昨年、こんな記事を書きました。きっかけとなったのは、同人サークル「放課後」編集部さんの同人誌。 “平成生まれが中学生時代のカルチャーを振り返る” というコンセプトに強く惹かれ、「僕も過去語りしたいいいい!」ということで、2002年から1年ごとに振り返ってきたのでした。
で、「せっかくだし、『10年前を振り返る』をテーマにして、1年ごとに記事に書こう!」と思い立ち、1年前の2015年に、その10年前となる2005年を振り返ってみたのが、冒頭の記事でござる。とにかく、書いている最中はむっちゃ楽しかった。 “のまネコ” とか懐かしいよね……。
そして1年が経った、2016年現在。上半期も終わろうとしている今、「2006年版」を書くのならこのタイミングだろう……と考え、再び好き勝手に語るべく、パソコンに向かっている格好です。
というわけで、要するにこの記事は、「10年前の自分はこんなことをしてたよ!」という一個人の過去語りに過ぎませぬ。興味のない方にはブラウザバックを推奨――という言い回しも10年前っぽい――しつつ、つらつらと。
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「2006年」って、どんな年だったっけ?
10年前の2006年、僕は高校2年生でした。
中高一貫の男子校へと進学して2年目。一応は進学校だったので勉強もそこそこに、でも部活動に全力投球していた時期でござる。学校の周囲には田んぼが広がるだけの長閑な土地で、しかし校内では四方八方を思春期の男子の肉体に囲まれて過ごす日々。いやー、楽しかった(^o^)
そんな男臭い青春を過ごすなか、世間ではどういった出来事が話題になったのか。Wikipediaなどを参考に、まずは振り返ってみまする。印象的なキーワードとしては、ライブドア、WBC、PS3などなど。あと、放送されていたアニメが「10年前!?」と感じる作品ばかりでヤバい。
国内
- 1月23日 - ライブドア堀江貴文前社長・取締役3人が逮捕
- 2月16日 - 神戸空港 開港
- 9月26日 - 安倍晋三が第90代内閣総理大臣に就任、第1次安倍内閣発足
特に記憶に残っているのは、いわゆる「ライブドア事件」かしら。ネット関連企業が問題を起こしたということで、連日にわたって事件が報道されていた覚えがあります。また、同時期には記録的な豪雪被害も。関東でも大雪になり、通学バスが立ち往生したような。
世界情勢
- 5月27日 - ジャワ島中部地震発生
- 7月5日 - 北朝鮮によるミサイル発射実験
- 7月9日 - ムンバイ列車爆破事件
- 12月30日 - サッダーム・フセイン元イラク大統領の死刑執行
世界情勢に目を向けると、各地でテロが頻発する一方、イラクでは3年ぶりとなる正式政府が発足。人道支援活動をしていた陸上自衛隊も、7月末には全員が帰国したと報じられました。
文化・エンタメ
- 4月1日 - 地デジ「ワンセグ」放送開始
- 4月2日 - アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」放送開始
- 8月30日 - 奈良ドリームランド閉園
- 11月11日 - SCE「PlayStation 3」発売
- 12月2日 - 任天堂「Wii」発売
年末には、据え置きゲーム機でガチンコバトルが発生。PS3発売日には「物売るっていうレベルじゃねぇぞ!」*1の名言も誕生し、ネット上で話題に。
スポーツ
- 2月10日 - トリノ冬季オリンピック開幕
- 3月3日 - 第1回ワールド・ベースボール・クラシック開幕
- 6月9日 - 第18回FIFAワールドカップドイツ大会開幕
冬季五輪&W杯イヤー! ……いずれも成績はあまり振るわなかったものの、荒川静香さんの「イナバウアー」が流行語大賞に選ばれるほどの話題に。一方で、野球に関心の薄い自分でもテレビをチェックするほど、WBCの盛り上がりがすごかったことも覚えておりまする。
インターネット関係
- 7月15日 - 「Twitter」開設
