いい感じの「オンライン読書コミュニティ」ってないの?


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 誰でも参加できる「読書会」を探してえんやこら。
 オンラインで特定の「本」について双方向的に語れたら素敵だと思うの。

 

「本」をテーマにあれこれするのが楽しかった大学時代

 僕は、本を読むのが好きです。

 

 いわゆる「読書家」の人たちからすれば地を這う毛虫のような存在ではございますが、昔から「読書」の過程で得られる体験の全てが好きでした。

 昼休みの図書室で過ごす静謐な時間とか。自分の身長以上もある本棚の森を縫うようにして目当ての本を探し歩くとか。本に夢中になるあまり時が経つのを忘れ、本を捲る音しか聞こえなくなる瞬間とか。そのどれもが、どこか大切なひとときであるように思える体験でございます。

 

 そして同様に、「本」について誰かと話をするのも好きです。

 

 とは言っても、古典文学や海外の名著などの作品を読んだ経験は少なく、それゆえ他者と「本」について語り合うような機会は少なくもありました。どうも「文学」という括りに近づけば近づくほどその内容を口に出すには知識が必要で、ハードルが高くなる印象が強いので。

 その点、マンガや大衆小説、ライトノベルといった、現代の「コンテンツ」然とした作品群はやっぱり、日常会話では口に出しやすいんですよね。前提となる知識は最低限でよく、たとえ知らなくても互いに教え、おすすめしやすい。「同じ作者ならこういう作品もあって〜」→「じゃあ読んでみる!」といった流れで。

 

 そういう意味で、大学時代に所属していたサークルはとても居心地が良く、勉強会・読書会といった活動に際しても、非常に良いバランスの下で楽しめていたように思います。

 一応は「文学」の名を冠したサークルではあったものの、メンバーの全員が文学少年・少女だったかと言えば、まったくそんなことはなく。中途半端にサブカル好きだったり、ラノベばかり読んでいたり、小説にしても好みがそれぞれ偏っていたりと、きれいなくらいに各々の守備範囲がバラバラでした。「文学」はどこに消えた。

 

 でも逆に、各々の興味関心が異なることで、それぞれに「専門分野」を持っていたのがプラスに働いたのかもしれない。文学全般ならこの人、ミステリーならこの人、ラノベなら、百合作品なら、ウェブ小説なら――といった形で、お互いに詳しい分野を教え合っていたような感じ。

 相互補完的に知識を共有する流れができあがっており、勉強会・読書会などの活動の場においても、そういった関係性がプラスに働いていたこともあったと思います。加えて、テーマとなる「文学」をはじめとする各作品に関して、対象とは無関係であるはずの知見を持ってあーだーこーだと語り合うのは、結構楽しかったような覚えも。

 

 ただ、卒業してしまえばそういった場を持つ機会も当然なくなり、今はこうして自分のブログで好き勝手に語っているだけ。それはそれで楽しいものではありますが、どうしても一方通行になってしまい、コミュニケーションが発生しづらいんですよね。

 たまにコメントをいただいたり、読んだ人が自身のブログで言及してくれたりといったこともありますが、双方向的にその流れが続くことはほとんど皆無。2、3回ボールを投げ合うことはあり、うまく互いにキャッチできてはいるのだけれれど、どちらからともなく自然と投げるのをやめてしまうような。文字によるやり取りには、やっぱり限界があるんですよね……。

 

読書コミュニティに参加したい/作りたい

 前置きが長くなりましたが、そんな経験もありまして、「ジャンルに縛られない『本』について語り合う場所が欲しい!」という欲求がたまにムクムクとわき上がってくるのです。

 「それなら、新たに『読書コミュニティ』のようなものを立ち上げればいいんじゃね?」ということも、実は1年半くらい前から考えてはおりました。具体的には、以下の記事を書いたくらいのタイミングですね。本文とは直接関係がありませんが、当時一緒に考えて、書かなかった内容です。

 

 

