読みました。
自分が記事で書いたことをきれいにまとめてもらっただけでなく、甘い部分のご指摘までいただいてすっきり。
ただ、せっかくなので再整理する意味でもう1本、自分なりに考えながら記事を書いてみようと思います。
「書きたい」が先か、「伝えたい」が先か
ブログに何を求めているか、目的は何なのかによって人それぞれに結論が変わることであります。
id:s-supporter さんも冒頭の記事でこのように指摘されていますが、仰るとおりだと思います。
当たり前と言えば当たり前のことですが、人それぞれに「前提」があることを忘れたまま、「理想のブログ像」を抱いている人もちらほらといるのではないでしょうか。
自分にとっての理想──「ブログはかくあるべき!」を意識するのは問題ないと思うけれど、それは周囲にまで押し付けるものではないよね、というお話。
ブログを始めるきっかけには、いろいろな「〜〜したい!」という感情が前提としてあるけれど、その欲求は人によって異なって当然だと思うのです。
たとえば僕の場合は、根っこの部分に「書きたい!」という思いがあります。
元はと言えば、自身の備忘録として始めたこのブログ。そこには、己の考えや日々の出来事を記録しようという目的と、同時に文章を書き連ねたいという欲求が併存しています。
それゆえに「好き勝手」がポリシーとして大きな柱となっており、ほかのブログと比べれば「読者目線」には欠けているものかと。たびたび「個人の日記」という表現をするのは、こういった前提によるものです。
一方で、「伝えたい!」という思いを前提としてブログを書かれている方も、多数派として存在しているのではないかしら。
誰かにとって有益な情報だったり、自分の専門分野だったり、メディアでは取り上げられにくい話題だったり。僕のように「書きたい!」が先にある前者と比べれば、「読者目線」の意識は圧倒的に大きいはず。「個人メディア」としてのブログですね。
とはいえ、誰もがこのように特定の「〜〜したい!」に特化しているわけではなく、複数の欲求が併存しているケースが多いのではないかとも思います。いろいろと「伝えたい」ことはあれど、自分なりに「書きたい」こともあるだとか。その逆も然り。
自分に関しては、そのバランスは常に変化している……というか、記事によって異なっているように思う。基本的には自分の「好き」=「書きたい」を優先しながらも、読者の目線を意識した「伝えたい」を重視した書き口で仕上げることだってあります。
ほかにも、「稼ぎたい!」「つながりたい!」「有名になりたい!」などなど、ブログを始める目的・欲求はさまざま。
どれが良いとか悪いとかではなく、それぞれに目指すべき目標があって、同様のブロガーさんと切磋琢磨しあうのは、純粋に楽しい。けれど、続けるうちに欲求が増えてきて、そのバランスが崩れることは避けたいなあとも思うのです。
ですが、好きな事を好きな様に書いた上でアクセス(PV)増やしたいし、アフィリエイトで稼ぎもしたい、承認欲求も満たしたい、自分のアカウントの権威付け(ブランディング)もしたい・・・etc となると話は別です。
これらを全てを叶えようとするのならエントリーを読ませる工夫をする、運用もしっかりするのは当たり前でありますし、最初からそこを目指すのは無謀とも言えます。
「はてな」には「書きたい!」人が多い?
「書きたい!」が先にあるブログは「個人の日記」
「伝えたい!」が先にあるブログは「個人メディア」
先ほどこのような表現をしましたが、いろいろ場所で書かれているブロガーさん一人ひとりに話を聞くと、利用しているサービスによってなんとなく違いがあるようにも見えるんですよね。……僕の勝手な印象かもしれませんが。
「はてな」以外のサービスには詳しくないのでアレですが、たびたびお付き合いさせていただいているWordPressブロガーの面々や、過去のトークイベントで話をしたブロガーさんのなかには、ブログを「メディア」として捉えている人が多い印象。
リアルの場に積極的に出ている時点で、「伝えたい!」「つながりたい!」といったことを目的として重視していると考えることもできます。「日記」なら1人で書いていればいいわけだし、誰かとつながるにしても、それは閉じられた「オフ会」のような場になるはず。
そういった「伝えたい!」を前提に「メディア」として情報を発信するのであれば、やはり成功例のある方法論を実践した方が確実。先人が示すテンプレートが参考になります。
情報を探している読者からしても、そのようなパッと見のわかりやすさがあれば、自分が求めているものを見つけやすいし、その内容も伝わりやすいですもんね。特定の層にリーチさせたいのであれば、安定かつ確実な手段かと。
一方、「書きたい!」を重視しているブロガー(なんとなく、「はてな」にはそんなタイプの人が多いイメージ)は、どちらかと言えば「型」を忌避し、「自己表現」を重視しているように思います。
はてなにせよアメーバにせよ、デザイン面では既にあるテンプレートを流用したブログが多く、「型」にハマっていると受け取れなくもない。けれど、そこに書かれた文章ひとつひとつにこだわりを持っていたり、読み手としても「おもしろい!」ブログを探そうという意欲が強そうな。
思いっきり公式で「書きたい」が明示されていました(はてなブログとは - はてなブログ)。
これらは目的の違い、前提の違いでしかないのだけれど、すべてをまとめて「ブログ」と一括りにしてしまうことで、軋轢や議論が生まれることがあるようにも見えます。
明らかに「稼ぎたい!」が目的であれば、まだ「アフィリエイター」というカテゴライズすることもできる。けれど、「書きたい!」と「伝えたい!」は併存しやすいため、その意識の大小・差異によって、「タイトルで煽り過ぎ」「個人の日記レベル」といった批判につながっているのではないかしら。
だからこそ、自分の「ブログ」がどういう立ち位置にあるか、どのような目的のもとに運営していくかといった点は、日頃から意識しておいても損はないと思います。
もちろん、「日記」を目的に運営を始めて、途中から「メディア」化を志向するようシフトしてもいいだろうし、「メディア」を前提として人を集めてから、「日記」形式の記事を増やしてブランディングを図るのもありでしょう。
「基本的には自由に書きたいけど、お小遣いも稼ぎたい」
「1人で日記を書いていれば十分だったけど、交流もしたくなってきた」
「PVも増えてきたし、もっと大勢の人に読まれるようになりたい」
ブログの目的、そこに求めるものを考えたとき、いろいろ思い浮かんではっきりしない人や、その時々で方向性が変わる人などは、そんな「立ち位置」を基準としてみるのもいいと思います。
差し当たっては、自分のブログが「日記」寄りなのか、「メディア」寄りなのか。
実際はそんなに単純なものじゃないかもしれないし、「日記」や「メディア」の定義も曖昧ではありますが、そのような考え方もあるんじゃないかな、と思いました。