「つくね」ってあるじゃないですか。つくね。
焼き鳥の種類のひとつで、挽き肉をねりねりしたものを団子or棒状にしていただく、アレ。焼き鳥屋さんで盛り合わせを頼むと、だいたい最後まで誰にも食べられない、アレ。おいしいのに。ぼく、結構好きなんですよ。
確かに、正肉、皮、ねぎま、ぼんじり、軟骨、砂肝、エトセトラ……といったメジャーな部位と比べれば、「えー?ひきにくー?」とパッとしない部分ではございます。でも言い換えれば、それだけ店舗によって違いの現れる、こだわりの求められる焼き鳥らしいのです。
そんな「つくね」の専門店が下北沢にある!そこで試食会をする!どうせ暇だろうから来い!――とお誘いをいただき、ホイホイと行ってまいりました。わぁい。タダ飯あるところに我はあり。ありがとうございました。
下北沢南口にて、こだわりを持って営業中!
学生時代、毎週のように足を運んでいたので、勝手知ったる下北沢。そのメインストリートを下った先のビルに、そのお店はオープンしておりました。
つくね専門店「十夢想屋」さん。これで「とむそうや」と読むそうです。マーク・トゥエインかな?と思ったら、自由人・高橋歩*1さんの言葉から拝借したそうな。実際、店内には彼の著作も置かれております。
そんな十夢想屋さんがオープンしたのは、昨年9月。もともと焼き鳥屋を経営していた店長さんが、「これからはつくねや!」と、料理長さんとタッグを組んで新たに開店したとのお話。別店舗を出店する予定など、更なる展開も考えているとか。スピード感すごい。
飲食店を経営する中で、「お客様に非現実的な空間に訪れてもらって、『明日もがんばろう』と思ってもらえるようなお店づくりをしたい」という思いもあり、料理に限らずいろいろな試みに挑戦したいと話しておられました。
もちろん料理に関しても妥協はせず、「お客様に美味しいと言ってもらえても、自分たちが食べて微妙なモノは出さない!」と。お話の中でも強いこだわりを持っていることが伝わってきて、身につまされる思いでござる。応援したい。
そんな“こだわり”は、試食させていただいた料理にも表れておりました。
3種のつくねに、30種類のトッピング!
此度の試食会でいただいたのは、「つくね5種盛り」「ササミのたたき」「レバー炙り焼き」の3品。普段の自分が利用する焼き鳥屋さんと言えば、主に某チェーンがメインになるので、どんな美味しいものが食べられるのかドッキドキ。それをちゃんと食レポできるかもドッキドキ。
最初においでになったのが、大山どり*2のレバー炙り焼き。レバーと言えば好き嫌いの分かれる印象が強い部位でございます。僕自身、大学生になるまでは苦手だったので。今は好き。
まず驚いたのが、こいつ、でけえ。焼き鳥屋の「レバー」と言えば、串に刺さった小さいサイズのお肉を食べるイメージが強かったので、箸で摘んだときのサイズ感に慄いた。あれかな……見た感じ、噛み切りにくそうな……。
……と思いつつ口に入れてみると、あらびっくり。まったくもって想定外の食感、驚きのぶりっぷり具合である。その柔らかさと弾力たるや、別フィールドの食べ物であるプリン先輩に勝負を仕掛けに行かんばかりの“ぷりっぷり”っぷり。
さらにさらに、おそらくレバーを苦手とする人の主たる理由であろう「臭み」も、ほとんどなっしんぐ。サイズは大きめだけれど、一口で一気にもぐもぐできる。おかしい。僕の知ってる「レバー」じゃない。
頭に疑問符を浮かべながら他の参加者さんとモグモグ&パシャパシャ(撮影)に勤しんでいると、お次、ササミのたたきが到着。正真正銘、“朝びき”*3の大山どりのササミということで、声を大にして新鮮さを力説されておりました。どれどれ。
――先ほどのレバー同様、弾力のある柔らかさ。だけど、ちょうど良いくらいの歯ごたえです。お肉だけでも臭みがなく、ガンガン食べられそうだけど、そこに醤油を漬けると一気に食が加速する感じ。やばし。さっぱり系なので、コレだけで白飯1杯イケる。うまし。
そして、大鳥……もとい大トリを飾りたりますは、「お客さんが一人一品頼む」というオススメの品、つくね5種盛り。うめえうめえ言いながらもぐもぐしていた結果、写真が上の2枚しか見当たらなかったのはご容赦下さい。
- ワサビマヨ
- タルタル
- チーズ
- 辛味噌
- 明太マヨ
“5種”の内訳はこんな感じ。今回は「辛味噌」の代わりに「BBQソース」となっておりました。自分は味噌系の味がそこまで好みじゃないので、僕得せれくちょんですね。わぁい。
それぞれのトッピングは、おそらく好みが分かれるところだと思います。それよりも特筆すべきは、やはりベースたる「つくね」本体の種別でしょう。すなわち、以下の3種類。
- ジューシー!
- コリコリ!
- ヘルシー!
この日は「ヘルシー」は除いた2種の盛り合わせとなっておりましたが、めっちゃうまい。さすがは専門店というか、このベースの違いで何本でも食えそう。
「ジューシー」は店の看板かつ王道のつくね。しかし、十夢想屋さんのつくねは、食べると“じゅーすぃー”だけでなく、もうひとつの感慨がわきあがってくるのです。
それが、「ふわふわ」。一般的な「つくね」を表す擬音としてはおかしいような気もするけれど、マジでふわふわりふわふわる。つくねが口に入るそれだけで宙へ浮かぶ勢いですよ、おくさん!!*4
で、もう一方の「コリコリ」。これ、好きな人はたまらないでしょう。つくね本体のしっとり感の中に包まれたヤゲンナンコツ兄貴がはっきりと自己主張してきて、歯ごたえが心地良い。いつまでもコリコリしていたい。
アレっすよ。“無限プチプチくん”ならぬ“無限コリコリちゃん”がこの食感のまま発売されたら、間違いなく買います。コリコリコリコリコリコリコリコリ……。
試食会でいただいたトッピングは5種類でしたが、現在、提供されているメニューではなんと30種類ものトッピングを楽しむことができるとの話。もちろん、つくね以外の焼き鳥や一品モノも数多く取り揃えております。
個人的に気になったのが、「月見つくね」ですね。たまごの王様、王卵を使用しているとのことで、卵料理好きとしては頼まないわけにはいかない。次にお邪魔する機会があったら、絶対に注文しようと思いまする。
以上、「十夢想屋」さんの試食会レポートでした。
ごちそうさまでした&お誘いありがとうございました!