秋葉原『さま田』の“とろとろ玉子の角煮かつ丼”にノックアウトされた

 インターネットは、怖い場所──。

 古くより掲示板や個人サイトをを跋扈する「荒らし」の存在は言うまでもなく、そこはどこから手斧が飛んで来るとも知れない、殺伐とした世界だ。

 荒野を舞台に繰り広げられる信者とアンチの土地争いが決着することはなく、集落ではいつも誰かが家に火を焚べている。なかには自ら灯油を被ってファイヤーダンスを舞い踊り、その周囲に暖を取りに来た人の数で優劣を決める競技もあるらしい。なにそれこわい……。

秋葉原 ランチ さま田 カツ丼

 そして、ひときわ恐ろしいのがアレだ。
 夜分のSNSで、突如として巻き起こる破壊活動──そう、「飯テロ」である。

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“巌窟王”エドモン・ダンテスの物語をマンガ1冊で読む『モンテ・クリスト伯爵』

 世界的に有名な「復讐劇」と言えば?

 ──やっぱり、知名度では『ハムレット』が断トツかしら。ご存知、シェイクスピアの著作であり、四大悲劇のひとつとして謳われる長編戯曲。ただしその分類ゆえか、どちらかと言うと “復讐” よりも “悲劇” をキーワードとして語られる印象もあったりなかったり*1

 一方で、日本では『巌窟王』の名で親しまれている『モンテ・クリスト伯』その人を、「復讐者」の代名詞として挙げる人も多い。僕自身、いまだ不思議と敷居の高さを感じる『ハムレット』よりは『巌窟王』のほうが親しみやすいように思うし、実際、後者は少年時代に読んだ記憶もある。

 思い返してみれば、子供心に「難しそう……」と感じられた『ハムレット』に対して、児童向けの『巌窟王』は安心と信頼の青い鳥文庫。読みやすく、理解しやすく、純粋におもしろい。そりゃあ記憶にも残るわけです。

 あと、幼心に触れたシェイクスピア作品って『ロミジュリ』の印象が強すぎて、そっちに記憶を持っていかれた説もある。ギャグマンガでもネタとして登場しやすいし。

 ともあれ、そういった過去の感動が残っているからこそ、自分にとっては「復讐劇(復讐者)と言えば、ハムレットよりも巌窟王!」となるのでした。──というわけで今回は、そんな『巌窟王』こと『モンテ・クリスト伯』のコミカライズ版について。

 

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*1:そもそも「復讐劇」=「復讐悲劇」であるようですが(復讐悲劇 - Wikipedia)。

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経験値は申告制?ファンタジー世界の“労働”を紐解く『竜と勇者と配達人』がおもしろい!

いつの時代も、どこの世界でも、働く人は大変だ。

労働それ自体の苦悩や職場問題は言うに及ばず、ただ目の前の仕事に取り組んでいれば自動的にお給料が振り込まれる──わけではないのがダルい。取引先との折衝に書類の整理&提出、業界は常に変化し続けているし、いつまでもその職が安定しているとも限らない。

そして、そういった “お仕事事情” はどうやら、どの時代、どこの世界にも共通したものらしい。そのなかでも大変なのがお役所仕事であり、剣と魔法が支配する(支配していた)ファンタジー世界においても、役人さんは面倒な役回りを押し付けられるのが常のようだ。

──というわけで、そんな最新の “お仕事マンガ”(?)として、『竜と勇者と配達人』の1巻を読みました。作者は、先日の記事(関連:剣士、吟遊詩人、ドルイド──中世に実在した職業100種以上をまとめた『十三世紀のハローワーク』で取り上げた本と同じく、グレゴリウス山田@yamadievalさん。

『十三世紀のハローワーク』に登場した実在の職業も描かれており、しかもそれがファンタジーなジョブと交わる、とても新鮮かつ愉快なマンガ。お仕事マンガであると同時に、RPGのシステムやファンタジー世界の「お約束」に切り込んだ内容にもなっており、楽しく読むことができました。

 

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『十三世紀のハローワーク』中世に実在した職業100種以上をまとめた資料集

「職業に貴賎なし」とは言うけれど、いつの世にも花形とされる人気の職業があれば、嫌な顔をされる仕事もある。そして、移りゆく時代のなかで消え行く職業の存在も。──そういえば数年前にも、日本で最後の「三助」が引退したことが話題になっておりました*1

書店に行けば、そういった「職業」の魅力を説いた本も数多い。でもその一方では、過去に存在していたことは知識として知っていても、実のところはよく知らない、知られていない職業も少なくないんじゃないだろうか。名前は知ってる、でも内容はよくわからん、という。

特にファンタジーな世界観のRPGなどを見ると、実在した職業を “ジョブ” として引用している作品は少なくない。騎士全般だとか、吟遊詩人だとか、錬金術師だとか、道化師だとか。しかし、ゲームの “お約束” としての役回りやステータス配分、スキルなどは知っていても、彼らの元となった「職業」については実のところよく知らない──そんなことは、往々にしてあると思う。吟遊詩人? バード? ミンストレル? 何が違うん?

 

 

そんな、中世の時代に実在した職業について事細かく解説しているのが、本書『十三世紀のハローワーク』です。もともと同人誌として作られ、人気を博していたシリーズ本が、ついに商業誌として出版。買おうかどうしようか悩んでたら、妹が買ってた。さっすがー!(借りた)

それこそ、ゲームの “ジョブ” がごとく描かれた魅力的なイラストと、詳細な解説文によって本書のなかでまとめ上げられた職業は、なんと100種類以上。全294ページの超絶ボリュームは読みごたえも抜群で、いつも本棚に置いておきたい、保存版となっております。

 

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Kindle Paperwhite最新モデルを購入!旧端末から何が変わった?

Kindle Paperwhite レビュー

 Kindleデビューしたのは、2013年の年明けのこと。

 当時の感想として「タッチひとつでどんな本にでも早変わりする文庫本を1冊、いつも荷物に忍ばせているイメージ」などと書いていましたが、その印象は今でも変わりません。それまで遠い存在だった「電子書籍」が一気に身近になり、読書量も増えました。

 あれから4年。

 何度かの世代交代を経て、ますます快適な電子書籍リーダーとして進化していた、Kindle Paperwhite。とはいえ旧世代でも充分に便利だし、無理に買い換える必要もないかな……とずっと考えていたのですが。先日、ついにポチってしまいました。

 というわけで、2012年発売の第1世代から、2015年発売の第3世代へ。Kindle Paperwhiteを使ってみての感想を、改めてざっくりとまとめました。

 

※防水機能の付いた最新モデル(2018年発売)はこちら 

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