ブログの楽しさと、ツールを介したコミュニケーションの魅力


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 読書の秋。食欲の秋。スポーツの秋。

 なんでもかんでも押し付けられる “アキ” ちゃんは、きっと不憫な子。言い換えればそれだけ過ごしやすい季節であり、冬・年末に向けて自分の身の回りを顧みて、整理する時期でもあるんじゃないかしら。

 

 はてさて、そこで我が身を振り返ってみると、ブログを始めたのは3年前の12月。しばらくは忙しくて更新が続けられず、現在のように月20本以上の記事を投稿するようになったのは、2年前の今頃からだったんじゃないかと思う。

 積もりに積もった記事の数は、気づけば700。そろそろ、何を書いたか思い出せなくなってくる頃合いでござる。似たような話題を何度か取り上げているのは間違いないし、いま書いているこの記事も、きっとそうなるのでしょうが……それはともかく。

 

 今日に至るまで大きな炎上もなくブログ生活を楽しんでこれたのは、程よい距離感を保ちつつ、そこそこ好き勝手に書いてきた結果なんじゃないかなー、と自分なりに考えております。

 自由に文章を書き連ねるのはおもしろいけれど、なかにはセンシティブな話題もある。他のブロガーさんとやり取りをするのは楽しいけれど、顔の見えない相手との交流では誤読が発生することもしばしば。各種サービスの文脈や、ネットリテラシーも必要とされたりなんだり。

 今回は、そんな自分の「ブログの楽しみ方」について、つらつらと思うことをば。

 

ぼくと「インターネット」のはなし

 習慣として、どこかの誰かが運営する「個人ブログ」を自分が読むようになったのは、2011〜2012年にかけての頃だったと記憶している。

 卒業研究の一要素として調べているうちに楽しくなってきたのがきっかけ。卒業後に入社してからは田舎の寮暮らしで娯楽がなく、遠出するには移動手段もなかったため、自然とネットコンテンツに触れる時間が長くなった格好。休日の楽しみと言えば、本を読むか、ネットをするか、風呂に入るか。……せめて、車があればばばばば!

 

 

 00年代初頭から、インターネット大好きな「ネット住民」であったという自負はあるけれど、それも “にわか” のレベル。2ちゃんねる界隈で起こった大きな事件や流行、話題になったサービスやコンテンツは把握していたものの、自分がその渦中にあったケースは少ない。

 いくつかのテキストサイトやニュースサイトを読みあさり、自分でホームページを運営していた時期もあったけれど、それも高校・大学以前の話。部活動やサークル活動が生活の割合を大きく占めるようになると、自分が触れる「ネット」も「SNS」がメインとなった。mixi……オフ会……ウェーイ系……うっ、頭が……。

 

 で、仮時代からのニコニコ動画の古参として、「ニコ動のランキングはつまらなくなった!」と、なんかつい最近も耳にしたような言葉をほざいていた2011〜2012年頃、先ほど書いたような理由でもって、久しぶりにテキストコンテンツに回帰した格好でございます。

 有名なブログ、同世代が運営するブログ、自分の興味関心とぴったりの個人ブログなどを読んでいる中、たまたま多かったのが、この「はてなブログ」を使っているサイト。好きなブロガーさんが使っているし、他のサービスよりも文字本位な印象があるし、じゃあここにしよう、と。

 そんなこんなでブログを立ち上げたのが、2012年末のことでした。

 

「書く」よりも「読む」ことから

 ――とは言っても、本格的に更新を始めるまでの10ヶ月間の投稿記事数は、たったの40。たまーに思い出したようにつらつらと文章を書きなぐる程度で、読者はほとんどおらず、他のブロガーさんとの交流なんてものもまったく考えていなかった。

 そして11月。会社を辞めて、転職活動を進めつつも、一方では暇な時間ができた。よっしゃ、じゃあいろいろやってみっぺ、ということでブログを頻繁に書くようになり、現在に至るまでの約2年、毎月25〜30記事のペースで更新を続けています。こんなに続くとは、自分が一番びっくり。

 

 前置きが長くなりましたが、ブログを積極的に使い始めるにあたって、最初にしたことは2つ。

  1. いろいろなブログをとにかく読みまくる
  2. 他のブロガーさんと交流する導線を作る

 それまでは自分が日々考えたことの「メモ」としての意味合いが強かったブログにおいて(現在も大きく変わってはいませんが)、「読まれる」ことを意識した記事作りをしようと考えた。

 ――そのためにはまず、「ブログ」を知らないことには始まらないんじゃね? という考えから始めたのが、他の人のブログを読みまくること。それまで読んでいた、自分の好きなブログに加えて、ちょっとでも気になったブログは開いて読んでみるようにしました。

 

 そこで初めて、「はてなブログ」のトップページを開く習慣ができた。人気エントリーや新着エントリーを見て、「おっ?」と思ったタイトルはクリックしてみる。読んでみておもしろかったら、購読者登録してみる。

