《2020/4/17》準備中

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 土曜日は雨らしい。

 天気アプリがそんな予報を表示していたので、慌てて夕方の街に繰り出した。……いや、“街”と言ってもアレです。ご近所をちょろっとお散歩して、最寄り駅まで行ってきただけです。決して人混みに行ったり喫茶店に駆け込んだりはしておりませんとも、ええ。

 目的は運動。明日は出かけられない分、今のうちに足腰をほぐしておくのです。

 そうやって出かけた先で見たのは、よく知る駅の風景。外出自粛のお達しがあっても電車は変わらず動いていて、駅構内には大勢の人の姿がある。とはいえ、なんとなく人数が少ない気はするし、駅前のチェーン店はいくつもお休みになってはいるのだけれど。それでも、街はいつもと変わらない。――いつもお世話になっている店がもうずっと閉まっている時点で、すでに“普段通り”からはかけ離れているわけですが。

 そんななか、ふと駅構内の壁面が目に入った。

 平時であれば大量のポスターと広告――主にパチンコ店のもの――が貼られているはずが、妙にすっきりしちゃっている、駅の壁。ポスターは数えるほどしか貼られておらず、びっしりと広告で埋め尽くされているはずの余白には、「準備中」の文字が並ぶばかり。バジリスクも、まどマギも、なのはも、海物語も、どこかにいってしまった。

 オタク目線では縁がありそうで、でもパチンコもスロットもやったことがない自分には実際のところ無縁だった、パチスロのポスター。それをまじまじと眺める機会もほとんどなく、何かの拍子に目に入ったとしても、「あー、もうこのアニメもパチスロ化されるくらい、テレビ放送から月日が流れたのかー」とか思うくらい。そういや、昨年末に『烈火の炎』が目に入ったときは、思わず二度見したけれど。「なんで急に!?」と思いつつ調べてみたら、過去に何度かパチスロ化されていたのね……。

 そんな、自分には縁のないポスターではあっても、いざなくなってみると、どこか不思議な感慨がこみ上げてくるもので。視界に入る情報量が減って、すっきりしたのは悪くない。けれど、そこにあるべきものがないようにも感じられて、なんとなく物足りない気もしてしまう。

 カラフルなポスターの代わりに貼り付けられた、無機質な「準備中」の文字。しばらくは駅の壁面で主役を張り続けるだろうそれらの文字の存在に、否が応でも非日常を意識させられずにはいられない――。そんなことを感じた金曜日でした。

 その“非日常”が“日常”になるのも、きっとあっという間なんだろうな。

 

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