 ただ、当時は生活が不安定で新しく何かを始める気が起きず(今も不安定ですが)、なんとなーく「やりたいこと」のひとつとして今日まで漠然と燻り続けていた格好でございます。思いつきはする、口に出しもする、ただ、実行まではこぎつけない。

 他方では、検索すれば「読書グループ」に類するコミュニティは既に数多く存在しています。ならばそちらに参加すれば事足りるんじゃないかとも思いましたが、諸々の理由で「入りづらい」と感じている人もいるのではないかと考えまして。主に人見知りとか。

 

既存のコミュニティはハードルが高い

 活動内容やテーマ本をざっと見る限りでも、明らかに「読書会」そのものと、参加者のレベルが高い……ように見える。そりゃまあ、忙しい社会人が自分の時間を割いてまで進んで「読書」を掲げる集まりに参加するくらいなんだから、参加者層がガチの「読書家」さんたちであることは想像に難くないですね。

 近代文学の知識もなく、何かしらの学術的な専門分野に長けているわけでもなく、そもそも月に何十冊も本を読むような人間でない自分にとって、そういった場所に飛び込むのは自殺行為にも等しく見えてしまうもので……。レベル1のまま中盤のダンジョンのボスに挑むような話でござる。無理ゲー。

 

 加えて、参加に申請や許可が必要となるコミュニティでは自然なものですが、既に内輪感ができあがっており、新規参加が難しそうなイメージも強い。そこでグイグイと突っ込んでいける性格ならば良かったんだけど、根が人見知りでコミュ障の自分には無理でござる。

 

主催者が「ちょっと読む程度」なら参加しやすいんじゃね?

 ある目的や共通の趣味を持って集まった人で構成されたコミュニティって、主催者は高確率でその集団の中でも頭ひとつ分抜けている「詳しい」人間だと思うんですよ。読書会に限らず、だいたいどのような集団にも当てはまるんじゃないかしら。

 そういったコミュニティではいくら「誰でも歓迎!」を掲げていても、自然と知識のある人が集まってくるような構造になっているのではないかと。全面的に学びを得るために行くのならいいのですが、双方向的なコミュニケーションが期待される場所で、門外漢の人間が参加するのはちょっと躊躇うもの。

 

 そこで、主催している人間が「え?そんな詳しくないっすよ?むしろ教えてくださいお願いします!!」的なノリだったら、コミュニティへの参加障壁は限りなく下がるのではないかと。「本の話をしたいけど、そんなに詳しくないから……」という人の集まる場所って、あまり聞いたことがないので。参加障壁を限りなく下げたい願望。

 

インターネットを活用して何かしたい

 そして何より、せっかくブログなんてものをやっているくらいなんだから、ネットを活用して何かできないかなー、と思いまして。

 そこそこ規模の大きな読書コミュニティを見ても、大半は開催地が東京に限定されている様子。なので、オンライン上にコミュニティを作り、その空間内あるいはブログ上で、自然な形でお互いに交流・言及できるような仕組みを構築できたら素敵だなー、と。

 

具体的に何をするのん?

 じゃあ読書コミュニティを作ったとして、具体的に何をしよう、という話ですが。内容に関しては、オンラインとオフライン、2つの視点があると思います。

 

オンラインの読書コミュニティ

 ウェブサービスに関しても、「読書」に焦点を当てたものは既に相当数が存在しています。僕自身、読書メーターを日常的に使っていますし、他にもブクログ、読書ログ、ブクレコなどさまざま。

 ただ、既存のサービスはあくまで「記録」に特化したサービスであるため、その内容やおすすめをユーザー同士で語り合うのは難しいイメージも強い。それなら、それこそブログなどの長文媒体の方がやりやすいし、リアルタイムで交流するにしても、チャットや動画配信サービスの方が向いているようにも見えます。

 

 その上で、オンライン上で「本」「読書」をテーマにした交流場所を作るのであれば、Facebookグループなどで限定公開設定をして投稿し合うか、Synapseなどのオンラインサロンを利用するのが常套手段なのかなー、と。

