近くて遠いようで、やっぱり近かった、山梨。
シルバーウィーク中の2日間を使って、アラサーの男3人でぶらりレンタカー旅に行ってきました。思いのほか移動時間が長かったのと、目的地に着いたら着いたで全力で満喫していたこともあって、ほとんどメシの写真しかねえ!
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富士山を望む湧水地・忍野八海
旅の足は、レンタカー。9:30頃に車を借り、いざ行かんと中央自動車道に乗ったしばらく先で事故渋滞に巻き込まれ、サービスエリアでなぜかオムソバをかっ喰らい、山梨県内に入ったあとも下道をゆったりまったり移動。
県内の道路沿いでやたらと目に入る自動販売機コーナー「ハッピードリンクショップ」に戦々恐々としつつ(ネーミングがなんか怖い)*1、最初の目的地に到着したのは15:00前。なにはともあれ、晴れてよかったでござる。
Googleで検索すると、銭湯の壁面にデカデカと描かれているFUJIYAMAをまるで実写化したかのような写真が数多く目に入る、忍野八海。
富士山の雪解け水を源泉とする湧き水によって構成される池で、国指定の天然記念物、名水百選にも指定されているそうな。富士山の撮影スポットとしても人気で、カメラブログを書いている、いのっちさんの推しでございます。
記事冒頭の写真でチラ見えしているような日本家屋によって形作られた街並み……もとい、村並みは至極良い雰囲気。
村人らしい村人はほとんど目に入らず、道路沿いで野菜・果物を販売している家が多かった印象です。たくましさを感じる一方で、侵入を防ぐべくロープを張っているところもあり、観光地の光と闇の一端を目にしたような……。
忍野八海のひとつ、「湧池」。
おみやげ屋さんも立ち並ぶ、“八海”の中心地でございます。富士山が世界文化遺産に登録されたこともあってか、ツアーで訪れているらしい外国人旅行者の数がむちゃくちゃ多いように見受けられました。どこを見ても、人、人、人。
そういった事情は抜きにしても、池を覗き込んでみると……たしかに透明度がすごい!
写真上部を見れば、池の淵に立っている人の姿が映っているのも確認できるかと。水面が波打っていなければ、割と個人が判別できるくらいにくっきりと像が映るのではないかしら。
おみやげ屋さんでは、100円の焼き立て草餅をもぐもぐ。温かい草餅って食べた記憶がないけれど、香ばしくて良い香り。うまうま。
甲府市内をぶらつき、ゲストハウスで一泊
日も暮れる頃には、車で甲府市内へと移動。
市内では、春光堂書店さんで寄り道。定期的に店外で「まちなか読書会」を開催するなど、人と人との交流が生まれる読書活動も推進している書店さんだそうな。
パット見は普通の“本屋さん”ですが、出版社やジャンルに縛られない独特の陳列は、下北沢のB&Bさんなどをどこか彷彿とさせる雰囲気。クルミド出版の本が置いてある書店、初めて見た。近くにあったら通っちゃうんだろうな……。
日も落ちたので、晩飯を食べるべく市内をふらふら。
思わず「おっ」と立ち止まるような佇まいのお店を見つけたら閉まっていたり、ググッてヒットした人気店には行列ができていたり、出遅れた感を覚えつつも見知らぬ土地でわくわく。
結局、こじんまりとした大衆居酒屋へ。
甲府が発祥だというB級グルメ、鳥もつ煮が大当たり。焼き鳥っぽくもあるけれど、程よい弾力を持ったお肉に馴染んだ甘辛タレは、白飯のおともにぴったり。僕はビール党ではございませぬが、これは間違いなくビールに合う*2。マグロの漬け丼もうまし。
地元のうまいもんに舌鼓を打ったあとは、軽く山を登った先のゲストハウスへ。街灯も人通りも、それどころか車すら全く通らない山道を走ってたどり着いた先も、当然のように真っ暗。
日中は、さぞきれいな景色が見える場所なのでしょうが、暗くてそれも叶わず。翌朝が早いこともあり、宿のみなさんと交流する時間もなく寝ようとするけれど、なかなか寝られず。浅い睡眠と覚醒を繰り返し、気づいたら朝になってました。だいじょぶ、なんとかなる。
ほったらかし温泉にて、お湯と眺望と朝ごはんに癒される
朝4:30、まだ暗いうちに出発。
