読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ぐるりみち。

日々日々、めぐって、遠まわり。

いろいろな「年齢制限」って、どこまで適用されるべきなんだろう

 

 欧州で、SNSの年齢制限に冠する規制案が提言されたという話。全面禁止というわけではなく、「保護者の許可を必要とする」という提案らしいです。うーむ。

 

 

「ネットの匿名性」の問題と、許可制による弊害

 多感な時期にSNSに触れることの弊害は、たしかにあるのかもしれない。ハマれば時間泥棒になるというのは別にネットに限った話ではないけれど、それ以外でも例えば、SNS上の「数字」を神聖化して変なことに手を出してしまう――という話もなくはない。「神アバ」で検索検索ぅ!

 

 自分がそのくらいの年齢の頃と言えば、両親が家を留守にしたときを見計らってリビングのパソコンに向かい、お昼前からぶっ続けで暗くなるまでチャットにのめり込むくらいが関の山。茨城のおっさんと小説トークをした思い出。まだかわいいもんですよ。

 あとは「前略プロフィール」とか。それで勉学に影響したり、人格が歪んだりしたなんてこともないはず。たぶん。黒歴史にはなった。……今となって考えてみれば、通う学校も本名もわかる状態で顔写真を投稿している人がいた点は、結構ヤバかったんじゃないかと思うけれど。

 

 そういった、若者がネットに病みつきになった結果、事件に巻き込まれるんじゃないか……という可能性を考えて思い出すのが、映画『U Want Me 2 Kill Him?』。実話ベースのサスペンス映画っすね。

 SNS以前のチャットが舞台ではあったものの、劇中で描かれた「ネットの匿名性」の本質は今なお大きく変わっていないようにも感じる。相手がどこの誰とも知れないまま、すべての言葉に耳を傾けてしまうのは怖い。だからこそネットリテラシーが重要になってくるわけで。

 

監視社会よりも怖い、ネットの匿名性『U Want Me 2 Kill Him?』 - ぐるりみち。

 

 加えて、自分が小中学生だった頃とは異なり、今や「インターネット」が当たり前になっている状況下では、「保護者の許可制」にしてしまうことの弊害も考えられる。

 海外の事情はわかりませんが、日本では「SNSができない」ことによって仲間はずれにされ、いじめの温床となる可能性もあるんじゃないかと。あ、でも全員がSNSをやっていたらやっていたで、結局は「LINE外し」*1のようなことが起こってしまうだろうし……如何ともしがたい。

 

 「我が家ではテレビ番組はNHKしか見せません」という家庭の方針によって、どのような影響があるかは明確にはわからない。けれどSNSを禁止した結果、それを「知らない」人と「知っている」人との間にコミュニケーションの断絶が発生することは、まず間違いないとも思う。

 それ以前に、冒頭の「ねとらぼ」の記事中で引用されている、“多くの若者にとってインターネットは助けや支持を得られる場所。特に虐待や性的指向など打ち明けづらいことについては”という指摘も大きい。逃げ場所が封じられてしまうのって、子供にとっては致命的。

 

「年齢制限」の妥当性

 一方では、「そもそも大人ですら振り回されている人がたくさんいるのに……」という見方もあるような気がしなくもない。――そこは自己責任論なのかな? 同時に、「SNSをよく知らない親によって『とりあえず』禁止されてしまうのではないか」という懸念もある。

 

 「ただしい“ねっと”のつかいかた」があるかどうかはともかくとして、大人ですらインターネットをよくわからないままに使い始め、時に暴走し、時に振り回されている現状において、果たしてそれを規制できる立場にあるのかしら……と。

 「だからこそ規制するべきなのだ」ということなのかもしれませんが。大人だって使い方を誤りかねない、魑魅魍魎が跋扈する世界に蓋をするべく。少年少女の父親くらいの歳の大人が、誹謗中傷を撒き散らしているのが目に入らないようにするためならば……規制もやむなし?

 

  でもそうやって考えてみると、いろいろな「年齢制限」ってかなりアバウトというか、曖昧な基準でもって決められているようにも思えてくるんですよね(実際はそんなことはないはず)。

 

 代表的なものと言えば、「お酒」と「煙草」。これらはまだ医学的な理由で納得できるものではあります。国ごとに解禁の年齢が異なっている点も、前提となる文化や身体の成長の差異によるものということで説明できそうですし。

 しかし他方では、ぐでんぐでんになるまで酔っ払って迷惑をかける人だとか、道端でぐーすかぴーしだす人だとかを見ていると、「“おとな”ってなんだろう……」なんて哲学的なことを考え始めてしまうことも。潰れるだけならまだいい。周囲に害を及ぼし始めたらアウト。

 

 「年齢制限」というと、なんだか絶対的な基準であるような気がずっとしていたけれど(おそらくエ口のせいだ、男子高校生はエ口コンテンツを神聖化しがちなのだ)、実際のところはその「制限」も割と曖昧なもので、暫定的なものであるようにも見える。自分が無知なだけだとは思いますが。

 当然、酒類・煙草に関しては法律で禁止されている以上、「やってはいけないこと」ではございます。けれど、それがなぜ禁止されているのか、どのような経緯で認められなくなったかが共有されていなければ、その基準が持つ意味合いも薄まっていってしまうのではないかしら。

 

 「みんながダメと言っているから」という理由で自重しているだけだったら、「みんながOKと言っているから」という理由で、制限されている対象に触れてしまいかねない。お酒も煙草も、未成年で始めた人の中にはそういったケースが少なからずあるのでは。

 

 ――エ口ゲーが発売日にプレイできないと嘆いていた、高校時代の友人を思い出した。おう。全年齢版を買えばいいと思うよ……。

 

CLANNAD メモリアルエディション 全年齢対象版

CLANNAD メモリアルエディション 全年齢対象版

 

 

関連記事

*1:メッセージアプリ「LINE」で設けられたグループから、特定の人物をブロック(強制排除)することを意味する語(LINE外しとは - 日本語表現辞典 Weblio辞書