個人的に寝心地の良い場所ベスト5


 「ニンゲン」という生きものは不思議なもので、いつでもどこでも寝ることのできる人がいれば、自分の家のオフトゥンでしか快眠を得られない人もいらっしゃる。

 マイまくらがなければ眠れない人もいる一方で、歩きながらでも意識を飛ばすことのできる人も少なからずいるらしい。大学のサークル合宿に行ったとき、酒を飲みながらペチャクチャ喋っていた友人が、次の瞬間にはイビキをかいて爆睡している姿には驚愕した。お前は、のび太か。

 

 僕個人は、旅先で「ちょっと寝づらい……」ということはあれど、基本的にはどこでも寝られるタイプの人間です。さすがに立ちながらは無理だけど。

 特に「睡眠」にこだわりがあるわけではありませんが、なんかふと思い立ったので、個人的に「ここは寝やすい!」という場所を5つ、挙げてみました。

 

5位 山手線の電車内の席の端っこ

 金曜夜によくいるじゃないっすか。電車の席の端っこに座り、頭で壁に寄りかかって爆睡しているオッサン。あれが、私だ。

 バスでもなく、飛行機でもなく、はたまた船でもなく。公共交通機関の移動中に眠るのなら、電車の席の端っこがベスト。特に、最近の山手線の壁は頭をくっつけやすくて素晴らしいのです。……まあ、あんまりキレイではないでしょうが。

 

 端っこの席以外では隣の人に寄り掛かりかねないため、眠るとしたら膝上の荷物に腕を乗せて、頬杖をつく感じにせざるを得ないのが厳しいところ。背後の窓ガラス部分は隅っこ以上に汚れてそうだし、真後ろに首を反らすとイビキをかきやすいので推奨できない。

 ゆえに、電車内で眠るなら席の端っこ部分が最適なのです。とは言え、あまりにスペースを取っていたり、ズゴゴゴゴ……と地の底から響き渡るようなイビキをかいていたりする人も少なくなく。「電車内での睡眠」はマナーとして気にする人も多いので、ほどほどに。

 

4位 学校の机

 

 僕が小学生の頃はさすがにチョークは飛んでこなかったものの、授業中に爆睡していると、先生に学級日誌でスパーン!とぶっ叩かれることはそこそこございました。まあね、ギャグみたいなもんだからね。音的にもハリセンっぽいしね。

 今でも不思議なんだけど、学校の机ってどうしてあんなにも寝やすいんだろう? 高さやサイズがしっかりと合っていて、平常時に「正しい姿勢」を作れるだけでなく、突っ伏しても「楽な姿勢」になれるから……なのかしら。両腕を前に出してその上にマイヘッドを乗せれば、あっという間に夢の世界へスリーピンですよ。

 

 長時間にわたって爆睡するには腕が痺れてきて厳しいけれど、逆に「仮眠向き」の睡眠スタイルとして優れているのかもしれない。数十分でも目を瞑ってうつらうつらすることで、いい具合に休憩できて目が覚めるような。で、体育の時間に全力投球するのです。わはは。

 別にね? 授業がつまらないんじゃないんですよ? あれあれ、部活疲れです。決して昨晩、夜遅くまでポケモンを育てていたとか、そんなことはございませぬ。たぶん。

 

3位 ビジネスホテルのベッド

 割高じゃなくて良いんです。一般的なビジネスホテルの、表面は固いけれど妙に弾力性に飛んでいる――じゃなくて富んでいる、あのベッドが良いんです。子供じゃあるまいし、旅先でテンション上がってベッドの上でボヨンボヨンなんてしませんよ。パンツ一丁でダイブはするけど。

 子供の頃はあの“固い”ベッドが慣れず、旅行のたびに寝不足で翌朝を迎えていたのだけれど。大学生くらいの年齢になる頃には、むしろそれが好きになっていた感じ。夜行バスやら青春18きっぷやらで移動して、日中は観光し、疲れた身体にあのベッドは癒やされる。

 あの、“固いベッド”が恋しくなったら、それはきっと旅立ちの合図。さあ、いざ夜行バスのチケットでも青春18きっぷでも何でもいいから確保して、どこぞの観光地をぶらぶらして、最後にビジネスホテルの部屋でパンツ一丁になってフィーバーしませう。夏はこれからだ!

 

2位 寝湯

 横になった状態で湯に浸かれるとか、ここは天国か。テルマエもびっくり。

 「お風呂」の素晴らしさに気づいたのは、働き始めてしばらくしてから。肉体労働でヘトヘトになった身体を癒やすべく、電車で30分以上もかかるスーパー銭湯・温泉施設を訪れてみたら、身体どころか、なんと精神までリフレッシュしてしまったではないか。ミサトさんは正しかった!

 中でも初めて見て驚いたのが、この「寝湯」の存在。場所によって、大理石なんかにチョロチョロと少量のお湯を流しているだけだったり、しっかりと全身が浸かるくらいまで深かったりするけれど、個人的には“チョロチョロ”派です。季節にもよるけれど、程よく身体が温められて、すんごい心地よい。嗚呼……意識が遠く……。

 

1位 我が家のマイベッド

 

 うちのベッドはどこで買ったか忘れちゃったけれど、やっぱりどこよりも落ち着くのは、普段使いの一番多く夜を共にしている、我が家の部屋の、マイベッド。愛してる。

 これはもう「慣れ」の一言で片づけられるので、あれこれと言うまでもないかと。最終的には結局、“いつもの”場所なのです。ただいま。おかえり。今夜は離さないわよ。あっ、でも、夏場の寝汗はちょっと……。

 

1位 お布団

 

 神はこの世に天使を遣わした。日々、精神と肉体を摩耗させながらも労働に勤しむ現代社会人を守り導くべく遣わされた我らが守護天使、その名を――“オフトゥン”という。

 いやね、ベッドも決して悪くはないんですが、素材も場所も選ばず、どこにでも持ち出せて収納可能かつお手入れも簡単、そして何より、僕らを優しくその大きな身体で包み込むかのように休ませてくれる「お布団」は至高なのでございますよ。天使。いや、ネ申。

 

 旅先の宿泊場所として、ビジネスホテルは最低限の価格と質でもって疲れを癒してくれるだけでなく、どこか心躍るアトラクション的な空間でもありますが、どこよりも疲れがとれるのは、やっぱり旅館。

 もちろん、料理だとか温泉だとかもその一因としてはあります。……が、それらも引っ括めて最強なのは、「お布団&畳」のゴールデンコンビ。ふかふか&ふわふわ。僕らはただ、慎ましやかながらも圧倒的な“癒し力”を持つそれらにひれ伏すのみなのです。オフトゥンの前では、人間は、とてつもなく無力だ……( ˘ω˘)スヤァ...

 

 畢竟、オフトゥンはネ申。異論は認める。
 個人的には一度、ハンモック先輩のお世話になってみたいです。

 

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