ぐるりみち。

平成生まれのフリーライターのブログ。本・映画・マンガ・アニメの各種レビューに、旅行・グルメ・街歩き日記など。

1人でBARに入りづらい人のための「仮面BAR」なんてどう?

馬、BARデビューに失敗する

f:id:ornith:20131127163104j:plain「ちっくしょー!もうやってらんねーよ!かぁーっ!」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「おやおや、今夜は荒れてどうしたんじゃ?お馬さんや」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「おう、聞いてくれるか?ダンボーさんよぉ」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「何があったか、おじちゃんに話してみなされ」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「ほら、俺さ、1人で酒飲むときって、いつも自分ちじゃん?」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「だから気分転換と思って、BARデビューしてみようと思ったわけよ」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「ほほう!そいつは結構なことじゃあないか、洒落ておるのお」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「だろう?やはり男たるもの、ハードボイルドを目指したいわけよ」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「誰にも構うことなく、カウンターで独り、酒の味を楽しむも良し」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「愛らしい女性と2人、グラスを傾けながら語り明かすも良し」

f:id:ornith:20131127163104j:plainBARには、無限の可能性が溢れてるんだってばよぉ!

f:id:ornith:20131127203446j:plain「おぬしの言う『はーどぼいるど』は知らんが、まあ楽しそうじゃの」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「だろう?“君のたてがみと、このニンジンに乾杯”とかやってみてえよ!」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「で、行ってきたんじゃろ?どうじゃった?」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「……れな……た」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「ん?」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「入れなかったんだよ!店に!こんちくしょうが!」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「ハァ?」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「どきどきしながら、なんとか店の前までは行ったんだよ…」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「気持ちを落ち着けて、さあ入るぞ!って思ったら、そのとき…」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「通りがかったカップルの、女が、こう言ったんだ」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「『うわー!馬がBARなんか入ろうとしてるー!』」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「『似合わねー!小屋で干し草でも食ってろよー!くせー!!』」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「ってな……」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「かー、そりゃまあ災難じゃったのお」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「くそ、馬がBAR入ったっていいじゃねーかよ!!」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「それで、ずっとサラダばっか食っててもいいじゃねーかよ!」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「だって、草食系だし!!!!」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「ふむ、その通りじゃな」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「これじゃあもう、1人BARデビューなんてできねえよ…」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「人間ですら、初めての『ばー』は敷居が高いと言うからのぉ」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「馬の俺は、もう一生無理だ…馬刺しにでもならない限りは…」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「まあ待て、馬刺しとして生涯を閉じる前に、ちょっと考えてみようじゃないか」

 

1人BARはなぜハードルが高いのか

f:id:ornith:20131127203446j:plain「そもそも、なにゆえ『ばー』は入りづらいんじゃ?」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「そりゃおっさん、あんな洒落た所にいきなり入るのは緊張するぜ」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「お高いイメージあるし、静かだし」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「お酒の種類とかぜんっぜん詳しくねーし」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「バーテンさんとは何を話せばいいか分かんねーし」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「常連客ばっかで居心地が悪かったら嫌だし」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「俺、馬だし」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「もう無理ぽ……」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「馬よ、諦めたらそこで試合終了じゃよ」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「まあ確かに気持ちは分からんでもないが、考え過ぎじゃ」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「相手は、接客の『ぷろ』だということを忘れておるぞ」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「プロ?」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「そうじゃ、彼ら『ばーてんだー』の多くは、客の扱いに手慣れておる」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「職業柄、たくさんの客と接してきておるし、1人で来店した客も例外ではない」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「分からないことは聞けば良いし、話題も提供してくれるはずじゃ」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「逆に1人で静かに飲みたい時もその辺は察してくれるじゃろう」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「もちろん、全ての『ばーてんだー』がそうとは限らんがの」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「なるほどなあ…」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「ただ、まあそれを鑑みても入りづらいのはある気がするのお」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「ふぇっ!?」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「店としてその場所に在り続ける以上、常連客が生まれるのは必然じゃ」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「そうすると、そこには独特の空気感・雰囲気が生まれることもある」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「なんとなくそれを察して、初めての人が尻込みすることはあるんじゃないかの」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「常連のグループみたいなのができあがってたら俺、入れる気しないわ…」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「コミュ障だし、もう俺、馬刺しでいいや…

f:id:ornith:20131127203446j:plain「まあ待たんかい、わしに考えがある」

 

