※写真はイメージです。
真夏の炎天下を歩きまわったあとは、風呂にかぎる。「ひさしぶりにマイフェイバリット銭湯に行ってきたよ!」という話です。
毎週末の風呂と珈琲牛乳を楽しみに生きていた
やって来ましたのは、東急目黒線・武蔵小山駅。
ちと話は逸れますが、そもそも「なぜ、風呂なのか」というきっかけについて。事の発端は、メーカーの営業職として働いていた数年前のこと。関東の片田舎でひぃひぃ言いながら肉体労働をこなしていた当時の自分には、とにかくまず「癒やし」が必要だったのです。
「顔はウマなのに、腕はニンジンっぽいよな……」と先輩から指摘されるほどにヒョロい自分にとって、慣れないうちの肉体労働は苦行でしかない。平日5日間の出勤を終えたあとには身体の節々が痛み、週末はウヘェコポォニャーンとベッドの上でのたうち回るのが常だった。オデノカラダハボドボドダ!
とは言え、ベッドの上で1人喘いでいるだけでは状況も変わらない。週末の体力回復手段を探すべく街へと繰り出し、あれこれ試行錯誤して行き着いた先にあったのが、「風呂」だったのです。
最初に訪れたのは、県内でも都会のほうにあるスーパー銭湯だったと思う。それまで「風呂」と言えば、実家の狭い浴槽に肩まで浸かって作業的に60数えていた自分。「ふえぇ……!? 1,000円弱で、こんなにいろんな種類のお湯を満喫できてしまっていいんです!?」という衝撃は、軽い異文化体験でござった。……付け加えておくと、会社の寮ではシャワーしか使えないも同然でした。
そういった事情もあり、ひろーい浴槽で足を伸ばしてくつろぐことのできる銭湯は、仕事に疲れきった馬面人参マンである自分にとって、まるで「聖域」のように映ったのです。同時に、齢23にして「風呂は命の洗濯よん☆」の真理を知る。ミサトさんは正しかったんやー!
以来、休日は決まって「風呂」に行くのが習慣となり、疲れた身体に鞭打って積極的に外出するように。たとえ毎度の交通費がべらぼうだろうが、往復2時間以上かかろうが、風呂に浸かれば癒やされる。当時の僕は、毎週末の風呂と珈琲牛乳を楽しみに生きていたと言っても過言ではない。
そんななかでも特にお気に入りだった銭湯が、武蔵小山の『清水湯』さんでした。
2つの天然温泉が460円で楽しめる!武蔵小山温泉『清水湯』
というわけで前置きが長くなりましたが、武蔵小山駅から徒歩5分、商店街を抜けた先に見えてくるのが、武蔵小山温泉『清水湯』さんでございます。南青山にも同名の銭湯がありますが、こちらは品川区。そして何を隠そう──読んで字のごとく、 “温泉” です。
具体的にどこの情報から知ったのかは失念してしまったけれど、たしか「都内 銭湯 おすすめ」的な検索ワードで調べていたんだと思う。いくつかのまとめを参照して、そのなかでも特に気になったのが、この『清水湯』さんでござった。……銭湯、だけど、しかも “温泉” ……?
その魅力は、何と言っても「銭湯料金で2つの天然温泉が楽しめる」こと。2016年現在、大人は460円で統一されている東京都内の銭湯料金*1を支払うだけで、「黄金の湯」と「黒湯」、2色の天然温泉に入ることができるのです。でもお高く……ない! 460円ポッキリ! タオル他は用意してきてね!
初めて足を運んだのは何年か前の話になりますが、アットホームな銭湯の雰囲気のなか、2つの温泉に浸かることができるというだけで、もう瞬時にヘヴン状態っすよ。というか「黄金の湯」なんて見るからにヘヴンリーだし、「黒湯」はお肌すべすべバスロ○ンも真っ青の黒さっすよ。
久方ぶりに訪れた今日も今日とて、その魅力は変わらず。おふろセットで体液を洗い流し、隅々まできれいにしt……ヒャア我慢できねえFUROだ! 金の湯船で傷を癒やすんや! フヤケたお肌を黒に染めるんじゃ! 癒やし癒やされ気分は極楽お釈迦さまあ゛〜〜〜〜〜!!(昇天)
そしてそして、お風呂あがりはヒーコー牛乳……と見せかけて! 清水湯さんに来たら、決まって黒酢ジュースをいただくのが自分にとっては鉄板。1杯100円、ほんのり甘くも酸っぱいジュースが喉元を通り過ぎ、身体の内側から爽やかリフレッシュするような感覚がたまらん。ヒーハー!
そんなこんなで、改めて『清水湯』さんの魅力を再確認したのでした。あまり遠くへ足を伸ばさずとも都内でお安く温泉に入れる施設の存在は、本当に魅力的だと思うのです。近くに住みたい。
もちろん温泉があろうがなかろうが、いつでも気楽に暖簾をくぐって、ひろーい湯船で疲れを癒やすことのできる「銭湯」は、どこもかしこも素敵な場所。
それこそ先ほど挙げた南青山の『清水湯』さんもそうですし、最近だと浅草の有名な『蛇骨湯』さんも印象的でした。風呂はいいぞ。風呂は心を潤してくれる。リリンの生み出した文化のなんちゃら……って、カヲルくんも言ってた。
──あなたには、お気に入りの銭湯、ありますか?