- 7月21日 - 「mixi疲れ」が話題に
- 12月6日 - Web of the Yearで「Wikipedia」が年間総合大賞に
- 12月12日 - 「ニコニコ動画(仮)」サービス開始
ITmediaニュースの年間ランキングにも書かれているように、「mixi」と「YouTube」が一世を風靡した年。前年2月に登場したYouTubeが流行を見せると同時に、違法アップロードの問題も語られれるようになった頃ですね*2。そして年末には、ニコニコ動画が密かに登場。
セニョリータがアミーゴでリアルを手に入れた年
ポルノグラフィティ 『ハネウマライダー(short ver.)』 - YouTube
J-POPに目を向けると、年間シングルランキングのトップ10を男性アーティストが占めるという、今では考えられない光景が。特に1位のKAT-TUN「Real Face」は、3年ぶりのミリオンセラーとなったそうな。やたらとみんな、 “ギリギリでいつも生き” たがってたもんね……。
他にも、2005年11月発売の「青春アミーゴ」や、山下智久「抱いてセニョリータ」、湘南乃風「純恋歌」などの男声曲が目立つ。今でもカラオケの鉄板曲とも言えるし、当時も、クラスメイトとカラオケに行けば誰かが必ず選曲し、 “例の奴等に追われ” てミ・アミーゴしてた気がする。
- 秋川雅史「千の風になって」
- Aqua Timez「決意の朝に」
- アンジェラ・アキ「Kiss Me Good-Bye」
- SEAMO「マタアイマショウ」
- TOKIO「宙船」
- ポルノグラフィティ「ハネウマライダー」
- mihimaru GT「気分上々↑↑」
- RADWIMPS「最大公約数」
自分が好んで聞いていたJ-POPとして、2006年発表の曲で思い浮かぶのはこのくらい。こうして見ると、だいたいが「カラオケで歌う曲」もしくは「友達が歌ってた曲」ばかり。男子高校生らしい生活を送っており、触れる音楽も自然とそういった選曲になったのでしょう。
それゆえに、男性アーティストの曲ばかりを聞くようになってしまった――のかと言えば、決してそういうわけでもなく。むしろ、それ以上に女性アーティストの楽曲を聞きまくっていた。この年にインディーズデビューしたばかりのAKB48……ではなく、 ア ニ ソ ン である。
2006年のアニソン・マイベスト10
2005年、主に「鳥の詩」の影響ひとつでオタクへの階段を駆け登った翌年ということもあり、2006年当時の自分は最高に貪欲なヌルオタ。気になった曲は検索し、TSUTAYAにも通い、深夜アニメもひと通りチェックして視聴しまくっていた格好です。わぁい。
さらに、学校の通学時間も含め、iPodを片時も離さず持って音楽を聞いていたせいか、この時期にiTunesにインポートした楽曲だけ再生回数が飛び抜けているという一面も。そのぶん思い入れの強い曲も多く、今になっても好きでよく聞いております。ゲームも結構やってたなー。
- FictionJunction YUUKA「Silly-Go-Round」【.hack//Roots】
- Suara「夢想歌」【うたわれるもの】
- 福田考代「やさしい両手」【.hack//G.U.】
- タイナカサチ「きらめく涙は星に」【Fate/stay night】
- 片霧烈火「why, or why not」【ひぐらしのなく頃に】
- FLOW「COLORS」【コードギアス 反逆のルルーシュ】
- 茅原実里「雪、無音、窓辺にて。」【涼宮ハルヒの憂鬱】
- 高橋洋子「蒼き炎」【パンプキン・シザーズ】
- KOTOKO「being」【灼眼のシャナ】
- Choro Club feat.Senoo「夏待ち」【ARIA The NATURAL】
特によく聞いていた曲を並べてみると、こんな感じ。ここには入っていませんが、 “ハルヒ” の字が指し示すように、ちょうど「ハレ晴レユカイ」がフィーバーしていた時期っすね。学校のクラスでも、アレで何人かがそっち方面に目覚めた様子。踊りまで覚えるの、はえーよ!
