2015年のおすすめアニメを「音楽」の視点から振り返る


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【MAD】 NEVER LAND

2015年のアニメを自分なりに振り返ってみようとしたら、さすがに長々とまとめるのは無理があった。そもそも知識もなく、気になる作品を好き勝手に見ていただけなので、一貫性もへったくれもないのです。困った困った。

そんなときにふと、「印象的だった『音楽』と合わせて自由に書いてみたらいいんじゃね?」という考えが思い浮かび、試しに書き始めてみたら、それっぽいのができた。

自分は音楽・音響分野の専門知識があるわけではございませんので、「このシーンで流れた曲、いいよね!」くらいの個人的な感想となります。あしからず。

 

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夢みたいに綺麗で泣けちゃうな

ネット上の盛り上がりを見ても、2015年は『シンデレラガールズ』の年だったと言っても間違いではないのではないかしら。なんたって、国民的アイドルがCMで歌っちゃうんですよ!?*1

もともと二次創作の活発なジャンルではありましたが、2クールにわたるアニメ化によって、評論界隈も賑やかに。ストーリー展開に留まらず、映像の演出面での解説記事も数多く投稿され、読んでいてすごくおもしろかったです。こういう見方もあるのか、と。

一応はそこそこ初期から“原作”たる『モバマス』をプレイしていた身としては、「小日向ちゃんが動いてるぉおおおわぁぁあああ!!」なんて興奮していたわけですが、一方では、ストーリーとキャラクターを彩る「挿入歌」の面で楽しんでいた印象も強い。

主題歌と既存曲は言うまでもなく、アニメ版の各ユニットのキャラクターソングがどれもこれもすばらしい。ただでさえAsteriskコンビの「ØωØver!!」が好きだったのに、2ndシーズンで歌詞&アレンジ違いのあんな使われ方をしたらもう……もう……! デレステやってくる!!

 

透き通るピアノの音色と、全てを吹き飛ばす演奏シーン

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【MAD】麻枝 准×やなぎなぎ 「終わりの世界から」【四月は君の嘘】

「音楽」と言えば、それ自体がテーマである『四月は君の嘘』も最高でした。──というか、演奏シーンの作画、ヤバくね? 原作コミックを読むかぎり、「これを映像化するのは……」と思っていたけれど、軽くハードルを超えてきた。

同じく音楽モノの『響け!ユーフォニアム』を見ると、リアルに近い空気感や音響を重視した映像・音作りをしているように(素人目からは)見えたけれど、こちらは演出面がメインのような。キャラクターの心に寄り添い、感情の変遷を音と映像に乗せ、それこそ芸術作品のような描き方でもって伝えていたように思います。

劇中で演奏されるクラシック曲もそうだけれど、劇伴も同様に美しい。2015年、何度も何度も繰り返し聞いて、間違いなく一番お世話になったBGMです。作業にも最適。テーマ曲のピアノソロがたまらん。あとはやっぱり、「友人A」っすね。

 

CD音源でも生ライブでもない、もうひとつの「音楽」の臨場感

昨年も何度か音楽ライブに足を運びましたが、やっぱり生歌唱&生演奏による臨場感は尋常じゃない。いくらCD音源が徹底的に作りこまれているとはいえ、同じ空間の中で発せられ、耳にする生音の迫力はすさまじいものでござる。

そんな音楽について、「アニメ作品における歌唱曲」という意味で考えたときに思い出されるのは、上でも書いた「挿入歌」の存在。映像やシーンとの調和、演出も相まって、感動したり、滾らせられたりすることはありますが、それも実際のところはCD音源。映像を繰り返し流しながら挿入歌を聴くことは稀で、CDを買ったらそちらにシフトするのが基本的な流れなのではないかしら。

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戦姫絶唱シンフォギアGX EPISODE 01「奇跡の殺戮者」 ‐ ニコニコ動画:GINZA

自分にとってのそんな“流れ”をぶった切ってくれた作品が、『戦姫絶唱シンフォギアGX』。ネット的には“ネタ枠”として見られることもあるシリーズの第3期でございますが、安定して「わけがわかないけれど燃え上がる熱血アニメ」で楽しかった。ついてこれる奴だけついてこいッ!*2

