2017年にブログで紹介して売れた本ベスト10


先日は、上記まとめ記事を多くの方に読んでいただき、まっことありがとうございます。ブックマークもコメントもあまり付かなくなって久しい当ブログですが、読書系の記事はいつも読んでくださっている方が少なからずいるようで、ありがたいかぎり。

そちらの記事とちょいと被りますが、今回は「2017年にブログで取り上げたなかで、特に売れた本」について、ざっくりと振り返ってみようかと。

順位付けに際しては、Amazonアソシエイトのデータを参照。ブログ記事で感想を書くなどして取り上げた「本(マンガ含む)」を対象に、Kindle本と紙の書籍の売上点数を合計。上位10冊をまとめました。

 

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10位『反応しない練習〜あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』草薙龍瞬

感想記事自体はさほど読まれなかったようですが、たびたびKindleストアのセール対象になっていたこともあり、ポチった人が多かったのではないかと。あとはもしかすると、弊ブログの読者層に合っている内容だった──のかもしれません。なんとなく、そんな気がする。

僕自身、ちょうどいろいろとダルかった時期に読んだので、本書に救われた一面もあるように思います。必要以上にネガティブな方向へ感情を動かされ、精神的に消耗してしまわないためにも、折に触れてはこの “練習” に取り組みたいところ。同様の仏教本にも、今後は手を出してみたいな。

 

9位『語彙力を鍛える~量と質を高めるトレーニング~』石黒圭

2016年には、同著者の『文章は接続詞で決まる』が同年の「売れた本」に入っていましたが、今年はこちらがランクイン。新書サイズの割にはボリューミー、かつすぐに使える実践的な文章本となっており、自分の文章力の底上げに一役買ってくれている実感があります。

自分の拙い感想でも、この筆者さんの本の記事だとホッテントリ入りしやすいのも、内容が明瞭で実際に役立つからなんじゃないかしら。複数の例題を解きながら読むだけでもむちゃくちゃ勉強になるので、改めて文章力──もとい「国語力」を復習したい人に、おすすめの1冊です。

 

8位『TYPE-MOONの軌跡』坂上秋成

ほかの本と比べると読者層が限られるため、そんなにポチられることはないだろうなー……と思っていたら、予想外に売れていてビビった。……このブログの読者さん、意外と型月ファン多いんです? マジで? それならFateの話いっぱいしちゃうよ? やったー!

実際問題としては、「そこそこブクマが付いたから」「筆者さんがTwitterで言及してくださったから」といった要因によるものだとは思いますが……。それでも、自分で読んで、楽しく感想をまとめた本の記事が拡散されたのは、とっても嬉しい。今年も着いていきます!

 

7位『ぱらのま』kashmir

「乗り鉄」でも「撮り鉄」でもない、電車での旅路を純粋に楽しむ「旅鉄」目線の旅行マンガ。Twitterに流れていた本作のワンシーンが気にかかり、思わずポチってしまった1冊。何度かKindle版が安くなっていたので、その影響もあって売れたのかも。

「やっぱ自分の足で歩いて、迷ってこその旅ですよ」の一言に深く頷き、旅先で目に入った神社には立ち寄り手を合わせてしまう感覚に共感し、「地図の見方」から新たな旅の楽しみ方を知る。昨年は旅に出られなかった分、今年は本作よろしく気ままに遠出したい。

 

6位『とんがり帽子のアトリエ』白浜鴎

ラノベやゲーム的なそれではなく、子供の頃に読んだファンタジー小説のを彷彿とさせる「魔法」が描かれたマンガ。魔法に対する憧れと恐れ、わくわくとどきどきがぜーんぶ詰まった正統派ファンタジーとして、最高の完成度を誇る1巻だという印象を受けました。

珍しく “ジャケ買い” した本作は、多くのブログやメディアでも取り上げられ、結構な話題になっていた様子。どこか海外ファンタジー小説の挿絵を思わせるイラストは眺めているだけでも楽しく、胸躍るストーリーも今後の展開が気になります。実はまだ2巻を読めていないので、読まねば!

 

5位『竜と勇者と配達人』グレゴリウス山田

同じファンタジーはファンタジーでも、こちらはちょいと「現実的」かつ「社会的」なファンタジーコミック。どちらかと言えばゲーム的な世界観を下地としており、RPGの「ジョブ」を実際の「仕事」に見立ててその内容を紐解く、一種の「お仕事マンガ」でもあります。

「経験値を役所に申請するとレベルアップする」「人件費を考慮すればセーブポイントの代金はかなり高価」といった、ゲームの “お約束” に切り込んだ内容もおもしろい。中世をモデルとした社会事情、共同体構成などにも言及されており、世界史の勉強にもなるかも。

 

4位『春と盆暗』熊倉献

奇想天外、だけどかわいくて少しキュンとする、4編の恋愛オムニバス。去年は王道ラブコメマンガをいっぱい読んだ気がするけれど、そのなかでは明らかに変化球。でもそれゆえに記憶に残るし、たまに読み返したくなる魅力がありました。

魅力を伝えるのが難しく、感想記事もあまり読まれたわけではないと思いますが、それでも売れていたのはやはりセールの影響なのかなと。1巻完結型の短編集なので、休日にさくっと読むにもおすすめのマンガ。連休のスキマ時間のお供に、1冊いかがでしょう?