2006年にハマった作品
時をかける少女
細田守監督版『時かけ』も2006年。原作小説や監督云々というよりも、当時購読していた『月刊少年エース』で宣伝されており、キャラクターデザインが『エヴァ』の貞本義行さんだという理由で興味を持った……んじゃなかったかしら。
で、男友達と観に行って、思わず涙ぐんで、からかわれた。な、ないてねーし! ちょっと挿入歌のメロディが琴線に触れちゃっただけだし! ばーかばーか! 主題歌「ガーネット」もいいけれど、同じく奥華子さんが歌う挿入歌「変わらないもの」がこれまたお気に入りなんすよ……。
.hack//G.U.
今となって思い返してみると、PS2のRPGとしては一番ハマってたシリーズ。もうPV発表の段階から「ほあああああああああ!!??」なんて叫びながら繰り返し見ていた覚えもあるし。……そりゃだって、前作の主人公が意味深な敵っぽく登場したら……ねぇ?
ひぐらしのなく頃に
ちょうど完結の直前、『祭囃し編』の発売前に『ひぐらし』を知ってプレイすることができたのは、本当に幸運だったと思う。原作を一気に追いかけ、コミカライズも集め、アニメもチェックし、二次創作まで手を広げて、最高速での大団円。
原作のBGM担当・daiさんは、今も特に大好きなアーティストの1人です。何の作品補正もなく、オリジナルの曲を聞いただけで泣いたのは、前にも後にも彼の1曲だけ。ピアノがね……ほんまにね……最高なんすよ……(語彙貧)
Fate/stay night
例のアレ(アニメ『Fate/stay night』第14話「理想の果て」)
アーチャーの “カッコいいポーズ” がネタにされがちなDEEN版。だけど、当時はもう映像として固有結界の演出が見られるだけで最高に昂ぶったし、ループして何度も見るくらいには大好きなシーンだった高校生もここにいるんですよ! “不可思議な動きをする月光” とか、突っ込んじゃダメ!
当時のアニメ版に夢中になっていた自分に、「4年後には凛ルートが映画化され、さらにその5年後には再び凛ルートがアニメ化され、そのうえ2年後――2017年からは桜ルートが全3章構成で映画化される」と言ったら、どんな顔をするか気になる。「ねーよwww」って言われそう。
うたわれるもの
ハクオロさんは、心底惚れた主人公の1人です。
\キンッキンッキンッキンッ!/のオープニングでおなじみ。アニメ版で知り、のちにプレイするゲーム版も含めて大泣きした。自分のイメージしていた「深夜アニメ」とは異なる、戦記モノのような世界観と “戦略” を重視した戦闘シーンに魅了され、もっといろいろなアニメを見ようと決意させた作品。
加えて、アニメ本編を凌ぐ人気を博したとも言われる『うたわれるものらじお』*3の影響で声優さんに興味を持つようになったり、オープニングを担当したSuaraさんの歌声に惹かれ、翌年には自分を人生初となるライブへ駆り立てるなど、とにかくいろいろな “きっかけ” となった作品です。
はじめての、コミックマーケット
※写真は2015年夏のコミックマーケット88。
『ひぐらし』の名前が出てきたということは、自分が「コミックマーケット」に初参加したのもこの頃になる。『祭囃し編』が頒布された、2006年夏のコミックマーケット70ですね。
当時はまだそこまで濃ゆいオタク友達はおらず、少し前に仲良くなったクラスメイトも野球部が忙しく、単身でドキドキの参戦となったのでした。――早起きして、朝のゆりかもめに乗って、現地の人混みに翻弄されつつも、なんとか任務を完遂。
今となって思うのは、「初参加が、体力のある男子高生時代でよかった……!」と。ネットの情報を集めまくり、カタログも隅から隅まで舐めるように読み込み、万全の準備をしたうえでの参加だったけれど、それでも真夏のアレはヤバい。ノリと体力で乗りきれる男子高生、つよい*4。