白む空を見上げながら車を走らせ、ほったらかし温泉に到着したのが6:00頃。駐車場には、すでに車がいっぱい。さすがの人気ぶりでござる。
日の出の1時間前にオープンし、夜22:00まで営業。
温泉は正面に富士山を見上げる「こっちの湯」に加えて、甲府盆地を見下ろす「あっちの湯」が大人気。夜には眼下に広がる夜景と頭上の星空を満喫できるほか、元旦には初日の出を見に大量の人が押し寄せるとか。
お風呂の中は撮影禁止なので、外側から。奥に見えるのが甲府盆地で、写真左方面から徐々に昇っていくお日さまを見ながら温泉に浸かることができます。「お風呂から見える風景」という一点で言えば、自分の中では過去最高の場所でした。この世の涅槃は山梨にあった。
「とは言え、ただの景色じゃん」というツッコミもわかる。お風呂がさほど好きでない人なら、「わーすげー」で終わっちゃう程度かもしれない。
ただ、空の色や雲の流れの移り変わりを見ているだけでも楽しめるし、空気の変化によって遠くの山々が徐々にはっきりと見えるようになってくる。
太陽の位置によって色合いを変える街並みや、そこから響き渡る音なんかも聞こえたりしてきて、写真のような一枚絵で終わらない。過ぎゆく時間に歩調を合わせて変化する風景の美しさが、そこにはありました。
入浴料は大人800円。
シャンプーとボディーソープは備え付けのものがありますが、タオルは自分で持ってくるか、現地で購入するかになります。次は夜景を見るために、絶対に再訪しよう。
お風呂の外には休憩スペースと食事処があり、朝食をいただくことが可能。こちらの「気まぐれ屋」さんのメニューは500円の「朝食セット」のみですが、お風呂あがりの人たちが行列をなすくらいの人気っぷりでございます。
ご飯に味噌汁、生卵に納豆、そして漬け物という、“ザ・日本の朝食”と言わんばかりのシンプルメニュー。……だがしかし! これが! むちゃくちゃうまい!!
おそらく、何割かはシチュエーションのせいもあるのでしょう。でも、朝にほったらかし温泉を訪れるならば、風呂に入ってからこの“朝食”を食べるまでを含めてこそ、“温泉”を満喫したと言い切れようもの。そのくらいに美味。
ほっかほかの白飯にたまごを混ぜ混ぜするのは王道で安定の“朝ごはん”でございますが、何よりも美味しいのはお味噌汁! ぷりっぷりのシメジやとぅるっとぅるのナメコといったキノコ類はもちろんのこと、香り豊かなお出汁と葉物が鼻腔に抜けて癒される。
意外と量も多めになっており、他のTKGや納豆と合わせて啜りつつも、最後はお味噌汁でフィニッシュできるくらいの汁の量。シンプル・イズ・ベストを体現したかのような“日本の朝食”っぷりに、これには思わず寝不足の僕もにっこり。このままスヤァしたい……。
というわけで、ざっくりとした山梨レンタカー旅の感想でした。
――いや、実際にはその後、甲府市内に戻って散策したりなんだりのうえで帰途についたわけですが、自分は寝不足がたたってダウンしておりまして。
帰りも運転は任せてしまい、僕は後部座席で「うぐぬぬぬぬぉおぉおん……」なんて寝息をたてていたのでございました。朝は大丈夫だと思ったんだけど……いかんせん、温泉と朝食に癒やされすぎて、「もう休め」という心の声に打ち勝てなかった。うん! ぼく! ねる!
なので、早朝のほったらかし温泉を訪れる際には、前日の睡眠を確実なものにして体調万全な状態で向かうか、お風呂あがりに仮眠を取ってから移動したほうがいいのかもしれませぬ。ほら、ゲームでも強力な技を使ったら、しばらく動けなくなるやん? そのくらいの反動があった。
なにはともあれ、次に訪れるならば夜かしら。もしくは早朝にひとっぷろ浴びて、日中は県内を散策、夜に再び夜景を見るために引き返してくる感じ。……うおお、最高の休日の予感がするべさ。おそらくはそう遠くない日に、山梨アゲインしよう。
よくよく考えてみれば、誰かと一緒に泊まりで遠出をするのも久しぶり。やっぱり一人旅とは違った楽しさと刺激があったので、また機会があればぜひぜひ。お疲れさまでした!
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*2:車の運転があったので、この日は飲まず。