初めてでも簡単?確定申告の書類をfreeeで作成してみた


確定申告 いらすとや

 あっという間に2月も中旬──そう、「確定申告」の時期でございます。

 4年目となる今年は、『freee』を使った青色申告に挑戦。過去に使ってきた『やよいの白色申告オンライン』『MoneyForwardクラウド』も含めて、どういった基準で会計ソフトを選べばいいのか。

 改めて、自分の考えをまとめてみました。

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前年の失敗と、翌年に向けた準備、会計ソフトの変更

 今年もやってきた、確定申告の季節。

 普段からお金まわりを積極的に記録していない自分は、今年も1年間の領収書と請求書の山に埋もれて悲鳴を上げながら作業することになる……かと思いきや、意外とそうでもなかった。予想に反して、思いのほかスムーズに事が進んだのでした。

 振り返ってみれば、確定申告も今年で4回目。

 3年前は「中途退職者」として確定申告の必要性に迫られ、2年前は「ネット収入がある無職」として白色申告をこなし、昨年は「個人事業主」として初の青色申告に挑戦。ある程度は経験値はたまっていてもおかしくない……はず。

 加えて、去年の失敗から学んだ点も大きかった!

 ──と言うのも、開業1年目で何も知らず、ろくに勉強もしていなかった当時の自分は、プライベートと事業のお金をごちゃまぜにして管理していたのです。

 普段使いの財布から仕事の出費をするにとどまらず、銀行口座にカード支払いまでごちゃごちゃ。領収書は保管していたから良かったものの、入出金の整理や記帳の作業に時間がかかり、まっこと苦労しました。そもそも会計知識がなかったので、基礎の勉強から始める必要もあったし……。

確定申告 freee
無料から使える会計ソフト「freee(フリー)」

 そんな失敗もあったため、昨年の確定申告が終わった時点で現状の見直しを開始。諸々の方針転換をしたわけですが──それが、今になって生きてきた!

 具体的には、財布・カード・口座は当然のごとく分け、経費の基準も明確にし、クラウド会計ソフトを『MoneyForwardクラウド』から『freee』に変更。仕事に関わるお金の入出金を一元管理、かつ自動記録の設定をしておいたため、書類作成がすいすい進んだわけでございます。

 正直に言って、会計ソフトを変えたことによるメリットは、一面的なものに過ぎないと思います。ただ、当時の自分には難しく感じられた『MoneyForwardクラウド』と比べると『freee』はたしかに使いやすく、わかりやすかった。「初心者向け」という一点では、おすすめできるソフトかと。

 ──というわけで前置きが長くなりましたが、本記事では『freee』を使ってみての感想を、過去に利用したクラウド会計ソフトの印象と合わせて、ざっくりとまとめました。

初心者はやっぱり、会計ソフトと参考書籍の合わせ技

 先ほども軽く触れたように、今年で確定申告をするのは4回目となる自分。1年目は「中途退職者」としての簡単な申告だったため、インターネットで調べるだけで事足りたのですが、翌年以降はそうもいきませんでした。

 「アフィリエイト収入があるフリーランス(ほぼ無職)」だった平成26年度は、ちょうど白色申告者にも「記帳」が義務化された時期。

 「“記帳”ってなんぞ?」というレベルで知識がなかったために不安に感じ、あれこれ調べたうえで『やよいの白色申告オンライン』を使ったのでした。

 開業届を提出して迎えた昨年は、初めての青色申告。

 そのまま『やよい』のお世話になるのもありかなーと考えつつも、初の “青色” でいろいろ不安に。今後のためにも勉強は必須、ソフトもいろいろ試したほうが良いのではないかと考え、『MoneyForwardクラウド』を利用した格好です。

 そのように毎年、異なるソフトを利用するなかで欠かせなかったのが、各サービスに対応した参考書籍でした。

 会計の基礎知識がある人や、ネット上の “正しい情報” を判別できる人には必要のないものでしょうが、ド素人の自分には必須ツール。やっぱり、頼りになるのは本でござる。

 特に『やよい』と『MoneyForwardクラウド』に関しては、それぞれのソフトに対応した公式ガイド・ハウツー本が500〜1,000円程度で販売中。基本的には本の指示どおりにするだけで書類作成ができるので、前年・前前年はお世話になりました。

 厳密には最低限の会計知識が必要な場合もありますが、それはまた別の本で勉強した格好。詳しくは上記記事を参照ください。

 そして今回、『freee』を利用するにあたって再読したのが、この『ひと月3分、ムダ0確定申告』

 とにかく「短時間で確定申告を済ませる!」ことに特化した他の本とは異なり、「普段から簡単な作業・準備をすることで確定申告を効率化する」ことに主眼を置いた内容となっています。