 当時はまだ「はてなブックマーク」の使い方を理解していなかったので、とりあえずはそれだけ。ただ、多種多彩な文章を読む習慣をつけたことで、それまで知り得なかったブログの書き方、文脈のようなものをなんとなーく学んでいったんじゃないかと思う。

 

 他方では、Twitterも積極的に使うようになった。気になるブロガーさんはTwitterでもフォローして、日頃からさまざまなブログの感想をツイートしている人のタイムラインは、特にしっかり追いかけるようにした。

 リフォローされるかどうかは置いといて、こちらも基本的には「読む」目的がメイン。ちょっと勇気を出してリプライを送ってみたりしたこともあったけれど、「交流」に発展するのはもうちょっと先の話。とにもかくにも、「読む」ことに終始していた形でござる。

 

 ――とは言っても、何かしらの思惑をもってこうしたことをしていたとも言い切れず、単純にそれが「楽しかった」からやっていただけかもしれない。自分のブログで文章を書くのもそうだけど、他の十人十色のブログを見て、意見を読み、それについて思いを巡らすのが好きだった。

 何よりもまず、知らないことには始まらない。……けれど、マニュアルから得られるのは知識だけだし、おもしろくない。その人が何を「楽しい」と感じるかは各々に違うとは思うけれど、自分の場合は「知る」ために「読む」ことから始めて、その過程を楽しみながら、ブログの書き方と文脈を学ぶことができたんじゃないかと思います。 

 

こちらのグループにもお世話になりました。

 

自分も相手も楽しめる形でのコミュニケーション

 で、しばらくして「はてなブックマーク」の存在を知り、1ヶ月ほどROM専としてその使い方と文化をなんとなーく学び、徐々にコメントを付ける使い始めたことで、他のブロガーさんとの交流が広まっていったのですが。

 ……この件についてはいろいろと思うところを書いていたら、それだけで記事1本分の文量になっちゃったので、省略。また別の機会がありましたら。

 一言で無理やりまとめれば、「自分の素直な『感想』から始まるコミュニケーションもあるよ!」という感じかしら。相手を慮るあまり当り障りのない賞賛を書く必要はなく、義務的なブックマーク返しもいらず、ただただ思ったことを書けば良いのです。

 

 「参考になります!」とか「そういうのもあるんですね!」とか、 “感想” ですらないコメントを書くくらいなら、それを読んで感じたことを「自分語り」に落とし込んじゃっても良いと思うんだ。

 具体性のない賞賛が忌避され、繰り返される同一コメントをスパムと疑われ、ネタに走ろうにも大喜利スキルがない――のであれば、自分個人の「感想」を書いておくことで、無用な批判を回避することにつながるんじゃないかと。というか、そのほうがコメント返しもしやすい。

 

 「すごい」以外に感情を説明できない感想も、自分の例を挙げれば裏付けになる。「参考になる」と感じたのであれば、どのような場面で“参考にする”かを考える。感じたままの「感想」を書けば良いけれど、何も思いつかないなら、ただブックマークするだけでも良い。

 過剰な自己主張、本論とは関係のない自分語りは、もちろん避けたほうが良いとは思う。自分が感じた素直な感想を、その記事に対する賛否と一緒に100文字の中に落とし込めればベスト。具体的なコメントは次の記事での言及につながるかもしれないし、文字数制限の中で感想をまとめようとすれば、自分の要約力も鍛えられる。わぁい。

 

 ――とは言え、ぶっちゃけ、ブログにせよ、Twitterにせよ、はてなブックマークにせよ、いずれも“正しい使い方”が公式に指定されていないツールなので*1、各々が自分なりに「楽しい」と感じる方法で使っていても何ら問題はないでしょう。

 でも、それだけさまざまな使い方をしていれば衝突が避けられず、その際にはルールの確認と摺り合わせ、ある程度の妥協が必要になってくる場合も当然ある。そんなときに、別の楽しみ方を試行錯誤しながら見つけられる余裕は持っておきたいな、と思います。自由なネットゆえに。

 

 そんなこんなで、まとまりのない内容になってしまったけれど、自分なりの「ブログの楽しみ方」についての雑感でございました。

 言うまでもなく、ブログ上での言及や、SNSでの交流、さらにはオフ会などのどれもが、「ブログの楽しさ」のひとつとして数えられるものかと。そういった純粋な、「ブログ楽しい!」的な記事は過去にたくさん書いてきたので、今回はちょっと違った方向から考えてみた格好です。

 ツール・サービスの使い方や独自の文化、規定される関係性やSNS上でのやり取りなど、中には面倒だと感じる要素もあるかもしれませんが、「よくわからないから知らん!」とそっぽを向くのももったいない。ぜんぶ引っ括めて知ることで、ブログ活動をより楽しんでいきませう。

 

 

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*1:推奨される使い方、やってはいけないことを示した規約・マナーはあります。