やはりガチャは悪い文明……。
2度の延期を経て、本日ついにリリースされた、スマートフォン向けアプリ『マギアレコード』。タイトルに続く「魔法少女まどか☆マギカ外伝」の文字どおり、まどマギ世界の外伝ストーリーが展開される本作――楽しみにしていた人も多いのではないかしら。
僕自身も、事前登録はしっかり済ませておく程度には気になっていたアプリ。アニメはリアルタイムで楽しんでいたし、劇場版も映画館で観て呆然とした覚えがある。……と振り返っていたら、アニメ放映がもう6年も前だと気づいてびっくり。そんな前だったっけ……。
そんな『まどマギ』世界を下地にして作られた『マギアレコード』。Twitter上では、良くも悪くもさまざまな反応が飛び交っているようですが、自分は今のところ、思いのほか楽しめている現状があります（ただしガチャは除く）。そんなわけで、プレイしてみての感想をざっくりと。
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梶浦楽曲＋イヌカレー空間だけでお腹いっぱい
さて、アプリを早速起動してみると、安定と信頼の出だしキュゥべえ。「おのれ畜生営業マンが！」と叫びたくなる、この感覚も久しぶりである。
もう畜生マスコットキャラはお腹いっぱいなんだよォ！ ……なんて考えていたのもつかの間、数十分後には「！？」な展開に言葉を失うことになるわけだけれど。おのれ……。
ストーリーパートでは、まどかとほむらのやり取りがあり、劇場版で見られたカウントダウンの演出もあり。
この時点で随所からアニメさながらの雰囲気が感じられるため、原作ファンであればテンションが上がるはず。メガほむかわいい……ってか、ライブ2Dのキャラが違和感なくてすごい。立ち絵がぬるぬる動くのは嬉しいけれど、うちの旧式iPadだと、少し動作が重いのが問題かな……。
『マギレコ』の主人公はまどかでもほむほむでもなく、新登場のオリジナルキャラクター・環いろは。フードマントの魔法少女衣装が、すっごく好みのデザイン。
ピンクを基調としたカラーリングは、まどっちを彷彿とさせる……のだけれど、2人が並んだメインビジュアルを見たかぎりでは、ちょっちまどかよりも大人びて見える。おねーちゃんキャラゆえか……と思ったけれど、まどかもおねーちゃんだったっけ。
バトルパートのチュートリアルを終えると、すぐにオリジナルストーリーへと展開していく本作。
BGMは梶浦由記さんによる聴き慣れた楽曲ばかりだし、敵キャラはもちろん、背景や演出などのあちらこちらでも、劇団イヌカレー・泥犬さんの世界観が見て取れてたまらない。まだストーリー序盤なので何とも言えないけれど、「都市伝説」的な要素が強そう……？
ともあれ、序盤の時点で『マギレコ』からは『まどマギ』世界の雰囲気が漂っており、作品ファンであればきっと楽しくプレイできるのではないかと思います。
複数のゲームの要素が垣間見える、キャラがかわいいコマンドバトル
で、肝心のバトルパート。
たしかにこれは、散々っぱらTwitterで言われているように、某アプリを思い起こしそうな……。フォウくんの代わりにキュゥべえが走ってる……。
ただ、コマンドカード式でチェイン要素や属性相性のあるバトルシステムは何ら珍しいものでもないので、これをパクりと言うのは別問題かなーとも（発売元も同じですし）。
そもそもフィールド上には「マス目」の概念があり、必殺技以外でも「範囲攻撃」のディスク（コマンドカード）があるため、バトルの立ち回り方はまったく別かと。「いかにして敵の弱点を突きつつ範囲攻撃をぶつけるか」が、戦闘効率を大きく左右しそうな印象。
また、「コネクト」システムも特徴的。一口に言えば「特定キャラのコマンドを別のキャラに置き換える」ものですが、その際にHP回復やバフなどの効果が付与されるので、強敵との戦闘で重要になってきそう。状態異常もクリティカルもあるんだよ。
あとは、倍速＆オートが標準実装されているのは地味に嬉しいっすね！ サクサク周回できるし、ばったばったと倒せると気持ちいい。バトルパート自体がぬるぬる動くし、システムまわりはかなり快適に感じました。リリース当初の『FGO』が酷すぎた説。
豪華ゆえにしょっぱい（？）ガチャ
そして、問題のガチャシステム。
曰く、「3,000円課金しても10連まわせない」「高レアの排出比率が低すぎる」「キャラが欲しいのに無駄に装備カードばかり出る」などなど。これまた、某アプリの初期を想起する残念っぷりが指摘され、ツイートが広く拡散されておりました。
実際に自分でまわしてみたところ、こんな感じ。
――そりゃあね！ そんな簡単に最高レアは出ないよね！ と思いつつも、これでも「☆3キャラが2人も出ているだけマシ」らしいとのこと。まどっち欲しいけど、TL上の悲喜こもごもを見るかぎり、『FGO』みたく課金してまわそうとは思えないや……今のところは。
それよりも、仰天したのが、ガチャの演出。
急にアニメーションが挿入されたのを見て「豪華やなー」なんて思っていたら、10連の結果が出るなかで、次々と挿入されるアニメ映像。まさかの、「シャフト制作の新規アニメ映像（変身シーン）が、全キャラクターに付いている」らしいのです。それも、レアリティに関係なく。
そりゃあ課金額も高めに設定するよね……と、妙に納得できてしまったのでした。アニメでおなじみのまどかたちは言うまでもなく、本作のオリジナルキャラに、さらにはほかの外伝コミックの登場人物まで。人によっては、「待ちに待ったアニメ映像だ！」という方もいるのでは。
俺が！俺たちが！キュゥべえだ！
オープニングも含め、ガチャでも見られる新規アニメーションに、アニメ版さながらの雰囲気を感じられるストーリー＆音楽＆演出に、ぬるぬる動くバトルパート。自分としては、すでに充分におもしろいアプリだと感じている現状があります。
ただ一方では、まだリリース初日ということもあり、少なくない問題があるのも間違いないかと。
そもそもAndroidの対応機種が少ないらしく、普段は持ち歩かないiPadを引っ張り出してくるハメになったし、しばしばまとまったデータの詠みこみが発生するし、チュートリアルが長いためリセマラ勢お断り状態だし、ガチャの仕様が全体的に残念っぽいし。
そして、そういった諸々の不満がぶっ飛ぶくらいに予想外だったのが、プレイヤーの立ち位置である。
お前が、俺か！！
まさかの、プレイヤー＝キュゥべえである。どうやら別個体らしい “小さいキュゥべえ” に名前を付ける流れになったときは、「まさかね……」と思っていたのに、マジで俺がキュゥべえになってた。あたしって、ほんとキュゥべえ……って、わけがわからないよ！
それどころか、以降は選択肢まで選ばされるようになり、完全にプレイヤー＝キュゥべえで確定。これ、後々になってストーリー上でなんか関わってくるパターンかしら……。メタな要素とかあるのかな……。そういや、主人公の名字が「環」なのも気になる……。
何はともあれ、想像以上に魅力的な内容で、それなりに楽しめているアプリ『マギアレコード』。ほとんど『まどマギ』ありきで、あまり新規層に向けては作られていないイメージも受けますが、作品ファンには充分におすすめできる作品だと思います。
気になっていた方は、ぜひダウンロードしてみてくださいな！
作品情報
- 公式サイト：マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝
- 公式Twitter：マギアレコード公式 (@magireco)
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