 

3位『内向型を強みにする』マーティ・O・レイニー

あまりに感化されすぎて、冗長だと理解しつつも長い自分語りの導入文から感想を書いてみたところ、思いのほかはてブが伸びてびっくりした本。そもそもブログやネットに親しんでいる人には内向型が多いような気もするので、割と読まれやすいテーマだったのかもしれない。

本書を読んでいて「ほんまそれな!」と全力で頷きつつ、読み終えたときには自分の長年の悩みの一部が解消された実感もあったので、同様に「内向き」ゆえに悶々としている人にはぜひとも勧めたい。Kindle Unlimitedなら読み放題なので、お時間のあるときにでもどうぞ。

 

2位『モンテ・クリスト伯爵』森山絵凪

『巌窟王』のコミカライズ。何と言ってもすごいのは、岩波文庫版で全7巻に及ぶ長編を、1冊のマンガにまとめ上げるという力技。ストーリーの大筋をほぼ違和感のない構成にまとめつつ、見せ場はしっかりと尺を割いて描いています。

“マンガでわかる” 的なダイジェストではなく、一個の物語として描ききるという、とてつもないコミック版。もともと人気作だったようですが、『FGO』の影響で再評価されているみたい。売れたのはそのせい……と考えると、やはりこのブログ、型月好きの読者さんが多いのでは……? 

 

1位『アイデア大全』読書猿

安定と信頼の『アイデア大全』。

  • ブログ上で何度か紹介した
  • レビュー記事がホッテントリ入りした
  • そもそも本の内容が魅力的

とくりゃあ、売れないわけがないよね! 2位とダブルスコアの差をつけてのランクイン。仕事でも生活でも使える42のアイデアをまとめた事典であり、発想法の歴史をまとめた人文書であり、知的好奇心をくすぐる啓発書でもある、示唆に富んだ1冊です。

すでに数多くの書評ブログで取り上げられていながら、わざわざこのブログから買ってくださった人が相当数いるわけで、本書のいちファンとしてはすっごく嬉しい。未読の続刊『問題解決大全』を読み進めつつ、本書も引き続き使い倒していきたい所存です。

 

今年はいろいろな本を読みたいな

こうして見ると、やはり「話題書」かつ「生活の役に立つ実用書」のレビューは読まれやすく、買われやすいようにも映りますね。

頻繁にセールが行われているコミック以外だと、エッセイや専門書よりは、ハウツー本のほうがポチられやすい印象。それだけ「本」に対して実用性を求めている人が多いのか、はたまたこのブログの読者層にそういった方が多いのか──はわかりませんが。

 

でもその一方で、今年はもっと小説を読みたいと考えている自分もいる。あまり同じジャンルの本ばかり読んでいると読書の幅が広がらないし、ブログの内容も一辺倒になりがちなので。

別にビジネス書の書評ブログとして運営しているわけでもないため、これまでどおり、「売れそうな本」よりは「読んでおもしろかった本」を積極的に紹介していきたいなーと考えております。熱量のない感想記事を書いたところで読まれないのは目に見えているし、自分も楽しくないだろうし。

あと、個人的に今年は「記録」の年にしていきたいな、と。いくつかのきっかけがあり、今後は、ブログ以外の媒体・方法でも自分の生活や思考を書き記していくつもりです。具体的な目的があるわけではないのですが、1年を振り返ったときに、それが役立つんじゃないかと思いまして。

実際、こうして「売れた本」を振り返ってみることで、「このブログの読者層はこういった人なんじゃないか」「こういう切り口で感想を書いた本はポチられやすいんじゃないか」といった要素も見えてきたような。それを活かすかどうかはさておき、整理すること自体にも意味はありそう。

 

──とまあ、簡単にまとめるだけまとめて投稿するつもりが、なんか今年の抱負っぽいことまで書き始めてしまい長くなりそうなので、この辺で。

現在進行系で読んでいる何冊かの本をどうやって紹介するかを考えつつ、この連休は読書時間を多めに確保して過ごそうかなー。冒頭で引用したまとめ記事とあわせて、読む本、あるいは本の感想を書く参考になりましたら幸いです。

 

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