僕にとっての『ゼルダ』と言えばアレですよ、「友達の家で友達がプレイしているのを横で延々と見ていたゲーム」の代名詞っすよ。それはそれで楽しかった覚えがあるので、時オカのBGMはやたらと耳に残ってる。
— けいろー (@Y_Yoshimune) 2017年3月2日
自分にとって、『ゼルダの伝説』と言えば。小学生のころは複数人で遊ぶゲームばかりプレイしていたため、実は1人プレイの『ゼルダ』はプレイしたことがなかったのです。スマブラでは、カービィ、ピカチュウと合わせてよく使っていたキャラの1人だけど。
友達がプレイしているのをたびたび眺めていたし、その内容もなんとなく知っている。でも、自分で買って遊んだことはない。「キャラクターと世界観は知っているけれど遊んだことのない任天堂ゲーム」というのが、これまでの自分にとっての『ゼルダ』でした。
そんな自分が、最新作『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』を買おうと思ったのは、まず何よりも「Nintendo SwitchのPVに釣られた」から。本命の『スプラトゥーン2』の発売まで待ってもよかったのだけれど、あまりにSwitchそれ自体が魅力的に見えてしまったので。
そのうえで、ローンチタイトルの中でもなぜ『ゼルダ』を買ったのかと言えば、ひとえに「対談記事を読んでときめかされてしまった」ため。あまりにも「電ファミ」の記事*1がおもしろく、「こいつは実際に遊んでみてえ!」と思わされてしまったのです。気づけば、ソフトを買ってきた自分がいた。
そんなわけで、数日ほど『ゼルダの伝説 BoW』を遊んでみて、現時点での感想をざっくりと書いてみました。実質的にシリーズ初プレイとなりますゆえ、見当違いのことを書いていたらすみません。「Wii U版でもよかったんじゃね?」ということには、しばらくしてから気づいた。
第一印象は「最近のゲームってすげえ!」
そもそもの前提として、この数年間「最新の据え置きゲーム」にほとんど触れてこなかった自分。2015年に『スプラトゥーン』が発売したタイミングで購入したWii Uが7年ぶりの据え置きゲーム機だったけれど*2、それも結局はイカ専用機と化していた感じ。
なので、自分が据え置きゲームのグラフィックやら何やらに対して抱いているイメージはほとんどPlayStation2で止まっており、最新機種に触れて「なにこれすげえ!」となるのは自然な流れでした。気分は、ちょっとした浦島太郎。CMでPS4ソフトの映像を見たことはあっても、ただ見るだけの映像と自分で操作する実機のプレイ画面とでは異なるでしょうし。
だからこそ、Switchを起動して『ゼルダ』を始めたときには、「最近のゲームってすげえ!」と素直に思えたのです。最初のチュートリアル、洞窟部分でこそ「映像がきれいだなー」くらいの感想だったものの、外に出た瞬間、演出も相まって衝撃を受けた。
「映像がきr……え? 映像? ゲーム画面? これが? ムービーでなく!? このなかをこのまま走り回れるの!? マジで!!?? ……すっげえきれいじゃねーか!!!」などと、段階的に感動が押し寄せてきた。ゲーマーからすれば「何年遅れだ!」って話かもしれませんが。
それは、RPG序盤の「物語が始まるワクワク感」とはまた違った、「未知の世界へ飛び込んでいく」ことへの期待と興奮。 “ゲーム” を遊ぶにあたって長らく味わっていなかったときめきと、胸の高鳴りを感じたのでした。……うーむ、ポエム。
すっげえ!切った木が倒れるぞ!
