寒くなってきたと思ったら、あっという間に10月下旬。街はハロウィン色に彩られ、Twitterは冬コミの当落で盛り上がり、いよいよ季節は冬へ差し掛かろうかという今日このごろ。……ところがどっこい、秋アニメはまだ序盤なのだ! まだ観られてない作品がちらほらあるお……。
早くも放送延期のお知らせが出た作品もある一方、多くのアニメは3、4話が放送されたタイミングということで、作品の好みや楽しみ方もだいたいわかってきた頃合いなんじゃないかしら。そんなわけで本記事では、2016年秋アニメの(個人的な)感想・紹介をざっくりとまとめました。
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『ドリフターズ』
(C)平野耕太・少年画報社/DRIFTERS製作委員会
原作は、ヒラコーこと平野耕太*1さんのマンガ。アーカードの旦那がヒャッハーする……のではなく、“妖怪首おいてけ”*2こと島津豊久と、愉快な第六天魔王たちが異世界でヒャッハーする物語。聖杯戦争……ではないけれど、共通して召喚されている歴史的人物が何人かいますね……。
1話冒頭からとんでもねえ作画の殺陣が見られたと思ったら、2話では注意書きが出るほどのエグさでもって世界観が引き立てられ、3話ではバカヤロウ・紫電改・デストロイヤーさん*3の空戦でヒャッハーできるという痛快っぷり。グロ苦手な自分でも何とかイケる。こいつぁいいぜ!
各国の歴史的人物が登場し、しかも海外でも公式に配信されているためか、「海外の反応」系の記事を読むと他の作品以上に盛り上がっているように読めておもしろい。ブログ「かいがいの」さんの翻訳は解説も込みなので、そのまま歴史の勉強にもなるというすばらしさ。楽しい。
『舟を編む』
(C)玄武書房辞書編集部
2013年の実写映画も人気の、三浦しをんさんの小説が原作。いつ映画を観ようかどうしようか……と先延ばしにしていたら、まさかアニメ化するとは思わなんだ。「口下手な営業員」という時点で親近感を覚えてしまう主人公を担当する、櫻井孝宏さんの声が最高にぴったりで好き。
なにより、アニメならではの「ことば」の表現がたまらない。意味も持たず大海を漂い、宙空をひらひらと舞い、漠然としたそれを掴み編んでいく過程が愛おしい。あと個人的には、「教えて!じしょたんず」も見どころのひとつと言ってもいいと思うんだ。しりとりのくだりは笑った。
『ユーリ!!! on ICE』
(C)はせつ町民会/ユーリ!!! on ICE 製作委員会
今期では意外と珍しい(?)完全オリジナルアニメ。「男子フィギュアスケート」がテーマと聞いて、てっきり『ブリザードアクセル』*4あたりの原作でもあるのかと思ってたら、オリジナルだった。原案は山本沙代監督と、『モテキ』などでおなじみの久保ミツロウ先生。
滑走シーンのリアリティは言うに及ばず、メリハリのあるデフォルメ&ギャグと個性的なキャラクターが印象に残る。織田信成さん*5やメドベージェワさん*6もテンション高くツイートするなど、選手とそのファンからも注目されている様子。しゅごい。
――と、そんな話をKAI-YOUさんのほうでも書かせていただいておりますので、詳しくはそちらで!(宣伝) とにかく1話を見て! ヴィクトルかわいいよヴィクトル。
『Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-』
(C)Project OC9/Chiyo st.inc.
『CHAOS;HEAD』や『STEINS;GATE』の企画原案でもご存知、志倉千代丸*7さんのライトノベルが原作。“科学アドベンチャー”を謳ってきたシリーズの流れは汲んでいるものの、タイトルが示すようにテーマは“オカルト”。――確かに、りょーたすのトンデモボインはオカルトじみて……いる?
