ぐるりみち。

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息苦しい!でもアツい!『新感染 ファイナル・エクスプレス』極上爆音上映で大興奮した

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映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』公式サイトより

 映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』を観てきました。いやー、想像以上におもしろかった! 特に、当初は険悪だったイノッチと葉加瀬太郎さんが手を取り合い、窮地を脱していく展開は胸熱でしたね……。

 実際に観るまで意識していなかったのだけれど、そういえば、映画館で「ゾンビもの」を観賞するのは初めて。さらに言えば、そもそも「韓国映画」を観るのすら初めてだった。そんな事情もあり、自分にとってはいろいろと新鮮な映画体験となりました。ただ、やたらと疲れた。

 そんなわけで、せっかくこれだけ “初めて” の要素がある作品を映画館で観ることができたので、その感想をざっくりとまとめておこうかと思いまして。何も知らずに観に行ったミーハーなりに、感じたことをつらつらと書き出してみました(※直接的なネタバレなし)

 

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圧倒的物量の感染者達と、魅力的なキャラクターと、人間ドラマ

 もともとは「ネット上の評判をチラ読みして気になったから」という、ノリと勢いでもって観に行った本作。

 まっさらな気持ちで観たかったので、PVや公式サイトは事前に確認せず。Twitter上で目に入った断片的な情報――「ソウルから釜山へ向かう高速鉄道の車内でゾンビ・パンデミックがヒャッハー!」な映画――という印象のみでもって、映画館へ向かったのでした。だいたい合ってた。

 序盤こそ、慣れないハングル文字に目が泳いでいたものの、いざパンデミックが巻き起こればすっかり夢中に。「全力疾走するタイプのゾンビだ! やべえ!」と大喜びであございました。

 劇中で何に驚いたって、まず「作中ほとんどの場面で、高速鉄道・KTXの車内を舞台にしている」こと。そのうえで、「決して広くはない車内で、あの手この手のパニック&アクションシーンが繰り広げられている」こと。狭い屋内のわりに、画面内の動きが常に激しい。楽しい。けど疲れる。

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ぴあ映画初日満足度ランキング発表!第1位は『新感染 ファイナル・エクスプレス』より

 台詞が極端に多いわけではないので、字幕をあまり目で追う必要がないのはありがたい。ただ、それでもスクリーン内の情報量がとてつもなく多いという印象で、しかもその “情報” がほぼイコール「ゾンビの物量」だった気がする。

 思い返してみると、「個」としての感染者と生存者が対峙するシーンは思いのほか少なく、常に「群」としてのゾンビーズがヒャッハーしながら大挙していたような。それも、縦と横の幅が限られた列車の車内で、空間めいいっぱいに押し寄せてくるからマジで怖い。津波かよ……。

 もちろん、徹頭徹尾いつもゾンビがヒャッハーしているわけでもなく。ストーリーには緩急があり、途中途中で各キャラクターの精神性が垣間見える人間ドラマも繰り広げられておりました。そういう場面で、ほっと一息つけるのはよかった。

 なかでも、マ・ドンソクさん演じる 葉加瀬太郎さん サンファの安定感がしゅごい。口は悪いが情の深い兄貴分――といった人物で、アクションシーンの見せ場もほとんど奪っていくカッコよさ。好き。死亡フラグの塊みたいなキャラクターだったから、バトルのたびにハラハラしてたけど。

 

身近な閉鎖空間ゆえに感じる息苦しさと、それが開放される瞬間

 息もつかせぬ展開と、圧倒的な物量でもって押し寄せてくるゾンビの波に、鑑賞後はすっかり疲労困憊状態に陥った本作(良い意味で)。ただ、改めて考えてみるとその “疲労” 感は、何もストーリー展開やアクションシーンだけが原因じゃないようにも感じまして。

 一口に言えば、息苦しさ。次々と乗客が死んでいく展開は言うまでもなく、極限状態で他人を信用できず、ギスギスしている車内の空気感。アクションシーンもキレッキレでかっこいい……とも言い切れず、むしろ “一般人” として常にギリギリの戦いを繰り広げていた印象がある。

 そして、そういったギスギス&ハラハラを感じるシーンが、長時間にわたって「狭い電車内」で繰り広げられていたというのが、何よりも大きい。

 自分は別に閉所恐怖症というわけではないけれど、高速で移動する乗り物の中で感じる、独特の “息のしづらさ” みたいなのがあるんじゃないかと思うんですよね。飛行機でも、車でも、電車でも。車以外はろくに換気もできないし、長時間そこにいるとモゾモゾしてくる感じがある。

 しかも本作の場合、舞台となっているのは、日本でも身近な “新幹線” とよく似た車内。そもそも街並みだって日本と近しい国だし、それが同じアジア系の俳優さんたちによって演じられているわけだから、「日常感」が尋常じゃないのです。映画を観たあとで新幹線に乗ったら、軽く緊張して、周りをきょろきょろしはじめるんじゃないかというレベルでリアル。

 リアルがゆえに息苦しく、だからこそ、疲れる。でも、そういった過程があったからこそ、終盤のシーンが最高に輝いて見えたんだろうなあ……とも思います。

 ずっと狭い車内で極限状態にあった主人公たちが、予定外とはいえようやく外に出られたと思ったら、そこでもいくつもの絶望が待ち構えており、それをなんとか乗り越えた先で訪れた、ひとつの結末。明るい日差しの下のあのシーンは、心から「きれいだ」と感じられたのでした。

 

 そんなこんなで、自分にとっては初の韓国映画となった『新感染』。想像以上に楽しめたこともあり、この流れで本作の監督さんの別の作品も――と思ったら、もともとアニメ分野で活躍されていた方で、『新感染』が初の実写長編映画だという。マジか!

 本作の前日譚となるアニメ映画『ソウル・ステーション/パンデミック』*1が今月末から日本国内でも上映されると聞いて、今はそちらを観に行こうか考え中です。あと、『新感染』を吹替版で観るのもありかもしれない。サンファ役が小山力也さんと聞いて。

 あ、ちなみに僕が観に行ったのは、言うまでもなく立川シネマシティの「極上爆音上映」でございます。スクリーン上で見られる、ビジュアルとしての “圧” だけでなく、押し寄せる感染者たちのすさまじさを耳からの “音圧” でも感じられるので、おすすめですよ!

 

 

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