「モバゲータウン」との出会い
先にも書いたように、世間的にはちょうどmixiが全盛期を迎えていた2006年。けれど、自分がmixiを始めるのはもう1、2年あとのことであり、当時は別のSNSをやっておりました。それが、部活の友達に誘われた、旧「モバゲータウン」(現mobage)でござる。
中学時代にも「前略プロフィール」的なサムシングはいくつか触れていたけれど、どれも長続きしなかった。それよりも、自分のホームページを更新したり、匿名でチャットをしたりしているほうが楽しかったので。 “荒らし” に対する耐性は、その頃に鍛えられますた。
しかし、高校入学を機にホームページは削除し、2ちゃんねるも基本的にはROM専だったため、しばらくは受け身のネット生活が続いていた高校初期。たまに匿名でやり取りをすることはあっても、その場限りの交流であり、どこか物足りなさを感じていたのも事実。
当時使っていた携帯電話。東芝のW44T。
なればこそ、自分のハンドルネームを持って見知らぬ他人と交流する、SNSにハマるのは必然。最初は誘ってくれた友達とやり取りをするだけだったものの、同世代やオタク系のサークルにも積極的に入るようになり、気づけばリア友よりもハマっていた。「モバゲーのマキ」とは……。
ほぼ毎日欠かさずログインし、サークル掲示板に書き込み、あれやこれやと考えたことや感想を日記として記録し――って書いていて思ったんだけど、これ、今この「ブログ」でやってることと同じだー!! 今でこそ絵文字は使わなくなったけれど、文体は変わってない気もする?
10年前にモバゲータウンで始めた交流が、現在のブログに結びついていると考えると、なんだか感慨深くもある。自分が「けいろー」になってから10年経ったわけで……長かったような短かったような。ともあれ、翌年には初のオフ会参加があり、しばらくはモバゲーを楽しむ形になります。
変わったようでいて変わらない、2016年の世界から
こうして振り返ってみると、いくつか懐かしい単語や作品の名前は挙がってくるものの、現在と大きくは変わっていないようにも思う。
当時はまだ触れてはいないとはいえ、2006年に誕生したTwitterとニコニコ動画はいずれも現役。mixiとモバゲー……はさすがに使わなくなったけれど。
他方で、音楽の聞き方に関しては若干の変化があったようにも感じます。今も昔もJ-POPとアニソンを聞いていることに変わりはないものの、そこに大きな分野として「同人音楽」が加わった。
オリジナルの自主制作CDや、ゲーム音楽アレンジといったジャンルは10年前からあったけれど、「ニコニコ動画」以前と以後では、その市場規模やファン・クリエイターの数が大幅に変わったのではないかと。ボーカロイドの存在は大きく、n次創作文化の隆盛はもう少しあと。
そして、アニメ・ゲームコンテンツについては言うまでもなく。『Fate』に『うたわれるもの』に『コードギアス』など、10年後の2016年現在もシリーズ展開中の作品が少なくなく、コンテンツの息がますます長くなっている傾向にあると言えるのではないかしら。『ハルヒ』新刊まだー?
なんにせよ、今も昔も変わらずインターネットは楽しいし、SNSで他人と交流し続けているし、アニメやゲームは最高におもしろいし、大人になっても固有結界の詠唱はかっこいいと感じる。
それがはたして、良いことなのか悪いことなのかはわからないけれど、楽しめているなら何も問題はないじゃないか、とも思う。当然、いつまでも子供ではいられないし、楽しいネットにだって問題点はゴロゴロ転がっているし、そういう部分は考えていかなきゃならないとも感じますが。
そんなこんなで、すっきりまとめるつもりが思いのほか長くなってしまいましたが、ほとんど個人の主観で振り返る、「僕にとっての2006年」の話でした。