 1年前の辞典であらかじめ本書を読み、お金の管理方法や経費の考え方、決算に向けた準備などのポイントを抑えておいたことで、此度の書類作成がスムーズに進められたのは間違いありません。読んでいなかったら、きっと今も頭を抱えながらネット検索していたはず。

 会計の基礎知識から幅広く説明されているので、『freee』を使って確定申告に臨もうという人はもちろん、それ以外の会計ソフトユーザーの参考にもなるかと(僕自身、昨年参考にしましたゆえ)。ともあれ、初めて確定申告をする方には、「ソフト」+「本」の合わせ技がおすすめです。

「自動で経理」と「質問に答える」だけで、カンタン書類作成

 『freee』の特徴と言えば、入出金情報を自動で取りこみ仕訳してくれる「自動で経理」機能。

 これは、銀行口座やカードの履歴を読み取るだけでなく、その内容まで推測して勘定科目を入力してくれる優れもの。今年の書類作成がちゃちゃっと終わったのも、主にこの機能のおかげかと。

 一方で、作業の効率化がメリットとして挙げられがちな『freee』ではありますが、その魅力はまた別の部分にあるとも思います。それは、「会計知識がなくても感覚的に使える」ということ。

 ざっくりと言えば、貸方と借方、勘定科目がどうのこうの──といった簿記の知識がない人でも、迷うことなく入力できるインターフェースが魅力。実際、他の会計ソフトでは何度もヘルプを見ないとわからなかった部分が、『freee』ではほぼ悩むことなく操作・入力することができたので。

確定申告 freee

 ただし、これはデメリットであるという指摘もあります。

 あまりに感覚的に使えてしまうため、会計知識が身につかない、いざ必要となったときに困るのではないか──と*1。「確定申告ができればそれでいい」ということなら問題はありませんが、本を読むなどして勉強しておいても損はないと思います。

 また、「帳簿のフォーマットで会計知識を学びながら確定申告に臨める」という点では、『やよいの白(青)色申告オンライン』が初心者向けの鉄板サービスという評価を得ている様子。僕自身、最初に触れた会計ソフトが『やよい』だったので、これには納得。副業ブロガーさんにおすすめ。

確定申告 やよいの白色申告オンライン
やよいの白色申告オンライン

 少し話が逸れましたが、「継続的に会計ソフトを利用し、年度末の確定申告をスムーズに終わらせる」という点を重視するのであれば、たしかに『freee』は便利。それは間違いないと思います。今回こうして書類作成に当たってみて、その利便性を実感しましたゆえ。

 「自動で経理」はもちろんのこと、同様の取引内容・取引先・勘定科目などはテンプレート登録が可能なため、手入力も快適。月々の収支も期間別に参照でき、損益はグラフと表で一目瞭然。さらには見積書・発注書・請求書もサービス上で作成でき、その内容も取引として自動記録。

 確定申告のみならず、フリーランスの普段使いにも便利なサービスとなっています。

確定申告 freee

 ──で、肝心の確定申告もちょちょいのちょい。

 まずは、この1年間にわたって自動記録された取引と、カード払いで使った経費を確認・整理・修正しつつ、データ外の領収書を手入力。そのうえで、「確定申告」メニューから案内に従って進みます。

確定申告 freee

 あとは、質問に答えていくだけ

 必要に応じて情報を入力し、「ふるさと納税」「国民年金」「国民健康保険」といった控除の有無も確認したら、あら不思議。わずか10分たらずで申告書が完成してしまったのでした。これにはボブもびっくり。──ね? カンタンでしょ?

確定申告 freee

 そんなこんなで、あとは郵送なり税務署へ持参するなりで提出すれば任務完了。昨年の苦労はどこへやら、予想外にスムーズかつ余裕を持って作業に取り組めたのでした。わぁい!

 どの会計ソフトを選ぶかは好みにもよるとは思いますが、初心者が最初に手を付けるなら『やよいの白(青)色申告オンライン』で、簿記の知識がある人ならば『MoneyForwardクラウド』を、フリーランスの普段使いには『freee』がおすすめ……というイメージかしら(※個人の感想です)

 さすがに4回目ともなると慣れてきて、今年はいろいろと気づきもあった確定申告。来年はより効率化を図るべく、もうちょっと普段からお金まわりを意識しようと思ったのでした。せめて、自分がいくら稼いでいるかくらいは知っておかないと……。あまり無頓着すぎるのも考えものみたい。

「freee」の詳細はこちら

 

付録:書類作成に際して参考にしたリンク

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