズはどの作品も、サウンドトラック1枚を通して作業用BGMとして使えるからありがたい。そのときのテンションによっては、好きな戦闘曲で一時停止してしまうけれど……これが流れては止まっていられない。常時タルカジャ状態でお仕事したい。
「Soul 0 System~回歴スル追約ノ忘レ貝」安藤浩和『星のカービィ ロボボプラネット』
3DSのカービィこそ、 “ズルい” 楽曲のバーゲンセール。そのなかでもこの曲は、最初の一音が流れた瞬間に「ブッホォ!!??」と吹いたし、声に出して笑った。それまで溜めて溜めて、裏ボスで最大級のファンサービスをお見舞いするとかね……もうね……。
第一印象はともかく、聞き慣れれば脱稿用BGMに最適な曲構成。おなじみのフレーズを突っ込んでくるラスボス曲とは異なり、テンションが上がりすぎず、静かに高めつつ目の前の作業に集中できるので。スーパーデラックスを何十周もプレイした世代としては、何度聞いてもあばーっ! ってなるけど。
「感情の摩天楼 ~ Cosmic Mind」東方星蓮船
テー→テー↑テー↓
『東方』も作業中によく聞くシリーズのひとつではありますが、ラスボス・EXボス曲は高まりすぎてアレという問題も。そんななか、あまりに好きすぎて聞き慣れてしまったこちらの曲はCD版の長さも相まって、集中したいときにお世話になっています。いざ、南無三――!
「議論 -HOPE VS DESPAIR- (2nd mix)」スーパーダンガンロンパ2
作業も終盤。細かな誤字脱字に「それは違うよ!」を叩きつけるべく集中するための、ラストの推敲用BGM。無印版でも良いのだけれど、『スーパーダンガンロンパ2』のサントラには「エコロシア」という名曲がありますゆえ、自然とこちらのCDを流すことが多いのです。
「昨日の敵は今日の材料」柳川和樹『アーシャのアトリエ』
昨日のサボりは今日のToDo(ただの怠慢)。低音パートと高音パートの緩急が気持ちよく、作業に向かう手の動きも滑らかに。ただしこの『アトリエ』シリーズ、実は楽曲は好きでCDもデータで買っているくせに、ゲーム本編をプレイしたことがない自分。まとまった時間ができたときに、いつか……。
「いつか終わる夢」植松伸夫『ファイナルファンタジーⅩ』
夢の終わりがいつか訪れるように、お仕事もまた然り。テンション高めの曲が多いなか、箸休め的なまったり曲。でも主題歌のインスト版なので、それなりに気分は上々↑↑ ゲン=コウを倒したら、俺、消えっから! 決して終わる前に失踪してはいけない。キマリは通さない。
「Rebirth the edge」Shade『戦国ランス』
自分の音楽の好みとして、脱稿用のラスボスBGMにしても、全体的にピアノ曲が多くなる傾向がある。そこで、静かに高まる系楽曲に物足りなさを感じたときには、Shadeさんのギターメロでヒャッハーするのだ。ランスあたたーーーっく!! 謙信ちゃんが好きです。
「ANiMA」Xi『Deemo』
死 ぬ が よ い 。音ゲーの高難易度曲はどれもテンションが上がるけれど、こちらはピアノを基調とする止めどない音の奔流がたまらない。年末から年明けにかけて、特に何度も繰り返し聞いている曲のひとつ。\( 'ω')/ウオオオオオアアアーーーーッ!!!
「neu」少年ラジオ『pop'n music 15 ADVENTURE』
ポップン勢にはおなじみ? のニエンテ。自分がこの曲に出会ったのはPSP版がきっかけだったけれど、音ゲーはやめてもいまだによく聞く一曲。wacさんのアルバム版は12分超という長い曲になっているため、「曲が終わるまでに終わらせる!」と自分を追い込みやすい。
そんなこんなで、自分のiTunesのプレイリスト「脱稿用BGM」の話でした。
通常の作業時は、弦楽器を基調とした「prime # 4507」などを聞いていることが多いため、終盤にこちらに切り替えるとテンションが急上昇。「よっしゃやったるわ!」と、最後まで駆け抜けやすいんですよねー(参考リンク:4507秒の人生を駆け抜ける、世界一長いギネス認定ゲーム音楽)。
これがイラストレーターさんだったりすると、またボーカル曲が多めになってくるなどの違いがあるのでしょうが、自分の場合はこんな感じ。普段から “お約束” の作業用BGMにお世話になっている人も、こうして進捗状況を考慮したプレイリストを作ってみたらおもしろい……かも?