ボインも含め、まだ序盤であるにも関わらず、とてつもなく情報量が多いのも特徴的。あやねるボイスとボインに心ぴょんぴょんする余裕もなく、視点や時系列がぴょんぴょん行き交うテンポの良い、けれど片時も目の離せない物語展開は、好きな人も多いのではないかしら。僕は好きです。
『ガーリッシュナンバー』
(C)Project GN/ガーリッシュ ナンバー製作委員会
「声優版『SHIROBAKO』」という第一印象から一転、「この主人公、どうしようもねえ!」というキャラクターへの残念感を経て、「あ、本筋もおもしろくなってきた」と3話で切り替えしたのが、序盤のハイライト。だって原作、『俺ガイル』のわたりん*8だもの。納得納得。
主人公をはじめ、一部キャラの「うわぁ」っぷりが目立つものの、それも慣れてくると愛らしく見えてくる不思議。――勝ったな! ガハハハハ。お仕事・業界モノであるのは間違いないけれど、「まあ実際はこんな人いないよねー、創作ですよねー」とユルく楽しむくらいが良いのかもしれない。良くも悪くも一筋縄ではいかない、いろいろと抱えているキャラが多そうなので、これからが超楽しみです。
『刀剣乱舞-花丸-』
(C)2016 アニメ『刀剣乱舞-花丸-』製作委員会
ブラウザゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』が原作。割とポップな日常モノとして描かれるのかと思いきや、戦闘描写もそこそこがっつり。制作は、安定と信頼の動画工房。春は『三者三葉』、夏は『NEW GAME!』ときて、秋は『とうらぶ』である。オープニングの中毒性がどれも異常。
本編については、リリース初期にブラゲー版を軽くプレイしていたこともあって、1話冒頭からスッと違和感なく入ることができた。第1話時点で17振り(人)の刀剣男士が登場するものの、「すぐに全キャラ覚えよう!」と思わなければ、初見さんにも優しい構成になっていた……気がする。
そしてとにかく、刀剣男子がみんなかわいいのだ。わたし男だけど、1話の安定きゅんにグッときちゃいましたもの。髪留めを付けての、その、はにかみ笑顔は、アカン。ヤバい。TOKIMEKIどこまでもエスカレートしかねない良さがある。フヒヒ☆
ちなみにブラウザ版を触っていたときは、堀川国広がお気に入りでした。あとは、どことなく『艦これ』の白露型2番艦を思わせる、鯰尾藤四郎。実際、pixivでは“鯰尾時雨”*9なんてタグがあるくらいですしおすし。だいたいアホ毛のせい。
『魔法少女育成計画』
(C)2016 遠藤浅蜊・宝島社/まほいく
「魔法少女」枠、その1。原作はライトノベル。“魔法少女”の名前を冠してはいるものの、その実態は「戦わなければ生き残れない!」形式のサバイバルアクション。「エグい魔法少女モノ」と聞いてイメージする作品は各々にあると思いますが、本作はデスゲームとしての性質が強い。
バトルロイヤルものとしては王道でありながら、「ソーシャルゲームで選ばれた人間が、ゲーム内の容姿で魔法少女になる」という前提をはじめ、各種設定と制約が物語に奥行きをもたらしている格好。魔法少女(男子中学生)、いいぞ。ねむりんは天使や……天使なんや……。
『終末のイゼッタ』
(C)終末のイゼッタ製作委員会
「魔(法少)女」枠、その2(正確には“魔女”)。第二次世界大戦のヨーロッパ――に近いパラレルワールドを舞台とした、架空戦記モノ。完全オリジナルアニメであり、「BUNBUN*10さんの絵がマジでそのまま動いてる!」とPVの段階で注目されていた記憶が。
魔女の“箒”がごとく、大型ライフル銃に跨って戦闘機とドッグファイトを繰り広げた第2話に、同じく中世の槍と剣を駆使して空を駆け、戦車相手に生身で大立ち回りを演じた第3話は、どちらも変な笑いが込み上げてくるほど見ていて爽快。どうして戦車が横転しても白旗が揚がらないんだ……。OPからしてバッドエンドな予感もあるものの、先の展開が気になる期待作でござる。
『ブレイブウィッチーズ』
(C)2016 島田フミカネ・KADOKAWA/第502統合戦闘航空団
「魔(法少)女」枠、その3(正確には“ウィッチ”=魔女)。世界観・時系列を同じくする『ストライクウィッチーズ』の2期が放送されたのが2010年なので、テレビシリーズとしては実に6年ぶり。道理で、「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!*11」のフレーズが懐かしく感じるわけだ……。
ここ数年、ミリタリー系のアニメと言えば、“陸”の『ガルパン』に“海”の『艦これ』と続けて話題作が出ていましたが、何気にそれらよりも歴史の長い、“空”の『ストパン』のシリーズの最新作。同ジャンルが好きな人には当然おすすめできるでしょうし、別に軍事ネタがわからなくても楽しめるはず。自分は楽しめているので。EMT! EMT!