本シリーズの特徴と言えば、何と言っても「歌いながら戦う」バトル描写。『マクロス』に代表されるように、劇中のキャラクターが「歌いながら戦う」ような形で挿入歌が流れる作品はいくつかありますが、『シンフォギア』の場合はちょっと違う。“ガチで歌ってる”

リトルミラクル -Grip it tight-

リトルミラクル -Grip it tight-

  • 立花響(CV:悠木碧)
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

つまりCD用に録音した音源ではなく、「アニメのそのシーンのためだけに声優さんがアフレコ現場で歌っている」*3。劇中のキャラクターの息遣いとか、ダメージ反動とか、文字どおり“歌に乗せて攻撃を放つ”ときの絶叫も、すべて引っ括めて「挿入歌」になっている感じですね。

CD音源でなく、音楽ライブでもなく、すべての曲が「アニメ用の挿入歌」になっているのは、『シンフォギア』だけ。しかもそれが、やたらと盛り上がってすごい。「ライブ後にCDを聴いたらショボく感じた」なんて経験のある人もいるかもしれませんが、「アニメを見てからCDを聴いたら物足りなく感じた」と思えるのは、本作ならでは。悠木碧さんの歌声&演技が最高です。「リトルミラクル」で泣いた。

 

大好きだったあの作品、あのシーンを、大好きな音楽と新曲で

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【MAD】 fate/stay night ubw たった1つの願い ‐ ニコニコ動画:GINZA

そういえば、『UBW』の2ndシーズンも2015年だった。ちょうど自分が深夜アニメなどを見始めた初期の頃、もう10年以上も前にプレイ。『Fate』は今なお大好きなシリーズなので、感慨深いものがあります。

DEEN版もアニメ化の際には昂ぶった覚えがあるけれど、今回はそれ以上。いやだって、劇場版で消化不良ぎみだった凛ルートを、しかも『Zero』に続いてufotableの美麗な映像で見ることができるとか、そらもう興奮して麻婆食って鼻血出してもおかしくないレベルっすよ。

LAST STARDUST

LAST STARDUST

  • Aimer
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

記憶に残っているのは、やはり20話。士郎とアーチャーの対峙。ゲーム版の「エミヤ」をBGMにした剣戟の音はいまだ脳裏にこびりついておりますが、アニメでは新たに固有結界と心理描写を追加、挿入歌まで入ってきて、両者の対比・決別がより際立っているように見えた。

ちょっと冗長すぎるいう見方もあるけれど、そこは原作者の、“過去を厚く語るのではなく、互いの心境を対比させる事で先に進む”*4という言葉がミソなのかな、と。士郎の叫びと同時にあのBGMが流れ出し、心象風景を上書き・打ち消していくところではリアルに声が漏れた。さらに、盛り上がりが最高潮のタイミングで切嗣との回想が入るのはズルい。映画も楽しみです。

 

2016年も「音楽」と一緒にアニメを楽しむぞい

というわけで、「2015年のアニメを好き勝手に語ろう!」となると、とてもじゃないけれど収まりそうになかったので、ふと思い浮かんだ「音楽」という切り口で自分なりに振り返ってみました。

ほかにも『血界戦線』『うたわれるもの 偽りの仮面』などなど、自分にとっては印象的な楽曲が多くあった昨年。耳に残る音楽やら既存曲の使い方やら、だいたいが個人的な印象論になってしまうので、とりあえずはこのくらいで。1月開始アニメも楽しみです。

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TVアニメ「昭和元禄落語心中」PV② rakugo shinju animation PV2 - YouTube

今年に入って早速、何作品か見た中で「これは!」と思ったのは、『昭和元禄落語心中』。鼓の音色を基調とした楽曲が世界観にぴったりで、こりゃ間違いなくサウンドトラック買うやつだ。劇伴のスタッフを調べてみると若手作曲家さんらしく、ちょいと気になる。

音楽以前に、石田彰さん&山寺宏一さんの落語が聴けるというだけでも、それこそ「耳が幸せ」な作品でございますが。映像を楽しみ、物語を楽しみ、耳からも楽しめるアニメ鑑賞をしていきたいところ。どんどん見ていくぞー。

 

 

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