これまた、新旧問わずオープンワールドゲームをプレイしている人にとっては当然なのかもしれませんが……。この手のゲームに慣れていない自分は、目の前にある多種多彩なオブジェクトに対して「いろいろできる」ことが、とてつもなく楽しい。木が倒れるだけで感動するレベル。
思い返してみれば、過去の『ゼルダ』にせよ、PS4・PCで遊べる最新ゲームにせよ、自分の手で「オープンワールド」を走りまわるのは本作が初めてかもしれない。
「友達がプレイするのを見ていた」「ネット上のプレイ動画を見た」ということはあっても、実際に遊んだことはなかった。決して興味がないわけではなく、なんとなくこれまでプレイする機会がなかった格好。金銭面の問題とか、見ているだけでも3D酔いしがちだったとか――あとは、ハマったらとことんまでやりこみたくなりそうだったから、とか。
初めて触れたオープンワールドの世界は広大で、最初の数時間は草原を走っているだけでも楽しかった。開けた大地を駆け、緑生い茂る林をそぞろ歩き、切り立った岩肌を登り……何も知らないまま迷い込んだ高地で、凍死する。……うん、すっごい冒険してる感、ある。
陽が陰りはじめたと思ったら雨が振り、雷鳴が聞こえてきたと思ったらいつの間にか夜も更け、とりあえず明るいところへ移動して落ち着こうと、遠くに見える焚き火まで息を潜めて近づく。序盤は目にするものや移り変わる環境が本当に新鮮で、ただ過ごすだけでも刺激的だった。
そうして徐々に慣れてくると、草を刈り、木を切り倒し、焚き火でリンゴを焼き、料理を覚え、素材集めに精を出すようになる。目の前のものに対して行動を起こせば、だいたいは何かしらの反応がかえってくることを知り、あれこれ試しながら諸々の操作を覚えた。
――とくりゃあ必然的に、次は「狩り」に向かうわけですよ。
想像以上に生き生きと楽しそうに暮らしているボコブリンたちは言わずもがな。フィールドを走っていると遠目にも「何かがいる」ことがわかるから、最初は魔物が目に入るたびにドキドキしていた。耳をすませば生物が動く音も聞こえ、周囲に気を配りながらの移動には緊張感がある。
まあ今となっては慣れたもんですが、プレイしはじめの1、2時間くらいは無駄に緊張感を持ってゲームに臨んでおりました。こういうのは入りこめば入りこんだぶんだけ楽しめるでしょうし、攻略サイトも何も見ないで試行錯誤して覚えていく流れは、なんだか一周まわって新鮮だった。
ボコブリンの集団を攻めるにしても、どいつから倒すか考えたり、地形やらオブジェクトやらを生かせるんじゃないかと検討したりしてみる感じ。特に限られた武器しかない序盤は、そういったいくつかの「攻め方」を考えるのが楽しい。脳筋プレイが通用しそうで通用しないバランス感。
その “検討” の果て、上のスクリーンショットにて、焼き肉を中心に踊り狂うボコブリンたちのど真ん中にバクダン樽を投げこむという愚行を犯した結果、初めての爆死&ゲームオーバーを味わうことになったわけですが。……いやー、そこまでの火力とは思わなんで、びっくりした(小並感)。
ボコブリン狩りが楽しくなってくる
あれこれと攻め方を試していると、序盤の緊張感はどこへやら。背後からの奇襲に、夜間の不意打ち、爆弾による殲滅戦など、自然と「狩り」自体が楽しくなってくる。わぁい!
昼間はあれだけ焚き火の前で生き生きと過ごし、少しでもこちらに気づくと法螺貝をぶおおおおして群れで襲い掛かってきたボコブちゃんたちも、夜はスヤスヤと愛くるしい。口をあんぐりと開けていびきをかく様子なんて、まんま深夜の僕である。かわいい。
そんな無防備な彼らは格好の「的」であり、遠距離から1頭ずつヘッドショットを狙って狙撃するも良し、接近して寝首をかくも良し、あるいは爆弾で燃やし尽くすも良し。複数の戦法を考え、実践するのが楽しくなってくる。……あれ? そういうゲームだよね? これ?
奇襲が見事に成功したあとに残るのは、ちょっとした達成感と爽快感。序盤こそ集団で襲われて逃げ惑っていたリンクも、今となっては立派なボコブリンハンター。「力こそ正義」と言わんばかりに暴虐の限りを尽くし、あっちゃこっちゃで略奪に励むようになっていた。うふふふふ。
とはいえ、いつまでもボコブちゃん相手に戦っているのもアレなので、まだまだ飽きの来ない広大なフィールドを駆け抜けつつ、強敵を求めてさまようようになる。俺より強い奴に会いに行く。これはきっと、そういうゲームなのだ。ゼルダ姫? 厄災ガノン? 何それおいしいの?