誰もがみんな一見さん!な「仮面BAR」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「要するに、入店の敷居をめいいっぱい低くすればいいんじゃ」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「どういうこっちゃい?」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「入る自信がないのなら、『自分』という個人を隠して入ればいいんじゃ」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「??」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「仮面をかぶるんじゃよ!!!!」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「ハァ??」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「入店時に仮面の着用義務を課した、『仮面ばー』を作るのじゃ!!」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「ごめん、さっぱり意味が分からない」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「一口に言えば、仮面舞踏会の『ばー』版じゃな」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「初めて行く場所に不安や緊張を感じるのは、自信がないからじゃ」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「何か間違ってしまったら、迷惑をかけてしまったら、やらかしてしまったら」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「そうしたらもうそこには行けないし、自分が嫌になってしまうじゃろう」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「ゆえに、隠すのじゃ!顔を!仮面で!!」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「はあ」

f:id:ornith:20131127203446j:plain“自分”という個人ではなく、仮面をかぶった“誰か”になること」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「これによって、入店の『はーどる』はかなり下がると思うんじゃがのぉ」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「そんなもんかねー」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「ふむ、特に日本人にとっては、“仮面”の効力は大きいかもしれんぞ?」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「なんで?」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「『いんたーねっと』の個人動画を見てみるのじゃ」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「『ゆーちゅーぶ』や『にこにこ動画』を見れば分かるはずじゃ」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「そこに動画を投稿している日本人は、『ますく』で顔を隠している者が多い」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「言われてみれば、ダンスとか歌とか、顔隠してる人多いな」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「そうじゃ、それは“自分”を隠したいからに他ならぬ」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「現実で暮らしている○○という人間が動画を投稿するのは、心理的に難しい」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「自信がないとか、知り合いに知られたくないとか、何かあった時のためとか」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「理由はそんなもんじゃろう」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「その意味で、“仮面”には人に自信と安心を持たせる効果がある

f:id:ornith:20131127203446j:plain「そのことを利用して考えた、“誰もが気軽に入れる『ばー』”」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「それが、『仮面ばー』じゃ!!」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「でもさ、その仮面をかぶった“誰か”が常連になったら、結局変わらなくね?」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「そこは、調整が必要じゃの」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「“入店時に仮面着用”という制約を設ければ、入店はしやすくなるはずじゃ」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「結果、常連客が生まれても、誰もが入れる雰囲気が作れていればそれで良し」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「もしくは、“同じ仮面は2度目以降の来店で使ってはいけない”とするかの」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「初回はひょっとこだった者が、次は『おばま』で現れるとか」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「仮面が違うから、二度と同じ仮面の“誰か”が訪れることはないわけじゃ」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「おもしろそう、とは思うけど、うまくいくかねー」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「今時は、ぶっ飛んだ『さーびす』で注目されれば勝ちじゃ」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「まず注目されて、あとはうまくいくように調整していけば良い」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「この際、『ばーてん』も仮面を付けて日替わりにすればいいかもしれんの」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「固定客と固定『すたっふ』のいない店、なかなかおもしろそうじゃ」

 

馬、BARデビュー、再挑戦

f:id:ornith:20131127163104j:plain「仮面BARか…そのBARなら、馬の俺でも行けるかね?」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「もちろんじゃとも!個人も人種も品種も関係ないんじゃ!」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「よっしゃー!元気出てきたぜー!おっさん、俺、がんばるよ!

f:id:ornith:20131127203446j:plain「おう、それはよかったのぉ」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「仮面BARはいつできるか分からないからアレだけど」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「せっかくだし、がんばってBARデビュー決めてみせるぜ!」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「うむうむ、その意気じゃ」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「そして、ゆくゆくはかわいい女性と良い雰囲気で…うふふふふ」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「……時に、馬よ」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「なんだい、おっさん?」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「おぬし、意中の牝馬がいるのかや?」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「は?あんな馬臭い雌はいらねーよ」

f:id:ornith:20131127203446j:plain(馬が何を言うか…)では、如何なる女性を所望じゃ?」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「人間に決まってるだろー!いやー、最近の人間は、脚のラインがたまらんよ!」

f:id:ornith:20131127203446j:plain(さっきはたてがみがどうとか言ってたが)

f:id:ornith:20131127163104j:plain「魅力的な女性と酒を飲んで、俺の背に乗せて家まで送るのが夢だったんだ」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「牡馬として冥利に尽きるね!」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「……馬よ、“道路交通法”って知っておるか?」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「は?それがどうした?」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「酒酔い運転は違反じゃぞ」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「いや、俺、馬だし、運転しねーし」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「馬は、軽車両扱いじゃぞ?」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「……つまり?」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「酔っぱらって、馬に乗って移動するのは、道路交通法違反じゃ」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「……………」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「いや、でも、運転させないで、乗っけるだけ、送るのは俺だし……」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「そんな図体のデカい酔っぱらいが、酔っぱらいを乗せて道を歩くのか」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「いや、でも……」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「諦めよ、酒は家で楽しむものじゃ」

f:id:ornith:20131127163104j:plain「……………」

 

 

 

f:id:ornith:20131127163104j:plain「うわああああああん!!!!ばかああああああああ!!!!」

 

 

 

f:id:ornith:20131127203446j:plain「……行ってしもうたか」

f:id:ornith:20131127203446j:plain「そもそも馬って、酒飲めるんかいの?」

 

 

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