 グループ内では特定テーマを設定して話し合うも良し、新作などの情報交換に使うも良し、雑談スレみたいなものがあっても良し、の自由な感じで。もちろんガチの議論をしてもおもしろいと思うので、その辺はテーマ本やトピックの設定などを準備した上で。

 ツイキャスであれこれと話し合うのも悪くないとは思うのですが、1人 対 複数人よりは、複数人でわちゃわちゃと互いに話し合えた方が楽しいのではないかしら。コミュニティ内のコンテンツのひとつとして、動画配信サービスを利用するのはありかも。

 

オフラインの読書コミュニティ

 オフラインの場、リアルで顔を合わせて交流するのなら、活動内容は既存の「読書グループ」と非常に近しくなるのではないかと思います。本、テーマ、論点などを予め設定した上で、喫茶店の会議室なんかを借りて話し合うような感じ。

 ただ、リアルの空間では同じ地域に住んでいる人でなければ参加は難しく、予定の調整も必要となるなど、ネット上と比べれば諸々の制約ができやすく、結局は内輪化しちゃうんじゃないか……という懸念もあります。

 

 そう考えると、前提として「オンライン読書コミュニティ」を作って、そのコンテンツのひとつとして「オフラインでの交流」をできるようにするのがベストなのかしら。

 

オンライン+オフラインの読書コミュニティ

 基本の活動場所はオンライン。限定公開のコミュニティ内であれこれ語りつつ、折に触れてオフ会も企画するような運営が、お約束と言えばお約束なのかもしれません。

 

 やり方はいろいろあると思うんですよ。オフラインでイベントを開催した時には後でその様子を音声や動画で配信するとか、その配信コンテンツを使ってネット上で議論の“二次会”を行うとか。自分のブログを持っている人が多ければ、各々が私見をまとめることもできますし。

 読書系の交流コンテンツとしては、ネットとリアルを同期する形でビブリオバトルをやってみるのもおもしろそう。リアルで集まって何人かに発表してもらいつつ、ネット配信も行い、最後の投票にもネット視聴者の意見を反映する形。逆に、発表を全て予め映像で出してもらって、それをリアルとネットで同時に流して勝者を決めても良いかもしれない。

 

 

「読む人」も「読まない人」も等しく楽しめる場があればいいな

 とりあえず思いつく限りにぐだぐだと書き連ねてきましたが、結局のところ、誰もが等しく「本」を自由に語り合い、おすすめし合えるような場所があればいいなー、という自分の希望・妄想に端を発する話でございました。 

 別に「本」に限ったことではないけれど、「本を読む人」でもすべての本は網羅できないので、「読まない人」の意見やおすすめ本が参考になることも普通にあり得ると思うんですよね。「読まない人」はもちろん、「読む人」から知識を教えを得ることができますし。

 

 他方、本の感想・まとめ記事には「クソみたいな本」「最近の若者はこんなのしか読んでいないのか」なんてコメントがつくこともありますが、じゃあ「クソじゃない本」「若者が読むべき本」は何かと問おうにも、コメント主の大多数は自分のブログやSNSを持っていないため、コミュニケーションが成立しないんですよね。

 単発のネガティブなコメントに毒されて「読む」ことをやめてしまってはもったいないし、一方では、目次と本文の引用だけで構成されたような「書評」を読んで満足してしまうのも考えもの。いずれにせよ、読んだ瞬間に完結してしまっているので、新たな本の購買や交流には結びつきづらい。MOTTAINAI。

 

 自己完結してしまいがちなブログではなく、記録に特化しているウェブサービスでもなく、外部の無為なツッコミを排除しつつも、広く「読書好き」に開かれた「本」の語り場があったら素敵だなーと思い、とりあえずメモとしてまとめてみました。

 既に「こういうサービスがあるよ!」とか「この読書会は参加しやすくて楽しいよ!」なんて情報がありましたら、教えていただけると嬉しいです。これら自分の希望を全て反映させた既存の環境としては、mixiコミュニティが最適解なんじゃないかと、ふと思った。

 

 

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