……そうやって気を抜いていると当然、未知の敵と退治したときに容易く葬られるんだけどね! フィールド上の巨大モンスターはもちろん、属性攻撃で即死させられたことは数知れず。一瞬で凍らされて呆然としたり、悪天候の中で武器が帯電しはじめて焦ったり、炎に撒かれて焼死したり。
敵の種類が豊富なだけでなく、使ってくる武器は異なり、時間や天候といった環境要因もあり、地形だって千差万別。どれだけ慎重なつもりでいても、うっかり操作をミスればそれが致命的になることも。決して一筋縄ではいかず、今日も今日とて死んで覚えながら先に進んでおります。
忘れていたメインシナリオの展開と、ボス戦がアツい
※「ゾーラの里」周辺のネタバレ注意
自由気ままに世界をめぐり、断崖絶壁から滑空して訪れた孤島で身ぐるみを剥がれたと思ったら雷に撃たれ、こりゃあアカンと進路を変更。北で見つけた塔に登ってみたら、いかにもシナリオに関係のありそうなキャラクターと出会った。……ん? しなりお?
“ビックリした” のはこちらである。風の吹くまま気の向くまま、好き勝手に各地を行脚しボコブリン狩りに励んでいたら、なんか毛色の違うキャラクターが出てきたんだもの。これは間違いなくアレだ、このまま言われるとおりに行動すれば、ストーリーが進むたぐいのイベントだ。
そこでようやく、メインとなる「シナリオ」の存在を思い出す。……そうだよ! そういえばお役目があったんだった! ゼルダ姫とか暗黒城とかなんとなく意識の片隅にはあったけれど、あまりにボコブ狩りが楽しかったので後回しにしていたのでした。狩猟採集が楽しいモン◯ンじゃなかった。
見るからに暑苦しい――もとい爽やかなイケメン王子様との前前前世から出会っていたような会話を経て、目指すはゾーラの里。ストーリーを進めるにあたって順番らしい順番はないみたいだけど、「水」系のキャラクターと街ってなんとなく、序盤〜中盤にかけて訪れる印象がある。
川沿いの道を上流へ向かう道すがら、何度かHP1のコウモリに感電させられて即死しつつも、辿り着いた目的地。ストーリーに関係のある単語が聞かれたことで、こちらが訪れるべき4つの里のうちのひとつだったことを知る。適当に歩いていても、自然とつながってくるもんですねー。
そんなことよりミファーちゃんがかわいい。
回想にて登場し、「お? メインヒロインかな?」と思わせるヒロイン力を発揮する彼女。「なんやこれ……むっちゃええ話やん……」といつの間にやらストーリーを楽しんでいたと思ったら、「これはむしろ、一途な幼なじみポジションだー!」という直感を得る。ギャルゲー脳ですまない……。
案の定、Twitterでも大人気なミファーちゃんはともかく――本筋に戻って、何が “アツい” かって、ストーリーとボス戦っすよ。「これまでのボコブリン狩りの集大成や!」(?)と言わんばかりのプレイでもって巨大ボスに立ち向かうのは、むっちゃ楽しい。サポートのシド君もかわいい。
シナリオ全体から見れば、通過地点の大ボス? に過ぎないにも関わらず、ボスの強さもダンジョンのギミックもそれなりに高難易度(自分が慣れていないせいかも)。物語的にも途上とは思えないアツい展開で、思わず時間を忘れてプレイし、終わったあとには最高の満足感を得られました。
――とまあ長くなりましたが、シリーズ初プレイかつオープンワールドもほぼ初めての立場から、「想像以上に『ゼルダの伝説 BoW』が楽しいよ!」という感想でした。イカのつなぎに買ったつもりが、もうすでに「Switchを買ってよかった」と断言できるほど。これはいいものだ。
ただ、あまりに広大なフィールドでいろいろな楽しみ方ができるため、とてつもない時間泥棒ゲームであることも間違いない。初心に立ち返って「ゲームは1日1時間!」じゃないけれど、一気にプレイするよりは気長に楽しんでいこうと考えております。まだまだ先は長いし、もっともっとこの世界に浸っていたい。そう思えたので。
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