『ステラのまほう』
(C)くろば・U・芳文社/ステラのまほう製作委員会
魔法少女……ではない。ほっと安心の『きらら』枠。ゲーム会社での社畜模様(一部)をゆるふわっと描いた夏の『NEW GAME!』に対して、本作で作られているのは同人ゲーム。高校の部活モノでござる。会社に泊まってがんばるぞいする必要はない。たぶん。
『きらら』掲載の4コママンガが原作ということで、 全体的にほんわかムード。キャラクターの表情もころころ変わってかわいらしいけれど、同ジャンルの作品としては珍しく、苦悩や葛藤もそこそこ描かれている模様。エンディングの異色感も好きです。Future bassって言うのか……SoundCloudの香り。
『ろんぐらいだぁす!』
(C)三宅大志・一迅社/ろんぐらいだぁす!製作委員会
全力で「自転車はいいぞ」を推していく作品。どのくらい影響力があるかと言うと、まったく自転車の知識がない人が原作コミックを読んで、そのまま勢いでロードバイクを買いに走ってしまうほど。……はい、私です! うふふふふ(白目)
主要キャラはみんな女子大生ということで、他の部活モノとはちょっと趣が異なるかも(そもそも“部活”ではない)。自転車に限らず、「週末に出かけてみたい!」と思えるようなサイクリング描写はアニメでも存分に発揮されております。飯テロ注意。ただ、3話の放送延期はちょっと心配……。
『WWW.WORKING!!』
(C)高津カリノ/SQUARE ENIX・「WWW.WORKING!!」製作委員会
帰ってきたワグナリア。3期にわたって放送されて完結した、北海道のファミレスを舞台にした日常コメディ『WORKING!!』――の、Web版コミックを原作とするのが今回のアニメ。詳しくはニコニコ大百科の記事などを参照のこと。舞台と登場人物は別なので、本作からでも見られます。
ただでさえ濃厚この上ない、それでも魅力的なキャラクターが勢揃いしている作品として、特にWeb版はアクが強すぎてなんかもうやべえ。でもマンガが原作のアニメとしては普通にギャグ作品として楽しめるので、意外に万人向けだと言えるんじゃないかしら。たぶん。きっと。おそらく。
『響け!ユーフォニアム2』
(C)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
待ってた! 拡大版の第1話が幸せすぎた……。ここ数年の京アニ作品は好みが分かれやすい印象だけど、SNSでの反応を見ていると、本作は楽しみに追いかけている人が多い様子。京アニ全力の作画・音響・演出など諸々は言うに及ばず、全力で「青春!」している部活モノはやっぱり良い。
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』
(C)創通・サンライズ・MBS
お待ちかねの任侠ガンダム。オープニングが本当に大好き。1期からして毎週楽しみに観ていたので、オルガの突き刺さりそうな髪型と再会できて嬉しい。各陣営、一癖も二癖もありそうなキャラが増えて、どのように関わっていくことになるのやら。仮面の男……いったい誰リオなんだ……。
以上、個人的におすすめできる秋アニメの紹介でした。
少し前まではアニメのネット配信と言えば、「ニコニコチャンネル」が中心だった印象もありますが、近頃は多くのサービスでラインナップが充実しつつあるのは嬉しいところ。家族の目を気にせず見れるのはありがてえ!
作品本数が多い人気の見放題サービスとしては「Hulu」が挙げられる一方、他サービスよりも長い期間(30日)のお試しができる「Amazonプライムビデオ」もおすすめですよ。
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*4:『七つの大罪』などでもおなじみ、鈴木央さんが『週刊少年サンデー』で連載していたマンガ。スーパー4回転祭り。
*5:織田信成 nobunari oda on Twitter: "ユーリ!!! on ICE めっちゃ面白い。"
*6:Evgenia Medvedeva on Twitter: "The best moment of series 2😂 Viktor, what you doing, please stop it... Haha I joke, continue. #yurionice https://t.co/rvEtQAhm6G"
*7:コンポーザーとしての印象が強いけど、そもそも社長だし、見た目が若い。/志倉千代丸 - Wikipedia
*8:『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』作者。歌手デビュー、おめでとうございます!(?)/渡航とは - ニコニコ大百科
*9:“具体的に似ているポイントを上げると衣装のデザイン以外の全て。”/鯰尾時雨 (なまずおしぐれ)とは【ピクシブ百科事典】
*11:パンツじゃないから恥ずかしくないもん!とは (パンツジャナイカラハズカシクナイモンとは) [単語記事] - ニコニコ大百科